「day by day」と「day after day」。見た目は同じような熟語表現です。「by」と「after」が違うだけ。そして日本語では、どちらも「毎日、毎日」と訳すことができます。
ところが!同じ「毎日、毎日」という日本語訳でも、実は大きくニュアンスが異なるのです。
ですから、自分が言いたいのがどのような意味の「毎日、毎日」なのかをよく考えないと、「day by day」と「day after day」のどちらを使うのが正しいかがわかりません。
今回は、「day by day」と「day after day」の意外な違いについて、例文とともに詳しく解説していきます。
ただ、最初に少しだけ結論をいうと。「day by day」は、何かが日ごとに少しずつ変化していく時に使うことが多いフレーズです。例えば「毎日、毎日、暖かさが増してくる」といった具合に。
一方、「day after day」は、同じような一日が繰り返されるような場合に使うことが多いフレーズです。「毎日、毎日、悪い天気だ」というような時です。
同じ「毎日、毎日」でも、かなり違いますよね!ではあらためて、「day by day」から説明しましょう。
day by dayの意味と使い方
まずは【day by day】の意味から紹介します。
「day by day」は、日本語にすると「毎日、毎日」「日ごとに」「一日一日と」「次第に」「日々」「日に日に」「日増しに」といった意味です。
「day by day」は、何かが日ごとに少しずつ変化していくことを表現する時によく使われます。また、毎日何かが少しずつ進んだり、毎日何かを少しずつ進めたりする場合にも用いられます。dayに挟まっているbyに注目すると状態の変化を表す働きを持つ単語であることからも、デイバイデイの意味を捉えることができます。
あなたの英語力は日々向上しています。
日ごとに台風の脅威が募っています。
日ごとに暖かくなっています。
「warmer」を「hotter」にすれば「getting hotter day by day」で「日増しに暑くなる」、「cooler」にすれば「getting cooler day by day」で「日に日に涼しくなる」といった意味になります。前々日、前日と比べて今日、明日に気温の変化があるということですね。良し悪しに関係なく、状態などが変わっていくときにday by dayです。
また「seasonably increasing day by day」というフレーズがあります。これは日本語でよく聞く「時節柄日一日と増している」という意味です。
時節柄、イチゴの値段が日一日と高くなっています。
よく見る表現が「getting better day by day」。これは病気などにかかっている人が元気になりつつある場合や、仕事などでの困難な状況が解決に向かっている場合、また、何かが上達している場合などによく使われます。
私は日に日に快方に向かっています。
その他にも「day by day」を使ったユニークな表現がいろいろとあります。例えば、「take life day by day」で「その日暮らしをする」という意味です。
ちなみに「その日暮らし」とは、国語辞典によると、「その日の収入でやっとその日を送ること。また、そのようなゆとりのない生活」「ただその場その場をしのいでゆくこと」などとなっています。
彼はその日暮らしだ。
「take life day by day」は「その日暮らしをする」という意味ですが、「live one's life like day by day」だと「その日暮らしのような生活をする」という意味になります。
彼はその日暮らしのような生活をしています。
ここまで、day by dayの意味と使い方、わかってきましたね。
day after dayの意味と使い方
次に紹介する「day after day」は「毎日、毎日」「来る日も来る日も」といった意味です。
「day by day」が何かが日ごとに少しずつ変化する場合に使うのに対し、「day after day」は同じような一日が繰り返されることを表現したい場合に使います。
デイアフターデイに使われる前置詞afterに継続するというニュアンスがあるからです。スラングでtime after timeというフレーズがありますが、これは何度も何度もという意味になり、言い換えればagain and againになります。
つまり、「day by day」には「変化」のニュアンスがあるのに対し、「day after day」には「変化しない」というニュアンスがあるわけです。単調な繰り返しやそれに対する嫌悪や退屈を暗示することも多くあります。
また、「毎日」というと「every day」がありますが、こちらは文字通り中立的に「毎日」という意味を表すのが普通です。
私はうんざりした。来る日も来る日も雨だったからだ。
私は若い頃、来る日も来る日も懸命に働きました。
「stay the same day after day」というフレーズがあります。「来る日も来る日も変化がない」「毎日同じ状態が続く」という意味です。
私の人生は来る日も来る日も変化がない。
「day after day」と意味が同じ表現に「day in, day out」があります。「毎日毎日」「来る日も来る日も」「明けても暮れても」という意味で、長期にわたりその状態が続いていることを表す時に使えます。
「day in, day out」は「day in and day out」と書いても同じ意味です。
彼女は明けても暮れても同じメロディーを口笛で吹いています。
彼らはその市場で来る日も来る日も働いた。
byがつく英語表現
ここまで「day by day」と「day after day」の違いについて解説しました。
ところで、「day by day」のように「by」の前後に同じ名詞を並べる熟語・慣用表現が、他にもたくさんあります。
以下、いろいろなシチュエーションにおいてよく使われるものをピックアップしてみました。
week by week
最初に解説した「day by day」の「day」を「week」「month」「year」などに代えれば、「week by week」で「一週ごとに」、「month by month」で「一月ごとに」、「year by year」で「一年ごとに」など様々な表現になり英語の表現力をアップさせることができます。
財政状況は週を追うごとに悪化しています。
アクセス数は毎月増加しています。
交通事故は年々、減少しつつある。
little by little
「lìttle by líttle」はゆっくりとしたペースで「徐々に」「段々」「少しずつ」といった意味になります。
「by little and little」でも同じ意味です。でもこの表現は最近ではまれです。
次に卵を少しずつ鍋に加えます。
私はコツコツお金を貯めている。
知らなかった。今日の午後1時から5時まで断水だなんて。水は少しずつ使わないと。
先生は我々にじりじりとプレッシャーをかけた。
step by step
「step by step」はひとつの段階から次の段階へ「一歩ずつ」「着実に」「少しずつ」「一段ずつ」といった意味です。
あなたは一歩ずつ次の段階へと進むべきです。
私のフランス語は着実に上達した。
作業方法を順を追って説明してくれました。
「step-by-step」とハイフンで一語になる場合があります。この場合は「ステップバイステップの」「段階を追った」「段階的な」などの意味の形容詞になります。
我々は段階的なアプローチを検討するべきです。
one by one
「one by one」は物事がすべて同時にではなく順番に怒ることを示す表現で「一人ずつ」「一つずつ」という意味です。
今日、私はメールを一件ずつ削除しました。
彼らは一人ひとり卒業証書を受け取りました。
私は生徒一人ひとりに電話をしました。
side by side
「side by side」は2人以上の人や物が互いに接近して同じ方向を向いている状態であり「〜と並んで」「〜と一緒に」「〜と協力し合って」という意味です。
私達は並んで歩いた。
ジョージとナンシーは仲良く暮らしている。
by and by
本記事で紹介している2つのフレーズで出てくる単語を組み合わせた「by and by」は「やがて」「まもなく」「そのうちに」といった意味になります。やや古い印象のあるフレーズです。
まもなく雨になるでしょう。
彼の映画はまもなく公開されるだろう。
安物を買うと、やがてゴミになる。
day by dayとday after dayの違い まとめ
今回の記事はいかがでしたか?今回は、見た目は似ているのに、また、同じ「毎日」という日本語に訳すことができるのに、実はかなりニュアンスの異なる「day by day」と「day after day」について解説しました。違いを感じ取っていただけましたでしょうか?
今回の「day by day」と「day after day」のように、日常英会話の中には似たような熟語表現がたくさんあります。
混乱するようなこともあるかもしれませんが、「step by step」で着実に学習し、「little by little」でもいいので、「day by day」で英語力を伸ばしていきましょう!

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.