日本人はスピーキングと並んでライティングに苦手意識を持つ人が多いです。ライティング力をアップするには、英語の文章構成について知ることはとても大切です。
今回の記事では英語の文章構成の特徴や、どのような方法でライティング力を上げていけばよいかなどについて説明していきます。ぜひ最後までお読みください。
文章構成上達のコツってどんなもの?
文章構成がうまくできるようになるためには、英文の特徴をまず知らなくてはなりません。まずは、基本的な「英語の文章の型」について詳しくなりましょう。英語で文章を書くときの型って?
一般的に、英語の文章は三つのまとまりからできています。それは、導入にあたるIntroduction
本論を述べるBody paragraph
結論にあたるConclusion
の3つです。一つ一つの特徴について説明していきます。
①Introduction
ここではまず、これからどんなトピックについて書いていくかを説明します。トピックの背景に対する「一般的な知識や見解」を述べた上で、与えられた題に対する「自分の意見」を簡単に述べていきます。以下のようなイメージで文章を展開していくとよいでしょう。
2 1とは別の背景や、概要を述べる
3 それらを踏まえた上で、自分の主張を端的に述べる。(詳細はBody paragraphで書きます。)
②Body paragraph
エッセイの一番カギとなる部分です。ここでいかに論理的に文章を展開できるかで、文章全体への評価が変わってきます。Introductionで述べた自分の主張に対しての理由を、3から5つのパラグラフに分けて説明していきます。各パラグラフで論拠を明示して、自分の意見に肉付けをしていくイメージです。
Body paragraphで大切なのは、あえて反対意見も取り上げることです。
「私の主張はAであるが、一方Bという意見もある。しかしそれは〇〇で××なため、Aの方法が正しいと考える。」と述べることで、より深い考察ができていると評価されます。
また、英文を書くときに大切なのが、先に主張を述べることです。
日本語ではどちらかというと、「〇〇で、××なので、△△と考える。」というように、先に理由を述べることが多いです。しかし、英語は日本語とは全く別の構造を持つ言語です。まず、シンプルに自分の主張を行い、その後でその理由を述べていくというのが基本的なスタイルですので、注意しましょう。
以下のようなイメージでパラグラフごとに展開していくとよいでしょう。
2 理由①に関する具体例を挙げていく。
3 他の視点からの理由を述べる(理由②)
4 理由②の具体例を挙げる
5 別の視点からみた意見や、反対の意見についても触れ、それに対しての自分の考えや主張を書いていく。
パラグラフの数は求められた文字数などに応じて設定しましょう。
③Conclusion
ここでは、Body paragraphで主張してきたことを受けて、最後に自分の考えを再度まとめます。Conclusionでは自分の主張に対して「今後、このようになっていくことを期待している。」という自分の願いも付け加えるようにしましょう。自分の意見だけで終わると尻すぼみになりがちですが、希望を付け加えることで結論が極端に短くならず、文にまとまりが出ます。
ライティングを上達させるための、気を付けるべきコツって?
ここまでは英文の基本的な構造についてお伝えしてきました。では、実際に書くときに使えるコツや学習方法はあるのでしょうか?次に実際に書くときに気を付けるべき細かいコツや練習方法についてお伝えしていきます。
コツその1 同じ単語や言い回しを使わない
英語は繰り返しを嫌う言語です。ですので、同じ単語や言い回しをできるだけ使わないようにしましょう。以下の例文を見てください。このように似た単語や文法が頻繁に出てくると、文章全体に平易な印象を覚えますし、読み手は疲れてしまいます。
日本語でも同じ言葉が連続すると文章全体が幼稚に感じられるように、英語でも同じ現象が起きます。そうならないためにはこの文を例えば、
Dolphins possess a high level of intelligence. They are also known for their splendid communications
と変えてみましょう。多様な言い回しや語彙を操ることにより、読み手に「この書き手は語彙や基本的な文法知識がしっかりと身についているな」と思わせることができます。
また、接続詞のパターンを増やしておくこともとても大切です。よく使われる代表的な「and, but, however」の繰り返しは避けましょう。これらの簡単な接続詞を多用することは英文全体の評価を下げます。下に、代表的な接続詞の例を挙げておきますのでぜひ参考にしてみてください。
【さらに】
In addition, Furthermore, Moreover
【一方、~である一方】
On the other hand, while, whereas
【しかしながら】
However
【それにもかかわらず】
Neverthless
【そのかわりとして】
Instead
【~であるが、~だけども】
Although, though
【~にもかかわらず】
In spite of, Despite
【例えば】
For example
【言い換えれば】
In other words
【結論として】
In conclusion
【それゆえに】
Therefore
【究極には】
Ultimately
コツその2 定型文のストックをつくること
英文を書くときに大切な練習方法の一つに「定型文のストックをできるだけ自分の中に蓄積しておくこと」があります。
書き慣れるまでは最初のうち、日本語で考えてそれを英語に直していくというやり方をしてしまうかもしれません。しかし、この方法は時間がかかりすぎるだけでなく英語を学ぶ上でとても非効率です。
私たちが日本語で何かを述べる際、いちいち頭の中で「主語は〇〇で、述語は××だから、~~という文章にしよう」なんて考えません。それは、日本語を習得していく過程で主張したいことに合わせて日本語の文が出てくる、「日本語脳」の回路ができているからです。
英語で考えて英語で文を作るようになるためには、「英語脳」の回路づくりを意識した学習はとても有効です。英語脳の回路を作るには、以下の記事がおすすめです。
英語ぺらぺらも夢じゃない!英語脳の育て方
テキストなどに出てくる言い回しのストックをできるだけ脳内に増やし、いちいち日本語に置き換えなくてもパッと取り出せるように覚えていきましょう。
しかし、時にはストックを駆使しても文章がうまく書き進められない時があります。そのような時は主語を入れ替えてみましょう。
例えば、「彼の態度が人々に影響をあたえた」と書きたいとします。主語の「His attitude 」まで出てきたのに、「影響をあたえる」という言葉がどうしても出てこなくて書き進められない、そんなときにはいっその事、主語を目的語である「多くの人」に変えて考えてみましょう。「影響を与える」という単語が出てこなくとも、例えば同じような表現の[shocked]に置き換えることで、同じような意味の文章を作ることができます。
書き進められなくて困ったときはぜひ、主語を入れ替えたり、it構文に置き換えたりしてみましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、大人の方がこれから英語の勉強をやり直すときに役立つ情報をまとめています!英語学習に年齢は関係ありません!ぜひこの記事を参考にしてください♪♪
文章構成がうまくなるために、やるべき勉強方法とは?
文章構成のコツはわかりましたが、実際に書く力をつけていくためにはどのような方法がよいのでしょうか。今日からすぐにでも取り組める方法をご紹介していきます。1.読み、書き写す
ライティングは、先にも挙げたようにアウトプットの能力が試されます。良い文を書くためには普段からどれだけ自分の中に語彙力や文法力が備わっているかがモノを言います。テキストに載っている例文を精読して文法を理解したり、単語量を増やすことはその後のアウトプットの力になります。
読むだけではなく教材を書き写すことも、特に勉強し始めの初期のうちは参考になります。これらを声に出して書き写すことで先に挙げたIntroduction, Body paragraph, Conclusionの構造をより理解しやすくなります。
2.毎日日記に書いて添削をする習慣をつける
文章を書いた後に英語の得意な人やネイティブに添削を行ってもらい、書いた文章に誤りがないかを確かめるようにしましょう。間違いを見直して適切な表現に書き直すことまでが、ライティングの勉強です。「でも、誰に頼んだらよいの?」と思う方は、以下のサイトなどを利用してみましょう。
Grammarly には無料プランと有料プランがあります。
コンピューターがスペルミスや冠詞の間違いといった基本的なことだけでなく、文法や単語の誤り、イディオムのミスなども指摘してくれます。無料プランでも十分使えますので、文章を書いた際はぜひこちらでチェックしてみましょう。
こちらは無料で使える文章添削ができるSNSです。
世界中の人と色んな言語で添削をしあうことができます。自分の書いた英文をアップすると、あなたの文を見つけた英語ネイティブの人が添削をして正しい言葉に直してくれます。
実際に以前筆者も使ったことがありますが、何気なく使っている動詞の過去形の誤りや冠詞が抜けていることを指摘してもらい、大変役に立ちました。
デメリットとしては、あくまで一般の人が添削するため、人によって指摘に差があったりすることです。試験対策ではなく日記やエッセイを書くという目的の場合に使うのがよいでしょう。
オンライン英会話の先生に自分の書いた文章を送り、授業内でそれを読み上げることも練習方法の一つです。
この方法ではネイティブスピーカーの先生に単語や文法の間違いを教えてもらえるだけでなく発音の誤りをチェックしてもらうことができます。試験によってはライティングだけでなくスピーキング力も上げる必要があるので、ライティング力を高めると同時に英語の発音の勉強にもなり、一石二鳥です。
3.テーマごとに書きやすいネタをストックしておく
日本語でも一度も考えたことがなかったり、全く興味をもっていないかったりする分野のものは論じることが難しいです。母語ですら論じられないものを英語で論じることはかなり難しいでしょう。しかし、IELTSなどのアカデミックな試験では、様々な分野にわたって問題が出されることがあります。
アカデミックな試験を受ける予定の人は各テーマごとにサンプルを作っておいて、ネタをストックしておくと当日焦らずに取り組めるのでおすすめです。
ここでまた少し余談!
下記記事では、使役動詞の使い方・使い分けをご紹介しています!日常的にかなり使う表現方法になるのでぜひ参考にしてください♪♪
まとめ
文章構成の力は書いた量に比例していきます。たくさん書いていくにつれ、書き方のコツを得て表現方法を増やしていくことができます。目標が高ければ高いほど、最初のうちはうまく書けず落ち込むこともあるかもしれません。けれど、あきらめずに続けることで力は着実についていきます。幸い、在宅で活用できる英語教材はたくさんあるので、このピンチを逆にスキルアップの時間に費やしてみましょう。
中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。