外国人への話しかけ方のコツとポイント……うまく会話を始めるには

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外国人と会話したい、話しかけたい……どうしたらいい?

新型コロナが世界中に蔓延するまでは、街中や観光地でたくさんの外国人を見かけたものでした。

そんな時、不安そうな外国人観光客を見かけて「どうしたのかな?助けてあげたいな」と思ったけれど、どう話しかけていいのか悩んで、結局は何もできなかった。または、「あ、私と同じ○○が好きなのかな?話したいな」と思ったのに、迷惑がられるのが心配で、後で後悔してしまった。

英会話のアプリもあるけれど、せっかくなら自分で話しかけたい。でも、その一歩が踏み出せない。こうした経験や思いをなさった方も多いのでは?

そこで今回は、「外国人に話しかけるときのポイントや注意点」、さらには「覚えておくと便利なフレーズ」を紹介したいと思います。

外国人に話しかけるときのポイント

日本に来る多くの外国人(この場合は観光客)は、「日本という異国」や私たち「日本人」に興味を持っています。

また、海外旅行の楽しみのひとつは、現地の人(もちろん日本人)との交流だと考える人もたくさんいます。広い意味で言えば、「日本人と話してみたい」と思っているのです。

【疑問:じゃあ、どうやって話し始めたらいいの?】

見知らぬ同士が会話を始める、またはコミュニケーションを取るには、なにかしらの「接点」や「理由」がなければなりません。接点も理由もないまま話しだすのは、大抵の場合は不自然です。

日本人同士の声かけであっても、苦手な人、得意な人がいることでしょう。

これが外国人となれば、なおさら。いきなり見知らぬ人から、「Hello, how are you?」と声をかけられたり、「Hi, can I help you?」と聞かれたり。

「これってキャッチセールス?」

「なにかの勧誘? それともナンパかな?」

そんな風に勘違いされて、怪しまれてしまいます。海外旅行でこんな風に声をかけられた経験のある方なら、その怪しさをよくご存じでしょう。

【疑問:それなら、怪しまれない話しかけ方って?】

ずばり、相手の何かを「褒めること」です。バッグ、靴、帽子、ペット、Tシャツ・・・。どんなものでもいいのです。

日本では、「お世辞」という言葉が「褒めること」と同意に捉えられる傾向があります。たとえお世辞であっても、見知らぬ人が相手では勇気がいるもの。

「褒められてうれしく感じるのは、世界共通の概念に違いない!」そんな思いを込めて、話しかけてみましょう。

【疑問:簡単に使えるフレーズはあるの?】

もちろん、あります。

「I like your ~.」~の部分には、Tシャツやバッグなど、持ち物が入ります。シンプルですよね。

「これで褒めてるの?」と思われるかもしれませんが、しっかりと好意を示しています。まさに「それ、いいね!」の感覚です。

I like your earrings!

あなたのイアリング、いいね!

I like your wrist watch.

その腕時計、いいね。

より気に入ってる感じを出すなら、

I love your ~.

という表現が便利。

I love your T-shirt.

あなたのTシャツ、すごくいいね!

その他には、「That ~ is so nice.」「その~、ステキね!」とシンプルに褒めています。So nice の他に、very nice/ pretty cool/ unique などの形容詞を使ってみましょう。

That wrist watch is pretty cool!

その腕時計、かっこいいね!

That ~をYour ~に変えて言うこともできます。女性が好む「かわいい」を表すlovely と組み合わせて、

Your bag is so lovely!

あなたのバッグ、かわいいね!

会話のきっかけに褒め言葉を用いるときには、同性同士がもっとも自然です。女性が男性を褒めるのも、ほとんど問題なし。ただし、男性が女性を褒めるとナンパのように見えることもあるので、注意が必要です。

相手の何かを褒めるという行為は、それだけで終わることもできます。もし話しかけられても会話を続ける自信がなければ、

Nice chatting with you! Thanks.

あなたと話せてよかった! ありがとう。

このChat は雑談やちょっとしたおしゃべりを意味しますので、そう言って立ち去れば大丈夫です。

【疑問:話しかけるときのNGフレーズは?】

困った人を見かけたときに思い浮かぶセリフがあります。

「Can I help you?」

なにかお困りですか?

このフレーズ、外国人にしてみれば、あまりに漠然としています。外国人の立場で大げさに言えば、「私が呼んだわけでもないのに、あなたに何ができるの?」という感覚ですね。

英米であれば、路地裏の怪しい取引の一場面を思い浮かべてしまう人も。そんなイメージを持つ外国人なら、とっさに「No」と言って逃げ腰になることでしょう。

そうは言っても「褒めるのは、どうも苦手で・・・」、または「褒める以外にないのかな?」と考えている方も多いはず。そんな方には、シチュエーションに応じた表現がおすすめ。

【シチュエーション別の表現】

①不安そうに見える人がいたら・・・

駅でスマホと路線図を見比べて、なかなか動き出せずにいる観光客らしき人。日本人に話しかけたものの、会話がすぐに終わって困っている人。

あなたが「助けてあげられるかな」と思ったら、「Hi」または「Hello」と声をかけてから、こう聞いてあげましょう。

Is everything okay?

大丈夫ですか?

直訳すると、「すべてOKですか?」になりますが、相手が置かれたその状況に対して「大丈夫?」と聞くことができます。

Is there anything I can do for you?

なにか私にできることはありますか?

この表現も、押しつけがましさがなく、「ちょっとだけ手伝えるけど?」というニュアンスが出せます。

②道に迷っているように見えたら・・・

道端でスマホを見ながら、または駅の構内図の前で、心配そうにウロついている人。ここでも驚かさないように「Hi」と声をかけて、こう聞いてあげましょう。

Are you lost?

迷ったんですか?

スマホでの道案内(Google Mapなど)が進んでいるとはいえ、万能ではありません。見知らぬ土地に来れば、表記の違いに驚くことも。そう考えれば、外国で「迷ったんですか?」と聞かれて怒る人は、少ないはずです。

外国人の方にしても、少しでも英語が通じる人を・・・と思いながら、結局は話しかけられずにいるのかも。

Can I help you find your way?

道を探すお手伝いをしましょうか?

ずいぶん昔ですが、アメリカのNYを旅行しているときに、若い女性が声をかけてくれたことがありました。

家族と2人、ビジネス街であったとはいえ、道端で地図を広げていたのですから、当時としては決して安全な行為ではありません。(親切をよそおった悪い人に、どこかへ連れていかれ、金品を脅し取られたりする可能性も・・・。)

その女性がゆっくりと分かりやすい英語で、私たちに道順を説明してくれたことを、いまでもよく覚えています。私たちはその女性のおかげで、迷うことなく目的地へたどり着きました。

③何かを探しているように見えたら・・・

ビルの案内図を見つめたまま、考えている様子の人を見かけたときも、手順は同じ。まずはそっと「Hi」と声をかけて。

Are you looking for something?

なにか探してるんですか?

この場合のポイントは、次のセリフとの違い。

What are you looking for?

なにを探しているんですか?

この場合は、相手が「What=目的」を探していることが前提となります。例えば、ギフトショップで具体的な「もの」を探している、そんな場面です。

その人を見たときに、「なにかを探しているのかもしれない、でも確信が持てないな・・・」と思ったら、「Are you looking for something?」と問いかけてあげましょう。

Something は、場所、人、もの・・・と何にでも当てはまります。相手はさらっと、「No, I’m not」と言って断るかもしれません。そんなときは、こう答えましょう。

OK, that’s good

そう、それはよかった。

さらっと「困ってなくてよかったな!」と思ってあげればいいのです。

話しかける際の注意点・失礼な話しかけ方

冒頭で、『広い意味で言えば、「(外国人は)日本人と話してみたい」と思っているのです。』と書きました。

でも、話しかける際に注意しなければならない点がいくつかあります。外国人に「日本人と話すのは、なんだかイヤだな」なんて思わせないように、しっかり心を配りましょう。

①相手の状況を察知する。

これは日本人でも同じことが言えますが、話しかける相手の状況を確認してから、話しかけましょう。

グループで来た外国人に話しかけるなら、それ相応の理由が必要です。話しかける最初の注意点は、相手のシチュエーションを見ること。

②相手の表情をくみ取る。

話しかけながら、相手の表情をくみ取りましょう。

話を始めたものの、ふっと目をそらしたり、返事がそっけなくなったり。そうしたサインを見つけたら、

Thanks for your time!

時間を割いてくれてありがとう!

お礼を言って、その場を立ち去りましょう。

③「Hello!」と言っただけで終わり。

買い物をしている、または街を散策している外国人に、いそいそと近づいて「Hello!」とか「Hi!」とだけ声をかけて立ち去る。

この行為は、とても不自然です。声をかけられた外国人も、「ご近所さんでもないのに、なんで話しかけてきたんだろう?」と不思議に思うことでしょう。

見知らぬ同士が会話を始めるには、なにかしらの「接点」や「理由」がいる。そのことを忘れずに!

④いきなり近づいて質問する。

急に近づいて行って、「Where are you from?」と出身国を聞く。

質問すること自体が問題なのではありません。質問をするなら、まずは会話をスタートさせてから。これが鉄則です。

⑤質問攻めにする、または一方的に話し続ける。

相手が聞いていると思って、一方的に話をしてしまう人がいます。

英会話の楽しさが分かり始めて、さらにボキャブラリーも豊富になってきた中級者以上に多いパターンかもしれません。相手の迷惑になっていないかを考えながら、会話を楽しみましょう。

⑥日本語を話したがっている相手に、無理に英語を使う。

相手が旅行者の場合、パターンとしては多くないかもしれません。

しかし、日本語をしっかりと勉強して来日する方もいます。そんなときは、相手に合わせて日本語で話してあげましょう。

「この言葉、知らないのかな?」と思ったら、英語を混ぜてみる。そうした日本語、英語が混ざった会話も楽しいもの。もし共通の趣味があったら、会話もより盛り上がることでしょう。

外国人と会話を始める、話しかける際には敬意を持つことが大切

ここまで読んできて、いかがでしたか?「やっぱり難しいな・・・」と感じるのは、ごく当然です。

たとえ日本人同士であっても、知らない人に声をかけるのは、「ちょっとした勇気」と、「大なり小なりの経験」が必要だからです。

基本的には、相手を不快な気持ちにさせないこと。そして、相手に対して敬意を持って話しかければ、外国人がイヤな気持ちになることはないはずです。

① シチュエーション(状況)をよく見る。

② 「Hi」と軽く挨拶をして、気さくに「それ、いいね」と話しかける。

③ その場に適した言葉を選ぶ。

④ 相手のペースに合わせる。

きちんとした手順を踏めば、あなたの言動は好意的に受け取られることでしょう。さあ、その日に備えて、「ネイティブキャンプ」で英会話を磨きましょう!

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