今回特集していくのは「アメリカ合衆国の治安」についてです。旅行先としても、海外留学先としても定番の人気が高く、州ごとに魅力の異なるユニークな行き先であるアメリカ合衆国。近年では、日系企業のアメリカへの進出によって現地で就職する日本人の方や、海外出張の一貫でアメリカに長期滞在する日本人も多くいます。
そこで今回このコラムでは、州ごとに法律が異なるアメリカ合衆国内の治安がいいとされる場所、反対に治安に気をつけた方がいいと言われている場所についてできるだけ詳しくお伝えしていきたいと思います。アメリカの犯罪発生状況や、犯罪や防犯への対策についても解説していきますので、実際にアメリカに渡航される方は是非参考にしてみてください。
アメリカの歴史的、社会的背景の観点から、なぜアメリカの治安について深く知ることが大切なのかについても、コラムの最後に触れておきたいと思います。アメリカでの滞在をより充実したものとするためにも、是非チェックしてみてください!
アメリカの中で治安がいい都市
早速ですが、まずはアメリカ合衆国の中でも治安の良いとされている州や都市について取り上げていきたいと思います。治安がいいかどうかを判断する材料の一つに、「犯罪率」と「自然災害」などがあります。今回は2023年度にWalltHubが41の安全に関する指標をもとに発表したランキングを参考に、アメリカ合衆国内で治安がいいとされる都市を紹介していきます。
ちなみにこの41の指標の中には銃乱射事件の発生件数、人口一人当たりの殺人・暴行件数、人口1人あたりのヘイトクライムの発生件数、地震の発生リスク、失業率、などが含まれています。
ただし、一点念頭においていただきたいことは、アメリカで治安がいいと言われている場所であっても犯罪が起こることはありますし、ゼロとは言い切れないということです。これは、私たちが普段生活をしている日本であっても同じことが言えますよね。どんなに治安の良い場所であっても、そこに生活しているさまざまな人がいる限り何か問題が起こることはあり得る話です。アメリカの治安がいいとされる場所でもこのことを常に念頭に置いて生活をされることを強くお勧めします。
第10位:アリゾナ州スコッツデール
人口約24万人のスコッツデールという都市は、州都フェニックスの東側に位置しており、アリゾナ州とカリフォルニア州にまたがるソノラ砂漠に接しています。車で少し走ればサボテンが見える乾燥した大地が広がっています。
1年間を通して温暖で、別荘地として観光客にも有名な場所です。スコッツデールの旧市街は、インディアンが切り開いたことを感じる街並みが今でも残っており、アメリカ西部開拓の時代の歴史も色濃く残っています。
参考資料:アリゾナ州「アンダーズ・スコッツデール」で自分らしく旅をする | アメリカ | トラベルjp 旅行ガイド
https://www.travel.co.jp/guide/article/48270/
第9位:バーモント州バーリントン
第9位にランクインしたのはバーモント州のバーリントンという都市です。バーリントンの人口はわずか4万4000人ほど。バーモント州の中心的な街として自然や文化などの魅力が詰まっています。西にニューヨーク州、東にニューハンプシャー州、南にマサチューセッツ州、そして北はカナダに接しています。
人口よりも牛の数の方が多いと言われ、田舎好きにはたまらない環境です。冬は寒さが厳しく、夏は暑く、四季がはっきりとしています。スノーボードが生まれた街として世界的にも有名です。全米で唯一、マクドナルドが存在しない州としても有名です!
参考資料:バーモント州とその大学の魅力 | アメリカ留学 全米50州ガイド
https://www.ryugaku.ne.jp/state/entry/id/99
第8位:ニューヨーク州ヨンカーズ
ニューヨーク州はウェストチェスター郡のハドソン川沿いに位置するヨンカーズという地域です。ニューヨーク州全体の中でもこの地域は犯罪率が大きく下回っているそう。住宅やコミュニティの安全性の分野で特に評価が高いです。ニューヨーク市の北に位置しており、人口はおよそ21万人ほど。
参考資料:ニューヨークの治安ガイド | ニューヨーク留学センター
https://www.ny-ryugaku.com/column/ny-safe-info.html
第7位:ワイオミング州キャスパー
犯罪率がアメリカの他の都市と比べて極めて低く、大半の都市と比べて安全といえます。ワイオミング州の東に位置するナトロナ郡で唯一の都市であり、郡庁所在地です。周囲にはパウダーリバー、グレンロックやミッドウェストなどの有名な観光スポットもあります。参考資料:アメリカ・キャスパーの観光スポット5選!歴史を探る芸術鑑賞の旅 - skyticket 観光ガイド
https://skyticket.jp/guide/102256/
第6位:メイン州ポートランド
旅行先としても世界中から観光客が訪れるメイン州のポートランド。メイン州最大の年でもあることから、アメリカで最も人口の多い都市圏の中で7番目に住みやすい所として認定されています。
メイン州は「バケーションアイランド」という別名を持ち、州内に別荘を持つ人もたくさんいます。州の9割を森林が占め、湖や孤島、海岸などの魅力が詰まった場所です。
参考資料:メイン州とその大学の魅力 | アメリカ留学 全米50州ガイド
https://www.ryugaku.ne.jp/state/entry/id/101
第5位:ロードアイランド州ウォーウィック
ロードアイランド州の中で3番目に大きな都市ウォーウィック。人口は約8万3000人です。人口1人あたりの暴行・脅迫の犯罪件数が少なく、アメリカで5番目に安全な都市と言われています。参考資料:アメリカで最も安全な都市 トップ20 | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-276833
第4位:アリゾナ州ギルバート
アリゾナ州の州都フェニックスの南東に位置するギルバートの人口は約27万5000人ほど。ここは経済的な安全性の部分で高く評価を得てはいますが、必要な生活費はアメリカ全体の平均に比べて19%高いと言います。
参考資料:アメリカで最も安全な都市 トップ20 | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-276833
第3位:バーモント州サウスバーリントン
サウスダコタ州のスーフォールズ、ニューハンプシャー州のマンチェスターなどと並んでアメリカでもっとも失業率の低い都市として知られています。保険に入っていない人の割合がアメリカでも三番目に少ないことからも、経済的な安定性の分野で評価される理由の一つとされます。
ただし、この地域は人口一人当たりのヘイトクライムの発生がアメリカでも特に多い地域として知られている。
第2位:メリーランド州コロンビア
メリーランド州のコロンビアは2020年に行われた国勢調査で人口10万4000人を記録した計画都市です。ボルチモアと同様、メリーランド州の中で最も人口の多い都市の一つで、アメリカで二番目に安全な都市として知られている。
メリーランド州は山脈から曲がりくねった大西洋の海岸線までユニークな地形をしていることから「アメリカのミニチュア」と呼ばれています。この都市は南北戦争中の主な軍事活動の中心地としても知られています。
参考資料:メリーランド州 | Visit the USA
https://www.gousa.jp/state/maryland
第1位:ニューハンプシャー州ナシュア
ニューハンプシャー州にあるナシュアという地域がアメリカ全土の中で最も安全な地帯と言われています。人口一人当たりの暴行・脅迫の発生件数が2番目に少なく、失業率もアメリカで最も少ないです。
参考資料:アメリカで最も安全な都市 トップ20 | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-276833
アメリカの中で治安が悪い都市
続いて、アメリカの中で治安が良くないとされる地域をトップ10からお伝えします。ワースト10にランクインしている都市に共通していることは、経済的な困窮率と非労働者の割合の高さです。働けないと生活に困ってしまい、お金がないと盗難や窃盗などの犯罪数が増えるというのが現状のようです。その上暴行や強姦などの犯罪も増加する傾向にあります。
留学や就職先として以下の都市に住むことになった場合は、日常生活でもしっかりと気を引き締めていきましょう。
第2位:アラスカ州アンカレッジ
第3位:ニューメキシコ州アルバカーキ
第4位:テキサス州ラボック
第5位:アーカンソー州リトルロック
第6位:ルイジアナ州シュリーブポート
第7位:カリフォルニア州ベーカーズフィールド
第8位:ユタ州ソルトレイクシティ
第9位:ミズーリ州スプリングフィールド
第10位:テキサス州コーパスクリスティ
アメリカの犯罪発生状況
アメリカでの犯罪の種類は主に以下の二つに分けられます。
窃盗犯罪:侵入盗、非侵入盗、乗り物盗
2021年にアメリカで発生した犯罪件数は以下になります。
窃盗犯罪: 6,513,772件
2021年にはアメリカでの凶悪犯罪は減少し、窃盗犯罪は増加しているようです。過去10年間のそれぞれの推移を見ると、窃盗犯罪の発生率の方が減少傾向であるようです。アメリカでは日本の平均と比べると、凶悪犯罪、窃盗犯罪ともに発生率が高い状況です。特に重犯罪が多いので、滞在中には身の回りには常に気を配ることをお勧めします。
参考資料:アメリカでの防犯対策
【2023年版】アメリカの治安事情まとめ!トラブル事例から防犯のポイントまで紹介 | スクールウィズ
https://schoolwith.me/countries/US/safety
なぜアメリカの治安が不安視されるのか
アメリカの治安の悪さに影響を及ばしているものは何なのかを、アメリカ滞在前に知っておくことで、どのようにアメリカ社会の中で生活をしていけばいいのかのヒントが見えてきます。ここではアメリカの歴史的・社会的背景からその理由を紐解きましょう。アメリカの治安の悪さに影響を及ぼしている三代要素として、以下の三つが挙げられます。
教育の機会の不平等
都市と郊外の治安の違い
アメリカは所得の格差が大きく、治安の悪化へ強く影響しています。貧困に陥った人が生活を続けるために非合法な手段に出ることがあるため、犯罪率の増加につながります。さらに、一部の地域では良質な教育を受ける機会が著しく低い場合もあり、その結果職を得ることができずに経済的に困難な状況に陥りやすくなるのです。これが犯罪に手を染める原因となっています。
アメリカでは、都市部と郊外の治安が異なる場合もあります。特に都市部では、人口密度が高いことや頻高銀が広がっていることから犯罪率が上がりやすい状況にあります。一方郊外では、治安が比較的安全な場合が多いですが、それでも犯罪件数がゼロとなることはありません(これはどの国でも同じことが言えますね)。
参考資料:アメリカの治安が悪い理由とは?銃規制、教育、薬物問題を徹底解説 | キリトリセカイ
https://schoolwith.me/countries/US/safety
まとめ
このコラムではここまで、アメリカの治安についての州や土地ごとの情報と、アメリカの治安の悪さが何に起因しているのかについて解説してきました。いかがでしたでしょうか?
もちろん、アメリカ全土が治安が悪く犯罪がいつも起こっているというわけではなく、反対に安全と言われている場所でも犯罪が起こる可能性が0とも言い切れません。これは、世界中の安全と言われている国であっても同じことが言えます。様々な背景を持った人が暮らしている土地である限り、犯罪がゼロと言い切ることはできないのです。
留学や出張、長期滞在などでアメリカに住む機会のある方はそのユニークな土地の文化や社会を全力で楽しみつつ、危険な犯罪などには巻き込まれないような対策をとっていきましょう。

◇経歴
大学時代に、外国語がどのように学ばれるのかについて興味を持ち、日本の大学院で第二言語習得論•応用言語学の研究に励む。
修了後はインターナショナルスクールの先生や、小学生オンライングループ英会話のバイリンガル講師、日本の文化を海外に広める音楽スクールで活躍中。
◇資格
IELTS Academic module 6.5
(speaking 6.5 reading 7.0 listening 6.5 writing 6.0)
◇留学経験
高校時代、春休み中にニューヨークにある姉妹校のタウンゼント•ハリス高校へ研修に参加。
その後大学時代にニュージーランドに一学期間の留学を経験。語学学校に通ったのち、主に応用言語学を中心に学ぶ。
◇海外渡航経験
つい数ヶ月前、高校ぶりに訪れたニューヨークの空港でみつけたストリートピアノ。
つい弾きたくなりニューヨーク出身の作曲家ジョージ•ガーシュインの「ラプソディーインブルー」を弾いたら、メキシコのカンクン行きの搭乗を待っていた皆さんから盛大な拍手を貰いました!とてもいい思い出です。
◇自己紹介
これまでの海外経験や、日本で出会った留学生たちとの交流から、英語をはじめとした外国語を使うことで、私たちの視野や価値観はどんどん広がっていくと確信しています!
英語が好き!と言う気持ちを大切に、英語を学び続けられる燈を見つけられるよう行動すると、英語学習が楽しくなります!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.