英語を学習している時に、「あれ?これってあの単語とどう違うのかな」と疑問に思うことはありませんか?例えば、日本語では「作家」とひとくくりにしてしまうものの、英語だとauthorだったりwriter、novelistなど複数の単語が「作家」と訳されている、そんな単語です。今回は、「作家」の英語での使い分けについて解説していきます!日本語にはないニュアンスがわかると面白いですし、シチュエーションによってどれを使うのが正しいかわかるようになります。
Authorとwriterの違い
まずは、authorとwriterの違いを明確にしておきましょう。簡単に言うと、authorはクリエイターに近く、writerは書くことに特化しているイメージです。
Authorの意味と使い方
Authorを日本語訳にすると、「作者」や「著者」「張本人」といった訳になります。
アイデアを文章に書く人を指す言葉ですが、それ以外にもそのアイデアを作った人を指します。つまり、authorは必ずしも何かを書かなくてもいいことになります。
英英辞書でauthorを調べてみると、以下のように表記されていました。
the person who starts a plan or idea
「プランやアイデアを発案する人」ということで、やはり日本語の「作家」とは少しニュアンスが異なることがわかります。
Last week, I found a great author in the library. I’m looking forward to reading these books.
「先週、図書館ですごい作家を見つけたんだよ。この本読むのが楽しみ」
Writerの意味と使い方
Writerは、和訳では「作家」や「著者」などと訳されることが多いですが、より書くことに集中して「物書き」と訳すこともあります。
自分で考えたことを文字にする人から他人が考えたことを書き起こす人まで、書くという動作をする人を幅広く示すのがwriterです。動詞のwrite「書く」を由来にした形なので、よりシンプルな意味合いを持っています。
Writerも英英辞書で調べてみると、以下のように記されていました。
someone who writes books, stories, etc, especially as a job
「特にそれを職業として本やストーリーなどを書く人」ということです。ブログを書いていたり、趣味で小説を執筆している人もwriterを自称して良いものの、一般的には書くことでお金を儲けて暮らしていける人のことを指しています。
I wanted to be a writer when I was young.
「若いころは作家になりたかったな」
関連表現
では、ここからはauthorやwriterに関する英語表現を追加で見ていきましょう!「作家」と言えば英語でもうひとつ、novelistがあります。また、artistが作家を示す場合もあるためこれらの違いをご紹介していきます。
Novelist
Novelistは「小説家」という日本語訳がもっともしっくりきます。「小説」を英語でnovelと言うのでそのままの意味ですよね。「~する人」を、英語では-istで表すことがあります。小説家は作家の中のひとつのジャンルであることから、authorやwriterの中にnovelistがあるとイメージしましょう。
英英辞書では以下のように説明されています。
a person who writes novels
「小説を書く人のこと」
Who is your favorite novelist?
「好きな小説家は誰?」
Artist
Artistは日本語でも「アーティスト」とカタカナで言いますが、こちらはより幅広い意味を持ちます。「〇〇作家」と名の付くものをすべて言い表せると解説すればわかりやすいでしょうか。「陶芸作家」や「ハンドメイド作家」など、書くことに縛られずたくさんのジャンルがあります。ミュージシャンや画家なども含むため、art「芸術」が示す通り芸術に関した人を示します。ここでも、人を表す「-ist」が出てきましたね。
Cambridge英語辞書では、以下のように3通りの訳が出てきました。
someone who paints, draws, or makes sculptures
someone who performs music
someone who creates things with great skill and imagination
芸術の中でも絵を描くことに特化した人や、音楽方面に秀でている人と分けて考えることもできますし、最後の説明文のように「優れた技術と想像力で物事を作り出す人」と総合的に考えても良いです。
You said he was an artist, but I still don’t know if he is a musician or not.
「君は彼をアーティストだって言ったけど、私はまだその人がミュージシャンなのかどうかわかんないんだ」
知っておきたい世界の有名な作家
英語学習を行う場合、世界の文化方面への知識も深めないと会話は難しいです。例えば、その国では全国民が当たり前のように知っている常識を私たちが知らない場合、驚かれたり知識がないと思われたり、その話がこれ以上できないと切り上げられたりするかもしれません。そこで、今回のテーマである「作家」にちなんで、以下に世界の有名な作家とその代表作を記載しておきました!この中で知っている人は何人いますか?
ジョージ・オーウェル (1903年-1950年) 『1984年』
アーネスト・ヘミングウェイ (1899年-1961年) 『老人と海』
ヘルマン・ヘッセ (1877年-1962年) 『車輪の下』
アンドレ・ジッド (1869年-1951年) 『狭き門』
マーク・トウェイン (1835年-1910年) 『トム・ソーヤーの冒険』
ジュール・ヴェルヌ (1828年-1905年) 『海底二万里』
レフ・トルストイ (1828年-1910年) 『戦争と平和』
ドストエフスキー (1821年-1881年) 『カラマーゾフの兄弟』
チャールズ・ディケンズ (1812年-1870年) 『クリスマス・キャロル』
ジョナサン・スウィフト (1667年-1745年) 『ガリヴァー旅行記』
引用:https://amanaimages.com/editorial/feature/novelist_overseas/
「聞いたことはあるけれど作品の内容は知らないなあ」、「作家のファーストネームまでは知らなかったな」など、人によってさまざまでしょう。英語圏では、有名な人の名前はフルネームで呼ばれる傾向が多いように感じます。また、日本では敬称を付けない人も、例えばコナン・ドイルは「サー・アーサー・コナン・ドイル」と言ったりします。作家ではありませんが、ダイアナ妃のことも英語で呼び捨てする人を見ますが、必ず「プリンセス・ダイアナ」と言います。よって、有名な作家の名前は苗字だけでなくフルネームで覚えることをおすすめします。
チャールズ・ディケンズとは?
世界の有名な作家とその文学作品の中に、チャールズ・ディケンズがいますね。筆者は、イギリス人のALTによる高校の授業で、ディケンズと言われて誰もピンと来ていない状態を見て「あのチャールズ・ディケンズを知らないの!?」と酷く驚かれたことを今でも覚えています。それだけイギリスでは知っていて当たり前、世界的に有名で通っているということでした。ということなので、英語を習うなら英語圏の文化としてチャールズ・ディケンズは知っておくべき存在であると言えます。
チャールズ・ディケンズの本名はチャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズ(Charles John Huffam Dickensと言います。作者を知るには、彼らが生きた時代を知るのも大切です。その作品がいつ頃のものか理解できるからです。ディケンズは1812年2月7日 - 1870年6月9日に生きた作家で、イギリスではこの時期をヴィクトリア朝時代と言います。
ディケンズの作品は数ありますが、特徴は下層階級の主人公が多いことです。風刺をきかせた作品は、同じ下層階級の人たちに好まれたことでしょう。
有名どころでは、『クリスマス・キャロル』『オリバー・ツイスト』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』といった作品があります。
このように、英語圏では知っていて当たり前の情報は、積極的に取り入れることをおすすめします。同時の英語の勉強になるように、あえて英語で調べたり、YouTubeで英語で解説された動画を探したりすると一石二鳥です。英語が話せても英語圏の文化を知らなければ、それこそ小説の中に出てくる物事が理解しきれなかったり、外国の方との会話で困ることがあったりするかもしれません。言語と文化は結び付けて考えると理解が深まるため、自分の興味がある地域の食文化や、歴史、暮らし方などについて調べてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「作家」を表す英語は複数ありましたね。Writerは何かを書く動作をする人全般を指し、それを職業としている人を示すことが多いものでした。一方autourはアイデアを出した人を指すため、必ずしもそのアイデアを文章として書き起こす必要はありません。また、novelistは作家の中でも小説家を指し、artistは芸術家全般を指す言葉になります。この4つの違いを押さえれば、作家という意味を持つ類語の使い分けもバッチリでしょう。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.