US・USA・america の違いは?どうやって使い分ける?

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アメリカという国名の英語表記にはたくさんの種類がありますよね。

the US、the USA、America、the U.S.、the U.S.A.、the States など、細かい違いも含めると何種類もの異なる言い回しがあり、「どれを使ったら正解なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、US・USA・america の3つの使い分けを中心に、「the はつけるのか?」という点や「USAの表記にドットやピリオドは必要なのか?」といった関連情報も合わせてくわしくご紹介していきます。

US・USA・america の違い

アメリカの正式名称は「アメリカ合衆国」です。

日本の外務省ホームページにもあるように、国家としてのアメリカの英語正式名称は ”United States of America”です。

外務省HP(アメリカ合衆国)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/index.html

アメリカを指して呼ぶときには必ず定冠詞の ”The" を頭につけて、”The United States of America” という形にします。

”States" (州)という単語は一般名詞なので、”The" をつけないと「ただの州の集まり」という一般的な意味になる可能性があるためです。

理由まできっちり覚える必要はありませんが、「とにかくアメリカの名前の最初には ”the” がつくんだな」くらいに考えていていただければと思います。

アメリカは正式には ”The United States of America” と呼ばれるというわけですが、この名前は正式でフォーマルすぎるため、日常会話で耳にすることはほとんどありません。

英語圏の人たちが「アメリカ」といいたいときには ”The United States of America” の省略表現を使うのが一般的です。

日本語でも「アメリカ合衆国」のことを「アメリカ」、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」のことを「イギリス」と省略して呼びますよね。それと同じようなものと考えてください。

具体的には、次のような表記がよく使われます。

・the United States/the US /the U.S.
・the States
・the USA /the U.S.A.

どれが正解でどれが間違い、ということはありません。出身地や住んでいる地域といった各個人のバックグラウンドによって、よく使う表現が変わってきたりします。

また、カジュアルな日常会話とフォーマルな演説や書き言葉では同じ一個人でも違った表現を使うことがあります。

ちなみに ”america” はアメリカの正式名称に含まれてはいるのですが、略称のなかには頭文字の ”A” しかでてきません。”the US” のように、”A” すら出てこない場合も多くあります。

日本語では「アメリカ」というだけに、日本人の方は間違って ”america” と呼んでしまいがちなので、ここは注意したいところです。

ここからは、US・USAについて、またなぜ ”america” を使わないのか、もし使うとしたらどういったときに使うのかといった詳しい内容について解説していきます。

USの使い方

”US” は、”United States” の略語です。

”United States” 自体が、”United States of America” を略している表現なので、”US” の方が ”USA” や ”U.S.A.” よりは若干カジュアルな印象を与えると言われています。

”US” を使った表記の仕方にはいくつかバリエーションがありますが、意味は同じです。

・ピリオドなしUS
・ピリオドありU.S.
・ピリオドあり+スペースあり U. S.

”US” には、「名詞にもなるし形容詞にもなる」という大きな特徴があります。

名詞として使われるときには、「アメリカ」という国を示す単語として使われます。この場合は、必ず ”The” をつけて ”The US” や ”The U.S.” という形で使います。

Almost half of employees had been educated in the US.
従業員の約半数はアメリカで教育を受けています。
Here's a list of presidents of the US.
これが歴代アメリカ大統領のリストです。
My grandfather was born in the U.S.
私の祖父はアメリカで生まれました。

「アメリカの」という意味の形容詞として使われる時には、”The” をつけずに使います。

Let’s find out the reasons for a strong US economy.
アメリカ経済の強さの理由を探ってみましょう。

また、形容詞として使われるときにはピリオドを使わない ”US” を使うのが一般的です。

He visited a few US cities with his band.
彼はバンドメンバーとともにアメリカのいくつかの都市を訪れた。

ちなみに、文末に名詞的用法の ”The U.S.” が来た場合には文の終わりを示すピリオドは不要です。

これは、英語のルールとして「省略語などのピリオドが文末にある場合は、それを文章自体のピリオドと兼ねる」ということになっているからです。

◯ I go to the U.S.
✕ I go to the U.S.. ←最後のピリオドは不要

USAの使い方

アメリカの正式名称である ”United States of America” を略した表記が「USA」です。

USの場合と同じく、ピリオドの有無やスペースの有無のバリエーションによって「U.S.A.」や「U. S. A. 」と表記されることもありますが、意味は同じです。

USとUSAで違うところは、「USAは名詞としてしか使えない」という点です。”USA” には「アメリカ」という意味しかなく、「アメリカの」という形容詞として使うことはできません。

また、名詞として使うので ”USA” には 定冠詞”The" が必ずセットでついてきます。

◯ US culture is really attractive to me.
アメリカの文化は私にとってとても魅力的です。(US の形容詞的用法)
✕ USA culture is really attractive to me.
(誤った文章。USA は形容詞的には使えない)
◯ The culture of the USA is really attractive to me.
アメリカの文化は私にとってとても魅力的です。(USAの名詞的用法)

”The USA” という表記は、”The US” に比べるとフォーマルな印象があるため、書き言葉やビジネスシーンでも違和感なく使うことができます。

The first peak of immigration to the USA started in the early 1840s.
米国への移民の最初のピークは1840年代初頭に始まりました。
The USA is a great place to start a business.
アメリカはビジネスを始めるにはとてもよい場所です。

americaの使い方

日本語では「アメリカ」という呼称が広まっているため、英語で話すときもついつい ”America” と言いたくなりますよね。

”The United States of America” という正式名称を省略せずに表記する場合や、伝統的に ”America" という呼び名を使う場合などには「アメリカ合衆国」というニュアンスで ”America” が使われることもあります。

たとえば『God Bless America(ゴッド・ブレス・アメリカ)』という愛国歌には ”America" が使われています。

しかし英語では、”America” を国の名前として使うことは一般的ではありません。先述した ”The US” や ”The USA” を使う方がポピュラーです。

英語で “America” という単語を使うと、「アメリカ大陸(American continents)」という意味の方が強く伝わります。

日本語でも「北米」「南米」「中南米」などと言いますよね。この場合の ”米” に当たるのが、英語の ”America" というイメージです。

英語では “North America” が「北アメリカ」、“South America” が「南アメリカ」という意味になります。これらアメリカ大陸の国々をまとめて “the Americas” と複数形表記されることもあります。

Columbus landed in South America, not in North America.
コロンブスは北米ではなく、南米に上陸しました。

南米では英語以外にスペイン語やポルトガル語を公用語としている国が多くあります。

スペイン語やポルトガル語はラテン系の言語といわれており、そのためにこういった言葉を公用語としている国を “Latin America”(ラテンアメリカ) と呼んだりもします。

表記にピリオドはつける?

よくある疑問に「“USA” や “US” にピリオド(.)はつけるの?」というものがあります。

答えを先に言ってしまうと、「つけてもつけなくても意味は同じだが、個別の集団が独自のルールを設けている場合がある」となります。

ピリオドの表記に関しては、新聞社やメディアが各自のルールを設けています。各社のスタイルや好みによって、ピリオドのあるなしも決められています。

フォーマルなライティングをする場合は、書類提出先の機関が準拠するガイドを確認し、それに従うのがおすすめです。なお、ピリオドとドットを混同している場合もありますので念の為確認しておきましょう。

ピリオド.文末や省略の際に使う
ドット・日本語で例えを並べる際などに使う

英語ではピリオド(.)を使いますので、間違えないようにしてくださいね。

まとめ

US・USA・america の3つの英語表現の使い分けについて解説してきました。

USとUSAに関しては、どちらも”The United States of America” というアメリカの正式名称を略した表記であることを説明しました。

名詞として使うときにはどちらも ”The” をつけるということ、US だけが形容詞的用法で使えるということ、ピリオドはつけてもつけなくても意味は同じであることなど、ご理解いただけたかと思います。

また ”america” は、英語圏においては「アメリカ合衆国」ではなく「アメリカ大陸」という意味で使われることを説明しました。日本語ではアメリカという国の名前を”America(アメリカ)” と呼ぶことが多いので、これは間違えないようにしっかり覚えていただきたいと思います。

国の名前は英会話ではよく出てくるトピックです。アメリカの表記を覚えたら、さらに色々な国の英語表現もぜひレパートリーに加えて英語スキルをどんどん上げていってくださいね!

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