お正月に欠かせない「松」は英語で”パイン”!?パイナップルとの関係や杉やヒノキの英語表現も含めてご紹介します。
今回は、お正月に欠かせない「松」を英語で何と言うのかご紹介していきます!そもそも松とはどういった木なのか、あらためて聞かれるとわからないことも多いのではないでしょうか。
海外の方に松を説明する場合は、松の特性について知っておいた方がいいかもしれませんね。ということで、松の特性についても解説し、他のポピュラーな木についてもご紹介していきます。
松 について
松は、植物学的に言うとマツ科の針葉樹です。「松」と名前が付くものでも属が異なるものもあるため、一般的にはアカマツやクロマツ、ゴヨウマツ、ハイマツなどを指します。
松と言えば、皆さんに最も馴染みがあるのは松ぼっくりではないでしょうか。松かさとも言いますね。現在わかっているだけでも、約93の品種があるそうです。ちなみに、建築材として使われているのはアカマツとクロマツが代表的です。
松は日本を代表する木と言われており、その証拠にたくさんの言葉が松から発生していると考えられています。例えば、「待つ」は松の木に神様が降りることからできた動詞だそうですよ?
また、私たちが普段目にする松は建築材としてだけではなく、杭や木箱、木造船などになります。意識していないだけで、案外周りに松はあるのかもしれません。
松 英語表現
では、「松」を英語でどう言うのか見ていきましょう。
pine
「松」は、タイトルにもある通りpineと書きます。パインというと日本ではパイナップルのイメージが強いので、外国の方が英語を話された時には間違えないようにしましょう。Pineは、マツ科マツ属(Pinus)の常緑樹の総称を表しています。
彼は松が生い茂る丘の近くに住んでいたんだ
ちなみに、pinyと綴ると「松に似た」という形容詞になります。名詞と一緒に覚えておきましょう。
nut pine
「松」は、nut pineと言うこともできます。実が食べられるチョウセンゴヨウなどを示すことが多いです。
松と竹の違いを教えてくれませんか?
pineappleとの関係は!?
「パイン」と言えばパイナップルを思い浮かべてしまいそうになりますが、英語のpineとpineappleは違うのでしょうか。
Pineappleは「パイナップル」の綴りです。なぜpineとappleがくっつけられた形でパイナップルと言うのか。それは、パイナップルが松ぼっくりのようなリンゴだと表現したからではないかと言われています。確かに、パイナップルは松ぼっくりと似ていますし、フルーツなので追加でリンゴを付けたのもわかりますね。
ところが、別の説にはもともとpineappleが松ぼっくりを表していたという話もあります。現在、松ぼっくりはpineconeと呼ばれているので、昔は呼び方が違ったのかもしれません。
Pineappleは当時からpineappleというスペルだったため、これでは松ぼっくりとパイナップルの区別が付かないと議論になり、結果として松ぼっくりの方のスペルが変わったのだとか。
驚くべきことに、この問題には西暦まできちんとわかっているそうです。まとめると…
1398年にpineappleを松ぼっくりと決めたものの、そこからイギリス人がパイナップルを知り1664年にpineappleはパイナップルであると決めた。けれど、そこでpineappleが松ぼっくりとパイナップルの2つの意味を持つことになったため「pineapple = パイナップル」、「pinecone =松ぼっくり」と決め直した。
こういうことです。日本でも、パイン材と言う時には松ぼっくりを指すので少しややこしいかもしれませんね。
えっとね、パイナップルはフルーツで、松ぼっくりは違うの
動詞形としてのpine
Pineは英語で「松」という意味ですが、実は同じ綴りで動詞もあります。意味は「存在しないものや人を望む」です。英英辞書では以下のように書かれていました。
have a desire for something or someone who is not present.
私はソウルメイトを強く望んでいるの
この例文では「望む」と訳しましたが、使われている動詞がpineであるため、ソウルメイトは現在存在していないことを含んでいます。その存在を望んでいる時点で現在それが存在していないことは明らかですから、わざわざ「現在存在しないソウルメイト」と訳さなくても伝わるでしょう。
おまけ 松と同じく親しまれる杉と檜の英語表現
日本は木が多い国ですよね。松と同じくらいよく耳にする親しみがある木は、杉と檜ではないでしょうか。それぞれの英語での表現を見ていきましょう!
杉
杉は、英語で複数の表現方法があります。以下の3つをチェックしてみてください。
・cedar tree
・Japanese cedar
Cedarの発音はアメリカとイギリスで異なり、アメリカ英語ではsíːdɚですが、イギリス英語だと síːdəとなります。
杉花粉に悩まされる人も多いことから嫌われている木かもしれませんね。その花粉は英語でpollenと言うので、杉花粉と言いたい場合はcedar pollenと表現します。
日本には日本杉がどれくらいあるの?
せっかくこの例文を示したのでその正解を述べておくと、現在日本の森林面積の約18%を杉が占めています。人工林の中では一番多いのですが、杉花粉が問題になっている中、なぜここまで多いのでしょうか。
その答えは、戦時中に大量の木材が必要になり、木材不足を補うために杉が植えられたからです。
家がなくなるなどしたら、その復興には木が必要ですからね。その時には大量の木が切り倒されて木材不足になってしまいました。そこで杉が活躍することになったのですが、杉は早く成長し、加工もたやすいため木材として優秀でした。戦後、日本は高度経済成長に入り建物がたくさん建てられるようになり、さらに杉は増えていったのです。
現在杉花粉を飛ばしているのは、そんな中に植えられて必要がなくなった杉です。国産の杉よりも海外の杉の方が安くて需要があり、植えた杉は一部植えられたままになってしまい現在にいたるというわけです。
杉花粉問題を解決するために伐採したらいいではないかと思うかもしれませんが、伐採しないのにも理由があります。主に土砂崩れなどの災害対策や、地球温暖化対策、林業関係者の仕事上の都合、だそうです。
ただし、杉は悪いことばかりではありません。先述した通り、木造住宅に多く使われているからです。日本は木造建築がとても多いですよね。木が未だに人気なのは、木のぬくもりを感じられる家を欲している人が多いことに起因しています。
ちなみに、割り箸も杉から出来ています。線香も杉ですし、松と並んで私たちの身近にある木となります。
檜
檜も日本人の生活に寄り添う木ですよね。英語では以下の3つが使われます。
・Japanese cypress
・hinoki
そのままローマ字で書いても構いませんが、どういった木なのか伝わらないこともあるためその特徴を英語で言えるようになっておくと良いでしょう。
ローマ字で書くのは、檜が日本や台湾などの限られた地域にしか分布していないからです。海外の文化圏でなかなか見かけないものはその言葉自体がないため、ローマ字表記にしているのです。ラーメンや寿司などもそうですよね。
檜と言えば「檜のお風呂」が有名ですが、こちらはcypress bathと言います。
I took a cypress bath in the hotel.
ホテルで檜のお風呂に入ったよ
杉に比べれば希少性は高いですが、針葉樹の多くを占めているためそこまで珍しい木でもありません。
最後に、松、杉、檜以外の木を英語でどう言うのかご紹介しておきます!
銀杏…a ginkgo
樫…an oak
桐…a Paulownia
楠…a camphor tree
クヌギ…a sawtooth tree
栗…a chestnut tree
胡桃…a walnut tree
欅…a zelkova
家を建てる際に選ぶ色合いの中でチェストナットやウォールナットは出てきますが、それ以外はあまり聞きなじみがないかもしれませんね。そもそもどういう見た目だっけ…?と思った方は、海外での分布と合わせて調べてみてください。木材を扱う仕事では使う英単語なので、建築関係の方は名詞の語彙力を上げるためにも覚えてみてくださいね。
まとめ
「松」は英語でpineでしたね。ついでに松ぼっくりがpineconeであることもセットで覚えておきましょう。パイナップルとの意外なつながりも、一度知ると混乱が少なくなると思います。
音として知っていてもスペルを見る機会が少ないと「ピンアップル」と読んでしまう方もいるので注意しましょう。オックスフォードの語学学校内にあるカフェテリアで私も見かけたことがあるので、覚えておいて損はないと思いますよ!

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.