オーストラリアで生活していくうえで、現地の銀行口座の開設は不可欠でしょう。
家賃の支払いやワーホリの給料の受け取りのほか、留学生でもアルバイトの給料が銀行口座に入金される場合など、現地の銀行口座が必要です。
この記事では、渡航前にできるオーストラリアの銀行口座開設の準備情報をご紹介します。
渡航前手続きをしっかりとしておけば、渡航後の生活をスムーズに始められます。
オーストラリアへの留学やワーホリの予定がある方、どのように日本で現地の銀行口座開設の準備をすれば良いのか知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
- 日本でオーストラリアの銀行口座開設準備をするメリット
- 口座開設におすすめのオーストラリアの主要銀行
- オンラインだけで口座開設を完結できるWiseやRevolut
- 銀行口座開設のオンライン申し込み方法と必要書類
- オーストラリアの銀行口座開設時の注意点
- まとめ
日本でオーストラリアの銀行口座開設準備をするメリット
留学やワーホリで長期間オーストラリアに滞在する場合や現地の企業などで働く場合は、銀行口座の開設は欠かせません。
しかしオーストラリアの銀行口座を開設するためには、基本的にオーストラリアに滞在している、または滞在を予定していることが条件となります。
留学やワーホリなどの渡航前の方なら、日本でオーストラリアの銀行口座開設のための準備は可能です。
以下では、オーストラリアの銀行口座の開設準備を日本でするメリットについてご紹介します。
現地での生活をスムーズに始められる
日本で渡航前に現地生活で必要なことを準備しておくと、渡航後にスムーズに生活を始められます。 それは銀行口座開設申込も同じです。
渡航前に口座開設準備となる手続きをしておけば、渡航後に本人確認のため指定の銀行店舗へ行くだけですぐに口座を使い始めることができます。
渡航後は、生活必需品を購入する必要があるので、キャッシュカードでの現金の引き出しやデビットカードを使えると買い物の支払いに便利でしょう。
銀行のカードをデビットカードのように使える
日本の銀行口座に紐づいたクレジットカードをオーストラリアで使うと、海外事務手数料がかかったり、為替レートで損をしたりすることがあります。
しかし、オーストラリアの銀行口座に紐づいた銀行カードをデビットカードのように使えばそのような手数料の心配なく利用可能です。
またデビットカードは、支払った額が銀行口座から即座に引き落とされるため、為替レートを気にする必要がありません。
もちろん、生活立ち上げの買い物のためにまとまった金額を用意しなければならないときに、大量の現金を持ち歩く必要がないこともメリットのひとつです。
ATMで現金を引き出せる＆ATM手数料がかからない
現地の銀行カードがあれば、ATMで現金を引き出せます。
その銀行のATMであれば利用料は無料です（他行のATMを利用するときは手数料がかかることがあります）。
オーストラリアは日本以上にキャッシュレス決済が普及していますが、まだ現金が必要なシーンはあります。
たとえば、地方や小規模な店舗ではカードが使えないこともあるため、特に大自然の中の小さな土産物店など地方に行くときは、少しの現金は持っていた方が安全です。
また、オーストラリアには基本的にはチップの習慣はありませんが、ホテルやレストランなどで質の高いサービスを受けた場合は少額の現金を渡す文化もあります。
銀行カードで気軽にATMで現金を引き出せるよう、現地の銀行の普通口座は開設しておいた方が良いでしょう。
口座開設におすすめのオーストラリアの主要銀行
オーストラリアには、銀行ランキング上位の主要銀行として4つの銀行があります。
これらの銀行であれば、国内の多くの場所に支店やATMがあるので、最初の口座開設には特におすすめです。
ただし、実際に口座を使い始めるためには、渡航後に銀行窓口で本人確認などをする必要があるので注意してください。
Commonwealth Bank（コモンウェルス銀行）
コモンウェルス銀行（Commonwealth Bank of Australia）は、最も支店とATMの数が多いといわれているオーストラリア最大の銀行です。
オーストラリア全土に支店やATMがあり支店ネットワークが充実しているので、利便性に優れています。
また、都市部の支店では日本語を話せるスタッフが在籍しているので、英語初心者の方でも安心です。
30歳以下の留学生であれば、毎月の口座維持手数料は0円なのも嬉しいポイント。
ワーホリの場合は、最初の1年は毎月の口座維持手数料が無料です。コモンウェルス銀行のATMから引き落とす場合の手数料も無料です。
（なお、口座維持手数料とは銀行が口座を管理する費用のこと。口座の管理を理由に銀行が聴取する口座管理費用のことで、日本の銀行でも最近導入が増えてきています）
口座を開設するには、公式HP（英語）からオンラインでの申し込みが可能です（オーストラリア入国日の14日前から受付）。
申し込み自体は渡航前にオンラインでできますが、渡航後、日本でオンライン手続きをした日から20日以内に現地の銀行の店舗を訪れて手続きをする必要があります。
※日本にも東京支店がありますが、個人の口座開設のサービスは行っていないようです。
公式サイト：Migrant banking – CommBank
NAB（ナショナルオーストラリア銀行）
赤い星が目印のNAB（National Australia Bank Limited）。メルボルンに本社を置く大手の銀行です。
「NAB Classic Banking account」なら、毎月の口座維持手数料が無料なのが嬉しいポイント。もちろん、ATM利用手数料も無料です。
「NAB Classic Banking account」はオンラインで口座開設手続きができますが、こちらもオーストラリア居住者であることが必要なため、留学生やオーストラリアでこれから生活しようとしている人は、必要書類を持って渡航後にNABの店舗で申請手続きをしましょう。
なお、口座開設はオーストラリア国内に6か月以上滞在予定であることが条件となっています。
※日本にも東京支店がありますが、こちらは投資が専門のため、個人の口座開設サービスは行っていません。
公式サイト：Banking in Australia | Open an Australian bank account - NAB
ANZ（オーストラリアニュージーランド銀行）
オーストラリアやニュージーランドだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、中東など、約30ヶ国でサービスを展開しているのがANZ銀行（Australia and New Zealand Banking Group Limited）です。
普段使いの口座としては、「ANZ Access Advantage」がおすすめです。
毎月の口座維持手数料が5AUDかかりますが、月に2,000AUD以上の入金をする場合は無料になります。
口座開設の申し込みは公式HP（英語）でできますが、「オーストラリアに住んでいること」「オーストラリアの住所があること」が必要です。
サイトにも、「口座開設には、オーストラリアに到着している必要があります」と明記されているので、渡航前の口座開設は難しいと思われます。
※2025年現在、日本支店（東京支店）では新規口座開設サービスをしていません。
公式サイト：Migrant banking | ANZ
Westpac（ウェストパック銀行）
ウェストパック銀行（Westpac Banking Corporation）は、オーストラリアで最も古い歴史を持つ銀行です。
オーストラリアで生活する方は、最初の1年間は毎月の口座維持手数料が無料。
または、留学生であって、30歳以下かフルタイムスチューデントなら毎月の口座維持手数料は無料です。
ウェストパック銀行のポイントは、日本語サポートがあるところ。ATMは日本語で利用できるので便利です。
口座開設には「オーストラリアにいること」が必要ですが、渡航前に日本でオンライン申し込みだけしておくことが可能です。
渡航後に支店を訪れて速やかに口座開設手続きを完結できるよう、渡航前に必要書類などを確認しておきましょう。
※2025年現在、日本支店はありません。
公式サイト：Bank Accounts: New to Australia | Westpac
オンラインだけで口座開設を完結できるWiseやRevolut
前述の4つの銀行はいずれも渡航後に店舗に行って本人確認などをする必要があります。
「日本にいるうちに一刻も早く口座を開きたい」という方は、WiseやRevolutといったサービスの利用も検討してみてください。
WiseもRevolutも、海外送金やデビットカード決済などができるデジタルウォレット。
どちらも何十種類もの通貨に対応しており、もちろんオーストラリア・ドル（豪ドル）にも対応しています。
また、WiseもRevolutも日本語の公式HPがあるので便利です。
なお、WiseとRevolutは銀行ではありませんが、6ケタの金融機関識別番号（BSBコード）があるため、送金を受け取る振り込み先などにも対応可能です。
オンラインですべてが完結するので、どうしても日本にいるうちに口座を開設しておきたい方は利用を検討してみましょう。
Wise公式サイト：Wise>世界中の通貨が使えるアカウント
Revolut公式サイト：Revolut>個人アカウント
銀行口座開設のオンライン申し込み方法と必要書類
オーストラリアの銀行にオンラインで口座を開設する手順を、コモンウェルス銀行の例でご説明します。
口座開設に必要な書類については、コモンウェルス銀行に限らず主要銀行でほぼ共通となっていますので、参考にしてみてください。
オンラインで口座を開設する手順_コモンウェルス銀行の場合
前述の4つの銀行で口座を開設する際、細かな手順は銀行ごとに異なりますが概要は同じです。
ここでは、コモンウェルス銀行の「Everyday Smart Access account」を開設する場合を例にして手続き方法をご説明します。
申し込み条件の確認から口座が利用可能になるまでには、以下の4つのステップがあります。
Step0：以下の条件を満たすかを確認
・14歳以上であること
・今後14日以内にオーストラリアに到着予定か、過去12ヶ月以内にオーストラリアに到着したこと
Step1：オンラインフォームに入力
名前、現住所、e-mail、携帯番号、ビザの番号など個人情報を入力
Step2：店舗へ行く
渡航後近くの支店に行き、パスポート、Tax File Number（TFN：納税者番号）を提示して本人確認を行い、銀行カードを受け取る
Step3：口座を利用
本人確認が終われば、すぐに口座を利用できます。
銀行のアプリをダウンロードすれば、アプリからのオンラインバンキングも簡単です。もちろんATMからお金を引き出せます。
オンラインで口座を開設する際の必要書類
銀行口座開設手続きを完結させるために、提示が必要な書類は以下のとおりです。
ただし、必要書類は銀行によって異なるため、詳細は各銀行のHPで確認しましょう。
オーストラリアの銀行口座開設時の注意点
オーストラリアの銀行口座開設時の注意点として、「オンライン申し込みと合わせて現地店舗での手続きが必要なこと」と「使いやすい銀行を選ぶこと」の2つにしぼってお伝えします。
渡航後に現地の銀行の支店に必ず行くこと
「日本でオンライン申し込みをしたから…」と安心しないように気をつけてください。
少なくとも先ほどご紹介した4つの主要銀行は、いずれもオーストラリアに渡航後に銀行窓口での本人確認などが必要です。
本人確認手続きが完了した後、口座を実際に利用することが可能になりますので、渡航後はできるだけ早めに忘れずに店舗へ行きましょう。
手数料無料や使いやすさで銀行を選択
前述の4つの銀行では、銀行ごとにさまざまなサービスを提供しています。
特にATMの数や支店の数、口座維持手数料は確認しておきたいポイントです。
特に毎月の口座維持手数料は積もり積もると負担になることがあります。
条件によっては手数料が無料になることもあるので、各銀行の公式HPで確認しておくと良いでしょう。
さらに預貯金金利や、残高から得られる利息まで比較してみると、オーストラリアの銀行について詳しく知ることができるかもしれません。
下記に4つの銀行の特徴をお示しするので、口座開設時の参考にしてください。
| 銀行名 | 毎月の口座維持費 | ATM数 | 支店数 | 日本語対応 |
| Commonwealth Bank | 4AUD* ※30歳未満は無料 |
4,000以上 | 900支店以上 | 〇 |
| NAB | 0AUD | 4,000以上 | 700支店以上 | 不明 |
| ANZ | 5AUD* | 3,000以上 | 800支店以上 | 不明 |
| Westpac | 5AUD* ※30歳未満は無料 |
3,000以上 | 500支店以上 | 〇 |
*30歳以上でも条件を満たせば口座維持費免除になる場合があります
まとめ
オーストラリアで生活するうえでは銀行口座開設は必須です。
オーストラリアの4つの大手銀行はオンラインでの開設申し込みに対応していますが、日本にいながら事前口座開設を完結することはできず、渡航後に店舗に行く必要があります。
とはいえ、日本にいるうちに申し込みをしておくだけでも、渡航後の作業負担が減るので、日本でできることは出発前に済ませておくことをおすすめします。
日本で銀行口座開設準備をして、現地生活をスムーズに始めましょう。
◇経歴
幼少期に1年、30代で1年、アメリカに滞在
◇資格
実用英語技能検定準一級
TOEIC860点
◇留学経験
渡航先：アメリカ
（幼少期は現地のelementary schoolに、30代では現地のcommunity collegeに通学）
◇海外渡航経験
旅行：アメリカ、カナダ、オーストラリア、メキシコ、クロアチアなど。
◇自己紹介
海外旅行が好きなWebライター。なかでもアメリカが好きで、10回以上渡航しています。
またアメリカに行けるように、現在はオンライン英会話でレッスン中です。
分かりやすい記事をお届けできるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！
