カナダへ旅行や留学を考えている人は、カナダの治安が気になると思います。
特に留学で長期間カナダに住みたいと思っている人は、目的地を決めるときに治安は重要な判断材料の一つになりますね。
今回はカナダの主要都市の治安や犯罪にあわないようにするために気をつける事柄について、わかりやすく解説します。
カナダの犯罪率は?
カナダの治安は良いと言われていて、イギリスのエコノミスト誌調査部門EIUが2019年版「世界で最も住みやすい都市」を発表した中でも、カナダの都市がベスト10の中で
5位 カルガリー
6位 バンクーバー
7位 トロント(東京と同点)
の3都市がカナダでした。
住みやすい基準の中には、治安も入っているはずです。
しかし統計によると、カナダは日本よりも犯罪率は高く日本の5倍であることはご存知でしょうか。
カナダの国土は広くて人口は日本よりも少ないけれど、人は都市に集中します。
日本と同じようにカナダでも犯罪率は田舎よりも都市が高くなります。
そこでカナダの都市別に、治安と多発する犯罪の種類を見てみることにします。
カナダの都市別治安と犯罪の種類
日本は治安が良いと言われますが、実際には場所によって治安が大きく変わることは実感が持てると思います。
それと同じように、カナダの治安も場所によって大きく異なります。
傾向としては田舎よりも都市部に犯罪が多く、昼間よりも夜が危険であることは同じです。
それに加えて治安の悪い地区というのが存在します。
治安が良いと言われる地区でも、ある一画は治安が悪いということもあります。
それは土地勘がなければなかなかわからないことなので、主要な都市別に多い犯罪と治安が悪い地区を外務省の海外安全ホームページを参考にして整理しました。
(1)バンクーバー Vancouver
観光客や留学生を狙った窃盗犯罪が多いので、空港・ホテル・飲食店・観光地では荷物の管理には十分気をつけてください。
駐車している車に貴重品を置いておくと、ガラスを割って物を盗まれる犯罪が多発しているので、車は人目につく駐車場に止めて貴重品を車内に置かないようにしましょう。
スカイトレイン駅では近年何度か強盗事件が起きている他、ギャング同士の抗争や銃などを使った殺人事件も起きています。
バンクーバーの一部(ダウンタウン東地区,中華街近辺等)は薬物中毒者やホームレスが多く、治安が悪くなっています。
(2)トロント Toronto
人口が多いので、人間関係のトラブルが多いです。
異性間の交際や雇い主とのトラブル、金銭トラブルなどです。
自分の意に沿わないことに対しては、はっきりと「ノー」を言わなければ悪意のある相手に隙を与えてしまい、トラブルに発展する可能性が高くなります。
特に女性は親しげに声をかけてくる男性を安易に信じないよう注意が必要です。
詐欺も多発しているので、支払いをせかされたり身に覚えのない請求を受けたりした時には言われるままにお金を支払うのではなく、まず警察に相談しましょう。
トロントの一部(ダウンタウン東地区,フィンチ通り西側等)には、ホームレスや薬物中毒者が多く治安が悪い場所があるので、近づかないほうが無難です。
また観光客や留学生を狙って空港・ホテル・飲食店などで窃盗犯罪も多発しています。
(3)モントリオール Montreal
ケベック市 Quebec City
北米のパリと呼ばれるモントリオールやケベック市は、大都会のような凶悪犯罪は少ないですが、観光客を狙った置き引きやスリ、車上荒らしなどの窃盗犯罪が多いです。
ケベック市にはモスクがあり、イスラム教徒を標的にした銃撃事件が起きています。
近年は街中でデモ行進が見られることがありますが、興味本位で近づかないほうが良いでしょう。
また有名な観光地となっている宗教施設を除き、トラブルに巻き込まれないために宗教施設には特段の事情がない限り、立ち入らないのが賢明です。
(4)カルガリー Calgary
車両盗難,侵入窃盗が多い街です。
2014年あたりから失業者が増え、薬物犯罪や暴力事件も増えてきました。
飲食店や乗り物での移動中に日本人のパスポート紛失が多いようです。
盗難に合わないよう荷物の管理をしっかり行い、置き忘れにも気つけなくてはなりません。
置き忘れるとまず戻ってこないと考えましょう。
(5)オタワ Ottawa
海外旅行客が多いので、空港やホテル、バイワードマーケット(ByWard Market)周りの観光スポットでの置き引きやスリなどの窃盗犯罪が多発しており、貴重品の管理には細心の注意が必要です。
また、バイワードマーケット東側地区にあるジョージストリート(George Street)にはホームレスを収容するシェルターがあり、その周辺は昼間でも治安が悪いといわれているので、近寄らないほうが無難です。
お店が多い繁華街では、夜になると発砲や暴力事件が起きることがあるので、できるだけ夜の外出は避けた方が良いでしょう。
ビジネス街の昼間は人が多いですが、夜になると人が少なくなります。
暗くて人通りのない道は歩かないように気をつけましょう。
(参考:外務省の海外安全ホームページ カナダ)
カナダで多い犯罪は?日本との違い
カナダではどんな犯罪が多いのでしょう。
日本と比べてどんな違いがあるのか考えたいと思います。
観光地で圧倒的に多いのは、スリや置き引きです。
旅行者をターゲットにしているので、スリや置き引きが多発するのは旅行者が大勢いる空港、ホテル、レストラン、観光地が多いです。
大きな都市では夜間に銃器や刃物で通行人を脅したり、背後から襲ったりして所持品を奪う強盗の被害が発生しています。
人が多くなると、犯罪の数も多くなります。
その他都会ではギャングがらみの発砲・暴力事件もあります。
カナダでは銃規制はされていますがアメリカから銃の密輸が多いため、その分発砲事件が日本よりも多いようです。
テロが起きる危険性については、日本人やカナダを直接の標的にするテロは起きていないようですが、テロ組織の主張に影響を受けた者が単独でテロ行為を行うケースがあるようです。
日本の犯罪と比べると、銃を使った犯罪の数とスリや置き引きが目立っていると言えそうです。
何かあった時のために、ぜひ覚えておきたい表現はこちらのブログから!
旅行者や留学生が気をつけるべきこととは
旅行や留学で訪れた国で、犯罪の被害にはあいたくないと誰もが思います。
カナダ滞在中に、楽しい思い出をたくさん作りたいですよね。
そこでカナダで犯罪の被害にあわないために、気をつけるべきことについて整理してまとめました。
(1)犯罪の被害にあわないために気をつけること9つ
・都市部で夜間の一人歩きは避ける。
特に、お酒を飲む場所や夜の公園などは危険。
・車を駐車するときには人目につく場所を探し、車内に貴重品を置いたままにしない。
・必要な時以外は、多額のお金や貴重品は持ち歩かない。
・ひったくり対策のため車道の反対側にカバンを持つように心がける。
・外からは見えにくい場所に、財布などの貴重品を入れる。
・カバンを置くときはカバンから離れない・目を離さない。
・親切にしてくれたとしても、出会ったばかりの人にはついていかない。
・強盗に襲われた際は絶対に抵抗はせず、相手の要求に応じて金品を差し出し、立ち去らせた方が無難。
・治安が悪いと言われている場所には、特段の事情がない限り行かない。
(2)日本ではOKだけど、カナダではNGなこと
スリや置き引きが多い点が日本とは違います。
そのため日本にいるときのような感覚で荷物を扱うと、スリや置き引きにあう可能性が高いので気をつけましょう。
具体的には、日本だとカフェに入ると財布が入ったカバンを足元に置くことはよくあることだと思いますが、カナダで同じ事をすると盗まれることがあるのでカバンから目を離さないようにしてください。
空港では荷物を床に置いて少しの間荷物から離れただけで、荷物がなくなっていたというケースもあります。
(3)マリファナについて
2018年10月から、カナダではマリファナが合法になりました。
しかし日本でマリファナは違法であり、国外でもマリファナを所持・使用・栽培すると罰せられるので、注意が必要です。
カナダ滞在中にマリファナを勧められても断りましょう。
なお日本と同様に、カナダでもヘロインやコカイン、LSDなどの麻薬の使用・所持・携行は禁止です。
まだよく知らない人から何かに誘われたり、トラブルに巻き込まれたりする前に、上手く「ノー」と言えることも必要になります。
日本人は断ることが苦手という人が多いため、英語で上手に「ノー」と言う表現もいくつか紹介しますので、言えるようにしておきましょう。
<誘いを断る時に使える英語表現>
知り合ったばかりの人に誘われたけれど、まだ信用できる人かわからないとき。
⇒ I wish I could, but I have a lot of homework that has to be done by tomorrow.
(行けたらいいのだけど、明日までにやらなくてはならない宿題がたくさんあるから。)
⇒I’m afraid I can’t go.
(残念だけど、行けない。)
また会う可能性のある人で、その人のことをもう少し知ってから誘いに応じるか決めたいときに使うと、一度断ってもまた誘われる可能性を残す表現なのでおすすめです。
違法な事や気が乗らない事に誘われて、きっぱり断りたいと思った時。
⇒I'm not interested.
(興味ないです。)
⇒Sorry, I can't make it.
(すみません、できないです。)
⇒I have to refuse.
(お断りします。)
このようなシーンでは、二度と誘って欲しくないのできっぱりと断るのが賢明です。
下手に理由をつけたりせず、断固として誘いに乗らない意思を見せましょう。
もしも犯罪被害にあったら
気をつけていても、残念ながら犯罪被害にあうことはあります。
被害にあった時には、警察に電話(911)しましょう。
留学生の場合は留学エージェントや語学学校のスタッフに連絡すると、経験豊富な日本語が話せるスタッフが相談に応じてくれます。
クレジットカードを盗まれた場合には、すぐにクレジットカードの会社に連絡をしてください。
またパスポートを紛失した場合は、直ちに大使館や領事館に連絡し、再発行を受けるようにしましょう。
海外でホームステイをする際の注意点はこちらから!
旅行・留学前に知っておくことが大切
カナダは治安が良い国と言われていますが、だからといって日本と同じ感覚でいると危険であることがわかったと思います。
けれどただ怖いと思うだけではなく、何が危険であるか、どうすれば犯罪にあうリスクを減らせるかを知っていると、カナダへの旅行や留学をもっと安全に楽しめると思います。
あまり怖がらず危険な場所や行為を心に留め、いざカナダへ行ったら積極的に動いて日本ではできない経験を満喫しましょう。

純日本人、留学経験なし。学生時代は英語恐怖症だったのに、外資系企業で英語環境の中、化粧品の研究開発業務を約7年経験。苦手意識の裏には英語への強い憧れが潜んでいて、40歳で英語に目覚める。英語の多読が趣味。その趣味が高じて英語学習本も出版。英検準1級。現在はフリーライター。専門家として美容系の記事執筆・校正、英語学習系の記事を書くことも多い。日々ネイティブキャンプでスピーキング力を磨いている。