世界ではいろいろな言語が話されているように、その国や地域の文化も様々です。
その中でも「食文化」はどこにでもあり、食事をするときのマナーがそれぞれあります。ある国では良しとされるマナーも、ある国では良くないとされるほど違います。
コロナ禍が終わってから、海外旅行を楽しみにしている方や海外への移住を考えている方もいるとおもいますが、海外に行くとなると、楽しみでもあり、重要なのが「食」ですよね。
旅行であればどんな料理が食べられるのかワクワクしますし、移住であれば本当に長くその国の料理と付き合っていけるのかが重要になると思います。
筆者もマレーシアに移住してから1年が経ちますが、マレー料理、インド料理、中華料理と気軽に多彩な料理を楽しめる国という発見があります。
ナイフとフォークが出てくることもあれば、お箸が出てくることもあります。インド系の食堂に行くと、手を使って食べている方が大勢います。
この記事では海外における食事のマナーについて取り上げましょう。日本と西洋の違いなどからその食事マナーの違いを知ることによって紹介していきます。
日本と海外の食事マナーの違い
まず、世界の食事マナーを知るためにも、日本と海外の食事マナーを比較していきましょう。
海外とひとことで言ってもさまざまです。日本人の旅行先や移住先を考えてみると、アメリカ、ヨーロッパ、北アジア、東南アジア、インドなどが主な国でしょうか。
まずは日本のマナー
まずは我が国、日本。
わたしたちが当たり前のようにしている食事マナーを振り返ることから海外との違いを感じ取ることができます。後ほどこれらを英語で表現してみましょう。
ざっくりですが、以下のようにまとめてみました。
・「いただきます」と「ごちそうさまでした」の挨拶がある
・お茶碗やお椀は手で持って食べる
・箸は正しく扱う(さまざまなNG行為あり。箸で皿を寄せる、食事を突き刺す、迷い箸をする、咥える、直箸はなるべく避ける・・・など)
・食器の配置ルールがある(左手がご飯、右手が汁物、おかずは奥など)
・食器は丁寧に扱い、なるべくカチャカチャと音を立てない
・クチャクチャと音を出して食べない(例外として、麺類は「ズズーッ」とすする音を立てて食べてもOK)
・残さず食べるのが理想的(勿体ないという発想がある)
海外で日本の食事マナーとして最も知られているのは「いただきます」と「ごちそうさま」のフレーズ、そして箸を使う文化ではないでしょうか?よく外国人が箸を使うのに四苦八苦している様子や日本人のように自然に使いこなしている場面をみます。
筆者はマレーシアでインド系の方と中華系の方と合計3人でシェアハウスをしているのですが、週末になると彼らの友達が集まってくるので、一緒に夕食を楽しむことが多いです。
彼らは「いただきます」と「ごちそうさま」を知っていて、わたしの前でよくこれらの言葉を口に出しています。
アメリカのマナー
続いてはアメリカの食事マナーです。
ナイフとフォークの使い方
日本と海外の食事マナーの違いで大きなものが箸の代わりにナイフやフォークを使う点でしょう。
カトラリー類は外から使っていき、左手にフォーク、右手にナイフを持つのはよく知られていることではないでしょうか。魚や肉は一度に小さく切り分けるのでなく、その都度切り分けていきます。
ポイントはナイフを置いて、フォークを右手に持ち替えて食べること。
ただし、持ち替えずにフォークを鉛筆のように持つスタイルもあります(イギリス風)。
食事中のサインは、お皿の縁にナイフとフォークを引っ掛ける感じで八の字にして置き、食事後のサインは、ナイフとフォークを揃えて3時の方向に置きます。
お皿の扱い方
日本のようにお皿を持つ習慣はありません。
海外の食事マナーとして、レストランに限らず友人宅などでも、お皿を持ち上げてそこからフォークで食べるのは絶対避けましょう。
パスタの食べ方
日本のようにフォークとスプーンを使わずに、フォークだけでクルクル巻いて食べます。
スープの飲み方
世界のテーブルマナーを考えるとき大切なものであり、ズズーッと音を立てることはNGです。手前から奥にすくって飲みます。
店員さんの呼び方
日本でおなじみの「すいませーん!」ではなく、視線で訴え軽く手を挙げる程度でOKです。
イギリスのマナー
アメリカのマナーと似ているので、違うところを紹介します。
ナイフとフォークの使い方
肉や魚を切ってから、フォークを右手に持ち替えずに、そのままフォークの背にのせて食べます。
食事中のサインはハの字に乗せるのはアメリカと同じだが、完全に皿の中に置きます。
食後のサインは4時または6時の方向(縦)に置きます。
この、「フォークを右手に持ち替えず最後まで左手フォーク、右手ナイフ」というのは、正式なイギリスのテーブルマナーで、カジュアルなお店であれば右手にフォークを持ち替えるようなこともOKなようです。
「フォークの背に乗せる」のも同様です。正直、フォークの腹に乗せた方が絶対に食べやすいですけどね。
それよりも、肉や魚を一度に切らないとか、音を立てないとかの方が重要だと思います。
食事中のマナーにおける日本と西洋の違い、確認できましたか?
それでは、次はアジア編です。
中国のマナー
アジアの国も見てみましょう。日本のように箸を使いますが、どのように違うのでしょうか。
箸の使い方
中華料理は料理をシェアすることが多いですが、自分の箸を使って料理を取り分けてもOKです。いわゆる直箸ですね。
食事中は箸を縦に、食後は箸を横に置きます。
食器の使い方
日本と似ています。大きな皿は持ち上げませんが、お茶碗だけは手で持ちます。
最後は少し残す
日本ではきれいに残さずに食べることが美徳とされていますが、中国では少しだけ残して「もうお腹いっぱいです、満足してます」を表現します。
韓国のマナー
次は韓国です。日本や中国と違うところを中心に紹介します。
はしとスプーンの使い方
韓国ではご飯を食べる時にスプーンを使って、箸はおかずを食べる時に使います。
食器の使い方
韓国の食器は金属製(銀色)ですが、お茶碗を手で持つことはありません。
音を立てて食べるのはむしろ良い
これが日本と大きく異なる点です。
日本では「クチャクチャ」と音を立てて食べるのは印象はかなり悪いですよね。韓国では、むしろ「美味しい」を表現しているので、むしろ印象が良いのです。
日本人の麺やスープを「ズズーッ」っとすする音は海外ではNGなので、それと逆のパターンなのかなと思います。
ちなみに、マレーシアではさまざま民族が暮らしていますが、みなさん「クチャクチャ」食べている印象があります。
インドのマナー
インド人は四六時中カレーを手で食べているイメージですが、必ずしもそうではなくマクドナルドも普通にあるそうです。
ジャパニーズカレーで有名なCoCo壱番屋もあり、そこではスプーンが使えます。
基本的に右手で食べる
ヒンドゥー教では左手は不浄(トイレで処理する時に使う)ので、食べる時は右手を使います。これはイスラム教でも同じことが言えます。
とはいっても、絶対という訳ではなく、取り分けるときは左手を使うようです。
スプーンやフォークの使い方
使うのはNGというわけではなく、取り分けるときに使う人もいます。実際にマレーシアのインド系レストランではスプーンとフォークが置いてあります。
しかし、屋台に行ったときに「いま、スプーンとフォークが無いから、そこのタンクから水を出して手を洗って、手で食べてくれ!」と笑顔で言われたことがあります(笑)。
食事のシェアはNG
左手の考え方と似ていますが、人が口をつけたものは不浄とされているので、自分のお皿にある料理をシェアし合うことはしません。
食べ残しは失礼
インドでは食べ残しはかなり失礼にあたる行為のようです。
ここで少し余談!
下記記事では、日本の伝統芸能についての英語表現についてご紹介しています!下記記事で学んだ表現を使い、外国人の方に日本の伝統芸能について説明してみましょう♪♪
日本の食事マナーを英語で表現しよう
それでは、日本のマナーを英語で説明するように表現してみましょう。
冒頭にあげた項目を思い出してみて下さい。日本独特のものもありましたね。
英語圏の外国人にとって、日本と海外の食文化やマナーの違いはとても面白く感じられるでしょう。
Basically, Japanese say Itadakimasu before meals and Gochisousama after meals. Which is not a spiritual reason, we just say it like a greeting.
基本的に日本人は食前にはいただきます、食後にはごちちそうさまと言います。これはスピリチュアルな意味はなく、ただの挨拶のように言います。
It is good manners to pick up bowls when eating rice and miso soup.
ご飯や味噌汁を食べる時はお椀を手で持つのがマナーです。
Japanese use chopsticks; there are some manners. Bad ones are the following: to pull dishes with them, to bite them, to wave them over meals while thinking about what you want to eat, to stick meals with them like a fork, and so on.
日本人は箸を使いますが、いくつかマナーがあります。悪いマナーは以下のとおりです。箸で皿を引っ張る、箸を噛む、何を食べたいか考えながら箸を食事の上で回す、フォークのように箸で料理を突き刺す、などなど。
You had better use shared chopsticks and not use your own when you take meals from a large shared dish.
大きなお皿から食事を取る時は、自分の箸ではなく取り分け用の箸を使った方が良いです。
You can make slurping sounds when eating noodles. But we don't make chewing sounds.
麺類を食べる時はすする音をたてて食べても大丈夫です。しかし、くちゃくちゃと食べる音はたてません。
Eating up is a good manner in Japan
完食することは、日本では良いマナーです。
まとめ
食事のマナーについて日本を含む東洋と西洋の違いを紹介しましたがいかがでしたか。
食器類の使い方は国によって本当に様々だとは思いますが、よほど格式高いレストランや格上の方に招かれたときなどでない限りあまり気にしなくて良いとは思います。
文化の違いはお互い理解していると思いますので、多少の相違点は許容範囲でしょう。
ただし、麺やスープを「ズズーッ!!」っとすする音は日本意外はNGなので、パスタを食べるときは気をつけた方が良いのと、宗教的な観点からのマナーの場合は尊重した方が良いと思います(インドの左手NGなど)。
また、逆に「クチャクチャ」と音を立てるのは日本ほど気にされていないのも予め知っておくと良いですよね(特にアジア圏)。そして、英語圏では食事中の会話を楽しむことも違いとして一つ挙げましょう。
それではまた!
2019年マレーシア移住、マレーシア人とルームシェアで楽しく暮らしています。「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」ことに目覚めて海外大学進学準備中。英語が学習は発音と聞き取りからスタートすることを勧めています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.