英語で「考える、思う」と言いたい時、多くの人がthinkという動詞を使います。小学生で習う基礎的な単語ですね。
もちろん、thinkはネイティブも日常的に使う単語なので、多用することは何ら問題ではありません。しかし、英語上級者の道を目指すのなら、「考える、思う」を表す単語は複数身に付ける必要があります。
というのも、「考える、思う」は「確信の度合い」や「考え方」によって使う単語が変わるからです。
また同じ単語をあまりに多用してしまうと、語彙力の無い人と思われてしまい、特にビジネスシーンではマイナスな印象を与えがちです。
今回の記事では、「考える、思う」を表す単語を、いくつか紹介し、その使い分け方を解説していきます。例文も用意しているので、ぜひコピーして次の英会話や英作文の機会に利用してみてください。
直感的な”考える”
最初は「直感的な考える」を見ていきます。
これから紹介する3つの単語は、「根拠は無いけど、自分はそう思う」というニュアンスを出したいときに使えるものです。
明確な証拠も無いし、間違っているかもしれないけど、自分の感覚としてはこう思うよ、という感じですね。
さらにこれらの3つの中でも、ニュアンスや確信度が微妙に異なるので、そこに注意して見ていきましょう。
think
まずは最も使用頻度の高いthinkを、もっと細かく見ていきます。
thinkは、「あくまで自分の見解だけど、これが自分の意見です」という感覚で使われます。そこに明確な理由付けはあるけれど、主観的で話し手の感覚が頼りになっていることが多いでしょう。
I think Ruben will be here. He doesn’t work the night shift on Friday.
ルーベンは来ると思うよ。彼は金曜日は夜勤が入っていないから。
パーティーなどの何かの集まりでの一言です。
話し手は「ルーベンが来る」ということを主張しています。しかしその理由は「夜勤が入っていないから」というものです。
夜勤が入っていない=確実にパーティーに現れる、というわけでは無いので、これはあくまで話し手の感覚による主張であることが分かります。
そのためここでは、thinkくらい緩い表現がふさわしいでしょう。
Do you think the next exam will be a tough one?
I don’t think so. We’ve only covered 3 chapters.
次の試験は難しいかな。
そんなことないと思うよ。3チャプターしか授業でやってないし。
2人目の話者のI don’t thinkに注目します。
この人が次の試験がむずかしくないと思っている理由は、3つのチャプターしか授業でやっていないからということです。
それだけで試験が簡単になるとは限らないので、これも話し手の予測の域を超えていません。そのため、ここでもthinkくらいの強さの単語がちょうどよくなります。
suppose
supposeは「仮定する、想定する」という意味で扱われることが多いですが、thinkの代用として「考える、思う」としても使うことができます。
thinkとの違いは、確証、自信の度合いです。
thinkよりもsupposeの方が自信が無く、確信度に欠けています。話し手の感覚に頼った見解で、理由はあるけれどとても弱いものである場合がほとんどです。
では例文を見てみて、supposeの感覚をつかんでいきましょう。
I suppose Ruben will be here. He usually doesn’t want to miss parties.
ルーベンは来ると思うよ。彼はパーティーを欠席するのが嫌な人だから。
「パーティーを逃したくない人である」ということが理由になっていますが、主張の裏付けとしては弱いでしょう。
いくらパーティー好きの人でも、仕事を休んだり、体調が優れなかったりしたらパーティーには来ないでしょう。つまりここでは、個人的な考えを表すsupposeがちょうどよくなります。
You might need to take a break, I suppose.
休んだ方が良いんじゃないですか?
この例文では、話し手が相手に休みを取ることをすすめています。
日本語のニュアンスからも読み取れるように、理由は明確ではなく「なんとなく」です。なんとなくの自分の経験から言わせてもらうと、今は休んだ方がいいのでは?という提案をしているという感じです。
guess
「直感的に考える」の最後は、guessです。
guessは、「予測する」という和訳からも分かる通り、thinkやsupposeよりも確信の度合いが低いです。
根拠が全くない場合でもguessを使うことができるくらい、自分の感覚を頼りにしているニュアンスが出ます。
また逆に、自分の考えはちょっと違うけど、状況から察するにそうなんだろう、というような、自分の感覚に確証がない場合でもguessが使えることができます。このパターンの例文も紹介します。
I guess we don’t need to go to the bank anymore.
もうそこへ行く必要はないみたいだね。
この例文では、何かしらの理由で行くはずだった銀行に行かなくてよくなった状況を表しています。
この文章の話し手は、本当に銀行に行かなくてもいいのかどうか、確証を持っていません。まだ予測の域です。
「多分だけど、なんか行かなくてもよくなったみたいなんだよね」くらいのニュアンスです。したがって、後になってやっぱり銀行に行かなければいけなくなる可能性は十分にあります。
また、ここでthinkを使うとより確実になり、銀行に行かないことはほとんど確定といったニュアンスが出ます。
Is the party over already?
I guess so.
パーティーはもう終わり?
みたいだね。
パーティーが予想外に早く終わったときの会話です。2人目の話者がguessを使っており、この話者も意外に思っていることが分かりますね。「こんなに早く終わるとは思っていなかったけど、状況を見るともう終わりみたいだね」という感じが伝わってきます。
確信度が高い”考える”
続いて、think, suppose, guessに比べると、確信度が高い「考える、思う」を紹介していきます。
これから紹介する2つの単語は、確実な裏付けがあり、自分の考えに自信がある場合に使われます。
consider
1つ目のconsiderは、「考える、思う」という意味ですが、特に「~だとみなす」とか「考慮する」という、かしこまった意味合いがあります。
そのため、客観的な裏付けを伴った意見を主張するときによく使われる表現です。また、thinkなどと語順が若干異なるので注意しましょう。
We consider Eric Clapton one of the greatest guitarists.
私たちはエリック・クラプトンが最も優れたギタリストの1人であると考えている。
「consider A B」で、「AをBだと考える」という言い方ができます。この構文の場合は間にtoやasなどが入らないので気を付けましょう。
そしてニュアンスですが、個人の考えというよりは、大多数の人が同じ意見であることを前提とした意見である感じにあります。客観的な意見っぽさがでますね。そのため主張の強さでいうと、かなり強めです。
I consider that he did the right thing.
彼は正しいことをしたと思っています。
「consider that~」とすることで、「~だと思う」という言い方になります。
主語が「I」と個人である場合でも、客観的で多数派の意見であるというニュアンスが含まれます。
明確で論理的な理由付けが言える、という含みがあるので、「なんとなくそう思う」という場合では使わない方が良いでしょう。
believe
believeは、「信じる」という意味ですね。歌詞などでも使われるためドラマチックな印象がありますが、日常会話でも「考える、思う」という意味で使います。
thinkと使い方は全く同じですが、確信度が大幅に上がります。thinkの進化系と考えてよいでしょう。
I believe Ruben will be here. He said he bought a bottle of wine for this party.
ルーベンは来るはず。このパーティーのためにワインを1本買ったって言ってたから。
ワインをすでに買っているのなら、少なくともそれを届けるためにパーティーに現れる可能性は高いですね。そのため、確信度が高いbelieveを使うのがふさわしいですね。
Do you think the next exam will be a tough one?
I don’t believe so. The professor said it will be easier than usual.
次の試験は難しいかな。
そんなことないと思うよ。教授がいつもよりは簡単だって言っていたし。
試験を作る教授自身が簡単だと言っているのなら、ほぼ確実に簡単なのでしょう。そのため、この会話の2人目の話者はbelieveを使い、ほぼ確信的であるニュアンスを出しています。
深く”考える”
最後のカテゴリーは、「深く考える」パターンです。
「熟考する」「時間をかけて考える」といったような、頭を使って考えるニュアンスが出ます。
ここで紹介する3つは、「思う」とか「意見がある」というよりは、考える動作そのものにフォーカスを当てている感じです。
ruminate
ruminateは「思いめぐらす、黙ってじっくり考える」という意味がある自動詞です。
「反芻する」という意味もあることから、時間をかけて考えるというニュアンスがあることが分かります。英検1級以上の英単語であることから、日常会話ではあまり使われません。
She ruminated about the problems she had.
彼女は、彼女が持つ問題について思いをめぐらした。
まず自動詞なので、後に前置詞が必要です。About, in, onなどが使えます。
この文章では、主語の人が独りになって黙って考えているイメージになります。特に真剣な出来事について考えるときにふさわしい単語と言えるでしょう。
I need time to ruminate.
じっくり考える時間が必要です。
ruminateしたい、と言われたら、その人は独りにしてあげたほうが良いですね。若干ですが深刻なニュアンスもあるので、使う時は少し気を付けましょう。
ponder
ponderも同様に、英検1級以上のレベルの単語です。
「熟考する、思案する」という和訳で、何か結果や結論を導くためにじっくりと考える、という感じです。
ちなみにponderは自動詞と他動詞の2つの使い方があります。
They were pondering what is the best move to take in this situation.
彼らは、この状況における最良の行動を思案した。
次の戦略を頭を使って考える、といったニュアンスが伝わります。ponderの後に疑問詞が続くパターンが多いので、チェックしておきましょう。
The students pondered over the question that their teacher asked.
生徒たちは先生が尋ねた質問について、じっくりと考えた。
この文章からは、生徒たちがそれぞれ黙って、一生懸命考えているという印象を受けます。もちろん黙っている必要性は無いのですが、単語として黙って考えてるというイメージがあるということです。
contemplate
同じく「熟考する、じっくり考える」
contemplateは特に将来のプランについてよく考えるときに使われる単語です。ちなみに「予期する」という意味もあります。
contemplateも自動詞と他動詞の使い方があるので、気を付けましょう。
She is contemplating divorce.
彼女は離婚を考えている。
My dad was contemplating retirement.
私の父は退職を考えている。
We are contemplating moving to the US.
アメリカへの移住を考えている。
3ついっぺんに紹介しました。
これらの文章から分かる通り、将来の、比較的重大なプランについて考えるときによく使われる単語です。
I often contemplate the ocean.
私はよく海を静観する。
You sometimes have to contemplate your life.
時に自分の人生を静かに見守らなければならない。
contemplateには「静観する、見守る」という意味もあります。これらの文章のように、抽象的なものについて考えたり、瞑想したりするときにも使える単語です。
ややハイレベルな「考える、思う」を表す単語ですが、覚えておいて損は無いでしょう。
まとめ
今回8つの「考える」を表す動詞を見てきました。微妙なニュアンスの違いがあり、面白いと感じたのではないでしょうか。
英語上級者や教養のあるネイティブスピーカーはこれらの単語を絶妙に使いこなします。そしてビジネスシーンでは、その使いこなし方でその人の能力が測られることも一般的です。
「伝わればいい」の次のレベルの英語と言えるでしょう。今回の8つの単語を覚えて、ぜひ上級者の世界に足を踏み入れてみてください。
また、これらのニュアンスがイマイチ分からないという方は、ネイティブスピーカーに直接教えてもらうのが一番です。
ネイティブキャンプでは、24時間365日ネイティブスピーカーの講師や、ネイティブレベルの日本人講師とレッスンし放題です。
英語上級者の足掛かりになるはずなので、無料体験レッスンだけでもぜひ試してみてください。

◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.