今回は、英語でlemonにはたくさんの意味があることを解説していきます。lemonと言うと、すっぱくて黄色い果物というイメージがありますよね。しかし、ネイティブスピーカーがIt’s a lemon.と言う時には、レモン以外の意味で使っているかもしれないのです。文脈に応じてどのような意味で使っているのかわかるよう、以下で解説していきますね。
Lemonの意味とは
lemonには、もちろんレモンという意味もあります。しかし、他にも欠陥品や困難、魅力のない人なんて意味があるのです。
レモンというとさわやかで良いイメージを連想させますが、英語圏ではちょっと違うよう。ネガティブな意味を含む言葉が多いので、海外でのイメージとの相違を意識してみましょう。
欠陥品
lemonには、欠陥品という意味もあります。ネイティブが使う場合は車に対して使用することが多く、使い物にならない車という意味や、オンボロな車という意味で使います。
試しに英和辞書でlemonを引いてみました。
(主に米略式)不完全(不満足、無価値な)人(物)、欠陥商品(特に欠陥車)
こんな風に、英語圏の中でもアメリカで欠陥品という意味を使うことが多いようですね。また、欠陥商品と表記があるものの、かっこ書きで「特に欠陥車」とあります。
他にも、like a lemonと言うと、できそこないであることや、役立たずといった表現になります。
では、lemonを欠陥という意味で使っている例文を見てみましょう。
Last week, I bought a used car and found out that it is a lemon.
「先週中古車を買ったんだけど、欠陥車だとわかったんだ」
もしlemonが欠陥という意味であると知らなかったら、中古車がレモンだとわかったという文になってしまい、理解ができませんよね。中には文脈から意味を推測できる単語もありますが、この場合は知識として知っていないとなかなか難しいでしょう。
ちなみに、なぜlemonが欠陥品という意味になったのか。それは、レモンの酸っぱさが外見からではわからないから、という理由だそうです。
欠陥があったとしても、見た目からではわからないということですね。甘いと思って食べたらとんでもなく酸っぱくて不快に思う…そんな体験をネガティブにとらえたことから意味が派生していったようです。
他にもlemonの面白い豆知識があります。アメリカでは、lemon law「レモン法」なるものがあるのです。これは、品質や性能の基準を満たしていない製品を補償するための法律です。消費者保護法のことだと思えばわかりやすいでしょうか。
こちらも、単にlemonをレモンと思っていると、レモンに関する法律かと思ってしまいますよね。英語ならではの面白い表現です。
困難
lemonには、困難という意味もあります。上記で解説した欠陥品とほぼ同じ意味合いで使われるので、日本語訳をする際に、欠陥品では不都合がある場合に困難と訳す程度でしょう。
語源も同じで、レモンは見た目ではいい香りがしておいしそうなのに、食べてみると酸っぱいため期待外れであること、望ましくないものとして理解されています。
英語では、lemonを使ったこんなことわざがあります。
When life gives you lemons, make lemonade.
「人生に良くないことが起こったら、砂糖を加えてレモネードにすればいい」
直訳は、「人生があなたにレモンを与えたならレモネードを作れば良い」となりますが、意味がわかりませんよね。lemonは困難という意味ですから、つまりは「人生で良くないことが起こっても、良い方向に持っていけば良い」という意味になります。
良くないことをなかったことにしたり、ただ落胆するのではなく、良い方向にもっていけばいいと説いているところがいいですね!
魅力のない人
lemonは、魅力のない人という意味でも使われます。今までは、欠陥品や困難という訳でしたが、人である場合は日本語で人であるとわかる訳にしないといけません。基本的には先ほどと同じくネガティブな言葉であり、方向性は同じですのでさほど意味にとらわれる必要もないでしょう。
使うとしたらこんな感じ。
I don’t understand why she likes Jim. He’s a lemon, isn’t he?
「なんで彼女がジムのことを好きなのか理解できないよ。彼は魅力がないでしょ?」
He is a lemon.と言われた時、lemonが持つ意味を知らないと「彼はレモンだ」と、訳がわからなくなりますよね。人に対しても使える英単語であると覚えておきましょう。
ちなみに、レモンがここまで英語圏で嫌われているのは、どうやら見た目がおいしそうなのに実は酸っぱいという理由だけではないようです。
所説ありますが、スロットマシン説というものがあります。スロットマシンでレモンの絵が出てきてもなかなかそろわないことから、期待外れという意味がついてしまったのだとか。ただ、それを言ったらスロットマシンには他にも様々な絵柄があるため、なぜレモンだけピックアップされたのかと言われればよくわかりませんよね。
Lemon の使った表現
ここからは、lemonを使った英語表現について解説していきます。こちらも、lemonを果物のレモンと思っていると相手が変なことを言ったと勘違いしてしまうものです。そういう表現もあるのだなと覚えてみてくださいね。
do me a lemon
do me a lemonは、「まさか!」「冗談でしょ!」という意味です。信じられない時に使う表現で、このままフレーズで覚えて使えます。
A: I got a full score in math.
「私、数学で満点取ったよ」
B: Do me a lemon!
「冗談でしょ!」
相手は驚いた表情と共にDo me a lemon!と言うわけですから、言葉の意味がわからなくてもニュアンスは理解できますよね。しかし、対話しているわけではなく、小説などを読んでいる時には表情までわからないため、覚えていないと理解ができませんね。
hand someone a lemon
hand someone a lemonは、「~に嫌がらせをする」「(取引などで)だます」という意味です。やはり、lemonにはあまりいい意味がありませんね。直訳は、「~にレモンを手渡す」という意味です。handは名詞で手という意味ですが、動詞だと手渡すとなります。
Hey, listen. He always hands me a lemon. I hate him!
「ねえ聞いてよ。彼は私にいつも嫌がらせしてくるんだよ。大っ嫌い!」
レモンを手渡してきた人が実際にいたとしたら、日本人の感覚ではそんなに嫌味なことには思えませんけどね。ここも、やはり文化の違いから言葉の違いを感じられるシーンです。
「レモネード」は英語?
レモン関連で、海外でよく聞くレモネードもご紹介しておきましょう。レモネードは、英語でlemonadeと言います。昔、日本人がこの単語の発音をラムネと認識し、こちらでも広まっていることで有名です。
洋画や海外ドラマ、海外の小説を読んでいると時折出会うレモネード。こちらは、レモンの果汁にハチミツを加えて、冷水で割ったものです。日本でもレモンとハチミツの組み合わせの飲み物がペットボトル飲料として売られていますが、レモネードを日常的に飲むかと言われたら、そこまでメジャーではないと思います。
ただ、イギリスやオーストラリアではレモネードのことをSpriteと言ったりもします。こちらはレモンやライム風味の炭酸飲料のことで、レモネードと言えばこのSpiteという商品なのです。他にも7UP(セブンアップ)という商品も有名なので、レモネードは固有名詞で言われることもあるかもしれませんね。
lemonとは逆の良い意味で使われる果物がある!
lemonは、英語圏ではひどい扱いをされていることがわかりましたよね。ネガティブな意味を持つ果物の代表です。しかし、それとは反対にポジティブな意味を持つ果物もあるのです。それはpeach「桃」です!
peachには、素晴らしいもの、素晴らしい人という意味があるため、何かを褒める時に使われます。
先ほどは
He is a lemon.
「彼は魅力のない人だ」
なんて言い回しをご紹介しましたが、これをpeachに変えてみると…
He is a peach.
「彼は魅力的な人だ」
と反対の意味になります。
日本で桃というと、桃太郎が思い浮かびますかね。有名な童話として外国の方に話を英語で紹介してあげると、自身の英語の勉強にもなります。
英語を学んでいる外国人からすると、「どんぶらこ」が気に入らないそうですよ。なにせ、「大きな桃が川から流れてきた時にのみ使用するオノマトペ」なのですから。そんなシチュエーションないよ!と突っ込みを入れるのに、なぜか日本人全員がどんぶらこの意味を理解しているので面白いそうです。
すると、桃太郎はpeachというポジティブな意味合いを持つ果物から生まれたので、やはりヒーローとしては英語圏でも理解しやすい存在なのでしょうか。
まとめ
まさか、lemonにこれだけのネガティブな意味があるとはびっくりですね!同じ果物でも、日本人が抱いているイメージと、英語圏の方が抱いているイメージは異なることがあります。良かれと思って言ったことでも、お互いの文化を知らないと誤解を招くかもしれないので注意が必要ですね。You are a lemon.とは言われたくないですが、You are a peach.とは言われたいですね。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.