【知ってましたか!?】「ジャム」ってそのまま英語で通じる?

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可愛らしい小瓶に詰め込まれた色鮮やかなジャム。こんがり焼いたトーストにジャムを塗った朝食は、フルーティーな香り、そして甘く濃厚な味わいで、シンプルながらとても美味しいです。スーパーに買い物に行けば、ジャムコーナーにはずらりとたくさんの種類のジャムが並んでおり、最近では輸入食材店でも世界中の珍しいジャムも販売されています。

すっかり日本語として定着している「ジャム」ですが、海外で朝食を食べる際、果たして「ジャムをください」で相手には通じるのでしょうか?

この記事では、「食べるジャム」の種類と英語表現、食べるジャム以外の「jam」の意味について例文つきでご紹介します。

海外でも「ジャム」は通じる?

まずはじめに、海外と日本におけるジャムの歴史をご紹介します。

海外では昔から食卓に常備されており、日常生活に溶け込んでいるジャムですが、日本では16世紀後半にもたらされ、一般に向けて製造・販売されるようになったのは明治に入ってからと言われています。日本では歴史の浅いジャムですが、海外では1万5千年以上前からジャム作りが行われていたとか。明治以降に食卓に出てきたという日本人の私たちからすると、ジャムがこんなにも古い歴史を持っていることはとても意外ですね!

特にヨーロッパでは、貴族や富裕層がジャムを贅沢なデザートとして楽しんでいたという歴史もあり、今では気軽に購入できるジャムも、昔は庶民には手が届かない食べ物だったようですね。

参考資料:https://www.aohata.co.jp/experience/knowledge/jamstory.html

そんな驚きの歴史を持つ「ジャム」ですが、海外でも「ジャム」で通じるのでしょうか?

はい!ジャムは「jam」で通じます。読み方・発音も日本語のジャムに近いですが、ジを強めに発音します。

海外でのジャムの使い道には、以下のようなものがあります。

ヨーロッパ・イギリスやフランス、スペインなど

ジャムをパンに塗って食べることが一般的です。特に、クロワッサンやバゲットの横に添えてあることが多いです。

チーズとジャムを組み合わせて食べることもあります。美味しい組み合わせは、ハードチーズやブリーチーズとジャムを一緒にいただくことだそうです。しかも、チーズ専用のジャムが売られていたりするなど、チーズとジャムの組み合わせはヨーロッパではとても一般的なことです。

また、イギリスではアフタヌーンティーを楽しむ際に、スコーンにジャムを塗って食べることが伝統的な食べ方です。シンプルなスコーンにクロテッドクリームとジャムをのせて食べることは、日本でもお馴染みの光景です。

アメリカ

トーストに塗る以外の用途として、ジャムをヨーグルトやグラノーラにかけて食べることがあります。アメリカのジャムはとても甘いので、無糖のプレーンヨーグルトにかけて食べることがおすすめ。

他にも、ジャムをパンケーキやワッフルのトッピングにしたり、ドーナツの中にフィリングとして入れて食べることがあります。

これら「食べるジャム」の海外での英語表現について次の章で詳しく解説していきますので、味や食感を思い出しながら読んでみてください。

ジャム 英語表現

海外では、食感やフルーツの使い方によってジャムの種類を分けて表現していることはご存知でしょうか?

ジャムの種類は大きく分けて、Jam(ジャム)、Jelly(ジェリー)、Marmalade(マーマレード)、Preserve(プレザーブ)の4種類です。

ジャムの材料と製造方法が同じであっても、糖度が足らなければジャムと定義されないこともあります。例えば、日本では糖度が40%以上あれば「ジャム」とされますが、ヨーロッパでは60%以上、アメリカでは65%以上の糖度が必要とされます。ですので、日本の糖度40%のジャムは、海外では「ジャム」に分類されないということになりますね。驚きです。

上記のことから、我々日本人が海外のジャムを食べてみると「すごく甘い!」とびっくりする光景がしばしば見られます。国や地域によって「ジャム」の定義が違うところはとても興味深いですね!

Jam

イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリーの果肉、砂糖を煮詰めペクチンなどのゲル化剤を加えて作ったもの。

Jelly

ジャムと同じく果物を使うが、絞った果汁から作られる。見た目はジャムよりも半透明、テクスチャーはジャムよりもゆるめであることが特徴。アメリカ英語で使用されることが多い。

Marmalade

柑橘類を使って作られたもの。オレンジが一般的だが、他にもレモン、ライム、グレープフルーツを使うこともある。

オレンジを使ったジャムは「オレンジジャム」とは言わず、「オレンジマーマレード」という名称になる。

Preserve

ジャムと同様に果物と砂糖を煮詰めたもの。

ジャムはフルーツを潰したり切ったりしているが、プレザーブは果物丸ごとをそのまま煮詰めたものになる。

アメリカンキッズのランチでお馴染みのPeanut Butter and Jelly Sandwich(ピーナッツバター&ジェリーサンドイッチ 通称:PBJ)に使われているのは、ジャムではなくJellyです。

レシピはとてもシンプル。パンの片面にピーナッツバターを、もう1枚のパンの片面にはJellyをたっぷり塗って挟むだけ。

日本人からすると「何それ?美味しいの?」と首をかしげてしまいそうですが、ピーナッツバターの塩味とジェリーの甘みのハーモニーで、一度食べたら止まらない美味しさなのです。PBJ味のアイスクリームやお菓子まで販売されているほど、アメリカ人にとってはなくてはならない定番の味。必ずJellyを使用しないといけないわけではなく、個人の好みの問題なのでジャムを使っても問題ないそうですよ。

ちなみに、オーストラリアの「世界一まずいジャム」と言われている「VEGIMITE(ベジマイト)」は、ジャムには分類されず「Spread(スプレッド)」に分類されます。

spreadは動詞では「広げる、広がる」という意味がありますが、名詞ではパンやクラッカーなどに塗り広げるペースト状のもの全般を指します。ベジマイトはジャムには分類されませんが、ジャムやピーナッツバター、ヌテラ(ヘーゼルナッツとチョコレートのスプレッド)、ベジマイトなどを総称して「スプレッド」と表現します。日本人からすると少しややこしいですね。

例文

Do you know how to make strawberry jam?

(いちごジャムの作り方を知ってる?)

My son likes to spread apricot jam on his toast.

(息子はアプリコットジャムをトーストに塗るのが好きなんだ)

Would you like some jam on your scone?

(スコーンにジャムはいかが?)

Jam スラング

jamは食べ物以外にもスラングで別の意味を持っており、様々な文脈で活用されている多義的な言葉です。文脈によって異なる意味を持つ単語ですので、例文と一緒に順番に見ていきましょう。

音楽での文脈で使われる「Jam」

音楽の文脈でのjamは、音楽のジャンルを問わずミュージシャンのバンドなどによる即席の演奏について使われる言葉です。「Jam Session(ジャムセッション)」という言葉は日本語でも耳にしますね。

They had a great jam session last night at the jazz club.

(昨夜、彼らはジャズクラブで素晴らしいジャムセッションをしました)

After the concert, the band stayed late at the studio to have a jam session.

(コンサートのあと、バンドは遅くまでスタジオに残って即興のセッションをしました)

仕事や活動などの文脈で使われる「Jam」

仕事などの文脈で使われる「jam」にはふたつの意味があります。「in a jam」は、困難な状況や困難な局面、問題やトラブルに直面している状況を表しています。

例文

I'm in a bit of a jam with my deadlines.

(締め切りに関してちょっと困ってるんだ)

I'm in a jam with this report. I haven't slept in two days.

(このレポートで苦しんでいるんだ。もう2日も寝ていないよ)

また、「頑張っている、精を出している、集中して取り組んでいる」という意味も持っています。

I've been jamming at work this week.

(今週は仕事に精を出しています)

好きなもの·コトについて表現する場合の「Jam」

「〇〇 is my jam!」というフレーズはスラング的な表現で、特に楽しいものや好きなものを伝えたい場合に使うことができます。

例文

Korean food is my jam!

(韓国料理が大好き!)

Romantic comedy movies are my jam!

(ラブコメ映画が大好き!)

渋滞 英語表現

交通渋滞は英語で「traffic jam」「congestion」と表現します。

traffic jamは、前方にたくさんの車が詰まってしまい、ほとんど動けない状態を表しています。GWや夏休みなど、日本の長期休暇時にニュースで流れる高速道路をイメージするとわかりやすいですね。

一方の「congestion」は道路上の車は流れているものの、通常時よりも車が多く速度が遅くなり、渋滞が発生している場合に使います。

今回は、「jam」が使われているtraffic jamについて解説していきます。

trafficは「交通」、jamは「混雑」という意味です。jamは「詰め込む・ひしめき合う・ぎゅうぎゅう詰め」といった意味になりますので、車が道路上に詰まってしまっている状況を頭に浮かべるとわかりやすいですね!

例文

The bus was late because of the massive traffic jam.

(大規模な渋滞のせいでバスが遅れた)

I was caught in a traffic jam on the way to school.

(学校へ行く途中に渋滞に巻き込まれた)

We were stuck in a terrible traffic jam for over an hour.

(私たちはひどい渋滞に1時間以上も巻き込まれた)

caught inもstuck inも「渋滞に巻き込まれる、はまる」という意味で使われますが、日常会話ではstuck in を使うことが多く、caught in はややフォーマルな表現になります。

ジャム 英語 まとめ

ジャムにおける英語表現は多岐にわたり、一体どの単語を使ったら良いのか混乱するかもしれません。日本では「ジャム」だと思っていたものも、海を渡れば「Jelly」や「Marmalade」に変貌してしまうこともありビックリですね!これらの単語は、国の食文化や地域によって異なることがありますが、朝のトーストやお菓子、さらには料理のアクセントとして世界中の人から愛されている保存食であることには変わりありません。

この記事を読んで「ジャム」についての英語表現を知ったあなた、海外の方とお気に入りのジャムや珍しいジャムについてディスカッションしてみてはいかがでしょうか?きっと新しい発見があるはずですよ!

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