こよみの上で春が始まる日を立春(りっしゅん)といいます。変動することもありますが、だいたい毎年2月4日です。
そして立春の日の前日が節分(せつぶん)です。この日に行う年中行事が「豆まき」。「鬼は外、福は内」という掛け声とともに豆をまいて、災いを追い払い、幸福を呼び寄せます。
豆まきに加え、節分の日の恒例の行事が「恵方巻き(えほうまき)」を食べること。私が子どもの頃はあまり聞かなかったような気がしますが、今では日本の節分行事の一つとしてすっかり定着しているように思われます。
「恵方巻き」は、卵焼き、かんぴょう、しいたけ、きゅうりなどの具材をご飯とのりで巻いた太巻き寿司です。節分の日に食べると運がよくなるという縁起物で、切り分けずに長い太巻きのまま食べる、黙って食べる、特定の方角—恵方—を向きながら食べる、といった面白い習わしがあります。
節分が近づくと、スーパーやコンビニの店頭にも恵方巻きがずらりと並びます。1月から予約を受け付けているところも多いですよね。さて、ではこの「恵方巻き」、英語では何というのでしょうか。
今回は「恵方巻き」とそれに関連するさまざまな英語表現・英単語・英語フレーズについて、たくさんの英語例文を交えながら解説・説明していきたいと思います。
恵方巻き英語表現
節分に恵方巻きを食べるのは、日本独自の風習といわれています。ですので、これを英語でいう場合には「Ehomaki」というようにローマ字で固有名詞として表現するしかありません。
「Ehomaki」の「E」が大文字になっているのは、人の名前の最初が大文字になるのと同様に、固有名詞ということを表しています。
ちなみに、「着物」を表す英語は「kimono」で、こちらは最初の文字は大文字になっていません。これは、「着物」が既に海外でも広く認知され、固有名詞ではなく一般名詞として使われているからです。英和辞書・辞典にもちゃんと「kimono」という項目があります。
でも「恵方巻き」は「着物」のようには認知度は高くありませんから、「Ehomaki」というように固有名詞として表現するわけです。
同じように、「節分」は「Setsubun」、「立春」は「Risshun(Rishun)」と書くことになります。
Ehomaki
前述のように、「恵方巻き」を英語で表すならば、ローマ字書きで「Ehomaki」となります。
日本には「恵方巻き」という面白い風習があります。
恵方巻きを英語で説明
「恵方巻き」は英語だと「Ehomaki」です。でもこれだけだと、海外の人にとっては何のことだかわかりませんよね。
ですので、いったい「Ehomaki」とはどんなものなのか、英語で説明を付け加えることが大事になってきます。
これは「節分(Setsubun)」や「立春(Risshun)」についても同じですね。
英語で説明するのは大変そうに思えますが、逆に、こうした日本独自の文化に対してとても興味を持っている外国人はたくさんいて、楽しい話題になるのは間違いありません。
「恵方巻き」などを英語で説明するのは、英会話の練習になるのはもちろんのこと、とても素晴らしい文化交流にもなるのではないかと思います。
日本では、立春は春の最初の日のことで、普通、2月4日です。
節分は立春の前日で、通常は2月3日です。
多くの人が、炒った大豆をまいたり、恵方巻きを食べたりする面白い行事で節分を祝います。
恵方巻きは日本の巻き寿司の一種です。
節分に恵方巻きを食べると、自分も家族も幸せになると言われています。
恵方巻きの作り方を教えてください。
恵方巻きは、普通、7種類の具材をご飯と海苔で巻いたものですが、最近ではいろいろな種類の恵方巻きをスーパーやコンビニで買うことができます。
商品にもよりますが、長さは10〜15cm程度です。
日本の巻き寿司はいくつかに切って食べるのが一般的ですが、恵方巻きの場合は、切らずにそのまま食べます。独特の風習です。
また、恵方巻を食べる時は一言もしゃべってはいけないと言われています。面白いと思いませんか。
加えて、恵方巻きを食べる時は、その年の幸運の方角を意味する「恵方」を向いて食べるとよいとされています。2024年は東北東です。
恵方巻きを食べてみたいですか。
おまけ 恵方巻きの具材の英語表現
恵方巻きに巻く具材は7種類とされています。これは、商売繁盛や無病息災をかなえてくれる七福神にちなんだ数字という説があります。
もっとも、最近では、7種類の具材にはこだわらず、スーパーやコンビニではいろいろな種類の恵方巻きが販売されています。肉がたっぷり入ったもの、さまざまな海鮮を巻いたもの、健康志向のサラダっぽいものなど本当にバラエティ豊富。選ぶ楽しみが増えてきました。寿司の名店の監修、などというものも目にします。
基本的な、7種類の具材が入った恵方巻きの場合も、この7種類は明確に決まったものではないようです。ここでは、一例として、「穴子・うなぎ」「えび」「かんぴょう」「しいたけ」「きゅうり」「だし巻き卵」「桜でんぶ」の7つを取り上げ、これらの英語での表現を解説したいと思います。
穴子・うなぎ
「穴子(あなご)」も「うなぎ」も、英語では一般的にどちらも「eel」です。「イール」という感じで発音されます。英語圏ではあまり食べる機会がないので、区別されないようです。
もし明確に区別したい場合は、「うなぎ」は「eel」で、「穴子」は「conger eel」といいます。
恵方巻きの具材に、うなぎ(穴子)を使っています。
うなぎと穴子の違いがわかりますか。
えび
「えび」の英語表現は3つほどあります。
prawn
lobster
どれを使うかは、えびの大きさによって変わります。
「Lobster」は、主として2本のハサミを持つ大きなえび。日本でも「ロブスター」の専門店がありますし、伊勢海老も「spiny lobster」などと呼ばれます。豪勢なお料理ができあがるイメージですね。
「Shrimp」は小さめのえびのこと。「シュリンプカクテル」という料理もありますね。
「Prawn」は「shrimp」よりも大きめの中型のえびです。スーパーなどで見かける「ブラックタイガー」や「クルマエビ」などがこれにあたります。
もっとも、大きさの区別に明確な基準があるわけではありません。特に「shrimp」か「prawn」かは微妙な場合もあります。
「Ehomaki」にどんなえびが入っているかも、商品によって異なります。だいたい「shrimp」か「prawn」で大丈夫だと思いますが、中には「lobster」の身を使ったものもあるかもしれません。
アレルギーのため、エビなどの特定の魚介類が食べられません。
伊勢海老を使った恵方巻きを販売しているなんて信じられません。
かんぴょう
「かんぴょう」も「Ehomaki」のように固有名詞として「kanpyo」あるいは「kampyo」と表現するしかありません(「p」の前に「ん」が来る場合、「n」で表したり「m」で表したりします)。そして、それに英語で説明を加えるということになります。
でも、ふと考えると、「かんぴょう」って日本語で説明するのも難しいですよね。
「かんぴょう」は、ウリ科の植物「ユウガオ」の実を細長くむき乾燥させて作る食品です。これをもし英語で表現するならば、
dried gourd shavings
dried strips of gourd
dried gourd strips
などとなるでしょう。「Dried」は「乾燥させた」、「shavings」は「削ったもの」、「strips」は「細くしたもの」、「gourd」はウリ類の実を表します。
私は恵方巻きに入っているかんぴょう(ウリの実の細切りを乾燥させたもの)が大好きです。
かんぴょうは甘めの味付けが一般的です。
しいたけ
「しいたけ」は英語で「shiitake mushroom」ということができます。「Mushroom」はいわゆる「マッシュルーム」だけでなく、キノコ類全般を指すことが多いです。
あるいは固有名詞として「shiitake」と表現してもいいですが、やはりちょっと説明が必要ですね。
私はしいたけが好きではありません。
しいたけは日本のキノコの一種です。さまざまな日本料理に使われています。
きゅうり
「きゅうり」は英語で「cucumber」です。ただ、国や地域によって、同じ「cucumber」でも大きさなどがだいぶ違う場合もあります。
オーストラリアで巨大なきゅうりを見ました。
だし巻き卵
恵方巻きに入っている卵焼きは、だしを入れて作る「だし巻き卵」の場合が多いです。さて、では英語ではどういえばいいのでしょうか?
だしが入っているにせよ入っていないにせよ、卵焼きじたいが日本風の調理法です。これを英語でいうならば、Japanese omeletあるいは、rolled fried eggsなどとなります。
「だし巻き卵」といいたい時は、これに説明を加えることになります。また、次の例文のように、固有名詞として「Dashimaki-tamago」と言っておいて、説明を追加する方法もあります。
「だし」は「soup stock」などと表現できます。
だし巻き卵は日本の卵焼きの一種です。 和風だしの味付けです。
桜でんぶ
お弁当やおにぎりを作る時に活用され、恵方巻きにもよく使われるのが「桜でんぶ」です。でも、この「桜でんぶ」、「かんぴょう」と同じく、日本語でもどう説明すればいいのか難しいですね。
「でんぶ」は漢字だと「田麩」と書き、これは、タイやタラなどの白身魚をゆでてほぐし、砂糖などで調味して水分がなくなるまで煎った食品のことです。
ということで、「でんぶ」は英語で、mashed white meat fish seasoned and then driedなどと表現することができます。「Mashed」は「つぶされた」、「white meat fish」で「白身魚」、「seasoned」は「味付けされた」という意味です。
この「でんぶ」に食紅を加えてピンク色にすれば「桜でんぶ」の完成となります。
次の例文は、まず固有名詞として「Sakuradenbu」(または「Sakuradembu」)と言っておいて、それを説明する方法です。
恵方巻きの主な材料の一つである桜でんぶは、白身魚をすりつぶして味付けし、乾燥させてピンク色に着色したものです。
まとめ
いかがでしたか?今回は節分に食べる縁起物「恵方巻き」とそれに関連するさまざまな英語表現について、例文を交えながら説明をしました。
日本文化に強い興味を持つ外国人は少なくありません。「恵方巻き」など日本独特の文化は英会話の話題にぴったりです。ぜひいろいろな機会に、日本の文化を英語で説明することにぜひトライしてみてください。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.