paintとdrawの違い
手紙を書いたり日記を書いたりなど、文字を「書く」は英語だと「write」ですね。では「絵を描く(かく・えがく)」の「描く」は英語では何というでしょう?
実はいろいろあります。その中でも代表的なものが「paint」と「draw」です。
じゃあ、この2つの違いは何なのか?
今回は、英語学習者には悩みどころの「絵を描く」という場合の「paint」と「draw」の違いについて、類義語も交えながら、詳しく解説していきたいと思います。
でも、ちょっとだけ先に結論を言うと……。
「paint」は絵の具やペンキなどで描く場合、一方、「draw」は線で絵を描く時に使います。
これも含めて、その他の細かな違いなどを、説明していきます。必見ですよ!
paintの意味と使い方
「paint」には動詞としての使い方と名詞としての使い方があり、さまざまな意味があります。主なものに絞って、順に見ていきましょう。
なお、動詞の場合の「paint」は、過去形も過去分詞も「painted」です。
「(絵の具などを使って)絵を描く」という意味の「paint」
「paint」を動詞として使う場合の意味の一つが、「(絵の具やペンキで絵を)描く」です。
後で説明する「draw」が色を使わず主に線で描くことを表すのと異なり、「paint」は絵の具やペンキを使って筆やブラシなどで色のついた絵を描く場合に使います。
以下の例文では、日本語訳に「絵」や「画」としかありませんが、これらは「絵の具やペンキなどで描かれた色のついた絵」を想像してください。
私の子どもたちは絵を描くのが好きです。
ナンシーは風景画を描いた。
彼らは壁に絵をうまく描いた。
天井に描かれた絵を見てください。
特に「油絵」であることを言いたい場合は、「paint in oils」「paint 〜 in oils」という表現もあります。
ヴィンセントは油絵を描くのが好きです。
彼はその野菜の油絵を描きました。
「ペンキを塗る」という意味の「paint」
動詞の「paint」には、「ペンキを塗る」という意味もあります。彼女はクローゼットのドアにペンキを塗った。
ジョージはフェンスを白く塗った。
そのアーティストはアシスタントの体全体にペンキを塗った。
「ペンキを塗る」という意味の、「paint」を使ったユニークな比喩表現もあります。
paint ~ in bright colors
「paint ~ in bright colors」はそのまま訳すと「〜を明るい色で塗る」ですが、比喩的な表現として「〜をよく言う」「〜のよい面だけを取り上げる」という意味で使われることもあります。
ちなみにイギリス英語では「color」は「colour」となることが多いです。
卒業式で、その教授は学生たちの成果をほめたたえました。
paint ~ in dark colors
「paint ~ in dark colors」は、「~を暗い色で塗る」「〜を黒ずんだ色で塗る」などの意味ですが、やはり比喩的表現として「〜を悲観する」という意味にもなることがあります。
なぜあなたは自分の将来を悲観しているんですか?
名詞として使う場合の「paint」の意味
ここまでは「paint」を動詞として使う場合でしたが、名詞として使う時には、「ペンキ」「塗料」「絵の具」「絵の具セット」などの意味があります。
そこにあるペンキの缶を私に取ってくれますか?
油絵の具は「oil paints」、水性絵の具は「watercolor paints」と表現します。
これは私の油絵の具のセットです。
「(絵の具などを使って描かれた)絵」という意味の「painting」
「paint」の派生語に「painting」があります。これは名詞で「絵」などを意味します。この場合も、絵の具やペンキなどを使って描かれた、色のついた絵を指すのが普通です。
私はこの猫の油絵が好きです。
drawの意味と使い方
「絵を描く」「引っ張る」「貯金をおろす」「引き分け」など、「draw」には本当にいろいろな意味があります。
ただし今回は、「paint」との違いに焦点を当てる記事ですので、ここでは、絵を描いたり線を引いたりするという意味に絞って、「draw」を解説していきます。
なお、動詞として使う場合の「draw」の過去形は「drew」、「過去分詞」は「drawn」です。
「(ペンなどを使って)絵を描く」という意味の「draw」
「draw」は「paint」と違い、絵の具などで色を塗ったりせず、ペンなどを使って線で絵を描くことを意味します。彼女は私のイヌをノートに描いた。
家にいる時はいつも鉛筆で絵を描いています。
彼女は絵がうまい。
私は日本の歴史の漫画を描きたい。
「(線や円を)引く」という意味の「draw」
単に線や円を引く場合も「draw」を使うことが多いです。彼は赤いインクで紙に直線を引きました。
私は紙に円を描いた。
次は、直径10センチの円を描きなさい。
やや絵を描く状況に近いですが、「地図を描く」も「draw」を使うのが一般的です。
私のiPadに地図を描いてもらえませんか?
「(ペンなどを使って描かれた)絵」という意味の「drawing」
「draw」の派生語に「drawing」があります。これは名詞で「絵」「デッサン」などを意味します。この場合も、ペンなどを使って描かれた線画を指すのが普通です。
私はこの種のシンプルな鉛筆画が好きです。
その他の似た英語表現
「paint」と「draw」は絵を描く時に用いられる言葉ですが、ここでは、やはり同様に絵を描く時に使われる「illustrate」と「sketch」という表現について解説したいと思います。
また、絵を描くのではなく文字を書くことを表す「write」についても、最後に説明します。
illustrate
動詞「illustrate」には、「〜を説明する・解説する」や「〜に図やイラストを入れる」といった意味があります。過去形も過去分詞も「illustrated」です。
ここでは後者の「〜に図やイラストを入れる」の意味の場合に絞って、その使い方を見てみましょう。
この場合の「illustrate」は、本・雑誌・漫画などに、図やイラスト・絵などを入れる時に使われます。ただ、「描く」というよりも、本や雑誌の記事中に「載せる」というようなニュアンスです。
その編集長は雑誌に図表をたくさん入れるのが好きだ。
「イラストを描く」といった場合には、「illustrate」の名詞形である「illustration」を使って「create an illustration」「draw an illustration」などと言います。
この素晴らしいイラストは誰が描きましたか?
sketch
「sketch」には動詞としての使い方と名詞としての使い方があります。
動詞の場合、過去形も過去分詞も「sketched」です。
動詞の「sketch」は、「〜をスケッチする」「〜のデッサンをする」「〜を下書きする」といった意味です。
実際に絵を描くこと以外に、「〜の概略を述べる(書く)」という意味もあります。
ところで、日本語にもある「スケッチ」ですが、具体的にはどんなことを指すのでしょうか。
「スケッチ」は、眼前の風景や物などを、大まかな絵に描くことです。「デッサン」も同様で、作品の下書きになる絵を描くことを意味します。
そのため、スケッチやデッサンは、通常、単色の線画で描かれます。
彼女は彼女のお気に入りの先生の顔をノートに描いた。
私は今日、そのアートスクールでスケッチの仕方を学ぶ予定です。
「sketch」は名詞としてもよく使われます。この場合、「スケッチ」「デッサン」「素描」「写生」「略図」といった意味です。
これは木炭で描いたスケッチです。
警察は泥棒の似顔絵を公開しました。
上にも述べたように、スケッチやデッサンは、通常、単色の線画で描かれます。そのため、「sketch」が名詞として使われる場合、色を使わないで線で描くことを意味する「draw」と組み合わされることが多いです。
彼はその部屋をスケッチした。
write
多くの意味を持つ動詞「write」ですが、その基本的な意味は「(文字を)書く」です。過去形は「wrote」、過去分詞は「written」です。
論文などの文章、新聞や雑誌の記事・日記・手紙・メモなどをはじめ、文字を書く時に用いられます。
彼女は念のため紙に「食用油3本」と書いた。
私はホワイトボードに答えを書いた。
paintとdrawの違い まとめ
いかがでしたか?
今回は、日本語だとどちらも「絵を描く」と訳されることの多い「paint」と「draw」について、その違いや使い分けをフレーズを交えて解説しました。
同じ「絵を描く」でも、英語だと具体的な内容がかなり異なりますので気をつけないといけませんね。
状況に応じて適切な言葉が選択できれば、コミュニケーションもよりスムーズになります。ぜひ表現方法を英語力アップのためにも覚えてみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.