世界には、安心して旅行や生活を送れる治安の良い国もあれば、残念ながら犯罪や紛争のリスクが高い国も存在します。
本記事では、最新のデータに基づき、世界の治安の良い国と悪い国を分かりやすく解説します。
さらに、渡航先や居住地で安全に過ごすために私たちにできる具体的な対策も紹介します。
海外旅行や移住を検討されている方はもちろん、日々の安全意識を高めたい方にも役立つ情報が満載です。
世界の治安がわかる「世界平和度指数」とは
世界平和度指数(Global Peace Index)は、その国や地域の治安を数値化した指標で、世界規模での安全性を比較する重要なデータとして注目されています。
この指数は、経済平和研究所(Institute for Economics and Peace, IEP)によって作成されており、各国の安全性や平和度を23の定性的および定量的な指標に基づいて評価します。
具体的な評価は「社会の安全と安心」「国内外の紛争」「軍事化」という3つの領域を基に行われます。
さらに、犯罪率や暴力事件の多発状況、警察官の数、政治的安定度、テロの影響など、計23項目にわたる細かい基準を用いて総合評価が算出されます。
このランキングは、国の治安や平和度を一目で理解できる有用なツールであり、海外旅行計画や移住先選定時に役立つ情報を提供します。
特に、治安の良い国や悪い国としてランク付けされているカテゴリは、旅行者やビジネスパーソンにとって重要な参考ポイントとなります。
最新の2024年の評価では、治安の良い国としてアイスランドやオーストリア、ニュージーランドなどがランクインしました。
一方で、シリアやイエメン、南スーダンなど、治安の悪い地域も指摘されています。
これらの情報は、外務省などの安全情報とも併せて確認することで、より安全な旅や生活の準備を進めることができます。
世界の治安の良い国
アイスランド
最新のランキングで首位になった
アイスランドは、世界平和度指数ランキングで過去16年間連続で最も治安の良い国として評価され続けています。
この国は犯罪率が極めて低いため、外務省も安全な渡航先として推奨しています。
また、地域コミュニティの結びつきが強く、社会的な安心感が高いのも特徴です。
政治的安定性も高いため、観光や移住先として人気があります。
アイルランド
2位のアイルランドは、犯罪率が低く、特に暴力犯罪がほとんど発生しないことで有名です。
EU圏内でも平和な国の一つとして広く認識されており、観光地でも安心して過ごせる環境が整備されています。
オーストリア
3位のオーストリアは、美しい都市と安全性が両立した魅力的な国です。
特に首都ウィーンは、世界的にも最も安全な都市の一つとして評価されています。
外務省のデータによると、オーストリアでは暴力犯罪の発生率が低く、街中で事件に巻き込まれる可能性も極めて少ないとされています。
公共のインフラが整備されており、快適な旅を楽しむことができるのもポイントです。
ニュージーランド
4位のニュージーランドは美しい自然が特徴の国です。
この国では、地域コミュニティが密接に連携して治安を保っており、暴力犯罪が発生する割合が非常に低いです。
シンガポール
5位のシンガポールはアジア圏内で最も治安が良い国として広く知られています。
小さな都市国家ながら犯罪率が非常に低く、特に観光地や街中での安全性が評価されています。
厳格な法律と徹底した治安維持が特徴で、外務省も治安の安定性を高く評価しています。
日本人観光客にとっても人気が高く、快適で安全な旅先と言えるでしょう。
ランキング上位の都市に共通する特徴とは?
ランキング上位に位置する都市には、いくつかの共通点が見られます。
まず、犯罪発生率が非常に低いことが挙げられます。これらの都市では、警察や治安機関がしっかりと機能しており、一般市民も法規範を守る意識が高いと言えます。
また、社会的安定性も特徴的です。医療や教育など公共サービスの充実が、住民の生活を支えています。
さらに、政治的、経済的安定度が高いことも、安全な環境を提供する大きな要因となっています。
日本の治安は?
日本はこれまで安定した治安の良さで知られてきましたが、2024年の世界平和度指数ランキングでは4位下がり17位となりました。この背景には、社会的に不安定な要素の増加や犯罪認識の高まりが影響しています。
しかし、それでも日本は世界的に見て非常に安全な国であり、犯罪率は依然として低水準を維持しています。
世界の治安の悪い国
世界には安全で平和な地域も多い一方で、治安の悪い国々も存在します。これらの国々では、内戦や貧困、犯罪率の高さが社会問題となり、多くの人々の生活が直面するリスクが顕著です。
特に旅行や出張で訪れる際には、十分な情報収集と準備が欠かせません。
以下では、治安指数でも下位に位置する具体的な国々について解説します。
イエメン
ワースト1位のイエメンは、長年にわたる内戦が続き、現在も混乱状態が続いている国です。
国内では政治的不安定が顕著であり、武力衝突やテロ行為が多発しています。
また、基本的なインフラの機能不全が進んでおり、安全な飲料水や医療へのアクセスが非常に困難な状況です。
外務省も渡航自粛や十分な注意喚起を行っています。
スーダン
ワースト2位のスーダンもまた、不安定な政治情勢が続く治安の悪い国の一つです。
経済的不安や社会的な紛争が治安を悪化させており、暴力的な抗議活動や犯罪が発生しています。
特に市街地ではスリや強盗が頻発しており、安全確保が難しい地域となっています。
南スーダン
ワースト3位の南スーダンは、2011年に独立を果たしましたが、その後も民族間の対立や内戦が絶えず続いています。
これらの紛争により、多くの市民が避難民となり、教育や医療などの基本的なサービスへのアクセスが深刻に制限されています。
現地では犯罪率の増加や暴力事件の発生が懸念されています。
アフガニスタン
ワースト4位のアフガニスタンは、長年の紛争とテロ活動の影響により、世界でも極めて治安が不安定な国の一つです。
市民の生活に大きな影響を与える治安上の問題には、武装勢力による襲撃や爆弾攻撃、誘拐犯罪などが含まれます。
現地の状況は予測不可能で、日本の外務省も渡航中止勧告を出しています。
ウクライナ
ワースト5位のウクライナは、2022年に発生したロシアとの軍事衝突が現在も続いており、治安上の懸念が非常に高い状態です。
特に紛争地域では民間人が巻き込まれる被害も報告されており、安全に生活する環境が確保されているとは言えません。
一部の都市では夜間外出禁止令が出されるなど、危機的な状況が続いています。
治安の悪い都市の特徴と背景
治安の悪い都市にはいくつかの共通した特徴があります。
まず、一つは政治的な不安定さです。内戦や政権交代の混乱に伴い、暴力や犯罪が増加しやすい傾向があります。
また、経済的な貧困や格差が広がると、人々の生活が不安定になるため、窃盗や強盗といった犯罪が多発します。
同時に、地域全体の教育やインフラが整備されていないことから、治安改善への取り組みが進まないことも背景にあります。
さらに、民族対立や宗教的紛争も治安悪化の一因です。
これらは長期的な問題として地域の平和を阻害する要因となり、犯罪や暴力が日常的に発生する環境を作り出しています。
このような地域では、外務省や現地政府による渡航情報を確認し、安全性を慎重に判断することが求められます。
犯罪が多発する理由とは?
犯罪が多発する主な理由は、社会的・経済的要因との関連が深いです。
例えば、失業率が高い地域では、経済的な困窮に追い詰められた人々が窃盗や強盗に走るケースが増えます。
また、教育の機会に恵まれないため、若者が犯罪集団やギャングに巻き込まれるケースが多く報告されています。
さらに、麻薬取引や密輸などの組織犯罪が蔓延している地域では、犯罪組織が治安悪化を助長する傾向にあります。
これに加え、警察や司法の機能が弱体化している地域では、治安維持に必要な基盤が整っておらず、犯罪が野放しになることが少なくありません。
こうした犯罪多発地域に関する情報は外務省などが提供しており、渡航前には必ず最新情報を確認し、リスクを把握することが重要です。
海外旅行で巻き込まれやすいトラブル
海外旅行は新しい文化や体験を楽しめる貴重な機会ですが、その一方で予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクも存在します。
特に上記で述べた5カ国を含む治安指数が低い地域や都市では、犯罪に巻き込まれる可能性が高くなるため注意が必要です。
このセクションでは、旅行中に遭遇しやすいトラブルの具体例を紹介します。
まず、最も一般的なトラブルはスリや置き引きです。
観光客が多い地域では、特に公共交通機関や混雑した観光地でスリが発生しやすい傾向があります。
また、バーやレストランで気を抜いて荷物を置き去りにしてしまうと、置き引きの被害に遭うこともあります。
治安が良い国であっても観光客はターゲットになりやすいため、荷物から常に目を離さないようにするなど対策が必要です。
次に、詐欺に注意が必要です。
例えば、観光客をターゲットにした悪質なタクシー運転手による過剰請求や、偽の土産物販売所への誘導、偽ガイドによる金銭の要求などが挙げられます。
特に現地の慣習や料金体系に詳しくない場合、狙われやすいと言われています。外務省や地元の観光案内サイトで、現地の最新情報を調べておくことが重要です。
さらに強盗や暴力犯罪も海外旅行で遭遇する可能性のある深刻なトラブルです。
経済的に不安定な地域や治安の悪い都市では、観光客を狙った強盗事件が報告されています。特に夜間に孤立した場所を歩くことは避けるよう心掛ける必要があります。
その他にも、現地の文化や法律を理解せずにトラブルになるケースも少なくありません。
例えば特定の服装や行動がその地域では不適切とされる場合があるため、旅行先の文化的背景を事前に学ぶことが安全対策の一環となります。
このようなトラブルを避けるためには、渡航先の最新の治安情報を確認することが不可欠です。
その際、世界平和度指数や治安指数のランキングを活用すると、各国の安全性を把握しやすくなります。
また、訪問する地域の危険エリアや犯罪の傾向についても事前に外務省の公式サイトなどで確認することがおすすめです。
安全に過ごすための対策
リスクを避けるためには、事前準備と滞在中の注意が必要です。
まず、危険な地域には近づかないことが最も重要です。観光地でもスリや置き引きなどの犯罪が多発しているため、貴重品の管理には十分気を付けましょう。
また、夜間の単独行動や人気の少ないエリアへの移動を避けることも基本的な防犯対策です。
そして、旅行先ではパスポートや現金、クレジットカードを分散して持つことで、盗難時の影響を最小限に抑えることができます。
また、現地文化を理解し、地域のルールを守ることで、トラブルの発生を防ぐことができます。
加えて、渡航や日常の安全対策を検討する上では、外務省や国際機関が提供するリアルタイム情報を確認することで迅速な対応が可能です。
また、SNSやオンラインコミュニティも活用して、現地の治安状況を現地住民の声を通じて確認するのも効果的です。
旅行者だけでなく、ビジネスで海外へ訪れる方も、こうした予防措置を心がけることで、安心・安全な滞在を実現することができるでしょう。
まとめ
世界の治安状況は常に変化しており、一つの側面からだけでは捉えきれない複雑さを持っています。
渡航先を選ぶ際には、外務省の海外安全ホームページなどで最新の情報を確認することが大切です。
そして、どの国に滞在するにしても、文化や慣習の違いを理解し、トラブルを避けるように努めましょう。
皆様が安全で快適な海外生活・旅行を送れることを心から願っています。

◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。