インバウンドとは!?英語表現ご紹介!日本大ピンチ!?

inbound

皆さん、「インバウンド」というキーワードを耳にしたことがありますか?

「中国からのインバウンド、今年は約960万人」

「インバウンド消費が4兆を突破」

「新型コロナウイルスで日本のインバウンドに打撃!」

旅行関連のニュースかなと思われた人、大正解です。

日本ではインバウンドは、”海外から外国人が日本を訪れる旅行”のことを意味します。

さて、インバウンドは英語で「inbound」になりますが、ネイティブスピーカーはどのようにこの言葉を使っているのでしょうか。

日本人のインバウンドの使いかたは、そのままネイティブスピーカーに通じるのでしょうか?

ちょっと微妙、、、と思う人は多いかもしれません。

確信が持てないときは調べるに限ります。

自分で納得したものについては、しっかり記憶に残るからです。

今回の記事は「インバウンド」を取り上げます。

ビジネスとしてのキーワードを理解したり、旅行好きな人が外国人との会話で使えるような表現など、多方面から考えてみましょう。

インバウンドをしっかり理解しよう!

日本でインバウンドという言葉を聞く機会が増えました。

旅行業界で働く人であれば、使い慣れている表現ではないでしょうか?

まずは、日本語「インバウンド」とその意味の理解をするところから始めましょう。

インバウンドとは、「海外からの外国人が日本を訪れる旅行」を指します。

日本に興味を持つ観光客が実際に日本を訪れ、ホテルや旅館に宿泊をしたり、国内旅行・観光をしたりしてお金を使うことから「インバウンド需要」と言う言葉もあります。

2013年、訪日外国人旅行者数が1,000万人を突破したあたりから「インバウンド」という言葉が頻繁にメディアに露出されるようになったそうです。

どんな業界がインバウンドの影響を受けるのか、期待されていることは何なのか、訪日観光業界メディア「インバウンドナビ」から抜粋してご紹介しましょう。

・インバウンドの影響を受ける業界

外国から日本に来た外国人によって以下の通り、接客業をメインに様々な業界が影響を受けています。

宿泊、飲食、小売、交通、レジャーなど。

・インバウンドに期待すること

日本の高齢化と少子化の同時進行によって内需の減退があり、インバウンドによる訪日外国人に期待している業界がたくさんあります。

引用元:訪日観光業界メディア「インバウンドナビ」

https://inboundnavi.jp/whatisinbound#i-7

観光庁は”インバウンド観光の現状と動向と課題”、または日本政府観光局は”インバウンドの動向”をウェブサイトで公表していたりします。

インバウンドによって訪日観光客がもたらす影響がとても大きいことが分かりました。

さて、日本人が使う「インバウンド」をしっかりと理解することができました。

ここで、ネイティブスピーカーに通じるのか?といった疑問に戻りましょう。

「インバウンド」ネイティブスピーカーに通じるの?

インバウンドの英語は「inbound」になります。

その意味は、”入ってくる・到着する・本国行きの”です。

これだと、私たちが使う”日本を訪れる訪日外国人の旅行”を意味するインバウンドとは少しニュアンスが違うことが分かりますね。

そこでもう少し調べてみると、Travel Daily Newsに”inbound marketing”(インバウンドマーケティング)なるものが見つかりましたのでご紹介しましょう。

Inbound marketing focuses on drawing your potential customers in via helpful and relevant content that adds value to their buying journey.

- インバウンドマーケティングは、購入の経過に価値を付加する役立つ関連したコンテンツを介し、潜在的な顧客を引き寄せることに焦点を当てます。

focus on=焦点を当てる、potential customer=潜在的な顧客、relevant=関連した、value=価値

引用元:Travel Daily News

https://www.traveldailynews.com/post/why-inbound-marketing-is-taking-off-in-the-travel-sector

ここで「東京オリンピック」を例に考えてみましょう。

2020東京オリンピックはご存知の通り、新型コロナウイルスの影響から開催が2021年7月23日に延期されました。

世界各国から大勢の外国人が来日するオリンピックの”インバウンド効果”はとても大きく、国内では外国人向けの対応、コミュニケーションなど接客対応など様々な対策が取られます。

インバウンド対策として日本企業が取り組むものはいろいろですが、特にコミュニケーション(英語や中国語といった外国語対応)、マーケティングリサーチ(外国人の好みや行動の予測)が必須です。

そういった意味では、まさに”inbound marketing”という表現がぴったりと当てはまると言え、外国人にも”日本人の使うインバウンドが通じないわけではない”といって良いでしょう。

ちなみに、”inbound sales”という言葉もあり、これも様々なニーズを可能な限りにビジネスに反映させるという意味になります。

さて、結論です。

・ネイティブスピーカーはインバウンドを日本で使われているような「訪日の旅行」という意味では使っていない

・インバウンドが旅行関連のマーケティングで使われることはある

では、ネイティブスピーカーはインバウンドをどう使っているのか、というお題にうつっていきましょう。

英語のInbound、ネイティブスピーカーは航空券の「復路」で使う

英語「inbound」の意味は、”入ってくる・到着する・本国行きの”だと前述しました。

これらの意味からも、inboundは”内側に向かってくる”といったニュアンスを持っていることが分かります。

そこには、”自分がいる位置を基本”にした考えがあります。

例文でみたほうが分かりやすいので、さっそくご紹介しましょう。

inboundが最も使われるパターンに「航空券」があります。

そこで、航空券を探しているという状況での例文でみていきます。

ここでのポイントは、航空券を探している人がどこにいるのかということです。

I’m looking for the cheapest inbound flight from Tokyo to London.

- 東京からロンドンへの一番安い飛行機便を探しているんだ。

これは格安航空券を探している人が”ロンドン”にいることを示します。

もし、探している人が東京にいる場合は、以下になります。

I’m looking for the cheapest inbound flight from London to Tokyo.

- ロンドンから東京への一番安い飛行機便を探しているんだ。

Heathrow Airport Arrivals is for inbound passengers only!

- ヒースロー空港到着ロビーは、復路の乗客のみが対象となっています。

お分かりになりましたか?

inbound、”往復”で言えば、「復路」なのです。

今、格安航空券を探している人がどこにいて、どこに戻ってくるための航空券なのかを考えて「inbound」が使われることがお分かりいただけたでしょうか?

inboundの「bound」をチェックしてさらに理解!

さらに、inboundの理解を深めていきましょう。

そこで、inboundを”in”と”bound”に分けてみます。

boundには、「(列車・飛行機などが)~行きの」または「(人が)~へ行くところ」という意味があります。

上述の例文も航空券でしたね。

さて、ロンドンのチューブ(地下鉄)に乗ったとこのある人は、このboundという表示に身に覚えがあるかもしれませんね。

boundは、サークルラインやヴィクトリアラインといったそれぞれの路線の「~方面行き」という表現のときに使われる言葉です。

ロンドンでは、電車がどこに向かうかが方角で表わされているのです。

例えば、南方面行きであれば「south bound」、東方面行きであれば「east bound」といった具合です。

We are taking a south bound train to go to London Victoria.

- 私たちはロンドンヴィクトリアへ行くのに、サウスバウンドの電車に乗ります。

ここで、ノースバウンドの電車に乗ると、行きたい方面の反対に行ってしまうということになります・汗

Is it right that I take an east bound train to get to Brixton?

- ブリクストンへ行くには、イーストバウンドで当たっていますか?

このように、”bound”にはどこかへ向かうというニュアンス、inboundは”in”をつけることで、”内側に向かってくる”といった意味になることが分かります。


ここで少し余談!

『ケースバイケース』英語だと通じない!?下記記事でご紹介しています!

nativecamp.net


駅のプラットホームで使うinbound

外国でinboundがよく使われるもうひとつのシーンとして、駅のプラットホームがあります。

東京であれば、”上り”(東京へ向かう)または、”下り”(東京から他エリアに向かう)という表示ですね。

アメリカではinboundを使って、同じような表現がされています。

Wikipediaの「Rail directions」からご紹介しましょう。

The term “inbound” is used for the direction leading in towards the city centre.

- インバウンドは、市内中心部に向かう方向に使われます。

このように、「inbound=上り」というイメージを持たれると良いでしょう。

引用元:Wikipedia「Rail directions」

https://en.wikipedia.org/wiki/Rail_directions

その他のinboundいろいろ、電話・ネットワーク・今向かっているところ

”内側に向かってくる”という意味から、inboundは様々な使われかたをします。

・かかってくる電話

外からかかってくる電話にもinboundが使われます。

Inbound calls are phone calls made to a company’s customer service and are initiated by the customer.

- インバウンドコールとは、企業のカスタマーサービスにかかってくる電話で、それは通常、お客様が始めます。

We are experiencing a large amount of inbound calls to our call-centre.

- 私どものコールセンターへ大量の着信が発生しています。

・ネットワーク

”メールが開通した”といった言い方もありますが、ネットワーク上でtraffic(情報の行き来)が行なわれる際にinboundが使われます。

Inbound traffic refers to information coming in to a network.

- インバウンドトラフィックとは、ネットワークに着信する情報のことをいいます。

・今そっちに向かっているところだよ!

会話でも使いやすい表現もご紹介しましょう。

I’m comingという表現がありますが、これに代わってinboundを使うことができます。

Hi Colin, I’m inbound on the motorway – be there in 10 mins!

- コリン、高速道路でそっちに向かっているよ。あと10分くらいで着くから!

さて、inがあればoutももれなく付いてきますね!

最後にinboundの反対語「outbound」についても触れておきましょう。

「outbound」はinboundの反対語

inboundの使いかたを学んできた皆さんは「outbound」がなかなか出てこないとウズウズされていたのではないでしょうか?

その通り、「outbound」はinboundの反対語に当たり、「内から外に出る」という意味になります。

the cheapest outbound flight、電車の”下り”として使われるoutbound、カスタマーサービスなどが顧客にかける電話のoutbound call、ネットワーク上のoutbound trafficなどなど、inboundがあればoutboundがあると言えるのです。


ここでまた少し余談!

皆さん『アサインする』の意味をご存知ですか?下記記事で詳しくご説明しています♪♪

nativecamp.net


まとめ

日本人にとってインバウンドの意味はメインとして訪日外国人の旅行になりますが、ネイティブスピーカーにとっては航空券(復路)や電車の方向など「内側に向かってくる」ことを表わすということが分かりました。

日本式のインバウンド関連旅行業も飛行機や電車が欠かせないので、英語inboundの使われかたと何となくイメージが繋がらないでもありません。

ネイティブキャンプには、観光ビジネスが盛んな国出身の講師がいますので、今回のインバウンドの使いかたについて質問するのも面白い会話になっていくかもしれませんね!