anotherとotherは何が違う?使い分け方についても解説

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「別の、他の」と訳されるanotherとother。読む時や、聞く時は頭の中で「別の、他の」と訳せばよいので分かるけれども、自分でいざ話す時には、どう使い分ければよいのか分からない。

また、otherがどんな時にthe otherになるのか、またはthe othersになるのか分からない。

そんな方のために、今回はanotherとotherの違いについて、例文を交えて解説いたします!

anotherとotherの使い方について大まかに解説!

はじめに、anotherとotherの使い方について、大まかに理解していただくために、次の英文をご覧ください。

I have a dog.


私は1匹の犬を飼っています。

I am going to have another dog tomorrow.


明日、もう1匹の犬を飼います。

another dogは和訳では「もう1匹の犬」、つまり今いる犬とは別の新しい犬であることを示しています。

I hope my old dog will become good friends with the other dog.

私の古い犬(=昔から飼っている犬)が、もう片方の犬とすぐに仲良くなるといいなと思っています。

the other dogは「もう片方の犬」で、昔から飼っている犬と新しい犬の2匹の内、一方の犬であることを表しています。

Some dogs are friendly, but other dogs are shy.

フレンドリーな犬もいれば、恥ずかしがりな犬もいます。

other dogsは少し意訳になっていますが、「(~な)犬もいる」と訳すことができます。フレンドリーな犬がいるのに対して、何匹いるかは分からないが、中には恥ずかしがりの犬もいるということです。

One of my friends also has two dogs.

私の友人も犬を2匹飼っています。

So, we will take our dogs to a park to play with the other dogs.

なので、私たちはそれぞれの犬を公園に連れて、もう片方の犬たち(それぞれの犬たち)と遊ばせるつもりです。

最後に、the other dogsは単にdogsが複数形なので、直訳すると「もう片方の犬たち」となります。※最後のthe other dogsの部分は、other dogsとすることもできますが、その場合は「公園にたまたま来ている、私と友人以外の人(=他人)が飼っている犬たち」という意味合いになります。

いかがでしたか?やはり使い分け方が分からないという方は、この後、丁寧に解説していきますので、ご安心ください。

それぞれの単語に持っているイメージと完全にマッチしたという方も、この後の解説に応用編の内容も盛り込みましたので、是非最後までご覧ください。

anotherについての解説

先ほどは「もう1匹の」と和訳したanotherですが、いつでもその訳があてはまるわけではありません。

まずは、anotherの意味や使い方について見ていきましょう。

an+other=another

「もう1つの」と訳すことができるとおり、anotherは「何か一つのもの」というニュアンスを含んでいます。

それは、anotherが元々anとotherが一語になったものであるからです。言うまでもないかもしれませんが、ここでのanはan appleなどのようにaと同じ冠詞としての役割を持つ言葉です。

anotherはこの元々anとotherという2語からなることから、主に以下の2つの意味を持っています。

(1)one more
(2)different

順番に解説いたします。

one more

one moreについては説明は不要かもしれませんが、「もう1つ」という意味です。

anotherとの違いは、anotherが子どもや生徒、グラスやコップのように数えられる名詞(可算名詞)に対して用いられるのに対して、moreは水や愛などの概念のように数えられない名詞(不可算名詞)とセットで使われます。

下の例文を見てみましょう。

Would you like to have some more water? Yes, I’d like to have another glass of water.
お水のおかわりはいかがですか? はい、お水を一杯ください。

この例文と先ほどの犬を用いた文章のいずれも、

·今まで持っていたものとは「別に」
·「もう1つ」

という意味を含んでいることが分かります。

different

anotherのもう一つの側面として、different、つまり「違うなにか」という意味があります。もしくは、alternative(=代わりの)と見なすこともできます。

例文を見てみましょう。

We have to go another day.

(=We have to go a different day.)

(=We have to go an alternative day.)

また別の日に行った方が良いね。

(=また違う日に行ったほうが良いね。)

(=また代わりの日に行った方が良いね。)

念のためですが、”an another day”とanotherの前にanを付ける必要はありません。

【応用編】anotherとdifferentの違いについて

上の例文で見たように、anotherはdifferentと置き換えることができます。では、その違いはなんでしょうか。

答えは、シンプルにanotherの1つ目の意味であるone moreの時は、differentのと言い換えることができないということです。

例えば、

There seems to be a lot of people. Why don’t we look for another restaurant?(=Why don’t we look for a different restaurant?)
いっぱい人がいるみたいだね。別のレストランを探そうか。(違うレストランを探そうか。)

と言うことはできますが、

The lesson hasn’t finished yet. We have another hour.
授業はまだ終わってないよ。まだ、もう小一時間ある。

この文を、We have a different hour.と言い換えることはできません。

【応用編】anotherは複数形の名詞と一緒に使える?

anotherはanとotherがくっついた単語であることから、今までの例(·another dog、another glass of water、another hour)のように原則、単数形の名詞が後に続きます。

ただし、「原則」ということは例外があるということで、

·another three days
·another couple of weeks
·another several dollars

のように数字や数量を表す表現を伴う時、anotherを複数形の名詞と一緒に使うことができます。

We have to walk only another few kilometres!
あとたった数キロメートル歩くだけだよ!

この例で言うと、今まで歩いてきた距離を1セット、これから歩く数キロを1セットとしてみなしているというイメージです。

the otherについての解説

anotherの大意が掴めれば、他のワードはその違いを比較すれば理解しやすいはずです。

ここからは、the other、others、そしてthe othersの違いとそれぞれの使い方について解説していきます。

まずは、the otherについて見ていきましょう。

anotherの”an”が”the”になったものが、the other

anotherの解説の際に、anとotherが一語になったものと紹介しました。the otherは、単に、このanがtheになったものと考えることができます。a(an)とtheの違いは特定できるかどうかです。

そして、その最たる例が、2つの事柄について述べる際に、既に1つ目の項目について説明した後に使うthe otherです。

a(an)とtheの違いが分かれば、anotherとthe otherの違いも分かる

例を見てみましょう。

I have two foreign friends. One lives in the US. The other lives in the UK.
私は2人の外国人の友達がいます。1人はアメリカに住んでいます。もう1人はイギリスに住んでいます。

なぜ、ここでanotherを使うべきではないのでしょうか。それはa(an)が漠然とした誰かを指しているからです。

ここでは、2人の外国人の友人がいると話した後で、1人について説明していますから、the otherと言うと、2人の内の「もう一方」であるということが聞き手も分かります。ポイントは聞き手が誰について話しているのかを分かっている、という点です。

では、この例で友人が3人いる場合はどうなるでしょうか。
I have three foreign friends. One lives in the US. _____ lives in the UK. _____ lives in Japan.

正解は、
I have three foreign friends. One lives in the US. Another lives in the UK. The other lives in Japan.
私は3人の外国人の友達がいます。1人はアメリカに住んでいます。もう1人はイギリスに住んでいます。
です。

繰り返しますが、ポイントは聞き手が誰のことについて説明しているかを特定できることです。

アメリカに住んでいる友人の説明の後では、まだ2人残っているので、話し手は、その人とは「別の」「ある人」はイギリスに住んでいると説明しなければなりません。ここで「別の」「ある人」という意味を表すことができるのがanotherであり、最終的に残った人がthe otherと断定できます。

【応用編】必ずしもtheである必要はない

ここまで、the otherについての解説をしてきました。しかし、中にはtheの代わりにourやnoがotherの前に付く場合があります。

これは、そもそもthe otherの後が単数形の可算名詞の際に起こることで、上の例の場合は、The other (friend) lives in Japanとfriendが省略されていました。

冠詞をつけずに、あるいは複数形にせずに、friend lives in Japanと言うことはできませんから、a(an)やtheを付ける必要があります。

例えば、上の3人の外国人の友人がいるという話をしている時に、

One of my foreign friends lives in Japan, but no other friends do.
1人は日本に住んでいるが、他に日本に住んでいる人はいない。

と言うことができます。

他には、

Maria works as a teacher. Our other daughter is still a student.
マリアは先生として働いています。私たちのもう1人の娘はまだ学生です。

という表現もあります。

この場合、
our other daughter
=the other daughter

=もう1人の娘
と言っていることから、話し手には2人の娘しかいないことが分かります。

反対に、仮にここでAnother daughter is ~. と言う場合は、他にも少なくとも1人は娘がいるということになります。


ここで少し余談!

下記記事では「全て」を意味する「all」と「every」の違いについてご紹介しています!いざ使う場面になった時に混乱しないように正しい使い方を覚えていきましょう♪♪

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others(other 〇〇〇s)についての解説

othersは、基本的にはother ◯◯◯sが省略された形です。ここでは2つを同じものとして扱い、解説をしていきます。

厳密には違いがありますが、それについては【応用編】で説明いたします。

othersはanotherの複数形

見出しのとおりothersはanotherの複数形と考えると分かりやすいかもしれません。どちらもtheが付いていないことから、「特定の」なにかではないことが分かります。

また、anotherでない以上、単数の名詞が続くこともありません。一番最初に見た、犬の例を見てみましょう。

Some dogs are friendly, but other dogs are shy.
フレンドリーな犬もいれば、恥ずかしがりな犬もいます。

otherの後がdogsと複数形になっていることが分かります。

others=other people

先ほど見たとおり、othersはother ◯◯◯sが省略された形です。上の例で言えば、Some dogs are friendly, but others are shy.と言い換えることもできます。

この構文で特に多いのが、Some people ~, others ~. という形です。また、この場合、時にSome peopleは、単にSomeと言われることもあります。
具体的な例を見てみましょう。

Some say it is important to improve your pronunciation, but others say building vocabulary is the key.
発音を良くすることが大事だと言う人もいれば、語彙を増やすことが鍵だと言う人もいる。

先ほど見たとおり、本来はSome people say ~, but other people say ~. のいずれのpeopleも省略されて、Someもothersも代名詞として使われています。

代名詞としてのothers

上の例で見たように、”others say ~.” で「~という人もいる。」と訳されることがあります。見方を変えると、「ある人は~と言い、他の人は~と言う。」と解釈することもできますが、この「他の人」というイメージから、単に「他人」と表すこともできます。

次の例文をご覧ください。

You shouldn’t expect others to do your work for you.
他の誰かがあなたの仕事をやってくれるなどと期待してはいけない。

ここでのothersは「あなた以外」の「他の人たち」、つまり「他人」という意味で使われています。

the others(the other 〇〇〇s)についての解説

anotherやotherの関連で最後に解説するのは、the others、もしくはthe other ◯◯◯sです。こちらも、基本的にはthe othersはthe other ◯◯◯sの省略した形として使われています。

ここまで来れば詳細な説明は不要かもしれませんが、the othersはtheが付いているので、なにか「特定の」ものであり、また、othersと複数形にもなっています。

したがって、コアのイメージは
・「特定の」
・なにか「別の」(特に、「もう一方の」)
・「複数の」(特に、「全ての」人)

もの、ということになります。具体例を見てみましょう。

前の章で見た、3人の外国人の例を思い出してみてください。1人はアメリカ、もう1人はイギリス、もう1人は日本に住んでいます。

One of them lives in Japan, but the others don’t.
彼らの内、1人は日本に住んでいるが、他の人はそうではない。

3人の内、1人のことについて述べた後、その他の2人ともをthe othersと表現しています。これは日本語では、「その人以外の」「全ての」人と考えるとイメージしやすいかもしれません。

したがって、othersの例で見た、You shouldn’t expect others to do your work for you. という文のothersをthe othersと言ってしまうと、あなた以外の全ての人は、誰一人としてあなたの仕事を手伝ってはくれない。というニュアンスになってしまいます。

そもそもthe othersで「他人」と意味する用法は恐らくありませんが、othersと言うことで、全ての人がそうではないかもしれない、という含みを持たせ、顔の見えない(=特定できない)「他人」であると言えるわけです。


ここでまた少し余談!

下記記事では、BigとLargeの違いについてご紹介しています!英語にはニュアンスが似ている言葉が沢山あるので使い間違えのないように正しい使い方を覚えていきましょう♪♪

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まとめ

今回は、anotherとotherの違いや、その使い方についてご紹介いたしました。ささいな違いですが、そのニュアンスには大きな違いがありました。

最後に、要点をまとめると以下のようになります。
Another:(1)one more (2)different or alternative(代わりの)

The other:anotherの”an”が”the”になったもの。つまり、既に話した内容とは「別の」「特定の」なにか。特に、「もう一方の」もの。

Others(other ◯◯◯s):anotherの複数形。「中には~な人もいる。」と訳されることが多い。

The others(the other ◯◯◯s):the otherとothersが合わさったもの。既に話した内容とは「別の」「特定の」「複数の」なにか。特に、「もう一方の」「全ての」人たち。

いかがでしたか?

読んだり、聞いたりする時には理解に支障がないかもしれませんが、自分がいざ話す時には、どれを使うべきか迷ったりしてしまうものです。そんな時は、以上のポイントを思い出してみてください。