韓国ドラマやK-POPが相変わらず人気で、それらは一時的な流行りではなくひとつのジャンルとして日本ではすっかり定着している感があります。また、コロナウイルスの影響で韓国旅行に一時的に行けなくなった時期がありましたが、また行けるようになったことで韓国語学習のモチベーションが上がった学習者も多いのではないでしょうか。
そして、新年度を迎え、何か新しいことを始めようと韓国語をこれから始める人もいるかもしれません。韓国語は英語など他の外国語に比べると日本語との類似点が多い言語で、日本人には学びやすいです。とは言え、何も分からない状態から韓国語レッスンを受けるにしろ独学にしろ自分でひとつずつ学ばなければなりません。
韓国語習得に成功するためには、勉強法と学習の習慣化が非常に重要です。ですが、それらの前にもっと重要なことは学習に対する姿勢や心構えです。
今回の記事では、韓国語初心者に向けて、韓国語をこれから始める人が必ず知っておくべきことについて説明します。なお、本記事は韓国語初心者向けの記事ですが、既に学習をしているのにうまくいっていない学習者にも自身の学習姿勢について見直して欲しい内容です。
韓国語習得には学習だけでは成功できない
まず、具体的な内容に入る前にとても重要なことがあります。それは、韓国語習得には学習だけでは成功できないということです。これはとても重要なことにもかかわらず、多くの学習者が見落としている点です。
つまり、韓国語は勉強法を知っていて、それをしさえすれば習得に成功できるわけではないということです。確かに、韓国人と韓国語会話をできるようになるとか、韓国語能力試験など試験に合格するためには適切な勉強法で韓国語の単語や文法を学ぶ必要があります。
実際、既に学んでいる学習者の大部分がそれらを一生懸命にしています。ですが、覚えたことを定着させられないとか、なかなか話せるようにならないという悩みを抱えている学習者が少なからずいるのが実情です。
その原因は個々に違い、またひとつに限定されるわけでは必ずしもありません。ですが、根本原因は学習に対する姿勢や心構え、自分が当たり前だと思っていることが違うということが挙げられます。この部分を見直すことで、それに合わせて学習法も変わり、その結果として成果が出るというくらい重要です。
そのため、本記事でこれから説明する内容を、韓国語をこれから始める人は必ず知っておくべきであるということです。
韓国語をこれから始める人が必ず知っておくべきこと
ここからは、韓国語をこれから始める人が必ず知っておくべきことについて説明します。
1.内的動機がないと学習の継続はできない
韓国語を始めようとする時には何かしらの理由があるはずです。韓国語の場合、歌やドラマを日本語字幕なしで理解できるようになりたいとか、旅行会話ができるようになりたい、といったことが動機として多いはずです。
このような学習動機が誰でもあるはずですが、この動機が自分の内側から出て来た内的動機でないと学習の継続ができません。
内的動機の逆にあたる動機が外的動機ですが、これは外的な要因が動機となるものです。例を挙げると、「韓国語は簡単だと聞いたから始めることにした」、「友達がやっているから自分も始めることにした」など始めるきっかけが自分の意志ではない場合です。
内的動機の場合は、自分がやりたいとかできるようになりたいという気持ちが強いです。そのため、学習をしていてうまくいかない、なかなか成果がでないなどの問題が起きても挫折する可能性が低いです。
一方で外的動機の場合、最終的に学習をすることを決めたのは自分であっても、そもそものきっかけは内的ではないため、問題が起きると勉強が嫌になって諦めてしまう可能性が高いです。
2.習得までには時間がかかる
韓国語は日本語と類似性がある言語であるため、英語など日本語と似ても似つかない言語よりも習得にかかる時間は短いです。
とは言え、何ひとつ知らない言語を一から学び、個々に目指すレベルや目的は違っても一定水準の韓国語力をつけようと思えば長い時間がかかります。
個人差はあっても、日本にいて一日一時間程度の学習時間であれば、初級だけでも1年から1年半程度はかかると思っておくのが無難です。この条件で学習するのであれば、数カ月で韓国人のように会話ができるようになることは、まずありません。
また、学習をしてその成果が出るまでにはタイムラグがあります。例を挙げると、発音練習をしたからと言ってやっているその時にすぐに発音ができるようになるわけではなく、できるようになるのはもっと後になるといったことです。つまり、している学習に対しすぐに右肩上がりに成果が出るわけでないということです。
このことを知らないままいくら勉強をしても、なかなか成果が出ないことに自信を失くしたり嫌になって挫折します。
3.やりたいことよりやるべきことが先
韓国語学習を始めていきなり自分がやりたいことをする学習者がいます。例を挙げると、韓国ドラマを見て聞き取りの勉強をする、フレーズを暗記して会話から始める、といった勉強法です。
これらの方法で韓国語習得をしようとすることは、大人の場合は非常に効率が悪いです。言葉の習得には順番があり、好きなことをいきなりやっても習得はできません。
これは、スポーツや仕事で考えると分かりやすいです。スポーツであれば、まず体力作りをしたり持久力をつけるなど必要なことを順を追ってするはずです。
また仕事でも、まずは業務に必要な知識を学んだり簡単な業務から始めていきます。このように、いきなり自分がやりたいことから始めることはしません。また、やってもうまくできません。
韓国語学習であれば、まずはハングルから覚えて発音ができるようになることから始め、単語や文法を学び知識を増やしながら基本を身に付けます。その後、学んだ知識を自分の目的に合わせて使えるようになるために練習をする、というのが基本の学習順序です。
つまり、やりたいことをできるようになるために必要なことからまずするということです。
4.単語やフレーズ暗記では話せない
「外国語習得は単語やフレーズをたくさん覚えることだ」というのはよくある勘違いです。とにかく知識を増やせば話せるようになるだろうと単語やフレーズをひたすら暗記しても話せるようにはなりません。
その理由は、単なる暗記は理解を伴っていないからです。暗記とは、理屈や理解は抜きにしてとにかくあるものをそのまま覚えるということですが、それでは応用が効きません。
私たちが単語や文法を多くの時間と労力をかけて学ぶ理由は、知識を増やすことではありません。それらの知識を使いこなし、自分で文を創り出すことができるようになるためです。学んだ知識を自分で使いこなし、会話ができるようにならなければ話せるようにはなりません。
5.いろいろやるよりひとつに集中
これは4の項目とも共通しますが、韓国語の勉強のために使う教材やコンテンツ、情報は多ければ良いわけではありません。これから韓国語を始めようとする人で、単語集、文法テキスト、リスニング教材など色々揃える人がいますが必要ありません。
その理由は、韓国語学習を始める段階では挫折しやすいからです。新しいことを始めて習慣化ができるようになるまでには負担のかかる学習はしないことです。
始める前や始めてしばらくは、やる気やモチベーションが高い状態なので色々できると思いがちです。ですが、負荷のかかった学習は長続きしません。
また、多くのことをしても理解が追い付きません。そのため、自分では頑張ってしているわりに学習効果が上がらないということになりがちです。初心者は、まずは一冊で一通り学べる内容のしっかりした総合書だけに集中して取り組みましょう。
6.手軽な勉強法では身に付かない
今ではアプリを使って楽しく学ぶとか一日30分で学ぶなど手軽さや簡単さをアピールした学習ツールや方法が出ています。これらの物が悪いとは言えませんが、それだけでしっかりとした韓国語力をつけることは難しいです。
何事もそうですが、それなりのスキルや能力を身に付けようと思えば、時間や労力を使って取り組む必要があります。上記のようなものは、メインでしっかりと学習している上で、更にすき間時間なども有効活用して補足的に使う分には良いでしょう。
ですが、なるべく時間を使わないようにとか手軽にという考えで、楽さや手軽さを謳った手段を使うことはおすすめしません。
7.試験に合格することと話せることは別
韓国語の試験としてメジャーなものに韓国語能力試験とハングル検定があります。これらの試験の合格を目標に韓国語を学ぶ学習者も多く、これから韓国語を始める人も目指そうとしているかもしれません。
試験を目的に勉強する場合、注意すべきことがあります。それは、試験に合格しても会話ができるようになるわけではないということです。
確かにハングル検定では1級で面接がありますが、それ以外はありません。試験では会話力を問われることがないため、試験で問われないことに時間や労力を使って勉強する人はまずいません。そのため、試験に合格はできても会話ができない学習者が大半です。
会話ができるようになるためのベースとして、試験で問われる知識は必須です。ですが、既に触れた通り、それらの知識は覚えるだけでは実践で使えるようにはなりません。
まとめ
今回の記事では、韓国語をこれから始める人が必ず知っておくべきことについて説明してきました。
多くの学習者がおすすめの教材や勉強法に関心を持ちますが、今回の記事で説明したことがそれよりも先でまず知るべきことです。これから韓国語を始める人だけではなく、既に始めている人も今回の内容を参考に見直して下さい。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.