日本語で友達と話すように、英語でも自由な会話を楽しんでみたいと思う人は多いのではないでしょうか?
英会話を始める以上、このような姿に一度は憧れるものです。オンライン英会話のレッスンの中には フリートーク(free conversation) という、教材に縛られず、講師と好きなテーマに沿って話すレッスンがあります。
今回の記事では、フリートークの向き・不向きや効果的な学習方法などについてお伝えしていきます。
興味はあるけれどフリートークについてよくわからない、もっと知りたいという方はぜひこの記事を参考にしてください。
フリートークに向き・不向きってあるの?
フリートークに向き・不向きはあるのでしょうか。よく聞くのが「フリートークだけでは英語力は伸びない」というマイナス面です。
本当にフリートークは英語力アップには役立たないのでしょうか?
フリートークのメリットやデメリットを探り、その上でフリートークに向いている人・不向きな人とはどんな人なのかをご説明していきます。
フリートークのメリット
フリートークには、大まかにあげて以下のメリットがあります。
①英語脳の回路が作りやすい
フリートークのメリットは、講師からの英語の問いを理解し、即座に英語で答えていくため、日本語が介在しません。
英語でのラリーを繰り返すことで、
いわゆる「英語脳」を作りやすいことがまずメリットとして挙げられます。
テキストレッスンでは日本語の注釈や説明が入りますが、フリートークでは講師からの英語の問いかけと、それにどうこたえていくかというシンプルな学習方法しかありません。
英語での質問に対し、即座に反応して返していく必要があるので、英語に対する瞬発力が身につきます。
②興味関心のある話題だとレッスンを楽しめる
自分で好きな話題を決められることはフリートークの大きな魅力の一つです。
トピックを自分から提案することで自分の興味のある話題に集中できるので、レッスンそのものを友達との雑談のように楽しむことができます。
しかしその反面、興味のない話題の時は苦痛な時間にもなりかねません。
大抵フリートークをしたいというと、講師が「どんな話題について話したい?」と聞いてくれます。
この時にしっかりと答えられるよう事前に話したいトピックを準備しておきましょう。
これは私の実体験なのですが、かつて「なんとなく」フリートークを提案したときはあまりうまくいきませんでした。
講師の提案してくれるトピックについてあまり関心がなく、集中が続かなかったためです。
日本語でも、自分の興味のない分野について何分も話すことは苦痛です。
それが英語であれば、ただでさえ興味がないため語彙に乏しかったり、会話そのものに魅力を感じなかったりするので効果が半減してしまいます。
では、フリートークで話すテーマにはどんなものが考えられるでしょうか?
ざっと挙げてみましょう。
趣味について
仕事について
映画
環境
最近のニュース
自分/講師の出身地について
日本の文化・歴史について
好きな芸能人・俳優
ここに書かれている以外にもたくさんのテーマがあります。
フリートークにチャレンジしたい方は「この話題なら楽しんで話せる」というものを必ず事前に用意しておきましょう。
③英語での論の展開の仕方を学べる
フリートークには決まった答え方はありません。
話したいトピックに対して、自分で論を展開していきます。
例えば、自分が好きな映画について先生に伝えていくとしましょう。
その際、
2 なぜその映画がすきかというと、××だからです。
3 この映画を見たのは、私が〇才のときで、そのとき私は▽▽と思いました。
ご覧いただいてお分かりの通り、英語は日本語よりも明確に、結論や一番伝えたいことをまず述べて、その後で理由を付け加えたり、情報を補足したりしていきます。
このような話し方をフリートークの場で学ぶことは、英作文やプレゼンなど英語のスピーキングを必要とされる場で大いに役立ちます。
教材を用いてのレッスンでは先生の問いに答えることはあっても、自分中心で論を展開していく機会は中々ありません。
フリートークのデメリットとは?
では、デメリットにはどんなものがあるでしょうか。
①英語力が必要
何より大きなマイナス面として、英語力がある程度ないとフリートークは英語の練習にならないということがいえます。
語彙や文法知識が乏しい中で、自由に話すということは非常に困難です。
基礎力をつけて、英語にある程度自信が持てるようになるまでは、フリートークはチャレンジしない方がよいでしょう。
②気を付けないと単調になりやすい
ある程度英会話に自信がある方でも、きちんと事前に準備をせずにフリートークに臨むことは効果的ではありません。
よくある失敗例として、講師からの質問にただ一問一答で返していくレッスン内容です。
例を挙げますと、
先生「今日は何をしていましたか?」
生徒「今日は①学校に行って、帰ってきてからはご飯を食べて好きなyoutubeを見ていました」
先生「youtubeはどんなものが好きですか?」
生徒「日本で人気な②HIKAKINという人のチャンネルです。」
例えば、上の会話でしたら内容を膨らませられる話題が2つほどあります。
①の下線部では、「学校で友達とどんなことがあったか、部活は何か、自分の好きな教科は何でどんなところに魅力を感じているか、今後はどのような分野に進んでいきたいか」というように学校生活についての情報を加えてもよいでしょう。
②の下線部では、HIKAKINはどんな人でどんなチャンネルをもっているか、それについての自分の考えや、「講師の国ではどんな人が人気か」などを逆に質問するといった展開の仕方が考えられます。
このようにシンプルな質問に対して、いくらでも会話を広げていくことは可能なのです。
しかし、なかなかこのように会話を膨らませて話すということは慣れるまでは難しい部分があります。
ただの一問一答形式になってしまう・・という方は、教材を用いた学習をした方が学習効果は高いでしょう。
フリートークに向いている人・向いていない人とは?
デメリット1でも触れたよう、フリートークは英語力がある程度高くないと時間の無駄になってしまいますので、英語力が低い方には向いていません。
基礎的な語彙や文法が身に着いたと実感してから挑戦することが大切です。
また、自分が聞き上手だと思う方にもフリートークはあまり向いていません。
フリートークはあくまで自分の話したい話題を講師に振って言葉のキャッチボールを楽しむ場です。
逆に、話すことが大好きな方で、ある程度英語力の下地ができていると思う方はぜひ一度挑戦してみましょう。
型どおりのレッスンではなく、英語で会話を続けることのおもしろさを実感できるでしょう。
ここで少し余談!
オンライン英会話を受講しようか迷っている方必見!オンライン英会話に関して気になることをまとめた記事を載せておきます!
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
フリートークの有効な使い方ってある?
フリートークだからこそできる有効な使い方にはどんなものがあるのでしょうか?
「トークを楽しみながら英語を伸ばす」というイメージが強いですが、フリートークは特定分野の英語力を伸ばすことにも使えます。
発音矯正に活かす
発音を上達させたいという人はフリートークの時間も活用してみましょう。
どのような方法で行うかというと、レッスン前に先生に練習したい文章のスクリプトを送っておき、それをレッスン内で読んで先生に発音をチェックしてもらいます。
普段の教材ですと単語や文法の間違いを直すことに先生も注目しがちで、発音についてはあまりチェックしてもらえません。
しかしこの方法でしたら先生も発音に特化してチェックしてくれますし、苦手な単語を自分で選んで練習することができます。
発音に苦手意識のある方は、フリートークで発音を徹底的に直してもらい、練習に役立てましょう。
ロールプレイ
学校やビジネスの場で英語のプレゼンの練習にもフリートークは大変役立ちます。ネイティブの人に英語を聞いてもらう経験を積んで、疑似体験を事前にしておくことで、つまづきやすい箇所や苦手な単語・言い回しに気を付け、本番に活かすことができます。
先生に試験官や相手役になってもらい、何度も疑似体験をして、英語での発表に慣れておきましょう。
ネイティブキャンプでは、英検やTOEICは専門の教材を用いたレッスンがあります。
それ以外の「英語を使って人前で話す」練習が必要な 方は、フリートークの時間をぜひ活用してみましょう。
IELTS対策
IELTSを受ける方にも、フリートークの活用は効果的です。
IELTSのスピーキング試験では、与えられた題に沿ってスピーチをせねばなりません。
面接官に題を渡され、それについての自分の考えをプレゼン形式で発表していくというものです。
題にそってある程度の長文を話し続けるというのは中々難しいものです。
この試験対策にも、フリートークを活用してみましょう。
スピーキング対策としてフリートークを活用する際、2つの方法が挙げられます。
事前にテーマを自分で選んでおき、それに対する答えもレッスン前にまとめておきます。
それを先生に発表して添削してもらうという方法が一つ目です。
二つ目は、先生に協力してもらって事前準備なしに実際の試験と同じ形式で答えていくという方法です。
フリートークで英語力をアップさせるにはどんな方法が効果的?
特定分野の英語力を伸ばすために、フリートークを活用するということを先の章では述べましたが、英語力全体を伸ばしたいという方にとっては、フリートークで英語力をアップさせるにはどのようなことに気を付けることが大切でしょうか?
最後に、フリートークで英語力全体を上げるために必要な方法をご紹介していきます。
講師に必ず直しを入れてもらうようにする
フリートークのマイナス面として、「やりっぱなし」ということが挙げられます。
1レッスンを英語で先生と会話を続けられたということは大きな自信にはなりますが、間違った単語や文法がそのままでは英語力の伸びにはつながりません。
大切なことはトークを楽しむ+英語力を向上させることです。
フリートークでは他のレッスンと異なり、先生も生徒が会話を楽しみたいと思っていることを察してあえて英語を直さない場合があります。
トークを始める前に、先生に間違いがあったら必ず直してほしいということを伝えておきましょう。
事前に言いたいこと(フレーズなど)をまとめておく
話したいトピックを自分から提供することが大切だということは、メリットの項目でお伝えしましたが、その他にもぜひ取り入れてほしいのは、 「使いこなせるようになりたい単語やフレーズをまとめておき、会話に組み込むこと」 はとても大切です。
例えば、「adjust」という単語の意味を覚えたけど、実際には使いこなせていないとしましょう。
その言葉を入れた文をたくさん用意しておき、レッスン中にはあえて会話に入れ、何度もアウトプットできる状態を作りましょう。
これは、文法知識でも活用できます。記憶が曖昧なものや、使いこなせていない単語や文法は、声に出してアウトプットしていくことで驚くほど記憶に刻み込まれます。
苦手な表現をじゃんじゃん使い、語彙やフレーズを増やすことに役立てましょう。
またまた少し余談!
オンライン英会話では、入会前に体験をすることができます。そんな体験に関して詳しく紹介する記事を載せておきますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
おわりに
フリートークについてお伝えしてきましたが、いかがでしたか。
フリーとはいっても、事前の準備や普段のレッスンと同様に予習復習が欠かせないということをお伝えしてきました。
使い方次第でフリートークは驚くほど英語の総合的な力を伸ばすことに役立ちます。
ご自分の目指す目標に合わせて、ぜひレッスンプランに組み入れてみてください。

中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。