人が言ったことが聞き取れなかった場合、英語ではpardon?を使うと習いませんでしたか?
英語は日本語を母語とする日本人にとって他言語なので、聞き取れなかったときの非常に有効なフレーズとして使っている人も多いはずです。
しかし、今回はもうひとつの表現である、pardon meとの違いについてフィーチャーしていきたいと思います。
似ている表現ですが、意外とpardon meの方は使わなかったりするのでネイティブスピーカーの感覚を身に着けていきましょう!
pardonとpardon meの違い
pardonとpardon meは、同じシチュエーションで使われることもあります。
まさに、相手が言ったことが聞き取れなかったときです。しかし、ニュアンスの差により、違った場面では適切な方が変わってくることを理解しなければなりません。
pardonは、相手が言ったことが聞き取れなかったとき、内容がよくわからなかったときなどに使います。アメリカでは丁寧すぎるため、後にご紹介する別の表現を使うことが多いそうですが、どのフレーズを使うかは国や地域によって異なります。
一方pardon meの方は、自分を許してほしいときに使うフレーズです。相手の言うことがよくわからなかったことを謝罪した上で聞き返したり、思わずゲップをしてしまったときに反射的に言ったりします。
このあたりの違いと使い方は、以下で例文を交えてより詳しく解説していきます。
pardonの使い方
pardonは、もっぱらPardon?で使います。皆さんもかなり聞きなれた、自分でも使える短いフレーズとしてお馴染みでしょう。
聞き返すときに使えるフレーズとして有名です。
Pardon?の代わりにPardon me?も使うのですが、国によってどちらをよく使うかは異なります。
例えばアメリカだと、どちらか一方だけ選ぶのであればPardon me?の方がよく使われますが、ニュージーランドなんかだとPardon?が圧倒的に使われます。
しかし、アメリカではPardon?は丁寧すぎる表現なのであまり使わないと解説しているサイトもあるので、地域差がある表現と言えます。
B: I said, are you fine? You look very tired.
A: えっと、なんて?
B: 大丈夫かって聞いたんだよ。かなり疲れてるように見えるから
例文を作るとしたらこんな感じですね。相手が言ったことがわからないときを想定してイメージトレーニングをしてみてください。
ちなみに皆さんは、Pardon?より丁寧な表現としてI beg your pardon?という表現も習いませんでしたか?確かに丁寧ではあるのですが、よかれと思って使うと思わぬ誤解を生む可能性があるので注意しましょう。
かしこまりすぎている表現ゆえに、内に怒りを込めた表現としてとらえかねないのです。
日本語でも、親しい人に急に敬語を使ってかしこまると、よそよそしい感じがして怒っているのかなと思うことはありませんか?あの感覚に近いです。訳すとしたら、「何ですって?」のような感じですかね。
よって、単に聞き返すのであれば、よほど目上の偉い人でない限りPardon?やPardpn me?で大丈夫です。
どうせなら丁寧な言い回しの方が安心だからと使いたくなる気持ちもわかりますが、シチュエーションによっては違和感が生じるため注意しましょう。
pardon meの使い方
Pardpn me.も先ほど解説したようにPardon?と同じく相手の言ったことがわからなかったとき、聞き取れなかったときに使います。
文法的な解説をすると、pardonはそもそも動詞で意味は「許す」となります。つまり、「私を許して」と言っているのです。
相手の言ったことが聞き取れなかったとき以外にも、失礼なことをこれから言わなければならないときや、失礼なことをしてしまった直後に使える表現となります。
こうなると、Excuse me.と同じではないかと気付いた方もいるのではないでしょうか。違いは、Pardon me.の方がフォーマルな点です。より丁寧で傾向としては年配の方が使うことが多いようです。
おっと失礼。気を付けないといけないな
お話の腰を折ってしまってすみませんが、大切なご用件があります
すみませんが、おっしゃっていることがよくわかりません
このように、人にぶつかってしまったときにPardpn me.を使うときには、すでに失礼なことをしてしまったあとの謝罪として使います。
また、相手が気を悪くするかもしれないようなことを言う直前に、事前に謝ってから内容を伝える場合もあります。
イギリスでは、ゲップやおならをしてしまったときにPardon me.をよく使います。自分自身でなくても、お店に連れてきた自分の子どもがおならをしたときなどに使えます。日本語にすると、「すみません!」「ごめんなさい!」に相当し、日常的によく使う言葉になります。
せっかくpardonを習ったのですから、もうひとつ小話をしておきましょう。
皆さんは、Pardon my French.という表現をご存じでしょうか。「私のフランス語を許して」という訳になるので、フランス語を勉強中で流暢に喋れないのかなと想像してしまいますね。
しかしこちらはイディオムで、「失礼しました」という意味になります。使うシチュエーションとしては、汚い言葉をうっかり使ってしまったときなどです。少しおどけたニュアンスも含むので、親しい仲で使うことも多いです。
どうしてFrenchという表現が入るようになったのかは諸説あるためよくわかっていません。
ただ、イギリスとフランスは100年間も戦争をするほど仲が悪かったので、昔にできたフレーズとしてはなんとなく察せられるところもあります。「私たちが良く思っていないフランスの言葉を使ってしまって失礼しました」、なんて意味合いだったのかもしれませんよね。
おそらく、英語学習者が英語で汚い言葉を使ってPardon my French.と言う機会はそうないと思います。
けれど、ネイティブスピーカーなら使うことがあるので、相手が言ったときに「どういう意味だろう」とならないように対策はしておいた方が良いですよね。
もう一度言ってほしい時の英語表現
相手が言ったことが聞き取れなくて、もう一度言ってほしいときにはPardon?やPardon me?以外の言い方もあります。
国や地域によっては以下でご紹介するフレーズの方が好まれることもあるので覚えておきましょう。
Sorry?
Sorry?は、相手の言ったことが聞き取れなかったときに非常によく使います。Pardon?よりフランクな言い回しとなるため、Sorry?の方が好まれる場合も多いです。
中学では聞き返す際の表現としてSorry?はあまり習わないのでPardon?ばかり使ってしまいがちですが、ネイティブスピーカーの世界に入ればこれは覚えておいた方が良いでしょう。
これは例文をなかなか作れませんね。単にSorry?と一言聞けば良いだけなので。聞き返すときのフレーズが長ければ相手をイライラさせかねませんから、短くこれだけ言えば良いのです。
B: I said if you are okay.
A: なんて?
B: 大丈夫かって聞いたんだよ
ちなみに、一言Sorry.を言うシチュエーションは国によって異なるので、ここでついでに覚えておきましょう。
イギリスでは、誰かにぶつかったときだけでなく、ぶつかられたときにもSorry.と言います。自分は悪くないのに謝るのは、日本人とも通じるところがあると思いませんか?
しかし、アメリカではぶつかられたときには使いません。自分は悪くないからです。
ぶつかられたときにとっさに「すみません」と口をついて出てしまうのはなぜか、それをアメリカ人に説明するのは難しいかもしれませんが、イギリス人となら通じ合えるでしょう。
言い方は同じですが、聞き返しているわけではないときもあるので文脈に注意してみてください。
Could you say that again?
Could you~?は、「~してくださいませんか?」という丁寧にお願いする言い方です。中学生のときに助動詞を学習する際習います。
Could you~?の直後には動詞が続き、相手にお願いしたい内容を述べます。
この表現を少しカジュアルにした言い方は、Can you~?です。couldはcanの過去形です。助動詞を過去形にすることによって丁寧な言い方になります。
こちらも決まり文句として一文が完成してしまっているので、例文は不要ですね。会話の中で自然に言えるよう、何度も言って練習しましょう。
会話の例を挙げるとしたらこんな感じです。
B: I said, have you finished your homework yet?
A: もう一度言ってくれませんか?
B: もう宿題は終わったのかと聞きました
Excuse me?
Excuse me?は、Pardon me?の代わりに使える表現です。こちらも馴染みがある表現ですね。
人にぶつかってしまったときなどにも使いますが、聞き返す際にも使えます。
B: I mean, are you free now?
A: すみません、何と言いましたか?
B: つまり、今暇かどうか聞きました
まとめ
pardonとpardon me、聞き返す表現としてはどちらを使っても良いのですが、別のシチュエーションでの使い方も覚えておきましょう。
また、聞き返しの表現は他にもあり、国によって好まれるものが違うので、現地の英語に触れて学んでいくことをおすすめします。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.