会話の流れをくみ取ることができなかったり、周りの人を気遣った発言ができなかったりする人のことを「空気が読めない人」と呼びます。
個人の主張よりも、全体の調和を重要視する日本人にとっては、「空気を読む」という感覚は重要ですよね。
この「空気を読む」という感覚は日本特有で、海外ではそのような概念が無い、と思っている人がいます。しかし実際は、そんなことはありません。 英語にも「空気を読めない」を意味するフレーズはたくさんあるのです。
今回の記事では、英語で「空気を読めない」をなんと言うのかを学んでいきます。
ちなみに、あなたがもし「アメリカ人には空気を読まずにガンガン自分の意見を言っていいんだ」という考えを持っているのなら、その考えを今すぐ修正することをおすすめします。
- 「空気読めない」は英語で?
- can't read the situation
- can’t go with the flow.
- can’t take a hint.
- read the room
- party pooper
- spoilsport
- まとめ
「空気読めない」は英語で?
ネイティブスピーカーの会話では「空気が読めない」を、「部屋を読む」「流れに従う」などの比喩表現を用いて表現します。
いくつか種類があり、知らなければその意味が解読不可能なフレーズばかりです。
それぞれのフレーズを、文法的な理解と、例文を使った解説に分けて学習していきましょう。
can't read the situation
1つ目はcan’t read the situationです。このフレーズが一番、日本語の「空気が読めない」に近いですね。
situationは「状態、状況」なので、直訳すると「状況を読む」です。日本語と同じように「読む」という単語が使われているので、覚えやすいでしょう。
「相手が不機嫌になっているにも関わらずにジョークを言い続けてしまった」「静かにしなければいけない場面なのに大声で話してしまう」などの、幅広い「空気が読めない」場面で使うことができます。
マイケルはそのジョークを続けたんだ、マリアは明らかに嫌がってたのに。あいつ本当に空気が読めないよ。
滑っているジョークを続けるという「空気が読めない」を代表するシチュエーションです。この例文のマイケルには、can’t read the situationがふさわしいでしょう。
オレが部屋に入った時、リサとジェフがいたんだけど、なにか真剣な話をしていたみたいだったんだ。空気を読んですぐに立ち去ったよ。
read the situationと肯定形にすることで、「空気を読む」という意味で使うこともできます。You have to read the situation. (空気を読まなきゃだめだよ)、I read the situation wrong. (空気を読み間違えた)というような使い方もできます。
can’t go with the flow.
flowは「流れ」という意味です。そしてgo with the flowは直訳すると「流れと共に行く」「流れに身を任せる」という意味になります。
流れに身を任せることができず、マイペースに振る舞ってしまうことは、つまり空気が読めないということです。
空気が読めない人の中でも、特に周りに合わせて動くことが苦手な人に対して使われるフレーズです。
can’t read the situationよりも、限定的な場面で使われるでしょう。
B: We just agreed to go to pizza place after 30 minutes of argument. Can’t you just go with the flow?
A:今はピザの気分じゃないんだ。どこか別のところへ行かない?
B:30分の議論の末に、たった今ピザ屋さんに行くことでみんな同意したんだよ。空気を読んでくれない?
「もうみんなしびれを切らしてるのが分からない?我慢してみんなに合わせてよ」というニュアンスが読み取れます。このようなタイプの空気が読めない人には、can’t go with the flowが最適でしょう。
B: He doesn’t really go with the flow. He always does whatever he feels like to do.
A:この間、有名なメキシカンレストランに行ったんだけど、ブラッドレイったらサイドメニューのピザとウィングスだけ頼んだんだよ。
B:あいつはあまり空気を読まないからね。あいつはいつだって自分がやりたいことをするんだ。
有名なメキシコ料理屋に行ってメキシコ料理を頼まない、というわが道を行くタイプの人がいますが、このような人に対しては「周りに流されない」という意味のnot go with the flowが使えます。
can’t take a hint.
can’t take a hintも日本語の「空気が読めない」に近いフレーズです。
take a hintのhintは「ほのめかしていること、手がかり、察してほしいこと」という意味です。そしてtake a hintは「気持ちを察する」という意味で使われます。
したがってcan’t take a hintは「気持ちを察することができない」、つまり「空気が読めない」という意味になるわけです。
「気が利かない人」というニュアンスでも用いられるフレーズです。
私がなんで新しくできたバーのことを話し続けてたのか、彼は全くわかってなかったの。彼ったらホントに空気が読めないんだから。
B: I just don’t feel like talking today. Please take a hint.
A:ねぇ、サラ。どうしたの?一日中僕のこと無視してるじゃん。
B:おしゃべりをしたい気分じゃないの。察してよ。
take a hintと肯定形・命令形でもよく使われます。この場合は「空気を読んで」以外に、「察してよ」という日本語訳がしっくりくる場合もあります。
B: Uhm… take a hint, buddy. That clearly means she is not into you.
A:ジェニファーがメッセージを返してくれないんだ。そろそろ次のデートをしたいんだけど
B:あー… お前、察しなよ。明らかに脈ナシってことだろ。
言葉で伝えるのではなく、「返信をしない」という行為で「あなたに興味がありません」という意思表示をすることは、男女の間ではよくあることです。そのような暗黙の了解を理解していない人に対して、take a hintと言うことができます。
read the room
read the roomも、「空気が読めない」を表現するのによく使われるフレーズです。ニュアンスはread the situationに近いでしょう。
直訳すると「部屋を読む」になり、比喩表現が用いられています。当然、部屋は読むものではないので「部屋の雰囲気を理解する」「その場にいる人達の会話や気分を察する」という意味です。
この表現の意味を知らずに、長文やリスニング、実践のネイティブスピーカーとの会話でread the roomというフレーズに遭遇したら、混乱してしまう人がほとんどでしょう。文脈で理解するのは、若干難しい英語表現です。
例文を覚えて、今のうちにしっかりと覚えておきましょう。
みんながその事故について真剣に話し合っているときに、彼はジョークを言おうとしていたんです。彼は空気が読めません。
don’t know how to read the room. (空気の読み方を知らない)という形で使われることが多いです。日本語訳は「空気が読めない」で問題ないでしょう。
B: Well, we were in the middle of a funeral ceremony. You need to learn how to read the room.
A:お母さん、「地獄のハイウェイ」を歌うことの何がいけなかったのかな?
B:えーとね、私たちはお葬式の真っ最中だったんだよ。あなたは空気の読み方を学ばないといけないわね。
read the roomには「空気を読む」だけでなく「その場の空気を読んでふさわしいふるまいをする」というニュアンスも含まれています。
party pooper
party pooperは、空気が読めない人の中でも特に、「盛り上がっている場をしらけさせる人」に対して使われます。
poopは直訳だと「うんち」ですが、pooperは「場をしらけさせる人・もの」という意味です。つまりparty pooperは「パーティーを台無しにする人」といったニュアンスになります。
カジュアルなスラングなので、親しい友人の間などで使えます。
B: Uhm… I don’t do costumes.
A: Oh, you’re such a party pooper.
A:コスチュームはどうしたの?ハロウィーンパーティーなのに。
B:あー…コスチュームとかはやらないんだ。
A:えー、しらけるなぁ。
その人との関係性や言い方によっては、感じの悪い悪口に聞こえます。Party pooperを口にする際には、十分に注意しましょう。
B: Oh come on! Don’t be a party pooper!
A:コーラあるかな?今夜はお酒を飲む気分じゃないんだ。
B:えー、なんだよ!しらけさせるなよ!
party pooperは盛り上がっている人が、文句を言うときに使われがちなフレーズです。ちなみに、日本は世界の中でもお酒に対する規制が緩い国です。日本の飲み会と同じ感覚でお酒を扱ってしまうと、海外では警察沙汰のトラブルになりかねないので気を付けましょう。
spoilsport
spoilsportは、party pooperとほとんど同義です。
sportには「運動」以外に、「楽しみ、娯楽」という意味があります。そしてspoilは「台無しにする、腐らせる」という意味です。よって、spoilsportが「楽しみを台無しにする人」という意味になるわけです。
spoilsportは名詞なので、使い方とはparty pooperと同じ感じになります。ただ、spoilsportの方がやや格式ばった言い方になり、公のスピーチなどでも使うことができます。
場をしらけさせたくはないんだけど、このイタズラはやりすぎだと思うよ。
ジェレッドはそのグループの中でも場をしらけさせる人達の1人であった。
B: Hey, don’t be a spoilsport! It doesn’t matter if you succeed or not. Just have fun!
A:イヤ、絶対上手くいかないよ。
B:ねぇ、興ざめさせないでよ。上手くいくか行かないかは関係ないから。楽しんで!
まとめ
「空気が読めない」にも色々な種類があり、英語にはそれぞれに応じたフレーズが存在します。正しいフレーズを、正しいシチュエーションで使えるようになる練習が必要になるでしょう。最も効率の良い練習方法の1つが、オリジナル例文の作成です。自分でシチュエーションを考えて、それにふさわしい「空気が読めない」の英語フレーズをチョイスし、例文や会話文を作っていくのです。
既存の例文を使って練習するよりも、記憶に定着しやすくなります。また、実践の会話においても、学習したフレーズがスピーディーに口から出てくるようになります。
この練習法の注意点としては、例文はなるべく添削してもらうようにすることです。慣れないうちは、新しいフレーズの使い方や、ニュアンスを間違ってしまうことがあります。それを修正できるアドバイザーのような存在が必要です。
ネイティブキャンプでは、24時間365日いつでもネイティブスピーカーやネイティブレベルの英語力を持った日本人講師とオンラインレッスンをすることができます。そこで自分が作った例文を見てもらい、添削をしてもらうことも可能です。独学で英語を勉強している人は、学習の道しるべとしてネイティブキャンプを活用してみてはいかがでしょうか。
◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.