インターネットの普及や技術発展により、韓国語を含めた外国語習得の方法が以前に比べ多様化し、便利になっています。
それ以前は、テキストを使い自分で独学する、または韓国語教室に通い習うという勉強法が一般的でした。現在でも多くの韓国語学習者がこの方法で学んでいると思いますが、インターネットを利用した勉強法を取り入れている人も多いはずです。
また、外国語学習者の悩みとして、日本で学んでもなかなか使う機会がない、留学で話せるようになっても帰国後に話すことがなくなったため会話力をキープできない、話せなくなってしまう、というものがあります。
この悩みの助けになる方法のひとつとして、言語交換アプリを利用した学び方があります。
今回の記事では、言語交換アプリを利用した韓国語学習について説明します。
言語交換アプリとは
まず言語交換アプリとは、お互いの言語を学ぶ学習者同士がアプリを利用し、会話をしながら実践的な学習をする場です。
私たち日本人が韓国語を学びたいように、日本語を学びたい韓国人、日本語や韓国語を学びたい外国人がいます。そのような人たちがアプリでの学びの場を通し、お互いに学び合ったり交流することが目的です。
言語交換アプリで学ぶメリット
まずは、言語交換アプリで学ぶメリットを挙げます。
レッスンより気軽に利用できる
韓国語教室で学んだりオンラインレッスンを受ける場合、通常レッスンの日時は固定で決まっているか、事前に予約を入れなければ受講ができません。ですが、言語交換アプリの場合、レッスンと違い事前の予約の必要がなく思い立った時すぐに利用することができるためレッスンよりも気軽です。
また、レッスンの場合、講師と受講生は教える側と学ぶ側という関係性です。日本社会での人間関係は、教える側が学ぶ側より上という感覚が無意識的にでもあるため、人によっては精神的に少し負担を感じることがあるかもしれません。一方、言語交換アプリの場合は、お互いに学ぶ立場で対等な関係性であるため気楽です。
無料で利用できる
レッスンを受ける場合、レッスン料を支払わなければなりませんが、言語交換アプリはひとまず無料から利用できます。
アプリ内で利用できるサービスやプラン等により課金が必要なこともありますが、基本的なサービスであれば無料で使えます。そのため、ひとまず金銭的な負担がレッスンのようにありません。課金する場合でも、アプリやサービス、プラン等の内容により違いますが、月々のレッスン料よりも手頃な価格で利用ができるはずです。
韓国人と話す機会を持つことができる
韓国語学習者で言語交換アプリを使う人の一番の目的は、韓国人と会話をすることだと思います。ネイティブスピーカーと会話をするチャンスは日本にいるとなかなかないため、学習者にとって韓国人と話す機会を持つことができることは最大のメリットだと思います。
言語交換アプリを利用している韓国人も日本語や日本人に興味がある人なはずなので、レッスンで講師から習う場合とは違う楽しさがあるはずです。また、レッスンの場合は週に1回など決められた回数しか話す機会が持てないですが、言語交換アプリであれば自分で積極的に利用すれば回数を増やすことができます。
レッスンや教材で学べないリアルな韓国語を学ぶことができる
レッスンや教材で重視していることは、基本的な正しい韓国語です。それらをまずしっかりと学ぶことは大事です。ですが、それらの内容は実際にはあまり使わない内容であることもあります。
また、日本語でもそうですが、教科書には載っていない言葉や表現を実社会では使うことがあります。さらに教材は、内容構成によっては日常生活で使う場面等がうまく反映されていない、知識を学ぶことが目的の内容になりがちな一面があります。そのため、学んだ知識を実際の場面でどう活かせるか分からない学習者もいます。
一方、言語交換アプリで韓国人から教わる韓国語は実際に使われているリアルな韓国語です。教材では学べない、よく使われる韓国語を学べることは大きなメリットです。
他の韓国語学習者と交流や情報交換ができる
韓国語学習者とひと口に言ってもいろいろなタイプの人がいます。ひとりで黙々と独学したい人もいれば、他の学習者と一緒に学びたい人もいます。また、ひとりで学習計画を立てて着々と学習を進めることが得意な人もいれば、自分ひとりではなかなか学習ができない人もいます。
ひとりで学習できる人は独学がむしろ向いていますが、そうでない場合は言語交換アプリを利用して学習コミュニティに入り、他の学習者と交流したり情報交換をしながら進める方が良いかもしれません。
言語交換アプリで学ぶデメリット
次に、言語交換アプリで学ぶデメリットを挙げます。言語交換アプリで学ぶデメリットは、主に質の問題です。
韓国人ユーザーは講師ではない
韓国人ユーザーの全員とは言えませんが、その殆どは韓国語講師ではありません。「○○は韓国語でどう言うのか?」といった質問に対し答えることはできます。ですが、レッスンで講師が教えてくれるように文法や発音規則などを分かりやすくしっかりと説明できるわけではありません。
また、韓国人であっても正しい韓国語を使っているとは限りません。正しい韓国語を教えることが仕事の韓国語講師は、自分が使う韓国語にも注意を払っています。それとは違い一般の韓国人の場合、韓国語能力や表現力には個人差があります。
例えば、綴りが正しくない、分かち書きができない人から教わると間違った韓国語を覚えてしまうことになります。
また、講師と違い一般の韓国人は、どの韓国語表現がどのレベルなのか等の把握をしていません。つまり、相手の韓国語力を正確に把握した上で、そのレベルに合わせた単語や文法を使って分かりやすく話してくれることが必ずしもできるわけではありません。それにより、自分の韓国語力では相手の言っていることが難しすぎて分からない、あまり勉強にならない、ということもあり得ます。
体系的にきちんと学べない
レッスンの場合、教材に沿って学ぶ順番や難易度を考慮した上で、基礎から少しずつ韓国語能力がつくように体系的に学ぶことができます。
一方で言語交換アプリの場合、レッスンとは違い、単発的、個別の質問に対して答えを教えてもらったり、韓国ドラマのセリフを理解するなど自分の興味のあることだけ学ぶような偏った学び方になりがちです。そのため、学んだことなら分かるけどそれ以外のことは分からない、学んだことを自分で応用して使えるようになる応用力などがつきにくいです。
学習目的ではない利用者がいる
言語交換アプリは、提供者側が利用者に提示している利用目的があり、多くの利用者はその目的を理解し賛同した上で利用しているはずです。
ですが、その本来の目的とは違う目的で登録しているユーザーもいるので注意が必要です。
具体的には、投資等の勧誘、商品のセールス、出会い系などです。こういった利用者は明らかに分かる場合と、巧妙な手口で知らないうちに騙されていることもあるので細心の注意が必要です。
有効な利用法
ここからは、言語交換アプリのメリットとデメリットを踏まえた上で、有効な利用法を説明します。
独学やレッスンの補足として使う
言語交換アプリの最大のデメリットは質です。これは、ユーザーが韓国語講師ではない一般人であるため仕方がありません。
学習者の求めるものは個々に違いますが、きちんと韓国語を使えるようになりたい場合、独学やレッスンで知識を体系的に学び基本を身に付け、それらを補う目的で使う方が良いです。つまり、言語交換アプリは気軽に手軽に利用できますが、レッスンの代替として使えるものではないと認識した方が良いです。
特に初級者の段階では、まずは正しい韓国語をある程度学んでから利用する方が良いです。
基本ができていない段階で正しくない韓国語を教わると良くないためです。
学んだことの実践の場として使う
レッスンや独学で会話の練習をして、その実践の場として韓国人と話すことは有効な方法です。例えば、通じる発音ができているのか、自分は何ができて何ができないのか、などです。できると思っていたけど、実際にやってみるとできないことが割とあります。
練習した成果を試してみて、韓国人から発音を直してもらったり、自分の韓国語力を客観的に把握することは価値があります。
学習継続の為のモチベーションや楽しみとして使う
言語習得は一朝一夕でできるようになるものではなく、年単位で時間をかけ、さらに継続しなければなりません。多くの言語交換アプリ利用者の一番の使用目的は、韓国語を使う機会を持って、韓国語を使えるようになることだと思います。その目的だけで使うことももちろん良いです。
ですが、韓国語学習のモチベーションが続かない、独学ではなかなか学習できないという人であれば、他の利用者とのコミュニケーション目的で使うことも有効な利用法です。同じ境遇の利用者とコミュニケーションや情報交換をすることで、モチベーションがキープできたり、韓国語学習に楽しんで取り組めるようになることもあります。
上級者がネイティブスピーカーの表現を学ぶ場として使う
上級者の場合、既に韓国語自体の能力は高いので、それをツールとして使って表現力を磨くワンランク上の目的で学ぶには良い場です。上級者であれば、韓国人が間違った表現をしていても気づくことができるため、一般ユーザーから学んでも大きな問題はないはずです。
まとめ
ここまで、言語交換アプリを利用した韓国語学習について説明してきました。言語交換アプリは、気軽・手軽に使うことができる便利な学習ツールです。ですが、利用する上でメリットがある反面デメリットもあります。
今回の記事を参考に、興味がある人は言語交換アプリを試してみて下さい。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.