【知ってました?】「ハレーション」って英語でそのまま通じる?

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今回ご紹介する言葉は「ハレーション」です。普段からこの言葉を日常会話で使っている人はあまりいないかもしれません。

しかし、ビジネスシーンで聞いたことがある!という方がいるはずです。この「ハレーション」という言葉は様々な業界で使われていて、更には業界ごとに意味の解釈が異なっている言葉でもあるのです。

そんな「ハレーション」という言葉を紐解いていくと同時に、カタカナのビジネス用語についてもご紹介します。なぜカタカナのビジネス用語も…?と疑問に思われる方もいるかも知れません。先ほども記述した通り「ハレーション」自体が様々な業界のビジネスシーンでよく使われている言葉です。

そこで、「ビジネスシーンで聞いたことある・言ったことあるようなカタカナのビジネス用語は、果たしてネイティブスピーカーに通じるのか?」という点にも着目してみましたので、知識として一緒に覚えておきましょう!

ハレーション 意味

まずは、本題の「ハレーション」の意味から紹介していきます。実は、「ハレーション」という言葉は、もともとカメラや映像業界の専門用語として使われていました。意味は「光が強く当たりすぎて画面が白くぼやけたり濁ったりする現象」です。

スマートフォンやデジカメ、一眼レフ等のカメラで撮影時に、逆光や太陽光などの強い光で写真や画像の全体が白くぼやけてしまった経験はありませんか?こうした状況を「ハレーション」と言うそうです。

では、ビジネスシーンで使われている「ハレーション」という言葉はどういう意味なのでしょうか?ビジネスシーンで使う「ハレーション」は、(主に悪い)影響を与える・好ましくない影響を他人や周囲に及ぼすことという意味で使われています。

記述した通り、「ハレーション」は光で白くぼやけてしまって写真がダメになるという意味があります。そこから意味が転じてビジネスシーンで使われるようになりました。

ビジネスシーンでは、この「ハレーション」を使うシチュエーションとして、何かしらのミスや失敗が起こった時に周囲を巻き込んで影響を及ぼすことを指しており、更には悪い方向へ二次被害を起こしまう場合などに使われています。

この記事の冒頭で、様々な業界で「ハレーション」が使われているとお伝えしました。では、具体的にどういった業界で「ハレーション」が使われているのか見ていきましょう。

IT業界

まずは、IT業界で使われている「ハレーション」の意味から見ていきます。

IT業界で使う「ハレーション」は、前項で紹介したビジネスシーンでよく使われている意味と同じく、「一つのミス・操作で大きな影響を及ぼす」という意味で使います。IT業界では、複数の言語を使用してシステムを構築したり、複数回のテストを繰り返しているので、半角スペースの1つや小文字1文字でもエラーを引き起こしバグを発生させてしまいます。

そのバグが原因で、物理的な機械が動かない・正常に起動や作動しないということもあり得るため、この業界で使う「ハレーション」のニュアンスには「やや重く重大なエラー」というニュアンスが含まれています。

デザイン・アート業界

次に、デザイン・アート業界で使われている「ハレーション」の意味を見ていきます。

この業界で使う「ハレーション」もネガティブな意味合いを含んで使われており、「色が派手・色の配色の不快感・見た目の違和感」を指します。

他にも、色だけではなくギャラリーなどで作品の鑑賞中に、ライトが強く当たりすぎて作品自体がぼやけて見えてしまう事も、「ハレーションを起こしていて見えない」などと言う事もあります。

医療業界

最後に、医療業界で使われている「ハレーション」の意味を見ていきます。

医療業界でも「ハレーション」はネガティブな意味合いで使われています。病院でMRIやCTを使った検査では、主にX線と電磁波が使われています。検査を受ける際に「衣服に金属は無いか。アクセサリー系は全て取って欲しい」と言われたことはありませんか?なぜこうした事を言われるかというと、撮影した映像・写真がハレーションを起こしてしまわないようにするためです。

X線や電磁波は金属に反応してしまい、撮影後の映像と写真に光の点や影が移りこんでしまうのです。その光の点や影が誤診に繋がってしまったり、正確な原因の位置を掴めずに重要なものを見逃されてしまったりする可能性があるのです。医療業界で言う「ハレーション」は、もともとこの言葉が使われていた写真・映像業界と似た意味で使われていることが分かります。

ハレーション 英語表現

では、本題の英語表現について見ていきましょう。これまで使ってきた「ハレーション」は、英語のhalationから来ています。

Halation(名詞)
写真の像で、特に強い光の当たった部分の周りが白くぼやける現象
感光乳剤の層を通った光が反射し、再び感光層に作用するために生じる光暈 (こううん)
ある現象や物事から派生して、他に悪影響を及ぼすこと

引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/

大きく3つの意味が紹介されていますが、使いどころとしてはネガティブな意味合い(悪い方)で影響を及ぼすという意味を覚えておくと、使いやすいのではないかと思います。

しかし、注意したい点が!英語圏でネイティブスピーカーに日本で使っているようなニュアンスで「ハレーション」を使用しても伝わりません。

それは、もともとhalationはカメラの専門用語であるからです。日本ではhalationが転じて大きく3つの意味が存在しますが、英語はそうではありません。悪影響を及ぼしたことを伝えたくて英語圏でhalationを使っても、どういう意味?と思われることを理解しておきましょう。英語圏では、あくまでも写真や映像業界の専門用語でしかないという事です。

日本語のように悪影響という意味で使いたい場合は、bad influenceなどを使えば悪影響という意味で伝わります。

Halationを使った例文

The photo I just took is not available because of halation.
今撮った写真はハレーションのため使用できない。
In the video I took yesterday, you can't see anything because of the halation.
私が昨日撮ったビデオはハレーションで何も見えません。
What caused the halation?
ハレーションの原因は何だろう?
It's a full moon today. The moonlight was so strong that it caused halation, so it's blurry and I can't tell what I took.
今日は満月です。月明かりが強くてハレーションを起こしてしまい、ぼやけてしまって何を撮ったのかわかりません。

Bad influenceを使った例文

英語で悪影響を伝えたいときに使うbad influenceの例文も少しだけご紹介しておきますので、参考にしてみてくださいね!

I think that comment had a bad influence on the meeting as a result.
あの発言は結果的に会議に悪い影響を与えたと思う。
Wouldn't it have a bad influence on the tournament if we set such a rule on our own?
そんなルールを勝手に決めたら、大会に悪影響があるのでは?

カタカナのビジネス用語は英語で通じる?

最後に参考として、カタカナのビジネス用語は通じるか?という点もご紹介しておきます。前項で、英語halationからカタカナの「ハレーション」が生まれていると記述しました。

しかし、英語圏では日本語で使われているような悪影響を及ぼすといったニュアンスが含まれておらず、このニュアンスで伝えたい場合は伝わらないことをお伝えしました。

実は、日本ではそういった英語から来たカタカナ用語があり、しかも英語圏では通じないといった言葉がたくさんあります。それを和製英語と呼んだりします。

もちろん、言葉としては間違っていないのですが、本来の英語の意味から転じて似通った意味が追加される・そもそも意味が英語の意味と違う・日本らしいニュアンスが足されているという事があるのです。

特にビジネスシーンでよく使われているカタカナは和製英語が多い!という事実をご存知でしょうか?グローバルな企業が日本でも増えている昨今、何気なく使うとネイティブスピーカー達には通じないなんてことも起こり得るのです。

今回、いくつかの和製英語のビジネス用語をご紹介します。

サラリーマン(状況に応じて通じる場合あり)
ベテラン(英語では日本語とは別の意味で使われる)
サイン(日本語とは品詞が異なる)
クレーム(日本語とは品詞が異なる)
~アップ(イメージアップ、スピードアップ、キャリアアップなど)
アルバイト
ワンマン
コストパフォーマンス

ざっとあげてみると、え?そうなの?と思う単語もあったかもしれませんが、これらの単語は英語圏でこのまま言っても相手には全く通じません。これ以外にもたくさんあるので、この機会に調べてみることをお勧めします。

まとめ

今回は「ハレーション」という言葉についてご紹介しました。単語の由来は英語だったとしても、日本語では派生して意味が複数存在するというのは、自分がもし日本人でなければ相当理解するのが難しそうですよね。

日本語は世界で一番難しい言語の一つと言われているだけあって、曖昧なニュアンス・複雑な言い回しが多いのです。日本人で良かったと思う反面、英語を学ぶと「あれ?これは同じ言葉でも通じないの?」という現象に気づきます。

言語は難しいですが、面白いなと感じればきっと語学を勉強する意味があると思います。ぜひ、言葉を勉強する楽しさを感じていただければ嬉しいです。

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