え?「face the music」って音楽関係ないの?

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今回は、英単語から意味を予測しづらいイディオム “face the music” をご紹介します。このイディオムを知っていると、ネイティブとの会話や、映画、ドラマを見るときなどにも役立つこと間違いなしです!

Face the musicってどんな意味?

英語のイディオムは、含まれている単語からある程度日本語訳を予測できるものと、まったく予想外の日本語訳になる場合のものがあります。そこで、musicを使った2つのイディオムを見てみましょう。

Be music to someone's ears

意味:〔言葉・話などが〕(人)の耳に心地良い、(人)の耳には音楽に聞こえる、(人)にとってうれしい(出典:英辞郎 on the WEBより)

musicの意味である「音楽」から、イディオムの日本語訳もある程度イメージできますよね。

The sound of rain hitting the roof is music to my ears.

屋根を打つ雨の音は、私の耳には音楽に聞こえます。

When my boss told me I could take the day off, it was music to my ears.

私の上司が休みを取っていいと言ったとき、それは私にとって嬉しいものでした。

このように、be music to someone's earsは日本語訳を予測しやすいイディオムのひとつです。

Face the Music

動詞faceの意味は、動詞で「顔を向ける、直面する、対面する」ですから、face the musicを直訳すると「音楽に向き合う」となります。しかし、face the musicの意味は、実は「音楽」とは全く関係がありません!

では、いったいどんな意味なのでしょう?

正解は……「自分がしたことに対して責任をとる、自分が招いた結果を潔く受け止める、報いを受ける」など。

なぜ、このような意味になったのでしょうか?調べてみたところ、諸説ありました。

ひとつは、軍隊で解雇された兵士が、追い出されるときに物悲しい太鼓の演奏を正面から浴びなければならなかったという説。もうひとつは、俳優が劇場の舞台に立つと、舞台の前に配置されたオーケストラの音楽や観客と向き合い、舞台の緊張や恐怖を克服しなければならなかったという説です。

他にも諸説があるようですが、face the musicのもとの由来を辿ると、music本来の意味が関係していることがわかります。

After missing the deadline, she had no choice but to face the music and accept the penalties.

締め切りに間に合わなかった彼女は、自分が招いた結果を潔く受け止め、ペナルティを受け入れるしかありませんでした。

He knew he had to face the music and tell his parents about the accident.

彼は招いた結果を潔く受け止め、事故について両親に話さなければならないことをわかっていました。

I can't believe I forgot to do my assignment. Now I have to face the music and explain it to my teacher.

課題を忘れたなんて信じられない。今や私はその報いを受けて、先生に説明しなければならない。

face the musicの本当の意味を知らないと、どの文章も正しく理解できないですよね。ネイティブスピーカーとの英会話やドラマのシーンなどにも出てくるイディオムなので、この機会にface the musicの意味と使い方をぜひ覚えてみてください。

Faceがつくフレーズ

ここからは、faceを使ったさまざまなフレーズをご紹介していきます!

Face Downの意味は?

まずは、頻出フレーズのface downから見ていきましょう。このフレーズにも、英単語から予測しやすい意味と、少し予想外の意味があります。

予測しやすいほうの意味は、「顔を下げて、表を下にして、うつぶせに」です。face downの文字通り「顔を下げる」ということで、「うつぶせ」にもなります。「うつぶせ」が出てきたので、一緒に「あおむけ」のフレーズはどうなるか考えてみましょう。

ヒントは、downの反対語です。もう、お分かりですね。face upとすれば「顔を上げて、あおむけに」となります。

The criminal was ordered to lie face down on the ground.

犯人は地面にうつぶせになるよう命じられた。

She placed the cards face down on the table before shuffling them.

彼女はカードをシャッフルする前に、裏向きにしてテーブルの上に置いた。

He stared at the ceiling, lying face up on the bed, lost in thought.

彼はベッドにあおむけになって天井を見つめ、物思いに耽っていた。

The coin landed face up, indicating good luck.

コインは表向きに着地し、幸運を示しました。

Face Down、もうひとつの意味は…?

face downのもうひとつの意味は、「(人などに)立ち向かって屈服させる、折れさせる、(異論や批判などを)引っこめさせる」など。

face downという英単語からは少し予想しづらい意味かもしれませんが、「相手の顔を下げさせる→相手を屈服させる」とイメージすれば覚えられます。

The wrestler managed to face down his opponent with a powerful move.

そのレスラーは力強い動きでなんとか相手に立ち向かうことができた。

She had to face down her fear of heights to complete the climb.

彼女は高所恐怖症に立ち向かって登りきらなければならなかった。

The soldier faced down the enemy troops, showing no signs of fear.

兵士は敵軍と対峙し、恐れる素振りも見せなかった。

face downは割とよく使われるフレーズなので、ぜひ両方の意味を覚えておいてください。

Let's face it

次にご紹介するfaceを使ったフレーズは、 “Let's face it” 。直訳すると、「それに直面しよう」となります。

この直訳でもだいたいのイメージは掴めますが、辞書に載っている日本語訳は、「(不都合なことでも)正直に事実として認めよう」となっています。通常、このフレーズは文頭か挿入句で用いられます。

Let's face it. We're not going to finish this project on time without extra help.

正直に認めましょう。追加の支援なしにこのプロジェクトを時間通りに完了することはできません。

Let's face it. He's just not the right person for the job.

正直に言うと、彼はこの仕事にふさわしい人物ではありません。

Let's face it. The economy is not doing well, and we need to be prepared for tough times ahead.

率直に言って、経済はうまくいっていないので、これからの厳しい時代に備える必要があります。

Shut your face!

続いてのfaceを使ったフレーズは、 “Shut your face!” です。直訳すると「顔を閉ざせ!」となりますが、このフレーズの意味は「 黙れ!」となります。

また、faceの代わりにmouthを使って、 “Shut your mouth!” とする場合もあります。mouthであれば、「口を閉ざせ!」となるので、直訳でも意味が通じますね。

I can't stand your constant complaining. Just shut your face already!

私はあなたの絶え間ない愚痴に耐えられません。もう黙ってください!

I was trying to concentrate, but he kept talking. I had to tell him to shut his face.

私は集中しようとしましたが、彼は話し続けました。私は彼に黙ってと言わなければならなりませんでした。

If you don't have anything nice to say, just shut your face.

もし悪口しか言えないのでしたら、黙っていてください。

このフレーズはややきつい表現なので、仲の良い友だちなどと冗談で言い合うような状況以外では、あまり使わないほうが良さそうです。ただ、誰かに言われる可能性もあるので、意味を知っておくと役に立つと思います。

おまけ 「ドヤ顔」ってなんて表現できる?

最後に、おまけで「ドヤ顔」を英語でどのように表現するのかご紹介します。まず、念の為日本語で「ドヤ顔」の意味を確認してみましょう。

ドヤ顔の「ドヤ」は「どや・どうだ」の関西弁。自分の功績などを「どうだ!」と自慢している顔のことを指しています。

日本語で使われている「ドヤ顔」のニュアンスにぴったりの英語を探すのは難しいですが、近いものとして英訳すると、bragging faceまたはsmug face、smug lookを使って表現することができます。

Bragging face/Smug face/Smug look

動詞bragの意味は「自慢する、誇る」で、bragging face「自慢している顔」となります。

また、形容詞のsmugは、「うぬぼれている、気取った、自己満足の」という意味。smug faceとsmug lookはどちらも「うぬぼれた顔、自己満足した顔」となり、ドヤ顔に近い意味になります。

ご紹介したbragging face/smug face/smug look のうち、bragging faceはあまり一般的に使われるフレーズではないようです。いっぽう、smug faceとsmug lookは割とよく使われます。

He wore a smug face after winning the argument.

彼は議論に勝った後、ドヤ顔をした。

His smug face irritated everyone in the room.

彼のドヤ顔は、その場にいる全員をイライラさせた。

I couldn't stand her smug look of satisfaction.

私は彼女の満足そうなドヤ顔に耐えられませんでした。

When she got the promotion, she couldn't help but wear a smug look.

昇進が決まったとき、彼女はドヤ顔せずにはいられなかった。

In triumph/With a look of triumph

「ドヤ顔」と似たような言葉で「得意顔」もあります。英語では、triumphやproudを使うと、近い意味になります。

まず、triumphを使ったフレーズを見てみましょう。名詞triumphの意味は「勝利、成功」など。 “with a look of triumph” というフレーズは、「得意顔をして、勝ち誇った顔で」という意味で使えます。

She approached the finish line with a look of triumph, knowing she had won the race.

彼女はレースに勝ったことを確信し、勝ち誇った顔でゴールラインに近づきました。

He entered the room with a look of triumph, having finally solved the mystery.

彼はついに謎を解き明かし、得意げな顔をして部屋に入ってきました。

また、proudを使っても「得意顔」に近いニュアンスを表現できます。

形容詞proudの意味は「誇りに思う、自慢する、得意になっている」など。このproudを含んだフレーズ “have a proud look”を使うと、「得意げな顔をしている、誇らしげな顔をしている」と表現できます。

他にも、 “with a proud look” や “have a proud face”「得意顔で」に近いニュアンスで使えます。

She watched her son receive his diploma with a proud look.

彼女は息子が卒業証書を受け取るのを誇らしげな顔で見ていた。

まとめ

今回は、英語のイディオムface the musicの意味や使い方、具体的な例文などについてご紹介しました。

face the musicの意味は、「自分がしたことに対して責任をとる、自分が招いた結果を潔く受け止める、報いを受ける」。このイディオムは、そのまま直訳すると意味が通じないので、少し注意が必要です。

また、faceやmusicに関連するイディオムも合わせて取り上げました。ひとつの単語に関連するその他のイディオムや熟語、フレーズなどのパターンを複数まとめて覚えてしまうと、効率よく学習できます。ぜひこの機会に、今回ご紹介したさまざまな英語イディオムを覚えてみてくださいね!

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