何かを決めるとき、メリットとデメリットを知ることは大切ですよね。
ところで、この「メリット・デメリット」は英語だろうと考えていませんか?
えっ、違うの??って思いますよね!では、私たちがよく使うメリット、デメリットは和製英語なのでしょうか?
この記事では、日本語「メリット・デメリット」について意味を確認すると共に、ネイティブスピーカーが使う英語表現との比較、そして正しい使い方ができるようになる例文を解説していきます。
日本語の「メリット・デメリット」の意味とは?
例えば、ビジネスにおけるプレゼン、商品やサービスを買う際など、何かを決定するために役立つ情報が「メリット」と「デメリット」です。メリットが多ければ購買意欲は上がり、デメリットをたくさん見つければネガティブな感情になります。
まず、私たちが使う日本語でのメリットとデメリットの意味について確認していきましょう。
メリットの意味
日本語のメリットは「利点」「好都合」「お得」という意味を持ちます。
メリットと言えば、シャンプーのネーミングになっていたりしますね。液体シャンプーがまだ珍しい時代に「汚れを落とす」という基本機能と共に、「フケ・かゆみ防止」という機能的な価値と効果の意味を名前に込められて、この商品名になりました。
オンライン英会話レッスンにもメリットがたくさんあります。いつでもどこからでも受講できる気軽さ、マンツーマンレッスンなのに費用が安い、外国人講師との会話でスピーキングやリスニングを強化できる、多くのコースが揃っているなどです。
通学タイプの英会話スクールと比べると、これらのメリットは英語学習をしている人にとって大きく、多くの英語学習者が利用しているという事実があります。
デメリットの意味
デメリットはメリットの対義語です。
デメリットは、「欠点」「不都合・不利」「損」という意味を持ちます。
上でオンライン英会話レッスンのメリットについて述べましたが、逆にどんなデメリットがあるのかみてみると、講師の質が良くない場合があったり、予約と継続学習は自分で行い管理しないといけないので、続けられるかどうかは自分との戦いになるという点があります。
しかし、事前にチェックすることで、優良なオンライン英会話を選択することもできます。これらのデメリットは、十分メリットに変わる可能性があります。
メリット、デメリットは裏おもて
AI(Artificial Intelligenceの略)にもメリット、デメリットがあるでしょう。
メリットとしては、膨大なデータを自ら学習し効率化や生産性の向上が図れる反面、雇用の減少やセキュリティのリスクなどのデメリットがあると言われています。
このように、物事はメリットとデメリットがコインのように背中合わせになっています。故に、メリット・デメリットという言葉はセットで使われることが多いのです。
さて、冒頭で「メリットとデメリットは英語?」という投げかけをしました。
この2つの言葉は和製英語かと言われれば、そうとも言えます。実際にこれらは英単語として存在しますが、日本人とネイティブスピーカーによる使われ方に違いがあります。
メリットとデメリットにあたる単語は別の言い方で複数存在しますので、一緒にみていきましょう。
日本語の「メリット・デメリット」を表す英語表現4選
以下、ネイティブスピーカーが使うフレーズを4つご紹介します。どの単語にも-sが付けられており、複数形になっていることを覚えておきましょう。
・advantages and disadvantages
・benefits and drawbacks
・upsides and downsides
以下は、各表現の例文です。
Pros and Cons
メリットとデメリットという意味で、ネイティブスピーカーが日常会話で最も使うフレーズが「pros and cons」です。このpros and consだけでも覚えて使えるようになると、とても便利です。
カタカナの発音は「プロウズ-アンド-コンズ」で、ラテン語が語源です。Proには、賛成・賛成票・賛成論、メリットや利点の意味があります。
Conには、反対・反対票・反対論の意味があります。
直訳では賛成と反対となり、pros & consは日本でもプロコンと略して使われます。ネイティブスピーカーが2つの検討材料を比較し議論する際などに、メリットとデメリットとしてセットでよく使われるフレーズです。
私たちは海外に住むことのメリットとデメリットについて話し合いました。
Advantages and Disadvantages
pros and consよりフォーマルな表現が「advantages and disadvantages」であり、メリット・デメリットを表す表現です。
Advantageは好都合・有益な点や強みの意味があり、反対語のDisadvantageは不便・不都合・デメリットの意味を持っています。何か他のものと比較し、自分にとって好都合・不都合、有益かそうでないかと考える時に使われます。
英語学習のメリット・デメリットをリストアップしてみよう!
この例文でリストアップをlist upではなく、listにしています。実は、リストアップも和製英語なのです。
Benefits and Drawbacks
3つ目のメリット・デメリットは「benefits and drawbacks」です。
Benefitはカタカナ語でも、「ベネフィット・恩恵や援助」として馴染みがあるかもしれません。その他に「利益になること・金銭的な利益」の意味もあります。
Drawback(ドゥローバック)は「不利・欠点・難点」という意味です。
子犬を飼うことの1つの利点は楽しいことだけど、難点は獣医にかかるお金が高くなる可能性があることだよね。
Upsides and Downsides
Upsidesは、将来における利点・悪い状況内の良い面といった意味があり、Downsideはマイナス面や不都合な点という意味があります。そこでgood and badのように、「良し悪し」という意味で会話の中で使います。
ビジネス英語でも、成長の余地や業績の伸びしろをupside、また考えられる失敗をdownsideで表すことがあります。
この古い家に住む良いところは風情があるところだけど、欠点は冬は寒いところだよね。
英語における「merit」と「demerit」の意味とは?
ここでは英語の「merit」と「demerit」についてみていきます。
カタカナ語のメリット・デメリットを英語にする時に、merit・demeritにするのは間違いです。
では、meritとdemeritの本当の意味とは?気になりますね!
MeritとDemeritの意味
meritとdemeritの意味を理解し、日本語のメリットデメリットと比較してみましょう。
【meritの意味】
長所や取り柄 / 利点・美点 / (称賛すべき)価値
※日本語メリットは、利点/好都合/お得
【demeritの意味】
短所や欠点
※日本語デメリットは欠点 / 不都合・不利 / 損
これらを比べてみると、似ているようでニュアンスに多少違いがあることが分かりますね。
meritは日本語のように「利点 / 得」で使われることはなく、demeritも「不利 / 損」でもありません。
Meritに関する2つの表現
「OOM」とはOrder of Meritの略です。OOMは就活で使われる単語で、リクルートの特定のステージにおける合格者グループ内での順位を表します。I made the Order of Merit! のように使います。
海外で働きたい方は、meritを覚えておくことをおすすめします。
尚、筆者が住むイギリスでは音楽が盛んですが、ピアノのパフォーマンス試験でmeritが使われます。例えば、100 marks for a pass, I got 120 marks for a merit.という感じで、メリットを達成する受験者は多くないと言われています。
MeritとDemeritの例文
ここではmeritとdemeritを実際にどのように使うのか、例文をご紹介します。
元気で活発など、彼は私には長所がたくさんあるって言ったわ。だけど、短所は短気なことだとも言ったわ。
この新作映画は短いという取り柄がある。
その新入社員のアイデアは価値があります。
ネイティブスピーカーにとって、meritは長所や価値、demeritは短所として使われています。Merit・demeritは実はネイティブスピーカーもそれほど使う単語ではなく、使い方が少し難しい単語と言えます。
「メリット・デメリット」の関連表現
メリット・デメリットを言い換えた英語表現があります。最後に、そのフレーズを2つご紹介します。
Positives and Negatives
このフレーズは日本語でもよく使われる、ポジティブとネガティブとして覚えやすいフレーズです。
社内プレゼンでは、新製品に関するメリット・デメリットが示されました。
Double-Edged Sword
Double-edged swordとは「諸刃の剣」に訳されます。
「諸刃の剣」とは、一方では大変役に立つものの、他方では大きな害を与える危険なものという例えです。利益と不利益であり、「一長一短」という言葉に言い換えることができます。これもメリットとデメリットですね。
ボトックス注射は諸刃の剣だって本当に思う。私は受けないわ。
メリット・デメリットの英語 まとめ
今回の記事では、「メリット・デメリット」って英語なの?という点について解説してきました。
英会話でメリットやデメリットと言いたい場合は、merit・demeritではなく、ネイティブスピーカーによく使われるpros and cons、またはadvantages and disadvantagesが最適です。
日本語のメリットは主に利点、英語meritは長所や価値の意味で使われます。しっかり理解し、英語力のアップにつなげましょう!
◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.