今回は、givenの意味を解説していきます!Givenと言えば、give「与える」の過去分詞形ですよね。ただ、ちょっと変わった使い方をすることもあるので学校の英語の授業では習わないことが出てきます。ネイティブスピーカーらしい言い回しができるようになるので、もう少し深掘りしていきますね。
Givenの意味と使い方
Givenの基本的な使い方についてご紹介します。まずはここを押さえておきましょう。
Giveの過去形
Givenは、動詞giveの過去分詞形です。過去分詞を使う文法と言えば、中学英語で最初に出てくるのが受動態です。「~される」と、受け身の意味を作る時に使うのでした。その後に出てくるのは現在分詞形です。Have+過去分詞を使い、継続用法や経験用法、完了用法を習いましたね。同じ過去分詞形でも、どの文法事項が使われているかによって意味が変わってくるので注意が必要です。
I was given two books by my father.
「私はお父さんから2冊の本をもらった」
こちらの例文は、受動態の基礎のように見えて実は少し応用です。よく見ると、なんだか変ではありませんか?以下の英文が正しいと思った方もいるのではないでしょうか。
Two books were given to me by my father.
「私はお父さんから2冊の本をもらった」
与えられるのは本なのだから、受動態にするならtwo booksが主語にならないといけないと思ったかもしれませんね。もちろん、こちらの例文も正解です。
しかし、I が主語の例文も正解です。違和感があるかもしれませんが、どちらも一応文法的には正解の扱いです。高校英語の文法集のコラムなどに載っていることが多いものです。
ちなみに、giveは目的語を2つ取る動詞として知られています。「与える」という意味なので、「誰に」「何を」与えるのか、ひとつの英文内で2つの目的語を入れます。例えば先ほどの例文を能動態にしてわかりやすくしてみると…
My father gave two books to me.
「父は私に2冊の本を与えた」
「私に」と「2冊の本を」が目的語となります。Giveの場合は、「私に」の訳にtoを使い、to meとします。Buyの時にはここがforにならないと×です。
中学では単語によってtoかforか暗記することになっていますが、そんなことをしなくても覚えられるわかりやすい解説をしましょう!とにかく以下さえ覚えていればいいのです。
to…ひとりではできない動詞
for…ひとりでもできる動詞
Giveは「与える」ですが、ひとりで与えることはできないためtoになります。他にはtell「伝える」などがあります。
そしてbuyは「買う」ですが、ひとりでも買うことはできるためforを使います。このような覚え方なら、動詞ひとつひとつを暗記しなくて済みますよね。
形容詞のgiven
実は、givenは形容詞としても使います。動詞の過去分詞形なのに形容詞と言われると混乱するかもしれませんが、動詞に見えて使い方が形容詞的である例は他にもあります。受動態にしては用法がおかしいなと思ったら、形容詞ではないかと疑う癖を付けてみると良いでしょう。
Givenが形容詞として使われる場合にも、意味自体は変わりません。日本語訳としては、「与えられた」や「定められた」などが合います。
This is her given task.
「これは彼女に与えられる仕事だ」
形容詞は名詞を修飾しますから、名詞の前に置いて使いましょう。
文頭のgivenやgiven that
Givenが文頭に単体で置かれたり、thatと共に置かれている場合は「~だとすると」という意味になります。TOEICの単語帳などには「~を考慮すると」という訳で出てくることもあります。
これは、「If 主語+be動詞+given~」の省略形と考えるとわかりやすいかもしれません。「もし主語が~を与えられているとするならば」という意味合いになります。
Given it was so cold yesterday, my grandma needs a radiator.
「昨日すごく寒かったことを考えると、おばあちゃんには暖房器具が必要だ」
イギリスにはエアコンより、radiatorと呼ばれる暖房器具の方が多い気がします。エアコンのように部屋の上に設置されているのではなく、壁の下の方にあります。温かい空気は上に行くので効率的に部屋の中を温められますよね。ちなみに、空気を冷やすクーラーはイギリスにないことが多いです。電車内にもないため、たまに暑い夏の日があると大変だそうです。
Givenやgiven thatは、considering thatで言い換えが可能です。Considerは「考える」という意味ですから、「~を考えると」という和訳的にはこちらの方が理解しやすいでしょう。
Givenを使った表現
では、ここからはgivenを使った英語表現をいくつかご紹介します!Given単体で覚えるよりも、フレーズごとで覚えた方が使いやすいです。よく使う言い回しを覚えればすぐに口をついて出てくるので英会話もスムーズになるでしょう。
Any Given Time
Any given timeは「いつでも」という意味です。Timeという名詞の前にgivenがあるので、形容詞として使われている意味だとわかりますね。受動態と思いたくてもbe動詞がないので訳せません。
ただ、givenを「与えられた」と訳すと意味が通じません。ここでは、given timeを「約束の時間」や「所定の時間」として暗記します。そうすると「どんな約束の時間でも」つまり、「いつでも」となるわけです。
Call me at any given time.
「いつでも電話して」
Given Condition
Given conditionは「所与の条件」という意味です。
旧Twitter、現Xで有名なイーロン・マスク氏が書籍の中で使っているそうで、「ギブン・コンディション」とカタカナ表記されているとのことです。日本語に訳すと逆に意味が通じにくくなるような文脈だったのかもしれません。
Given his condition, they'll let him step down.
「彼の状態を見るに、辞めさせられるんじゃないかな」
Given The Facts
Given the factsは「事実を踏まえると」「事実を考え合わせれば」という意味です。
Factは「真実」という意味ですが、ビジネスシーンではカタカナのファクトを使う傾向がありますね。
Given the facts, we shouldn’t launch a new business.
「事実を踏まえると、私たちは新しいビジネスを始めるべきではないな」
Given Name
Given nameも覚えておきたい表現で「下の名前」「ファーストネーム」という意味です。親から「与えられた」名前と考えればgivenが使われているのにも納得できますね。
日本人は姓の後に名を名乗りますが、皆さんご存じの通り英語圏では名の後に姓が来ます。しかし、日本や他の国では下の名前が苗字の後に来ることが世界的に知られてきており、その結果英語で自己紹介をする際には日本語と同じ姓の後に名で名乗るパターンが出てきました。
ところが話はまだ終わりません。英語で自分のフルネームを言う際、英語圏に合わせて言ってくれたのか、それとも日本流で言っているのか判断が付かない外国人が出てくる事態になってしまいました。日本人なら音の響きでどちらが苗字でどちらが下の名前かわかるのですが、日本語に慣れていない外国人には区別がつきません。よって、逆にややこしく混乱を招く事態になってしまいました。
もし外国の方に自己紹介をするのであれば、どちらが下の名前であるか伝えたり、呼んでほしい名前を追記するとわかりやすいでしょう。
My name is Masami Nagano. Masami is my given name.
「私は長野正美です。正美が下の名前です」
名前の混乱を避けるためには、下の名前のことをfirst nameではなくgiven nameで覚えた方が良いでしょう。なぜなら、外国の方にとっての下の名前は「下」ではなく、「最初」に来ているのだからfirst nameになるのですが、これを日本人の名前に当てはめるとfirst nameが苗字を示すことになってしまうからです。
同じように、苗字は英語で名の後に来るので「最後の」という意味のlast nameと言います。しかし、これも日本語にしたら後に来る名前は苗字ではなく下の名前になってしまうため、英語で苗字はlast nameではなくsurname、あるいはfamily nameと覚えるのも良いかもしれません。
苗字が世界的に知られている「トヨタ」や「カワサキ」などの方は、一発でそれを名ではなく姓と理解してもらえるのでラッキーですね!スペルをひとつひとつ言わなくても、言えばローマ字で書いてもらえるため楽です。ちなみに、このようにどこでも知られている名前は英語でhouse-hold nameと言います。
まとめ
Givenには思ったよりもいろいろな意味と使い方があったのではないでしょうか。英語学習をしていると、学校で習った事柄を飛び越えたことがたくさん出てきます。Givenだけでも特殊な使い方をするので、よく使うフレーズから効率的に覚えていきましょう。インプットした後はできるだけアウトプットできる環境を設け、長期記憶に馴染むよう工夫することをおすすめします。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.