
アイスランドは、世界でも治安が良い国として広く知られています。初めて海外に行く方でも安心して楽しめますが、観光時にはいくつか注意点もあります。
本記事では、 アイスランドの治安が良い理由と、旅行者が知っておくべきポイントをまとめてご紹介します。
アイスランド観光を最大限に楽しむためには、 事前の情報収集が不可欠です。アイスランドに関する情報を事前に把握することで、現地で後悔しないようにしましょう。
- アイスランドとは?基本情報と魅力
- 世界的に見ても治安が良いアイスランド
- アイスランドの治安がいい理由
- アイスランドの刑罰と更生制度
- アイスランドで気をつけた方がいいエリア
- アイスランド旅行で気をつけるべきこと
- まとめ
アイスランドとは?基本情報と魅力
近年、アイスランドは雄大な自然や独自の文化により、旅行先として注目を集めています。特に 首都レイキャビクは、歴史と現代文化が融合する人気の観光都市です。
旅行を成功させるためには、アイスランドの基本的な情報を事前に把握しておくことが大切です。旅行に対する不安を解消し、自信を持って旅行計画を進めましょう。
基本情報:面積・人口・首都・言語・通貨
アイスランドへの旅行を計画されている方は、外務省のページで、最新情報をご確認ください。
| 項目 | 情報 |
| 面積 | 10.3万平方キロメートル |
| 人口 | 38万3,726人(アイスランド統計局2024年1月) |
| 首都 | レイキャビク |
| 言語 | アイスランド語 |
| 通貨 | アイスランド・クローナ |
アイスランドの特徴と自然環境
アイスランドは北大西洋に浮かぶ島国で、グリーンランドに近い、ヨーロッパの北西に位置しています。
人口の多くは沿岸地域・首都レイキャビク周辺に集中し、内陸部には人が住んでいない地域も広がっています。
公用語はアイスランド語で、かつて ヴァイキングが使っていた言葉が、ほとんど変わらず現代に伝えられています。宗教は、人口の約8割が 福音ルーテル派として登録されています。
「氷と火の国」と称されるアイスランドの自然は、氷河と火山が織りなすダイナミックな自然景観が特徴です。また、メキシコ湾流の影響により、高緯度に位置するにもかかわらず、比較的温暖な気候です。夏は 白夜、冬は オーロラが見られるなど、四季を通して独自の自然現象を体験できます。
世界的に見ても治安が良いアイスランド
アイスランドは世界的に見ても上位に位置するほど 治安が良い国です。
その治安の良さを世界的な基準で数値化して評価した内容をご紹介いたします。日本の治安と比較することで、アイスランドの安全性をより深く理解していきましょう。
世界平和度指数(GPI)とは?
世界の各国の平和度合いを数値化し、ランキング形式でまとめたものが 「世界平和度指数(GPI)」です。
「世界平和度指数(GPI)」は、国際NGOの経済平和研究所が、社会の 安全・治安、国内外の紛争(現在も継続しているもの)、軍事化の3つのカテゴリーに渡る全23項目について、世界の163の国と地域を評価したものです。
この評価に基づいて、毎年治安の良い国や地域に関するランキングが発表されています。
世界で一番治安の良い国
アイスランドは2008年以降、世界平和度指数ランキングで 常に首位を獲得しており、地球上で最も平和な国と言われています。
2024年のランキングでも 163ヶ国中1位にランクインしており、社会の安定性や治安の良さにおいて他国を大きく引き離しています。
「世界幸福度ランキング」においても、2024年には 世界3位にランクインしており、治安の良さと国民の幸福度が高いことが示されています。
アイスランドの治安がいい理由
アイスランドがなぜ治安が良いのか、その理由を解説します。安心して旅行を楽しむために、その背景を理解しておきましょう。
犯罪発生率が低く、警察も非武装
アイスランドではテロや重大犯罪の発生はきわめてまれで、 銃の所持は認められているものの銃犯罪はほとんどありません。警察官も通常は銃を持たずに勤務しており、 社会全体に落ち着きと安心感が広がっています。
また、反政府組織やイスラム過激派などの存在も確認されておらず、社会の安定と治安維持体制の整備を示しています。
このようにアイスランドは、 テロの脅威が小さく、銃犯罪も稀な、世界でも有数の安全な国と言えるでしょう。旅行や生活を安心して楽しめる環境が整っています。
男女平等が進み、社会の安定に寄与
ジェンダーギャップ指数では、 15年連続で第1位を記録。そのことが治安の良さにもつながっています。
アイスランドは、男女平等が非常に進んでいる国として世界的に知られています。
世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数では、15年連続で1位にランクインしており、政治や経済などあらゆる分野で女性が活躍することが当たり前の社会が築かれ、 男女間の格差が小さいことが示されています。
1980年には 女性大統領が誕生し(民選では世界初)、2021年の議会選挙では 女性議員の割合が47.6%に達しました。2017年からは 性別による賃金格差を禁止する法律も施行されています。
最近では日本の男性の育児休暇取得率も約3割と上昇してきておりますが、アイスランドの 男性の育児休暇取得率は約8割と高く、「育児は誰にとっても守られるべき」という認識が社会に根付いています。
また従業員25人以上の企業に対し、同一労働をしている男女の同一賃金の証明を義務付ける法律など、積極的に男女平等を進める政策が取られています。
このような男女平等の意識の高さと、それを推進する社会システムが、犯罪率の低さにも寄与していると考えられています。
アイスランドの刑罰と更生制度
アイスランドは犯罪率が低いことで知られていますが、万が一犯罪に巻き込まれた場合の刑罰についてもご紹介いたします。
刑罰
アイスランドには死刑や無期懲役といった終身刑が存在しません。
刑務所の環境は比較的穏やかで、施設は開放的な構造が多く、受刑者は比較的自由に移動できます。
アイスランドの刑務所は、犯罪者への罰よりも、社会復帰支援を重視する更生施設としての役割を強く持っています。刑務所では教育や職業訓練が充実しており、出所後の社会復帰を後押しする体制が整えられています。再犯率が低いことも、この制度の成果のひとつです。
アイスランドで気をつけた方がいいエリア
ヨーロッパの他国に比べ治安は良いものの、スリといった軽犯罪も起こりえますので、油断は禁物です。
2023年度の統計によると、殺人や刺傷事件等の重犯罪が増えており、以前と比べると 治安が悪化している現状もあると指摘されています。
したがって、治安が良いとはいえ過信せず、観光中は常に注意を払うようにしましょう。一般的に治安が良いとされるアイスランドですが、観光客が注意したいエリアがあります。
レイキャビク付近
首都レイキャビクの中心部では、週末の夜になると酔客による騒ぎや薬物関連の軽犯罪が起こることがあります。
どんな場所でも、夜遅くの一人歩きを避け、混雑した場所では荷物から目を離さないことが大切です。
首都では、観光客を狙う犯罪者や、酒場が集まる地域での酔っ払いによる犯罪に注意が必要です。人が多い場所でも油断せず、夜間の単独行動や過度の飲酒は控えましょう。
アイスランド旅行で気をつけるべきこと
アイスランドは一般的に治安が良い国ですが、海外旅行である以上、観光客がトラブルに巻き込まれる可能性は否定できません。
アイスランドで比較的起こりやすい事例を参考に、注意すべき点をご理解ください。
飲酒に注意
アイスランドでは、週末になるとレイキャビクのバーやクラブは多くの人でにぎわいます。ただし、アイスランドのお酒は アルコール度数が高く、飲酒のペースも速いため注意が必要です。伝統的な蒸留酒は 40度近いこともあり、慣れないうちに飲むと酔いが回りやすいでしょう。
楽しい雰囲気に誘われてついつい飲み過ぎてしまうかもしれませんが、飲み過ぎによるトラブルやスリには注意が必要です。楽しい時間を過ごすためには、節度を持った行動が求められます。治安が良いからといって油断しすぎず、飲み過ぎにはくれぐれも気を付けてください。
スリや置き引きへの注意
アイスランドは治安が良い国ですが、スリや置き引きといった軽犯罪が発生することはあります。
特に人がたくさん集まるレイキャビクの中心部や空港、観光スポットなど、人が多く集まる場所では 貴重品の管理を徹底しましょう。
治安が良いとはいえ、日本のように置き忘れた財布や携帯が親切に届けられるとは限りませんので、ご注意ください。
また、置き引きはほんの少し目を離した隙に行われる場合がほとんどです。ビュッフェ形式のレストランや人通りの多い場所では特に注意が必要です。
自分の荷物はしっかりと自分で管理し、荷物を取られないように注意しましょう。自己責任の意識を持ち、貴重品から目を離さないように。
まとめ
この記事では、アイスランドの治安の特徴や旅行者が気をつけるべき点について紹介しました。
アイスランド旅行計画中の方は、外務省HPで最新情報を確認しましょう。アイスランドは面積約10.3万㎢、人口約38万人、首都レイキャビク、言語はアイスランド語、通貨はクローナです。
アイスランドは世界有数の治安国。世界平和度指数で2008年から連続1位。2024年も1位で、世界幸福度ランキングも上位です。
アイスランドは世界でもっとも安全な国の一つですが、観光地ではスリや置き引きといった軽犯罪が起こることもあります。貴重品を肌身離さず持ち歩き、夜間の外出に注意することで、安心して旅行を楽しめます。
アイスランド観光を成功させるためには、アイスランドについて理解して、万全に準備することが大切です。
◇経歴
3年間、海外の協力会社とシステム開発作業を協業しております。
◇資格
TOEIC 830点
◇留学経験
合計1年間 アメリカ(サンフランシスコとニューヨーク)
Embassy CES サンフランシスコ校
ELS Language centers/ College of Mount Saint Vincent
◇海外渡航経験
1年間アメリカ在住。2ヶ月間カナダ在住。
◇自己紹介
私は異文化理解と交流が好きで、英語学習への強い意欲を持っています。カナダの短期留学を契機に、1年間のアメリカ留学を決意しました。現在では、アメリカ留学で得た経験を糧に、現在は日本で海外との協業に携わっています。