「May I~?」と「 Can I ~?」は、許可を求めるときに使う表現として中学生のときに習いましたね。
しかし、同じ和訳になることに対し疑問を覚えたことはありませんでしたか?
ざっくりと、丁寧な方が「May I~?」、カジュアルな方が「 Can I ~?」と教えてもらったかもしれませんが、今回はその違いをより明確にしていきます。例文と、それぞれの質問に対する返答表現についてもご紹介します。
- 「May I~?」を使うのはフォーマルな場
- 「 Can I ~?」を使うのはカジュアルな場
- 「Could you~?」はいつ使うの?
- 「May I~?」>「Could you~?」>「 Can I ~?」でカジュアル度を覚えよう!
「May I~?」を使うのはフォーマルな場
「May I~?」と「 Can I ~?」の違いは、意味の上では特にありません。どちら「~してもよいですか?」と相手に許可を求める表現です。
しかし、使うシチュエーションが異なります。「May I~?」は、フォーマルな場で使う表現であると覚えておきましょう。日本語でいう敬語のようなものですかね。職場では上司に、日常生活では目上の方や初対面の方に対して使うことが多いです。
中学英語では、どちらを使っても丸がもらえていたかもしれません。ところが、ネイティブスピーカーが使うときにはきちんと使いどころを分けていることを意識し、違和感を感じ取れるようにならないと英語は上達しません。
では、どのような使い方をするのか、例文で見ていきましょう。
基本の「May I~?」の使い方
A:May I have your name, please?
B:Sure. I’m Adam Watson.
A:お名前をお聞きしていいですか?
B:もちろんです。アダム・ワトソンと言います
こちらは、初対面の相手に対して「May I~?」を使ったシチュエーションですね。海外の大学に留学し、到着後すぐに登録をする際などにこのように聞かれます。
留学や転勤などで海外に行く場合、自分の知らない土地で知らない人々に囲まれて過ごすこともあるのですから、こういった表現は丸っと覚えておいた方が安心です。そして聞かれたら、きちんと返せるところまで練習しておくとなお良いでしょう。
許可を求める表現であることから、自分が返答する立場になった時には基本的にイエスかノーかで答えることになります。もし、意味はわかったけれど返答方法がわからない、難しいといった場合には、とりあえずイエスかノーで答えれば伝わりはします。
では、他の例文も見てどんどん慣れていきましょう。
A:May I borrow your pen?
B:Oh, I'm sorry, I don’t have it.
A:ペンをお借りしてもいいですか?
B:おっと、すみません。持ってないんです
こちらの表現は、ビジネスシーンなどで使われることが多い表現です。ちょっとしたものを借りたい場合には使える表現ですよね。
日本人はここで自分のペンを取っていく選択をとりがちですが、ちょっぴり勇気を出して自分が許可を求める立場になってみても良いでしょう。ペンくらい借りても失礼に当たらないでしょうからね。
ちなみに、西洋では職場に上下関係がほとんどなく、上司や先輩といった単語すら曖昧なくらいです。アニメでキャラクターが「先輩」と相手を呼ぶ場合、それに対応する英語がないためそのまま「sempai」と吹き替えされていることもあります。
ですから、この例文の場合は目上の方というより、ビジネスの場だからという理由で「May I~?」を使っていることになります。
また、こちらは飛行機の中で、初対面の人に言われることがある表現でもあります。
目的地に到着する際、飛行機の中で入国カードを書かなければいけないことがあります。これをすっかり忘れて、書くものを持っていない人も結構います。ここで会話が弾み、初の海外旅行で外国人と仲良くなったなんて話もありますよ?
「May I~?」と聞かれたら、許可を許す時にはSure!やOf course.、No problem.を使うと無難でしょう。逆に、許可をしないときにいきなりノーと答えるのは少々キツイ言い方に感じ取られることもあるので、上記の例文のようにsorryと言い、許可できない理由を加えてみてください。
友達同士ならもっとカジュアルに断っても、その関係性から悪気がないことがわかります。しかし、特に相手のことがわからない初対面のときに断り方を間違えると、大変失礼かつ辛辣な印象を与えることになりかねません。表情と言い方に気を付けて断るよう気を付けてみてくださいね。
簡単に許可をもらえなさそうなときに使う「May I~?」
「May I~?」の使い方は基本的に上記で解説したもので十分なのですが、ネイティブスピーカー的な感覚をもう少し深堀りすると、簡単には許可をもらえなさそうなときにも「May I~?」を使うことがあります。
例えば、相手が寒がりだと知っているけれど、自分は暑く感じるので窓を開けてもいいかと聞くときには、快くSure!と言ってもらえるとは限りませんよね。
他にも、相手のプライベートが詰まったスマホを貸してほしいときには、抵抗を示す人もいるので「May I~?」で遠慮がちに聞くことができます。
では、許可がもらえそうにない場合の「May I~?」を例文で見てみましょう。
A:May I open the window? It’s so hot today, isn't it?
B:Um, yeah maybe.
A:窓を開けてもいいかな?今日暑くない?
B:う~ん、まあそうだね
和訳がないと、この会話をしている人たちは親しくないから「May I~?」を使っているようにも見えます。
しかし、親しい間柄でも「May I~?」を使うことがわかれば、どちらの意味合いを含んでいるのか想像することができますね。
遠慮がちに許可を求める表現にも「May I~?」を使うと知らなければ、例えば洋書を読んでいて、「AさんとBさんは確実に気心が知れた仲なのに、どうして急に「May I~?」と距離を取るような言葉遣いになったのだろう」と思うこともあるかもしれませんよね。
このようなネイティブスピーカー的な感覚は、残念ながら中学校や高校では習う機会がほぼありません。多くの人が、大人になってから知っていく知識です。
もし、自分が親しい人から「May I~?」を使われたら、許可したくない場合は折衷案を提案してもいいですね。How about~?などを使えば比較的簡単に言えます。
例えば上記の例文で窓を開けてほしくないなら、10分だけと時間を区切って相手に伝えることも手です。卓上扇風機の提案などもできそうなので、You can use this small fan here.などと、スマホで商品を見せてみるのも良いでしょう。
「 Can I ~?」を使うのはカジュアルな場
「May I~?」と「 Can I ~?」を比べると、「 Can I ~?」はカジュアルな場で使う表現になります。
やはり意味は「~してもいいですか?」と許可を求めるものですが、友達同士で使ったりするので「~してもいい?」くらいのイメージで良いでしょう。
「 Can I ~?」の使い方は「May I~?」と同じなので、相手との関係性だけ気にしていれば問題はありません。
A:Can I buy the new game, mom?
B:Can you wait until next month? Your birthday is coming, right?
A:ママ、新しいゲーム買っていい?
B:来月まで待てる?あなたの誕生日もうすぐでしょ
家族間では「 Can I ~?」を使うのがスタンダードです。一般的には最も親しい間柄と言えるからですね。
では、友達同士でのやりとりではどのようなことが言えるでしょうか。
A:I’m so busy this week. Can I go home early?
B:All right, Jane. We’ll clean the classroom, don’t worry.
A:私、今週忙しいんだ。早く帰ってもいい?
B:わかったよジェーン。私たちで教室を掃除しておくから、心配しないで
学校で友達に頼み事をするときにも、「 Can I ~?」が使えます。中学生で習う表現ですから、このようなやりとりは学校で一番多く習ったことでしょう。
TOEICや英検を受験するのであれば、自分が「 Can I ~?」を使えるようになったとしても、相手からの返答が聞き取れなければ会話が成立しないので、何と返すかも覚えておきましょう。英語だからと言って、最初がイエスかノーで始まるとは限りませんからね。
「Could you~?」はいつ使うの?
「May I~?」と「 Can I ~?」の違いはこれでわかりましたね。
しかし、ちょっとここでもう少し知識を深めてもらいたいことがあります。それは、「Could you~?」の使い方です。
今まで、「May I~?」はフォーマルな場で、「 Can I ~?」はカジュアルな場で使うことを学んできましたよね。では、丁寧に許可を求める表現と教わった「Could you~?」は一体どこで使うのでしょうか。
答えは、以下の順で丁寧な度合いが表されていると覚えておけばOKです。
「May I~?」>「Could you~?」>「 Can I ~?」
つまり、「May I~?」は許可を求める表現の中で一番フォーマルな言い方で、「Could you~?」がその次に丁寧、そして「 Can I ~?」が最もカジュアルということです。
よく英語には敬語がないと言いますが、その代わりフォーマルかカジュアルかで表現を使い分けることが多々あります。この点はぜひ覚えておきましょう。ネイティブ的な感覚を養えます。
「May I~?」>「Could you~?」>「 Can I ~?」でカジュアル度を覚えよう!
今回は、「May I~?」と「 Can I ~?」の使い分けについて学びました。
基本的にはフォーマルな場はカジュアルな場かで使い分ければいいので、意味は同じです。くれぐれも使い場を間違えないようにし、返答表現も例文で確認しておきましょう。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.