多くの日本人が苦手とする英会話。
英語の勉強をしているのに、いざ英語を話そうとすると何も話せない人が多いと言われています。
外国人に話しかけられても相手が何を言っているのか分からないこともあります。
幼少期に海外に住んでいて英語に触れる機会があったり、特別な環境で英語を学習する機会があったりすれば自然と英語を話せるようになりますが、ある程度年齢を重ねた人や大人は従来の英語学習だけでは話せるようにはなりません。
今回は英会話の学習に適している教材を中心にご紹介していきます。
大人はなぜ子どものように英語の学習ができないのか
冒頭でも少し述べたように、ある程度年齢を重ねた人や大人は従来の英語学習だけでは話せるようにはなりません。
それは、すでに頭の中が母語の日本語で構築されているため、日本語とまったく異なる言語である英語を話そうとしてもアウトプットするのが大変難しいのです。
子供は頭が柔軟なため異質な英語を自然と受け入れることができますが、大人になると母語干渉が働くため、なかなか英文法通りに単語やフレーズを組み立てて話すことができません。
そのため、中学レベルの英文をインプットすることが必要になってきます。
十分なトレーニングの段階を踏まずに、いきなり話す練習をしようとしている人は、根本的に勉強法を見直す必要があります。
まずは中学英語で習う文法と単語で基礎力をつけ、やさしい英語で書かれたテキストや本などの例文をインプットしましょう。
インプットしたら、今度は英語が口からスラスラと出てくるようになるまでトレーニングをする必要があります。
続いて、具体的な学習方法についてみていきましょう。
学習方法の提案
参考書を使った独学と注意点
英会話ができるようになるには海外へ留学すると上達が早いと思われるかも知れませんが、インターネットが発達した現代では日本にいても英語漬けになることが可能であり、英会話の上達に関して不利になることはありません。
しかし、英語を話す機会を自ら作らなければなりません。
日本に英語圏の友人がいればベストですが、なかなかそういった機会はないので英会話教室に通ったり独学で英会話を学んだりすることになります。
参考書等を使って独学で英会話のトレーニングを行う場合、必ずやさしい英語で直読直解できるレベルのものを使いましょう。
英語を英語で考える英語脳を作り上げる必要があるからです。
また、難しいレベルの英文を選んでしまうと、どうしても頭の中で日本語に翻訳してしまいます。
そうすると、英語を話そうとしたときにいつも頭の中で日本語に翻訳する癖が抜けず、英語を流暢に話すことが難しくなります。
参考書の問題を解いてみる
それでは、英会話のダイアログを見てみましょう。
基本的な回答例を掲載しておきます。下線部は自分の言葉で置き換えてください。
Where do you live?
あなたはどこに住んでいますか?
I live in Tokyo. It’s a nice area.
東京に住んでいます。よいところです。
Do you live with your family or by yourself?
家族と一緒に住んでいますか、それとも一人暮らしですか?
I live by myself now. My parents live in Osaka.
今、一人で暮らしています。両親は大阪に住んでいます。
How often do you see your family?
家族とはどれくらいの頻度で会いますか?
I usually see them three times a year.
たいてい年に3回会います。
Do you have any hobbies?
趣味はありますか?
My hobby is playing basketball.
私の趣味はバスケットボールです。
When did you start playing basketball?
バスケットボールを始めたのはいつですか?
I started playing when I was 10.
バスケットボールを始めたのは10歳のときでした。
Will you still play in 10 years time, do you think?
10年後もまだバスケットボールをしていると思いますか?
I will probably be very busy by then, but I will still try to play.
たぶんとても忙しくしているでしょうが、それでもプレーしようとするでしょう。
英会話では上記のように住んでいる場所や家族、趣味などについて話す機会が多いと思います。
このようなテーマは一般的な会話で扱われることが多いため質問に対してすぐに答えられるように練習しておきましょう。
また、そのほかにも好きな食べ物、旅行、レジャー、友人、ファッション、コンピュータ、未来の夢なども一通り話せるようにしておきましょう。
ここでちょっと休憩!
英語を独学で学んでいる人は、どんな勉強をすればいいのか悩んでしまいますよね。また、「本当に話せるようになるの?」と心配になってしまうこともあるかと思います。
そんな人におすすめのブログをご紹介します。
独学でおすすめの教材
レベル別、目的別のおすすめ教材
まず、英会話を伸ばすにはスピーキングとリスニング力をアップさせる必要があります。
リスニングは音読とディクテーションでトレーニングし、スピーキングは音読等で使った教材をそのままアウトプットしてスピーキングの練習に活用しましょう。
英語初心者(~上級者)向け
中学校レベルの英文が書かれているテキストが良いでしょう。どんなに現在のレベルが高くても、英語脳を作り上げるためにはネイティブの子供レベルの英文からやり直す必要があります。
・中学校の英語の教科書、参考書
三省堂 NEW CROWN
東京書籍 NEW HORIZON
開隆堂出版 SUNSHINE ENGLISH COURSE
学校図書 TOTAL ENGLISH
教育出版 ONE WORLD
光村図書 COLUMBUS 21
・NHK各種テキスト(語学)
基礎英語0、1、2,3
ラジオ英会話
英会話タイムトライアル
現代英語
ビジネス英語(入門、実践)など
中学で習う英語は文法も単語も平易で分かりやすいためこのレベルから始めましょう。
私たちが英語を話すとき、シンプルな英語パターンを覚えて使いこなせるようになることが大切です。
ネイティブスピーカーが話すような複雑で難しい言い回しができる必要はありません。
ネイティブが話すような微妙なニュアンスを伝えられるようになるにはかなり時間がかかります。
また、一般的にはそのレベルにまで達するのは難しく、そういった表現を追求するのは無理があります。
そのため、シンプルで確実に伝わる英語を使いこなせるようになることを目標にしましょう。
英語中級者以上
・海外で開発された一般英語教材
Cambridge University Press
English Grammar in Use(英文法)
Compass Publishing
Communicating in business English(ビジネス英語教材)
インターネット等で注文できるため海外の教材を取り寄せて学習することができます。
できればCDなど音声付属のものを選びましょう。
例えば、English Grammar in Useの英語教材には文法問題もあるため、基礎固めとして英文法を復習すると良いでしょう。
音声付きのものを選べばCDをリピートして繰り返し聞くことができます。
教材で英文法の学習をした後、本文の音声が入ったCDを流して聞きます。何回か音声を聞いた後、音読をします。
音声を聞きながら何度か音読をしたら、シャドーイングを取り入れてトレーニングします。
シャドーイングを行う際、なるべく教材を見ないで音声だけを頼りにし、聞こえてきた英文の後に続いてリピートします。
かなり脳に負荷のかかる作業ですが音読の後にシャドーイングのトレーニングを取り入れると英会話力のアップにつながります。
シャドーイングについてもっと詳しく知りたい方はこちらのブログもおすすめ!
・Graded Readers (GR)
ピアソン・ジャパン ペンギンリーダーズ
オックスフォード大学出版局 オックスフォード・グレイディッドリーダーズ
レベル別に難易度が分かれている洋書です。
目安としては英検3級から1級レベルまでに細分化されています。
英語学習者向けにリライトされているので語彙や文法的にも難解な表現がなく読みやすいです。
多読や音読に取り入れてみてはいかがでしょうか。
・絵本や洋書(ペーパーバック)
こちらもGraded Readers同様に自分のレベルに合った洋書を選んで自然な英語表現を頭の中にインプットしましょう。古典文学やミステリー、ホラーなどのジャンルはあまり適していません。子供向けの絵本や日常生活を描いているようなほのぼのとした内容のものを選ぶと良いかもしれません。
英語上級者
・海外ドラマや映画、スクリプト
・洋楽カラオケ
英語上級者の場合、海外のドラマや映画、洋楽など生の英語を実践に取り入れてみましょう。
本場の英語なので自然な表現を学ぶことができます。
ドラマや映画は自分のレベルに合ったものを選ばないと挫折する原因になるので、あまり難しい内容のものは避けたほうが良いでしょう。(歴史、戦争、法廷、医療などを取り扱ったものはあまり英会話には適していません)
映画やドラマは英語音声と英語字幕で見ます。
もし内容が分からない場合は、日本語音声などで一度チェックしましょう。
映画やドラマには日常会話に使えるセリフがたくさん詰め込まれています。
必ずスクリプトを入手して精読、音読してみましょう。リスニング、スピーキングどちらにも活用できます。
洋楽カラオケも英語のリスニング、スピーキングに適する教材となります。
まず英語の歌を何度も聞き込みます。慣れてきたら歌詞カードを見ながら歌ったり(リピート、シャドーイング)、洋楽カラオケの曲をまねて歌います。
YouTubeなどで歌詞つきの動画を見ながら歌うのも良いかもしれません(音読)。慣れてきたら部屋などで口ずさんで歌います(暗唱)。
英語力をつけるためのトレーニングのため、バックミュージックがあまりうるさくない歌詞がメインになっている曲を選びましょう。
カラオケを使った英語の学習方法は、下記のブログで紹介しています。合わせて読んでみて下さい。
・英字新聞、雑誌
ジャパンタイムズ(アルファ)
ジャパンタイムズ
ニューヨークタイムズ
TIME
エコノミストなど
語注つきの英字新聞からはじめます。英語の読解力が伸びたら海外メディアのニュースを取り扱っている英字新聞や雑誌などに挑戦しても良いでしょう。
・留学対策(スピーキング)
留学するためには英語のテストを受けて英語力を証明する必要があります。
スピーキングテストでは語彙の豊富さ、文法の正確さ、話しぶりや流暢さ、発音などがチェックされます。
例えば、英国やオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの大学へ留学したい場合はIELTSと呼ばれている英語能力を測る試験を受けます。
このテストではリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4分野のテストを受けて総合的な英語運用スキルを評価します。
スピーキングテストでは、試験管と対面して簡単な質問をして挨拶を交わし、次に特定のトピックに関するテーマを選び、ミニスピーチを行います(1~2分間)。
スピーチをする場合、ライティングテストのように始めと終わりの決まり文句などを使えば効果的です。
その後、トピックに関したディスカッションを試験官と行います。
普段のリスニングやスピーキング学習のほかに、留学試験用の問題傾向と対策を立て、日頃からさまざまなことにアンテナを張って知識を増やし、どんな分野やジャンルについても話せるようにしておきましょう。
・ネイティブキャンプを使った学習方法
ネイティブキャンプでも英会話に適したおすすめ教材を取り扱っています。
英語の4技能をバランス良く習得できるSIDE by SIDEという教材を提供しています。
イラストを多用した教材で、文法事項がカバーされており楽しく学習できます。
また、日常であり得る問題を扱っているため日常英会話に最適で、様々な演習を通してバランス良く英語力を伸ばせます。
まとめ
独学で英会話を学ぶには正しいやり方で適したテキストを使って行う必要があります。
本文でご紹介した方法に加え、ネイティブキャンプでは実践的な英会話のレッスンを受けることが可能です。
スピーキングだけではなく4技能をバランス良く伸ばすように学習することをおすすめします。
イギリスの大学に留学経験があり、その後イギリスに移住。現在はフリーランスライターとして英語学習に関する記事をはじめ、様々な分野の記事を執筆しています。自身も英語ネイティブを目指して英語習得のため日々研鑽を積んでおります。趣味は海外旅行で特にヨーロッパの歴史に興味があります。もともと文章を書くのが好きだったので文筆業を希望しておりライターになりました。よろしくお願いいたします。