カナダへの海外留学や移住を検討する際、最も気になるのが現地での生活費用です。特に近年は、インフレの影響で物価高騰が世界的な話題となっており、実際の生活費について詳しく知りたいという声が多くあります。
この記事では、カナダと日本の物価を様々な視点から比較し、現地での実際の生活費用について詳しく解説していきます!
カナダの物価はどれくらい?
2024年現在、カナダの物価はどれくらいなのでしょうか。日本と比べて生活しやすいのかどうか、以下で見ていきましょう。
世界から見たカナダの物価水準
現在、カナダの物価水準は先進国の中でも比較的高い位置にあります。
>特に不動産価格の上昇が顕著で、バンクーバーやトロントといった主要都市では、家賃の高騰が深刻な社会問題となっています。
基本的な生活費は、都市部では1人当たり月2,500から3,500カナダドル(約27万円から38万円)が必要とされています。これは、光熱費、食費、交通費、娯楽費などを含めた金額ですが、家賃は含まれていません。
家賃を含めると、さらに2,000カナダドル程度が必要となるでしょう。
また、カナダの物価は季節による変動も大きいのが特徴です。特に冬は、暖房費の上昇や生鮮食品の価格高騰により、生活費が大幅に増加します。
夏と冬では、月々の生活費に500カナダドル程度の差が生じることも珍しくありません。
都市による物価の違い
カナダの物価は都市によって大きく異なります。バンクーバーとトロントは物価が特に高く、モントリオールやカルガリーは比較的抑えめです。
例えば、バンクーバーの家賃はトロントと比べても平均で10%ほど高く、食費や交通費なども都市によって20%程度の差が出ることがあります。
モントリオールは、カナダの主要都市の中では比較的物価が抑えめです。
特に家賃は、バンクーバーやトロントと比べると30~40%も安いです。これは、ケベック州の家賃規制や、フランス語圏であることによる需要の違いが影響していると言われています。
カルガリーやエドモントンといったアルバータ州の都市は、石油産業の影響で給与水準が高い一方、物価は抑えめです。
州の売上税がないことも、実質的な物価を下げる要因となっています。
カナダのインフレーション状況
2024年のカナダでは、インフレの影響が顕著に表れています。
食品価格は前年比で平均6%上昇し、特に生鮮食品の価格上昇が目立ちます。エネルギー価格も上昇傾向にあり、特に冬季の光熱費は家計の大きな負担となっています。
カナダ銀行(中央銀行)は、インフレ抑制のために政策金利を引き上げており、これが住宅ローンの金利上昇にもつながっています。この影響で、不動産市場も大きな変動を見せており、特に大都市圏での住宅価格の上昇が続いています。
為替レートの影響
日本人にとって、カナダの物価を考える上で重要なのが為替レートの変動です。2024年現在、1カナダドル=約108円前後で推移していますが、この数年で大きな変動がありました。
2021年には1カナダドル=約85円程度だった時期もあり、その時期と比べると、同じ金額のカナダドルでも円換算で25%以上高くなっています。このような為替変動のリスクも、長期の滞在を計画する際には考慮しなければいけませんね。
カナダと日本の家賃の比較
では、留学や長期滞在で気になるカナダの家賃相場を見ていきましょう。生活する上で必ず必要となる費用なので注目です。
都市部の賃貸住宅事情
バンクーバーのダウンタウンでは、1ベッドルームのアパートの家賃が平均3,000カナダドル(約32万円)を超えています。
東京都心の同程度の物件と比較しても、かなり高額ですね。トロントも同様に高額で、ダウンタウンの1ベッドルームは2,800カナダドル(約30万円)程度から始まります。
これらの物件は、一般的に40~50平方メートルほどの広さがあり、キッチンやバスルームも日本の物件より広めです。しかし、築年数が古い物件が多く、内装や設備のクオリティは必ずしも家賃に見合うものではありません。
バンクーバーやトロントでは、空室率が1%を下回ることも珍しくなく、良い物件を見つけるのは非常に難しいです。多くの場合、内見から契約までを数日以内に済ませる必要があり、競争も激しいため、提示家賃よりも高い金額を申し出る必要がある場合もあると言います。
郊外の住宅環境
都心から離れた郊外エリアでは、家賃は手頃になります。バンクーバー郊外のバーナビーやリッチモンドでは、都心の同じような物件と比べて30~40%ほど安価な物件を見つけられます。
日本の郊外と比較すると、カナダの物件は広さに余裕があり、駐車場付きが標準となっているケースが多いのが特徴です。
例えば、バーナビーでは1ベッドルームのアパートが2,000カナダドル(約22万円)程度から見つけられます。公共交通機関も発達しており、スカイトレインを利用すればダウンタウンまで30分程度でアクセスできます。
リッチモンドはアジア系住民が多く、日本食材店やアジアンスーパーマーケットも充実しています。家賃はバーナビーと同程度で、1ベッドルームが1,800~2,200カナダドル(約19~24万円)程度です。
住宅設備の違い
カナダの賃貸物件は、日本とは大きく異なる特徴を持っています。多くの物件に洗濯機・乾燥機が標準装備されており、キッチンには大型の冷蔵庫やオーブンが備え付けられています。また、食器洗い機が設置されている物件も珍しくありません。
一方で、日本の物件のような高い防音性や断熱性は期待できない場合が多く、築年数の古い物件も珍しくありません。
特に、冬の暖房効率は物件選びの重要なポイントとなります。古い物件では、窓からの冷気の侵入や暖房効率の悪さにより、光熱費が予想以上にかかることがあります。
また、カナダでは、地下室(ベースメント)スイートと呼ばれる物件も一般的です。
一軒家の地下階を改装して作られた独立した住居で、家賃は通常のアパートより20~30%程度安価です。ただし、天井が低く、自然光が少ないなどの欠点もあります。
カナダと日本の食費(スーパーマーケット)の比較
カナダのスーパーマーケットの食材は、品目によって日本との差が大きいです。乳製品や肉類は日本より比較的安価で、品質も良好です。
例えば、牛乳1リットルはカナダで約3.5カナダドル(約380円)、日本では200円程度です。チーズやヨーグルトなどの乳製品も、日本より20~30%ほど安価です。
肉類では特に牛肉の価格差が大きく、良質な牛肉でも日本の半額程度で購入できます。一方で、魚介類は非常に高額で、サーモン以外の魚は日本の2~3倍の価格がつくことも珍しくありません。また、日本の魚介類のような鮮度や品質を期待することは難しいでしょう。
野菜や果物は、季節や産地によって価格が大きく変動します。夏は地元産の野菜が豊富で安価ですが、冬は輸入品が中心となり、価格が2~3倍に跳ね上がります。
例えば、トマト1キロが夏は3カナダドル程度ですが、冬には8~9カナダドルになることもあります。
カナダと日本の外食の比較
カナダでは、料理の価格に加えて州税と連邦税(BC州の場合合計12%)、そしてチップ(15~20%)が必要です。
例えば、25カナダドル(約2,700円)のメインディッシュを注文した場合、最終的な支払額は約35カナダドル(約3,800円)ほどになることも珍しくありません。
カナダのファストフード店では、ハンバーガーのメニューが14~15カナダドル(約1,600円)程度で、値段は日本の2倍以上の価格設定となっています。この価格差は、原材料費や人件費の違いに加え、カナダの最低賃金が日本より高いことが影響しています。
カジュアルなレストランでは、1人あたりの予算は25~30カナダドル(約2,700~3,300円)が一般的です。パスタやサラダ、メインディッシュといった一般的なメニューでも、日本のファミリーレストランと比べると1.5倍から2倍の価格差があります。
高級レストランになると、2人で120カナダドル(約13,000円)以上は必要で、高級な和食店やステーキハウスでは、一人あたり100カナダドル(約11,000円)を超えることも珍しくありません。
カナダと日本のホテル代・滞在費の比較
カナダのホテル価格は、シーズンや地域によって大きく変動します。バンクーバーやトロントなどの主要都市では、三つ星クラスのホテルでも一泊200~250カナダドル(約22,000~27,000円)が相場です。
同クラスの日本のビジネスホテル(8,000~12,000円程度)と比較すると、かなり高額ですね。
高級ホテルになると、一泊400~500カナダドル(約44,000~55,000円)は必要で、観光シーズンにはさらに上昇します。特に、バンフやジャスパーなどの観光地では、夏のピーク時には通常価格の1.5~2倍になることもあります。
長期滞在の場合、多くの旅行者やビジネスマンがAirbnbやVRBOなどの民泊サービスを利用します。バンクーバーダウンタウンのワンベッドルームアパートで、一泊150~200カナダドル(約16,000~22,000円)程度が目安です。キッチン付きで自炊が可能なため、食費を抑えることもできます。
まとめ
カナダの物価は他の欧米諸国と同様に高いですが、カナダならではの魅力や体験の価値を否定するものではありません。
広大な自然、多文化共生社会、充実した教育環境など、カナダにはお金では測れない価値があります。
旅行や留学、移住を検討する際は、これらの物価事情を踏まえた上で、自身の目的や予算に合わせた計画を立ててみてください。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。