「バックレる」って英語でなんて言うの?例文も紹介!

duck out

世の中には色々なサービスがあって、退職代行サービスというのもその1つですね。

労働者が会社を退職したいと考えた場合に、本人の代わりに会社側に退職の意思表示を行い、処理をしてくれるというものです。

辞めたい理由そしてサービスを利用したい理由は 転職のこと
上司のこと
職場の人間関係のこと
労働環境のこと
など人それぞれのようです。

またきちんとした手続きをせずに単に仕事をバックレてしまうと、就業規則に基づいて退職金が減ったりもらえなくなったりする可能性があります。

なんだか楽しくない話で始まりましたが、今回は「バックレる」という言葉がテーマの記事となっています。

「バックレる」という日本語

広辞苑によると「ばっくれる」は「しらばっくれる」を略した俗語で、意味は2つあります。

①知らないふりをする。

②姿をくらます。逃げ出す。

ですが、現在「バックレる」は多くの場合、①より②の意味が中心になって 「さぼる、無断で逃げる、無責任な形で辞める」 といった意味で使われています。

また「バックレ」という名詞でも使われます。

これにひらがなの「る」をつけて動詞にしたので、「バックレる」はカタカナとひらがながこのように混じっているようです。

仕事をバックレる
バイトをバックレる
授業をバックレる
学校をバックレる
などが「バックレ」の主な対象ですね。

ただ、「バックレる」とだけ入力して検索してみると上位のページはほとんど仕事やバイトのことになっています。

現代では単にさぼるのではなく、急に行かなくなって連絡も無視する、つまり 「無断で逃げる、無責任な形で辞める」 という意味で使われる場合が主になっています。

ところで、「サボる」「ドタキャン」とはどう違うのでしょうか。少し解説したいと思います。

サボる…なまける。なまけて休む。

先ほど挙げた「バックレる」の意味の中に「サボる」が含まれているように、「サボる」を使うときに「バックレる」を代用するのは可能ですが、「サボる」の説明から考えると、「バックレる」の代わりに「サボる」を使うのは、可能な場合とそうでない場合があります。

「サボる」というのは、それっきり行かなくなることを意味しないのです。

仕事をサボっても学校をサボっても、それはもう行かないということではなく一時的に行っていないだけです。

ある日から無断欠勤が続き、店側からの連絡にも答えないような場合の「バックレ」と「サボり」は異なります。

また、両方が使える場合でも「サボった」より「バックレた」の方が、少し悪く、あるいは少し荒っぽく聞こえるように思います。

ドタキャンというのは「土壇場のキャンセル」の略で、直前になってから約束を取り消すこと。

これも「サボる」と同じく、「ドタキャンする」を使う代わりに「バックレる」を使うのは可能ですが、「バックレる」を使う代わりに「ドタキャンする」が使えるとは限りません。

「ドタキャン」は、何らかの予定や誰かとのある約束を取り消してしまう単発の出来事であり、何の連絡もなくずっと行かなくなってしまうような場合の「バックレ」とは異なります。

また、「ドタキャンした」より「バックレた」の方が少し悪く、あるいは少し荒っぽく聞こえるように思います。

「バックレる」を英語にすると

①サボるという意味の場合

サボるという意味であれば、skipやduck outになります。

また、イギリスの口語表現でbunk offやskive off、アメリカの口語でditchもあります。

She said she wanted to skip work today.

彼女は、今日は仕事をサボりたいと言っていた。

He ducked out while we were busy with the preparation.

彼は、私たちが準備で忙しくしているときにサボっていた。

We used to bunk off school as kids.

子供のころはよく学校をサボっていた。

Some people exaggerate an illness in order to skive off work.

仕事をサボるために病状を大げさに言う人もいる。

Let’s ditch the next class. It’s boring.

次の授業サボろうよ。退屈だから。

もうひとつ紹介したい単語があります。 AWOL(Absent WithOut Leave) です。

強調のために大文字にしているわけではなく、こういう単語です。

もともとは軍隊における 無断欠勤
無断外出
無断離隊
脱走
に関して使われていましたが、今では軍隊以外でも無断欠勤を表すようになっています。

動詞的に使う場合はgo awolになります。

The soldier was AWOL for almost a week

その兵士はほぼ1週間、無断外出をしていた。

She sometimes goes AWOL.

彼女は時々、無断欠勤をする。

②「バックレ退社」のようなバックレの場合

①の場合では、それっきり行かなくなって連絡も無視するという意味の「バックレる」が表現できていません。

1、2語で言うのは諦めて、言い換えて説明するしかないのでしょうか。

実は、かなり近い単語があります。ghostです。

まずは辞書に載っている、動詞のghostの一般的な2つの意味を確認しておきます。

①ゴーストライティングをする、代作をする

②幽霊のように音を立てず歩く

そして、ちゃんとした辞書にはまだほとんど載っていないのですが、もうひとつ意味があります。

メリアムウェブスターの辞書には、上記の2つに加えてこんな意味が載っています。

informal : to cut off all contact with (someone) : to subject (someone, such as a former romantic partner) to ghosting

口語:誰かとのあらゆる連絡を絶つこと。誰か(例えば以前の恋愛相手)にゴースティングすること。

例文

No one wants to be ghosted.

バックレられたい人なんていない。

She had the nerve to confront the guy who ghosted her.

彼女は大胆にも、バックレた男に面と向かって文句を言った。

I don’t know what I’ve done to her. She’s been ghosting me for a week.

何がいけなかったのかわからない。彼女は1週間、音信不通だ。

例文のように、もともとはネットを通じた恋愛において、急に音信不通になって関係を終わらせてしまうような場合に使われていた語のようですが、徐々に「仕事をバックレて辞めてしまう」という意味でも使われるようになっています。

海外でも 「辞めると伝えると上司から嫌がらせを受けそうだから」
「大嫌いな職場だからバックレてやる」
といった動機で、従業員がバックレ退社してしまうケースがあるようです。

candidate ghosting

応募者によるバックレ

why job applicants are ghosting you

なぜ求職者がバックレるのか

求人の応募者と面接の日程まで決めたのに、当日来ず、連絡もないということが外国でもあるようです。

employee ghosting

社員によるバックレ

the rise of ghosting in the workplace

職場でのバックレの増加

Why are employees ghosting employers?

なぜ従業員は勤務先をバックレるのか?

An employee just disappeared without explanation. I have been ghosted.

従業員が説明も無くいなくなった。バックレられた。

ghost+バックレる相手=「~をバックレる」というのがこの表現の使い方ですね。

まだ多くの辞書に載っていない表現なので、ネイティブスピーカーの比較的若い世代なら知っている可能性がありますが、それ以外の方はあまり知らない表現だと思います。

誰にでも確実にわかってもらうためには、言い換えて説明する、つまりパラフレーズする必要があります。

「バックレる」を言い換えて英語で伝えるなら stop showing up to work (仕事にやってくるのをやめる) とすることができます。

アレンジして、下記のような言い方もありますね。

stop showing up to work without notice

無断で、仕事に来なくなる

stop going to the workplace and never answer phones

職場に行かなくなり、電話にも出ない

③しらばっくれるという意味の場合

play dumb 知らないふりをする、とぼける

play (the) innocent とぼける、しらばっくれる

play+形容詞という、覚えやすい形ですね。

Don’t play dumb!

しらばっくれるな!

I know you’re playing innocent.

あなたがしらばっくれているのは分かっている。

また、pretend「~のふりをする」を使えばこんな風に言うことができます。

Don't pretend you don't know what I'm talking about.

私が何のことを話しているのか知らないふりをしないで。

I pretended like I didn’t know anything.

私は何も知らないふりをした。


ここで少し余談!下記記事ではこれも日本人が良く使う「テンパる」についてご紹介しています!

nativecamp.net


バックレではない退社の英語表現

仕事やバイトをバックレてしまうのは望ましいことではありません。

バックレ以外の場合、「辞める」を表す単語を4つご紹介します。

quit

どちらかというと短期で辞めてしまう場合に使われやすいです。

口語であり、英英辞書にもこのように書いてあります。

quit…(informal) to leave your job, school, etc

Before you quit your job, you should go to ask him for advice.

仕事を辞める前に、彼にアドバイスをもらうべきだよ。

If I were you, I would quit the job.

私があなたなら、その仕事はやめるよ。

leave

去るという意味の派生で「離れる、辞める」という意味になっています。

辞めたのか辞めさせられたのかが、はっきりとはしない単語です。

場所について使うとき同様、leave A for Bの形で使えばAからBへ転職することを表現できます。

He left the business world for an NGO.

彼は実業界を去ってNGOの仕事に就いた。

One secretary after another leaves him.

彼の秘書は次から次へと辞めてしまう。

resign

「正式の手続きで辞める」、「公式に職を辞す」という意味で、leaveより堅い語です

He had to resign his position as chairman after the scandal.

彼はあのスキャンダルの後、会長職を辞任せざるをえなかった。

She has just resigned from the committee.

彼女は委員会を辞任したところだ。

retire

定年・病気などで退職する場合に用い、転職のために辞める場合は使いません。

アーリーリタイアというカタカナ語もありますが、若くして退職する場合にも使えます。

The couple are going to retire in their 30s.

そのカップルは30代で退職するつもりだ。

My grandfather retired early for reasons of health, but is now into hiking.

祖父は健康上の理由で早期退職したが、今ではハイキングに夢中だ。

She retired from the editorship and enjoyed visiting temples all over Japan.

彼女は編集長を辞め、日本中のお寺巡りを楽しんだ。


ここでまた少し余談!下記記事では「頭がキレる」の英語表現をご紹介しています!どんどん使える英語表現を増やしていきましょう♪♪

nativecamp.net


まとめ

いかがでしたでしょうか?

AWOLghostなど少し変わった単語も交えつつ、「バックレる」についての英語表現をご紹介しました。

言葉は常に変化していくので、インターネットで外国人のSNSやYouTubeを見ていると、他にも何か面白い表現に出会えるかもしれません。

バックレるのもバックレられるのも良いことではありませんが、英語で言う機会があれば、今回の単語や表現を使ってみてくださいね。