- ”Start”と”Begin”はどちらも「始める」や「始まる」を意味する英単語です。
- 「始める」の英語表現はStart?Begin?それ以外?
- "Start"と"Begin"の違い・使い分けかた
- その他「始める」の英語表現
- 「始める」の英語表現まとめ
”Start”と”Begin”はどちらも「始める」や「始まる」を意味する英単語です。
中学生でも知っていて当然というくらいの基本的な単語ですが、実はこれら2つの単語には使い方に違いがあることをご存じでしたか?
ネイティブスピーカーは、”Start”と”Begin”をシチュエーションや相手によってきちんと使い分けているのです。でも英語学習者となると、この2つの単語のニュアンスや使い分けについて「知っています!」と自信を持って言える方は少ないのではないでしょうか。
今回は「始める」を意味する”Start”と”Begin”の2つはもちろん、その他の関連英語表現についても紹介していきたいと思います。例文を交えつつ順番にわかりやすく解説していきますので、これを機にニュアンスや使い分けを理解できるようになりましょう!
「始める」の英語表現はStart?Begin?それ以外?
英語で「始める」と言いたいときは”Start”と”Begin”のどちらを使っても同じだと思っている方も多いと思います。
実際、”Start”と”Begin”のどちらを使っても大丈夫である場合も多いです。しかし、きちんと使い分けなければいけない場合もありますし、シチュエーションによっては”Start”でも”Begin”でもなく、”commerce”など別の単語を使う方が適切な場合もあります。
"Start"と"Begin"の違い・使い分けかた
先述したとおり「始める」を意味する単語は複数あります。しかし、やはりよく使われるのは”Start”と”Begin”の2つです。
この2つはとても似ていて、どちらも「始める」という意味で使うことができますし、目的語としてto不定詞も動名詞も置くことができます。
それでもやはりどこかにbeginとstartの違いがあるために、2つ単語が存在しているわけですね。
ちなみに、以下例文の①と②ではどちらが一般的なのか、あなたはわかりますか?
①Let’s start the meeting.
会議を始めましょう
②Let’s begin the meeting.
会議を始めましょう
①も②も、日本語訳では「会議を始めましょう」ですね。会議ですから、おそらくビジネスシーンなどのオフィシャルな場面での会話と推定されます。
文法的にはどちらも間違ってはいないのですが、ネイティブスピーカーであれば一般的に①か②のどちらかのみを使います。
もし今はわからないという方も、この記事を読み終わる頃には①と②のどちらが適切なのかわかるようになりますので、安心して読み進めてみてくださいね。
”Start”の意味と使い方
”Start”は、止まっていた何かが急に動き出し、かつその後も運動が続いている状態、つまり「急に始まった連続運動」というイメージをもつ単語です。
The train started from Tokyo for Osaka.
その列車は東京駅から大阪駅へ向けて発車した。
この場合、列車が最初は停まっていて、そこから動き出し、そのあと大阪に向けて線路の上を動き続けている…そんな内容ですので、まさに”start"のイメージにぴったりですね。
また、「急に」というイメージをより強調した「急に何かが生じ始める、現れ始める」という意味での使われ方をすることもあります。
The fire started in the laboratory.
その火事は実験室から急に発生した
この場合は、何もないところから急に火事が発生して、そのあとも火は燃え続けている…そんな場面がイメージできます。
また、”start”の対義語は”stop”です。何かが続いているのを止める、という意味の”stop”が対義語であることからも、”start”には「何かが始まり、そのあとそれが続き、”stop"でそれが終わる」という「連続運動」のイメージが含まれていることがわかりますね。
”Begin”の意味と使い方
”Begin”はある出来事や運動が始まった時間的なポイント、つまり「始まりの時点」にフォーカスしている単語です。
対義語は”end”です。始まりと終わり、どちらも特定のポイントを指していますね。このことからも、”start”と違って、連続運動にはフォーカスが向けられていないことがわかります。
She began to run.
彼女は走り始めた
“begin”は”start”と違い、そのあとにその出来事や運動が続いているかはあまり気にしておらず、とにかくある時点で何かが始まる、そういう意味を表す言葉です。
ですので上の例文では、彼女は走り始めたあとすぐにベンチに座って休んでいるかもしれない、ということになります。
ちなみに、”begin ~ing”と動名詞の形を続けることで「〇〇をし始めた、そしてそれをし続けている」という継続のニュアンスを出すことも可能です。
ただ、基本的に”begin”は「始点にフォーカスする」というイメージを持っているので、使うときにもbegin to ~(~をし始める)の形で使われることの方が多いです。
She began to run.
彼女は走り始めた
She began running.
彼女は走り始め、そして走り続けていた
また”begin”は、それ自身にingをつけて”beginning”=始まりという名詞として使うこともできます。
A good beginning makes a good ending.
始めよければ終わりよし;英語のことわざ
日本には「終わりよければすべてよし」ということわざがありますが、上の例文の内容とまるで反対のような意味を持っているのが面白いですね。
“start”と”begin”のニュアンスの違い
”start”は開始およびそれに続く連続運動にフォーカスしているのに対して、”begin”は開始時点そのものにフォーカスがあたっている、とお伝えしました。
その他にも、“start”と”begin”には異なる点があります。
たとえば”start”には「急に始まる」というニュアンスがありましたが、”begin”には「急に」というニュアンスはありません。どちらかというとむしろ、始まる時点の前に何らかのステップや準備段階があって、その後に始まりの地点を迎えるというニュアンスを持っています。
例文で確認してみましょう。どちらも日本語訳は「9時にレッスンが始まります」です。
The lesson starts at 9.
この場合、9時ギリギリまではそれぞれが廊下や教室でゲームをしたりおやつを食べたりしているけれど、9時きっかりに先生が登場し、生徒達も一斉に席について授業が始まる…そんなイメージが伝わってきます。9時という時刻に「急な場面転換がある」というイメージですね。
The lesson begins at 9.
“Start”が”Begin”になると「急に」という意味がなくなるので、なんとなく10分前あたりから教室に人が集まりだし、先生も既に教室にいたりして、生徒の何人かは先生に質問していたり、また別の生徒は席に座って教科書を読み始めたり…と、授業へ向かって雰囲気が徐々に高まっていき、9時を迎えて正式に授業が開始されるというようなイメージになります。
また”begin”は”start”よりも丁寧でスマートな印象を与えます。そのため、書面作成時やビジネスシーンでは”begin”を使う方が一般的です。
”start”は親しい仲の人との日常会話などでは全く問題ないのですが、ビジネスシーンでは場にそぐわないと感じられる場合があります。
という訳で、会社の会議を始める際は”start”ではなくよりフォーマルな”begin”の方がよく使われます。これが先述の①と②、どちらを使えばいいか?という問題の答えです。
△①Let’s start the meeting.
会議を始めましょう
〇②Let’s begin the meeting.
会議を始めましょう
社風にもよるかもしれませんが、ビジネスシーンで会議を始めるときは”begin”を使うことが一般的なので、「begin the meeting」=会議を始める、というフレーズとして覚えてしまうのもおすすめです。
“start”しか使えないシチュエーション
ちなみに、”start”しか使えないシチュエーションもあります。それは以下の2つの場合です。
1)会社やビジネスを始める場合
2)機械を始動させる場合
なぜこの2つの場合は”start”しか使えないのでしょうか?
まず1)については、会社やビジネスは、起業したのちに一定期間続けることを前提として始めますよね。ですから、始めた後に「継続する」という意味をもつ”start”が使われるのです。
"begin"は始点にのみフォーカスしているため、起業はするけど次の日は続けているかはわからない、というようなイメージになってしまいます。
I started a new business.
新しい事業を始めたんだ
次に2)についてですが、機械類はたいてい、ボタンを押すなどの動作をして起動させる仕組みになっています。
パソコンでしたら電源を入れるボタンを押しますし、車でしたらエンジンキーを回したりします。そうすると、機械類はそれを機にスイッチONになり、「急に」始動するわけです。
そういった機械類の特性と、”start”の持つ「停止していたものが急に動き出す」というイメージがぴったり合うのです。そのため、機械類を始動させるときには、”start”を使います。
Press this button to start the engine.
このエンジンを始動させるには、このボタンを押してください
その他「始める」の英語表現
“start”と”begin”以外の「始める」を意味する英語表現についても見ておきましょう。
commence
“commence”は”begin”とほぼ同様の意味なのですが、より文語的な表現です。そのため、文書を作成するときなどに用いられます。
The conference will commence at 9 AM.
カンファレンスは午前9時に開催されます
launch
“launch”は「やりを投げる」という原義をもつ言葉で、「船を進水させる」「ロケットを発射する」というような意味で使われます。
その「飛び出していく」というイメージから派生して、新しい製品を世間に発表する(=世間に飛び出させる)とか、事業をスタートさせるという意味で使われることがあります。
I launched a new business in NY.
ニューヨークで新しいビジネスを始めたんだ
open
“open”はお店や商売を世間に向けて開く、つまり開業するというときや、お店自体を開店する=その日の営業を始めるというときに使います。
“open”が「始める」を意味するというのはなんだか意外な気がするかもしれません。しかしよく考えてみると、確かに「開業する=ビジネスを始める」も「開店する=営業を始める」も「始める」という意味を表していますよね。
My mother will open her own shop on Momiji street.
私の母は紅葉通りで自分の店を始めるんだ
The dental clinic opens at 9 AM.
その歯医者は9時に営業を開始します
「始める」の英語表現まとめ
「始める」を意味する英語表現について、”start"と”begin”を中心にご紹介してきました。
使い分けが必要だと知らなかった方や、どう使い分ければいいのかわからなかった方も、理解が深まることによって「これからは英会話で活用できそう!」と少しでも思っていただけていたら幸いです。
最初はどうしても頭で考えてしまうかもしれませんが、たくさん口に出して使うことによってシチュエーションに合わせた言葉がパっとでてくるようになってきます。ぜひ、実際の英会話でもどんどん使ってみてくださいね。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.