英語の速読術を身に付けよう!

 

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本を読んでいる人

1.はじめに

みなさんはTOEICを受験した時など、長文を読むのに時間を使い過ぎてしまったという経験はありませんか?

文法や単語はわかるけど時間が足りなかったり読解スピードが上がらなくて悩んでいる人は多いと思います。

今回はそんな悩みを解決すべく、英語における速読術をご紹介します。

この記事では速読のテクニックや練習方法についてご紹介しますが、まずは根本的な速読についての考え方をご紹介し、理解を深めていただきたいと思います。
例えば、テクニックの1つとして、速読するときに1行ずつ読むのではなく、2行ずつ読むという方法があります。

しかし、このようなテクニックに頼り切りになってしまうと、理解度が低下したり、テクニックありきの速読になってしまいます。

もちろんそんな事より速読のテクニックについて早く知りたいという方は読み飛ばしていただいて構いませんので、自分に合った箇所から読み進めてください。

 

 

2.日本における速読について

2000年以降、日本において「速読」という概念が普及してきました。
それに伴いビジネスパーソンを始め学生の間でも速読の認識率が上昇しました。

今では書店に行けば必ずと言って良いほど速読に関する書籍が並んでいます。

中でも目立つのが、速読術を使いこなせれば30分もかからず本を1冊読破できるなどという内容です。
確かに速読術で早く読む事はできますが、果たして内容は理解できているのでしょうか?

読む事が目的になっていないでしょうか?

書店で並んでいる書籍を見るとそう感じる事があります。
ではどうすれば早く読む事ができ、且つ内容をしっかり理解する事ができるのでしょうか。

少しがっかりするかもしれませんが、一言でいえば「より多くの本や文章を読む事」です。

もう少し詳しく言うと、文章の構成を把握しより多くの知識を持つ事です。

例えば、ずっと理系科目を学んできた人に、いきなり「ソクラテスの哲学書を読んでください」と言ったらとても時間がかかると思います。
しかし、哲学を専攻している人に同じ本を読んでもらったらどうでしょうか?

どちらが早く読み終えるかは明白ですね。

速読術も大切ですが、事前の予備知識の有無にも読書スピードは大きく影響されます
速読出来る人はある程度先の展開を予測できているので早く読めるのです。
なのでみなさんには速読術と同じぐらい読書量や知識量も大切だという事を念頭に置いた上でこの先を読んでいただけたらと思います。

もちろん速読術の習得も大切です。

計ってみるとわかりますが、速読術未経験者なら、早く読もうと意識するだけで意外に読むスピードは上がります。それは英語でも同じで、繰り返し練習する内にリーディングスピードは上がっていきます。

ネイティブキャンプのレッスンにある「実践発音」という教材がいい例です。

「実践発音」では本文に出てくる単語を予習(予備知識の獲得)して1文ずつ読んでいきます。
1文ずつ読むのはスラッシュリーディングの様に読み易くなり、内容をしっかりと理解する事ができるからです。

レッスンでは、実際に本文を読みますが、最初は、35秒を目標に読んでいた文章をレッスン終了時には、25秒前後で読めるようにトレーニングしていきます。

前置きが長くなりましたが、大切な事なので先に述べさせていただきました。

「実践発音」教材では音読であり黙読ではないのですが、練習により黙読スピードが上がるという事ですね。

それでは次の章で、具体的にどのように練習すれば良いのかを見ていきましょう。

 

3.速読術

・スラッシュリーディング

スラッシュリーディングでは主に内容の理解を深める為に用いるテクニックです。

しかし、単語をまとめて見て把握する事で速読術に活かせます。

また、このスラッシュの幅を広げる(より多くの単語を一度に把握する)事により速読が可能です。
なお、スラッシュリーディングについての詳細は他サイトにもありますので、ここではテクニカルな面と、その方法について簡単にご紹介します。

The football player in this picture is my son who is a high school student. He played football when he was a junior high school student. At first, he played as the center back then finally he played as the goalkeeper. Unfortunately, he no longer plays football now because he has to study more.
(この写真のサッカー選手は私の高校生の息子です。彼は中学生の時のときにサッカーをしていました。最初はセンターバックでしたが、最終的にゴールキーパーをやりました。残念ながら、彼はもっと勉強しなくてはならない為、今はもうサッカーをしていません。)

この文章を細かく区切ると下のようになります。

The football player / in this picture / is my son / who is a high school student.
(サッカー選手は/この写真の/私の息子です/高校生です)

He played football / when he was a junior high school student.
(彼はサッカーをしていた/中学生のときに)

At first, / he played / as the center back / then finally / he played / as the goalkeeper.
(最初/彼はした/センターバックとして/そして最終的に/彼はした/ゴールキーパーとして)

Unfortunately, / he no longer plays / football now / because he has to study more.
(残念ながら/彼はもうしない/サッカーを今は/なぜなら彼はもっと勉強をしなければならないから)

文章を後ろから訳していく返り読みをすると確実にタイムロスに繋がります。
少し日本語が変になっても前からどんどん訳していきましょう。

また、スラッシュを入れるポイントは以下の通りです。

・前置詞の前
・動名詞の前
・不定詞の前
・接続詞の前
・関係代名詞の前
・カンマやコロンの後

速読の場合はこの区切りを広くし、一度に把握する単語の数を増やします。

大きく区切ると下のようになります。

The football player in this picture is my son / who is a high school student.
(この写真のサッカー選手は私の息子です/彼は高校生です)

He had played football / when he was a junior high school student.
(彼はサッカーをしていた/中学生の時に)

At first, / he played as the center back then finally, / he played as the goalkeeper.
(最初は/センターバックをして最終的に/ゴールキーパーをした)

Unfortunately, / he no longer plays football now / because he has to study more.
(残念ながら/彼はもう今はサッカーをしていない/なぜならもっと勉強しなければならないので)

「at first」「no longer」などの熟語は知っているだけで見た瞬間に理解できるので、単語や熟語は知っているに越した事はありませんね。

・周辺視

一度に把握する単語数を増やすと先述しましたが、ポイントは周辺視を使う事です。

一点を見る時を中心視と言うのに対し、風景や景色などを見る時を周辺視と言います。
中心視の様に1単語ずつ目で追うのではなく周辺視を使い2行、慣れれば3行程をまとめて見ましょう

また、漢字では一つひとつに意味があります。

例えば「旅」という漢字を見ただけで、なんとなく「旅行」や「外にでかける」などのイメージができますね。
それと同じように単語を見た時に単語の意味をイメージできるようになると素早く理解できるようになります。

「Weblio」という翻訳サイトでは「コア」という項目があり、単語のイメージが記載されているのでおすすめです。

単語のイメージが分かった上で周辺視ができるようになると、より早く文章の内容を把握する事ができます。

・訳さない

早く読むポイントとして、日本語に訳さない事も大切です。
そのためには先述した単語のイメージをつかむ事が大切です。

例えば「pick」という単語ですと、「何かを突いたりつまんだりし、それによって何かを得る」というイメージを覚えます。
すると「pick off」(摘み取る)や「pick out」(選ぶ)などがイメージできます。

もちろん例外的な慣用句もありますが、大切な事はその単語を見た瞬間に大まかな意味をイメージできる事です。

・返り読みをしない

日本語と英語では文法の構造が違う為、最初の内は英文を文末から読んでいたのではないでしょうか?(これを返り読みという)

当然の事ながら、返り読みをしていたのでは時間がかかってしまいますし、そもそもスピーキングでは返り読みができません。

なのでスラッシュリーディングでもやった、少しぐらい訳がおかしくても文頭から読み進める事が大切です。
また、英文を読む時に心の中で声に出して読む事があると思いますが、速読する時は心の中で読む事もロスタイムです。

また、心の中で読んでいる内は単語を見た瞬間に、頭に単語の意味がイメージが出来ていないという事です。

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4.さいごに

これまでテクニカルな話をしましたが、頭では理解できてもまだまだ消化しきれていない状態ではないでしょうか?

巷に溢れるテクニック本などの全てに言える事ですが、特に速読に関しては訓練が必要なテクニックです。

是非これから英文を読む時はこれまでに紹介したテクニックを思い出していただければと思います。

最後にもう一度。

速読を習得するにはテクニック以外にも知識量や読書量など最低限の練習が必要です。

でもテクニックを覚えたあなたはこれからの読書全てが練習に変わります。
この記事を読んで、あなたのこれからの読書が速読の一助になれば嬉しいです。