「熱中症対策」「物価上昇への対策」「中間テスト対策」「英検対策」「対策する」「対策をとる」「対策をたてる」「対策を講じる」
少し硬めの響きなのに、「対策」という言葉は私たちの日常生活の中で本当によく登場します。テレビをつけていれば、1日に1回は必ず耳にするのではないでしょうか。ビジネスシーンや政治・経済を語るシーンではもちろん、例えば「試験対策」など、ごく身近なシーンでもよく使われます。
国語辞典・辞書で「対策」を調べると、「相手の出方、事件の様子などに応じて立てる処理の手段」「相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段」などとあります。これをより簡単に言い換えるならば、「問題を解決するためのアイデアとその実行」といったところでしょうか。
さて、その「対策」という言葉を英語ではどのように表現すればいいのでしょうか。今回は「対策」の英語表現について、いろいろな例文を交えながら解説・説明していきたいと思います。「対策」に関連した表現も取り上げます。
対策 英語表現
和英辞典・辞書で「対策」を引くと、対応する英単語は実はたくさんは出てきません。
ただ、「対策」という日本語は抽象的でもありますので、その状況に当てはまる適切な英語表現を探し出すことも大事になります。そうしたことも頭に置きながら、「対策」に対応する英語表現をご紹介します。
Measure
「対策」の英語表現として多くの和英辞書・辞典で最初に出てくるのは「measure」です。発音をあえてカタカナで書くならば「メジャー」あるいは「メイジャー」です。
「Measure」にはさまざまな意味があります。動詞として使われる場合、何かを「測る」「測定する」という意味でよく使われます。
名詞として使われる場合は、日本語のカタカナでも「メジャー」という言葉があるように、「計量器具」「メジャー」といった意味がもちろんあります。しかし、多くの英和辞典・辞書を見ると、名詞の意味として最初の方に挙げられているのが「対策」「手段」「措置」「処置」などなのです。
この「対策」などの意味の「measure」を使ったフレーズを、以下にいくつか挙げます。なお、この意味の「measure」は、特に一般論的な話題の中で用いられる場合、「measures」というように複数形で使われることが多いです。
安全対策
警備対策
環境保護対策
我が社は環境保護対策について考えなければなりません。
次のように「〜に対する対策」という場合、前置詞の「against」がよく使われます。
テロ対策
地震対策
我々は地震対策を検討中です。
また、次のように「〜するための対策」と言いたい場合は、不定詞(to+動詞の原形)を続けることもできます。
犯罪率を下げる対策
市長は犯罪率を下げるための新たな対策を発表した。
その他の「対策」を表す名詞
前述のように、「対策」の英語表現として一番に登場するのは「measure」ですが、他にも文脈によってさまざまな言葉が「対策」の意味を表す、あるいは「対策」と日本語訳することができます。
以下、話や文の内容によって「対策」という意味で使える主な英単語の一例です。
Countermeasure
Plan
Answer
Way
これらの単語の意味や使い方については、例文とともに次の「対策する 英語表現」の項目で合わせて解説したいと思います。
対策する 英語表現
ここまで、「対策」という意味でよく使われる名詞について見てきましたが、ここからは「対策する」「対策をたてる」「対策を講じる」など動詞的な表現について、どのような言い方があるのかを例文とともに解説します。
Measure
「対策する」をそのまま一語で表せる英語の動詞は残念ながら見当たりません。一般的には、前の項で出てきた「measure」などの名詞を他の動詞と組み合わせて「対策する」と表現することが多いです。
「Measure」と一緒によく使われる動詞が「take」です。「Take a measure」あるいは「take measures」で、「対策する」「対策を講じる」といった意味になります。
私たちはその問題について対策を講じなければなりません。
私たちはその問題を解決するために対策を講じなければなりません。
最もよく使われるのは「take」ですが、その他にも
「Adopt」(〜を採用する)
「Introduce」(〜を導入する)
「Plan」(〜を計画する)
「Start / begin」(〜を始める)
といった動詞も、「measure」と組み合わせて「対策する」「対策を講じる」という意味合いで使われます。
政府は主要な問題に対処するための対策を実施した。
彼らはその対策を行うべきだった。
汚染を減らすために、市はいくつかの対策を講じました。
教師たちは不正行為を防ぐためのいくつかの対策を講じた。
いつから対策を始めるべきだったのでしょうか?
Step
名詞の「Step」には「一歩」「歩み」といった意味がありますが、文脈によって「対策」「手段」などという意味で使えます。
こちらも「take」などの動詞とよく一緒に使われます。「Take a step」あるいは「take steps」で「対策を行う」「対策を講じる」という意味になります。「Take」以外の動詞についてもほぼ「measure」と同様ですので、前項を参考にしてください。
この問題に対しては直ちに対策を講じるべきだ。
その会社はサイバーセキュリティ・プロトコルを強化するための対策を講じている。
その学校は、キャンパス内の生徒の安全を強化するための対策を実施しています。
Countermeasure
「Counter」と「measure」をくっつけた「countermeasure」も「対策」「手段」といった意味です。基本的には「measure」を強調した単語で、何かに対する「対抗手段」というニュアンスが強い言葉です。前置詞「against」を伴って「countermeasure against ~」で「〜に対する対抗手段」という意味になります。
「Measure」と同様に、「take」「implement」「adopt」等の動詞と一緒によく使われます。
病院はウイルスの拡散に対抗するための迅速な対策を講じた。
病院はウイルスの拡散を抑えるために迅速な対策を講じた。
Plan
「計画する」という意味の「plan」を使って、「plan measures」でも「対策を講じる」といった意味になることを既に説明しましたが、「plan」の名詞自体も文脈によっては「対策」と日本語訳できる場合もあります。
私たちは大地震から身を守るための効果的な対策を講じなければなりません。
Answer
名詞の「answer」は「答え」という意味ですが、こちらも文脈によって「対策」「解決策」という意味で使うことができます。
その問題に、何か対策を講じることはできますか。
また、動詞「answer」(答える)を使った文も、内容によって「対策を講じる」と日本語訳できる場合もあります。
私たちはこの危機に対し、すぐさま対策を講じなければなりません。
Way
「Way」には「方法」という意味がありますから、これを使って「対策する」を表現することもできます。
その自治体は、交通量を減らすためのさまざまな対策を模索している。
戦略 英語表現
「対策」に関連する表現として「戦略」という言葉があります。「対策」は何らかの問題が起きた時によく使われるイメージですが、「戦略」はどちらかというと「何かを勝ち取る」「何かをうまく進める」ような場面でよく使われる言葉ですよね。
さてこの「戦略」は英語では何と言えばいいのでしょうか。
Strategy
「戦略」は英語では「strategy」が一般的です。日本語でも「ストラテジー」というように、そのままカタカナ言葉になっていますね。
販売戦略(sales strategy)、マーケティング戦略(marketing strategy)など、ビジネスの世界ではさまざまな「strategy」が登場します。もともとは戦争など本当の戦いの時に使われていた言葉が、比喩的にさまざまな“戦い”の場面で使われています。
我々は今、戦略を練っているところです。
あなたの戦略は理解しましたが、それに費やせる十分な予算はありますか。
Tactic
こちらは、普通「tactics」と「s」を付けて使われます。「作戦」「方策」「戦術」といった意味ですが、一般的に「strategy」が全体的戦略・俯瞰的な戦略を指すのに対して、「tactic」はより個別的・局所的な「戦い方」というニュアンスを持ちます。
「販売戦略」などという場合、「sales strategy」と「sales tactics」が区別なく使われる場合もありますし、前者を戦略の全体像、後者を個別プランとして区別するケースもあるようです。
そのコーチは、チームの力を発揮させる新しい戦術を開発した。
まとめ
いかがでしたか。今回は、「対策」の英語での言い方について、たくさんの例文を交えながら解説・説明しました。
本文でも触れたように、日本語の「対策」は抽象的で意味の幅広い言葉です。ですので、「measure」を使うのももちろんOKですが、その場に応じた表現を柔軟に考えることも英語学習の良いトレーニングになると思います。
こんな言い方はどうかな、この単語は使えないかな、「answer」がいいかな、「Way」で大丈夫かも、などというように、楽しみながら自分で工夫してみましょう。「対策」に当てはまる英語を考える時は、「対策」という日本語にとらわれないことがポイントとも言えます。それではまた。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.