「全て」を意味する「all」と「every」の違いとは?

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「全て」という意味で使う「all」と「every」

英語が苦手な人でも知っていそうなこの2つの単語ですが、英語を学習していて、その違いに悩んだことはないでしょうか。

日常英会話でも頻繁に使う2つの単語ですが、ちゃんとニュアンスや使い方の違いがあり、正しく使えないと伝えたいことが伝わらないこともあるんです。

そこで今回は、「all」と「every」について、なるべく簡単にその違いがつかめるようにまとめてみました。この2つの使い分けに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。

「all」と「every」の違いとは?

「all」と「every」には、「全て」というイメージがあるでしょう。確かにどちらも「全て」という意味で使うのですが、英和辞典を引いてみると、2つの様子はちょっと違います。

まずは「all」と「every」にどういう違いがあるのか、そのニュアンスの違い、そして文法的な違いにわけてみていきましょう。

ニュアンスの違い

「all」と「every」の違いを理解するポイントは、そのニュアンスの違いです。まずは英和辞典にこの2つの単語の訳が、どう記載されているのかを見てみましょう。

「all」:すべての、全体の、全部の、あらゆる
「every」:すべての、あらゆる、ことごとく、どの…もみな

こうして見ると、意味は似ていても何かが違うのがわかるでしょうか。この違いはこの2つの単語のニュアンスの違いによるものです。

とても簡単に文章で説明しようとすると、

「all」=とあるグループ全体をひとまとめにして「全部」とくくっている
「every」=とあるグループ内にある1つ1つをそれぞれ意識して、その「全て」と言っている

というような違いがあります。
ちょっとわかりづらいので、例文を1つ見てみましょう。

I like all teachers at school.
(私は学校のすべての先生が好きです。)

I like every teacher at school.
(私は学校のどの先生も好きです。)

ニュアンスを意識して日本語にすると、こんな感じでしょうか。この文章はどちらも学校の先生が全員好きであることを表しています。

しかし「all」の方が、学校の先生全員をひとまとめにしている一方で、「every」を使った文章の方は、1人1人の先生のことを意識して、どの先生も好きだと言っているわけです。

上記の例文では、どちらを使っても文法上・意味上の間違いはありません。しかし、このニュアンスの違いを理解しておかなければ、文章によっては致命的な間違いをおかしてしまうこともあるのです。

文法的な違い

「all」と「every」には、ニュアンスの違い以外にも、文法的な違いがあります。ニュアンスの違いに比べると、こちらは掴みやすいでしょう。

その違いとは……

「all」=「all + 名詞の複数形」
「every」=「every + 名詞の単数形」

という形で文章を作るということです。(※allやeveryのあとに、必ずしも名詞が来るとは限りませんが、ここでは名詞にフォーカスしています。)

上記の例文を見てみると、「all」は「all teachers」となっているのに対し、「every」は「every teacher」となっていますね。このように、文法的な面でも2つの単語には違いがあるのです。

単数形・複数形の話が出ると、気になるのは可算名詞・不可算名詞についてではないでしょうか。

「all」の場合は不可算名詞についても同じように使えます。不可算名詞は数を数えられない名詞ですが、「all」の場合、数を数える必要はなく、全部ひっくるめてしまうので、普通に使えてしまうのですね。

ですが、「every」は不可算名詞とは使えません。これは、「every」が個々という数の単位を意識しているからです。つまり、「all water」とは言えるのですが「every water」とは言えないのです。不可算名詞である「water」には個が存在しないからです。

しかし、「every」が絶対に不可算名詞と一緒には使えないというわけでもありません。たとえば、「water」で言うなら、「every type of water」として、「すべての種類の水」のようには使えます。これは「type」が可算名詞だからです。

ニュアンス的に、不可算名詞である名詞の1つ1つの種類を意識したいなら、こういう形で「every」を使うことができます。


ここで少し余談!

下記記事では「used to」と「be used to」の違いについてご紹介しています!かなり似ている表現なので、使い方を間違えないように気をつけましょう!

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「all」と「every」を使った例文を見比べてみよう!

文章で説明されるとよくわからなくなるという人もいますよね。そこでここからは、例文を使って「all」と「every」のニュアンスの違いを体感してみましょう。

「all day」と「everyday」

「all」と「every」の違いを感じるのに一番おすすめなのは、「all day」と「everyday」です。まずは例文を見てみましょう。

I am at home all day.
(私は一日中家にいます。)

I am at home everyday.
(私は毎日家にいます。)

「day」をつけることで、「all」と「every」の意味の違いが顕著になりましたね。「一日中」とは一日をまるっとひとまとめにした言い方です。対して、「毎日」の中には、一日が何個も存在しています。(ちなみに「all days」というと「全日」という意味になります。)

「all night(一晩中)」と「every night(毎晩)」「all week(一週間中)」と「every week(毎週)」などにも、同じような意味の違いが発生しています。これらは日常英会話の中で結構使う表現ですから、覚えておくと便利ですよ。

「そこにいる全員」を表す

「全員」というと「everyone」や「everybody」という単語が浮かんでくるでしょう。「all」を使った場合、「all one」「all body」なんて言いませんが、ニュアンスの違いによって、使い分けは必要です。

まずは「every」を使った例文を見てみましょう。

Everyone at the party dressed up nicely.
(そのパーティーではみんな綺麗におしゃれをしていた。)

パーティーの参加者が、思い思いの素敵なドレスなどを着ているイメージが思い浮かんだなら、かなりいい感じです。ではこの文章で「all」を使おうと思うとどうなるでしょうか。

All the people at the party dressed up nicely.
(そのパーティーではすべての人が綺麗におしゃれをしていた。)

「everyone」にそのまま「all」を使えないので、「people」で置き換えてみました。

なかなかここでニュアンスの違いを感じることは難しいかもしれませんが、「all」を使った場合は、話者はあまり個々の参加者を意識しておらず、全体を見て「みんな綺麗」と言っている感じです。

全員という場合は、「everyone」が圧倒的に使われる頻度が多いですが、シチュエーションやニュアンスによっては、「all」を使った表現になることもあります。

ちなみに上記の例文の場合だと、「All were dressed nicely at the party.(パーティーでは全員素敵な服装をしていました。)」ということもあり、「all」をそのまま代名詞として使えます。しかし今回はひとまず、「every」と「all」の違いだけ理解しておきましょう。


ここでまた少し余談!

下記記事では、「few」と「little」の違いについてご紹介しています!英語にはニュアンスがかなり似ている表現が存在するので、間違えて使わないように注意していきましょう!

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まとめ

とても似ている表現である「all」と「every」ですが、その違いが見えてきたでしょうか。

ニュアンスの違いというのは、感覚的な部分もあります。なので、文章で説明されて理解するよりも、たくさん使って、たくさん間違い、そしてたくさん修正されればどんどんその感覚が身についていくでしょう。

「all」と「every」をたくさん使ってみたい方は、ネイティブキャンプのレッスンで、講師にお願いしてみてくださいね。本を読んだり、リスニングをしたりしてインプットで自然と身につけていくのもおすすめです。