海外在住者必読!バイリンガル子育てにおける日本語教育の悩み

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海外への赴任が決まったご家庭、パートナーが外国人で外国へ引っ越しすることになる方などには、様々な準備があることでしょう。

家族にお子さんがいらっしゃる場合、もっとも気になることのひとつが「言葉」ではないでしょうか?
英語での生活、そして日本語をどうキープし上達させていくかなど、これはたくさんの方の共通の悩みです。

そこでこの記事では、現在すでにその状況下にある、またはこれから迎えられる方のために子育てに関する情報を紹介します。キーワードは「バイリンガル子育て+日本語教育」。
18年間イギリスで子育てをしてきた筆者がお届けします。

 

 

バイリンガル子育てとは?

「バイリンガル子育て」とは、子どもが2つの言語を自由に使えるように大人が育てることを指します。

例えば、日本人であれば、日本語と英語の組み合わせが圧倒的に多いでしょう。
International Languageである英語が使えれば、子供の将来の可能性が広がるという考えは多くの親が持っています。

バイリンガル子育てはどうやってする?

では、バイリンガルにするための環境づくりはどこでどうやるの?という質問に関してですが、大体は子どもにとって母国語ではない方の言葉の教育をするイメージがあります。

例えば、日本に住む状況で英語を学ばせるというパターンです。
そのやり方ですが、特に学校の授業ではなかなかカバーできないリスニングやスピーキングを、オンライン英会話などの別の方法でカバーする人が増え続けています。

ところが、いざ日本を発ち現地での生活が始まると、それまで考えてもみなかった悩みを抱えることになるのです。

バイリンガル子育てにおけるよくある悩み

さて、子供と一緒に海外へ引っ越しした直後から、期待と不安を抱えての海外生活が始まります。慣れない環境という点では、国際結婚も海外駐在も同じと言えるでしょう。

日本語を使わなくなるという悩み

大人と比べ、子ども達は初めての海外生活でもグングンと現地語を吸収していきます。なぜなら、異なる言語への抵抗感が少ないためです。
親は「これこそ海外育児のメリットだ」「これならバイリンガルになれるかも」と実感するはずです。

ですが、時間が経つにつれバイリンガル教育について共通した悩みが発生します。

それが何かと言うと「日本語を全く使わない」「日本語が年相応のレベルに上達しない」といった事態になることです。
「バイリンガルになれるかな」と思っていたのに逆に日本語が下手になっていっていく…。
日本にお住まいの方にとっては、なんて贅沢な悩みだと思われるかもしれませんね。

少し先のことを考えれば、将来的に日本の高校や大学に進学するというプランがある可能性もあるため、これが深刻な悩みになっていきます。
海外赴任で子供が環境に影響されると、メリットは多いものの、このような弊害も起こってしまうのです。

海外で子育てをする際に注意すべきポイント

では、海外で子育てをする状況になったとき、一体何に注意をすればいいのでしょう。

セミリンガル・ダブルリミテッドとはどのような状態?

ここで「セミリンガル」「ダブルリミテッド」について紹介します。

まず、セミリンガル(semilingual)ですが、複数の言語を使うものの、それらがネイティブスピーカーレベルに達していないこと、その状態の人を指します。

1960年代にスウェーデンで生まれた言葉です。ちなみに、日本語教育は1つの言語を習得するモノリンガルを基本としています。

一方、ダブルリミテッドは和製英語で、母国語と第二言語とも年相応のレベルに十分に発達していない状態を言います。

こういった用語があるということは、せっかくの環境でも両方の言語が中途半端になってしまうケースが多くあるという証拠です。バイリンガルになるのはそんなに易しいことではないんですね。
なお、問題点としては言葉だけでなく、理解力や思考力にも影響を及ぼすという点です。

筆者の友人の息子の話になりますが、現地校の小学校のクラスで当然使うべきはずの英語が出てこなく、日本語がでてきたという時期がありました。
完全に混乱している状態で、そのときお休みしていた補習校(国語を習う日本人学校)への復帰を取りやめたというエピソードがあります。
言語習得は個人差が大きいですが、このような話もあるということを共有しておきます。

注意すべきポイント

日本語について、在英日本人の間でよく聞くのが「日常のコミュニケーションができるから問題ないわ」という話です。
確かに、子供達の日本語レベルは違っても、日本の家族とやりとりができることは素晴らしいことです。しかし、親がそのレベルでいいと決めつけてしまっていることはないでしょうか?

さらに、駐在のご家庭の子どもだったらどうでしょう。
突然の帰任辞令が出れば、日本の生活に戻ることになります。
そのとき、子供の日本語レベルが落ちていては、学校で大変な思いをするのは本人です。

生活言語と言われる普段のコミュニケーションは、比較的容易に習得できます。
しかし、読み書きを含む能力などを指す学習言語は、それなりの教育がなければ身につきません。
帰国直前に日本語強化と言っていると間に合わないのです。

そこでキーとなるのは、やはり「教育」です。
教育とともに、「日本人なんだから日本語をそのまま放置しておいて大丈夫」という話ではないという点を理解し、注意しなければなりません。

日本語を覚えさせるのに効果的な方法5選

海外で生活をすると、英語をどう習得させるかに注意が行きがちです。
しかし、ここまで述べてきたとおり、海外の子育てでどう日本語環境を作り出せるかによって将来の選択肢が広がります。
そうして、英語だけでなく日本語教育に意識を向けることが、バイリンガルを育てることにつながります。

そこで、本記事では日本語を学ぶための効果的な方法を5つ紹介します。

オンラインの日本語学習サービスを活用する

1つ目は、海外在住の子供たちが日本語学習にオンラインを利用するという方法です。

「いえいえ、日本語なので私が教えます」という方がいるかもしれません。
しかし、教えるのは思ったより難しいのです。
子供は親が相手だとわがままになるため、他人に任せたほうがスムーズにいくケースが多くあります。

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日本語を話す必要がある環境を作ること

次に、日本語を話す必要がある環境作りについて紹介します。

日本語能力を維持するには、より多くの日本語を話す場を作り出すに限ります。
日本人家族で子供が幼い年齢であればまだしも、子供が成長するにつれて学校という社会生活を始めると、一気に英語の波が押し寄せてきます。

まず、家庭内環境の話をします。
親は英語が分からないというフリをするくらい家庭内では日本語のみという環境を作る、
親が子供の言うことを察して途中で口を挟まずに最後まで日本語で話をさせる、
この辺りを意識してみてください。

筆者の家庭では、息子が小学生のとき、イギリス人の父親より自分の日本語がうまくなっていることを喜んでいた時期がありました。
親が子供に日本語を教えてもらうという時間を作ると、得意気になって日本語を使う子供がいるかもしれませんね。

では家の外では何ができるの?という話ですが、次で紹介します。

日本語補習校に通う

海外には、日本語補習校と呼ばれる学校があります。

筆者の住むイギリスにも、ロンドン補習校として3校、他の地域に6校があります。
日本人学校と異なり、補習校へ通う子ども達は平日は現地校、そして土曜は補習校へ通うという忙しい生活を送ります。

筆者の息子も、小学校と中学校の9年間、補習校に通いました。
その補習校には片道車で2時間かけて来る親子もいました。
宿題の面倒を見たり当番があったりと毎週大変でしたが、それ以上に行かせて良かったと思っています。

良い点は、クラスメートと一緒に日本人の先生から日本語を教えてもらえる環境です。
授業で使う教科書は日本のものとまったく同じです。
子供達がついつい英語でやり取りをしていても、先生が「日本語だよ!」とリマインドしてくれます。

また、国語を学ぶだけではなく、百人一首や家ではできない運動会といった日本の行事も行なわれるため、日本にいるかのような環境が用意されています。

このような理由から、家庭外で日本語の環境を作るには補習校という方法をお勧めします。
通学できる距離に補習校があるか、一度調べてみてください。

日本語のアニメや絵本に触れさせる

日本語に興味を持ち続けるために、日本語のアニメや絵本に触れるというやり方もあります。

メリットは、楽しく集中できるところです。
楽しければ継続に繋がります。

ちなみに、上記で紹介した補習校には図書室があり、日本の漫画も置かれています。フィジカルな本でなくても、スマホやパソコンを使っても良いでしょう。

見たり読んだりしたものについて、子供がいかに面白いかを語ってきたらチャンスです。
ぜひ、日本語の会話で盛り上がりましょう。この楽しい経験が日本語を楽しいものにしてくれるでしょう。

日本語は学習ではなく楽しいものだと思わせる

英語に限らず、アニメでもドラマでもボードゲームのような遊びでも、日本語で何か夢中になれるものを持つといいと、筆者は実感しています。

筆者の息子は4歳から剣道をしており、日本人の剣道家たちとの出会いや、日本の動画を観始めたことで、補習校の宿題を嫌がっていた以前と比べ、今はさらに日本語で話すようになりました。

そう感じたときは「最近、また日本語が上手くなったんじゃない?」と褒めます。
こうなると彼にとって日本語は苦痛ではなく、話したい人とのコミュニケーションツールであること、それが上手くいっていることを明確に感じられるでしょう。

お子さんが日本語に触れ、集中する姿が見られるような好きなものを探し出し、小さな変化でも褒める。
その繰り返しの中に、オンライン日本語レッスンなどプロによる教育を無理なく組み合わせて相乗効果を狙う。すると日本語環境も作り出せそうです。

そして最後に、親も言語習得に関してお子さんのことであまりストレスを抱えないように心がけてください。
親のイライラはお子さんに伝わります。
そうなると、日本語どころではなくなってしまいます(経験者談)。

お子さんは好きなことで日本語を楽しみ、日本語レッスンは他人であるプロの講師にお任せするのも手ではないでしょうか?

まとめ

子育て世代のご家庭が海外で生活すると、お子さんの言語について色々悩むことになります。
母国語の理解力がある子どもは、英語においてもその力が高くなると言われています。
現地の言葉だけでなく、日本語維持のためのサポートを取り入れ両言語を同時に伸ばしていけるよう、早い段階から計画していきましょう!

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