フィリピンのファストフード業界は、アジアの中でも特に個性的で活気に満ちた市場です。
その中心にあるのが
「マクドナルド」で、世界共通のハンバーガーやポテトだけでなく、現地ならではの限定メニューを多数展開し、国民の食文化に深く根ざした存在となっています。
フィリピン人は外食を好み、ファストフード店もショッピングモールや交通の要所に密集しています。
中でもマクドナルドは、ライバルであるジョリビーやKFCとしのぎを削るなか、「チキン・マックドー」や「マック・スパゲッティ」、そして「ライス+グレイビー+目玉焼き」というローカルスタイルの朝マックなど、世界のマクドナルドとは一線を画す独自メニューで存在感を発揮しています。
本記事では、そんなフィリピンのマクドナルド限定メニューの魅力についてご紹介します。
- フィリピンのファストフード事情
- フィリピンのマクドナルドの歴史・売上
- フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:ライス
- フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:スパゲッティ
- フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:チキン
- フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:朝マック
- まとめ
フィリピンのファストフード事情
1. Jollibee(ジョリビー)
1978年に創業されたフィリピン最大手のファストフードチェーンで、国内外に約9,800店舗を展開しています。
フィリピン人の味覚に合わせたユニークなメニューが人気の秘訣であり、特にフライドチキンが有名で、独自の甘辛い味付けが特徴です。
人気メニュー
・チキンジョイ:ジョリビーの看板メニューである「チキンジョイ」は、外はカリッと中はジューシーなフライドチキンで、特製グレイビーソースとの相性が抜群です。
2024年には、アメリカのUSA Todayで「ベスト・ファーストフード・フライドチキン」に選ばれ、KFCやポパイズを抑えて1位を獲得しました。
・ジョリースパゲッティ:
フィリピン人の味覚に合わせた甘めのトマトソースが特徴の「ジョリースパゲッティ」は、子どもから大人まで幅広い層に愛されています。このユニークな味付けは、ジョリビーならではの魅力の一つです。
・バーガーステーキ:
フィリピンではご飯が主食であるため、ジョリビーのメニューにもご飯と一緒に楽しめる料理が多くあります。
「バーガーステーキ」は、甘辛いソースで煮込んだ牛肉をライスと共に提供する一品です。
・ハロハロ:
氷、フルーツ、甘いシロップなどを混ぜ合わせた「ハロハロ」は、フィリピンの伝統的なデザートで、ジョリビーでも人気の一品です。特に暑い季節にぴったりの爽やかな味わいです。
2. Mang Inasal(マン・イナサル)
グリルチキン(イナサル)が主力のローカルチェーンで、ライス食べ放題が特徴です。
シンプルながらも味わい深いグリルチキンが人気です。
人気メニュー:
・イナサル:グリルチキンを特製ソースで味付け。・バカロン:豚肉の煮込み料理。
3. Chowking(チャオキング)
中華系フィリピン料理を提供するチェーンで、ライスボウルや麺類などが主力です。
フィリピンの食文化と中華料理がうまく融合しています。
人気メニュー:
・ライスボウル:チキン、ビーフ、ポークなどのトッピングが選べる。・チャオメン:中華風ヌードル。
・フィリピンの食文化とファストフード
1. 甘い味付けが主流
フィリピン人の味覚は「甘い・しょっぱい・酸っぱい」のバランスを好みます。
ファストフードにもその特徴が強く反映されています。
2. ライスが中心の主食文化
パンよりも圧倒的にライスが好まれ、マクドナルドやKFCでも「フライドチキン+ライス」のセットが標準メニューとなっています。
ジョリビーでは「バーガーステーキ」や「チキンジョイ」+ライスといったコンビが大人気です。
3. 家族重視・子供中心の店舗設計
ファストフード店は家族の憩いの場であり、子どもの誕生日パーティーが行われることもしばしば。
ジョリビーの「ジョリビーくん」など、キャラクターによるエンタメ要素や、子供向けミール(おもちゃ付き)も人気です。
・最近のトレンドと変化
1. デリバリー文化の急成長
都市部を中心にGrab Food、Food panda、Lala Foodなどの配達サービスが普及しています。
スマホアプリを使って、自宅や職場で手軽にファストフードを楽しめるようになりました。
2. 健康志向の高まり
都市部の若者や中産層を中心に、低カロリー・野菜多め・ビーガン対応などのメニューが一部店舗で提供されています。
完全に一般化はしていないものの、近年、選択肢が増えつつあります。
3. ローカライズとグローバル化の両立
ジョリビーをはじめとするローカルブランドは、伝統的なフィリピン料理の要素を取り入れながら、海外でも通用するスタイルに改良を進めています。
アメリカ、カナダ、中東、香港など、世界中に店舗を拡大しています。
フィリピンのマクドナルドの歴史・売上
・フィリピンにおけるマクドナルドの歴史
1981年:フィリピンにおけるマクドナルドの第1号店がマニラにオープンしました。
1980年代後半:ジョリビーなどの地元チェーンとの競争が激化し、マクドナルドはフィリピン市場でのシェア拡大に苦戦しました。
1990年代:フィリピンの食文化に合わせたメニューの開発・導入が進み、ライスを主食とする文化に対応したメニューが登場しました。
2000年代以降:デリバリーサービスの導入や店舗の多様化が進み、都市部を中心に急速に店舗数を増加しました。
・売上と業績
店舗数の増加:2025年時点で、フィリピン国内に約800店舗以上が存在し、都市部を中心に急速に拡大しています。
売上の成長:フィリピンのファストフード市場は拡大傾向にあり、マクドナルドもその恩恵を受けています。
フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:ライス
フィリピンのマクドナルドでは、ライスを使った独自のメニューが非常に重要な位置を占めています。
これは、フィリピン人が毎日の主食として「パンよりも米」を好む文化に強く根ざしているためであり、他国のマクドナルドにはない独自の展開です。
フィリピンのマクドナルドで提供される「ライス系メニュー」について、詳しくご紹介します。
1. Chicken McDo with Rice(チキンマックドー+ライス)
クリスピーなフライドチキン(骨付き)+スチームライス+グレイビーソース。
特徴:外はカリカリ、中はジューシーなチキン。
ライスにはグレイビーソースをかけて食べるのが一般的であり、フィリピンの「チキン+米」文化にしっかりマッチしています。
ターゲット層:朝食にも昼食にも食べる人が多く、庶民に非常に人気。
2. Burger Steak with Rice(バーガーステーキ+ライス)
ビーフパティ×2枚+グレイビーソース+スチームライス。
特徴:甘じょっぱいソースにスライスマッシュルーム入り。
ハンバーグであるにも関わらず、バンズではなく、ご飯と一緒に食べるのがフィリピン流です。
安価でボリュームがあり、子どもから大人まで人気の高い定番メニューです。
3. McCrispy Chicken Fillet with Rice(マッククリスピーチキンフィレ+ライス)
薄めのフライドチキンフィレ+ご飯+グレイビー。
特徴:ボリュームは控えめで、お手頃価格(約55ペソ前後)。朝食メニューや小腹用として人気を集めています。
スパイシーな味付けの種類があり、ピリッと辛めのソースがかかっていることも。
4. Sausage with Egg & Garlic Rice(ソーセージ+卵+ガーリックライス)【朝食限定】
甘いソーセージ+目玉焼き+ガーリックライス。
特徴:フィリピンの伝統的な朝食「シログ(Silog)」に近いメニュー・朝7時〜10時限定で販売しています。
フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:スパゲッティ
フィリピンのマクドナルドでは、他の国と異なるユニークなメニューが多く提供されていますが、その中でも特に有名なのが 「マック・スパゲッティ(McSpaghetti)」 です。
これはフィリピン独自のローカルメニューで、マクドナルドの「グローカリゼーション(グローバル+ローカル)」戦略の一例として知られています。
・マック・スパゲッティ(McSpaghetti)とは?
マック・スパゲッティは、甘みのあるトマトソースをたっぷり絡めたスパゲッティに、カットされたソーセージとミートソースをトッピングした一品です。
日本や欧米のマクドナルドではまず見かけない、フィリピン独特のファストフード文化の象徴とも言えるメニューです。
・特徴
1. ソースの甘さ
フィリピンでは、伝統的に「甘いスパゲッティ」が好まれるため、マック・スパゲッティもその文化に合わせて、甘めに味付けされています。
ソースには、砂糖やバナナケチャップが含まれており、独特のマイルドな甘みがあります。
2. 具材
ソーセージ:よくあるのはフィリピンで一般的な赤いホットドッグ風ソーセージがスライスされてトッピングされています。
ミンチ肉:牛ひき肉を炒めたものが甘めのソースと共に混ぜられています。
3. パスタ
スパゲッティ麺は一般的な太さで、やや柔らかめに茹でられており、子どもでも食べやすい食感になっています。
マック・スパゲッティは単品でも注文できますが、より一般的には「チキン・マックドー(Chicken McDo)」とのセットで提供されます。
このセットは「McSpaghetti with 1pc Chicken McDo」として販売されており、クリスピーなフライドチキンとご飯、またはスパゲッティが組み合わされています。
また、フィリピンでは、「スパゲッティ=誕生日パーティーやお祝いの料理」というイメージが強くあります。
家で作ることも多い料理ですが、マクドナルドで手軽に食べられるというのは非常に魅力的です。
フィリピン人は甘い味を好む傾向があるため、グローバルブランドであるマクドナルドもこの嗜好に合わせたローカライズを行っています。
フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:チキン
フィリピンのマクドナルドでは「チキン」が非常に重要な主力メニューであり、その中でも特に人気が高いのが 「チキン・マックドー(Chicken McDo)」 です。
これは、フィリピンの食文化や国民の好みに強く根ざしたメニューであり、マクドナルドが現地で独自に展開しているメニューのひとつです。
・フィリピンのマクドナルドの主なチキンメニュー
1. Chicken McDo(チキン・マックドー)
「チキン・マックドー」は、骨付きのフライドチキンで、ジューシーでスパイシーな味付けが特徴。外はカリカリに揚がっており、衣にはフィリピン人が好むガーリック・ペッパー風味のスパイスが効いています。
味付けは、日本のマクドナルドのチキンよりもやや濃いめで塩気があり、パンチが強いです。
グレイビーソースと一緒に提供されるスタイルが一般的です。
2. Spicy Chicken McDo(スパイシー・チキン・マックドー)
通常のChicken McDoに比べて、衣と中の肉に唐辛子系の辛さが加わっています。
スパイスレベルは中辛〜やや辛口。
ピリッとした刺激を求める人に人気で、グレイビーソースとの相性も良く、辛さと旨味のバランスが絶妙です。
※グレイビーソース(Gravy)について
フィリピンのマクドナルドでは、チキンに必ずと言っていいほどグレイビーソースが付いてきます。
粘度があり、味はマッシュルーム+肉の旨味+少しの甘さが合わさったもの。
セルフでたっぷりかけることも多く、「おかわり自由」の店舗もあります。
フィリピンのマクドナルドの主なメニュー:朝マック
フィリピンのマクドナルドでは、朝食メニュー(通称「朝マック」)が現地の食文化に合わせて独自に展開されています。
特に「おかず+米」のスタイルが主流で、フィリピンならではの朝食を手軽に楽しめると人気です。
・主な朝マックメニュー
1. Sausage McMuffin with Egg & Hash Browns
ソーセージと目玉焼きを挟んだマフィン、ハッシュポテト、コーヒーのセット。
日本の朝マックに近いスタイルで、手軽に楽しめる定番メニューです。
2. Cheesy Eggdesal with Hash Browns
チーズ入りのスクランブルエッグを「パンデサル(塩パン)」で挟んだサンドイッチ、ハッシュポテト、コーヒーのセット。
フィリピンの定番パン「パンデサル」を使用し、現地の味覚に合わせた一品です。
3. Silog Bowl(シログボウル)シリーズ
ガーリックライスに目玉焼きとおかずを組み合わせた丼もの。
フィリピンの伝統的な朝食スタイルを再現した人気メニューです。
Longganisa Silog:甘口のソーセージ「ロンガニーザ」。
Tocilog:甘辛い豚肉の「トクバラ」。
Bangus Silog:フィリピンの国民魚「バンガス(魚)」のフライ。
Tocilog with Egg & Hash Browns:目玉焼きとハッシュポテト付き。
4. Mushroom Pepper Steak with Egg Bowl
ハンバーグパティに目玉焼きとマッシュルームペッパーソースをかけた丼もの。
ホワイトソースと胡椒の効いたソースが特徴で、フィリピンのファストフード店でも人気の味付けです。
フィリピンでは、朝食にガーリックライスを食べる文化が根付いており、パンよりも米が主流です。
そのため、マクドナルドの朝マックでもライスを使用したメニューが多く提供されています。
また、フィリピンのファストフード店では、ホワイトソースやグレイビーソースを使った料理が一般的で、マッシュルームペッパーステーキなども人気のメニューとなっています。
まとめ
フィリピンのファストフード事情は、独特な食文化とローカルの嗜好が色濃く反映されたユニークな展開が特徴です。
国内最大手のジョリビーは、甘辛い味付けの「チキンジョイ」や「ジョリースパゲッティ」で国民的人気を誇り、マクドナルドも「チキン・マックドー」や「マック・スパゲッティ」、「ライス付き朝マック」など、現地仕様のメニューを展開して競争に参入しています。
また、ライスが主食であるため、どのチェーンもパンではなく「米+おかず」という形式が多く見られ、フィリピンならではの食事スタイルを維持しながらファストフードに落とし込んでいるのが特徴です。
さらに、家族向けの店舗設計、急成長するデリバリー文化、健康志向メニューの登場など、時代の変化にも柔軟に対応しています。
フィリピンのマクドナルドは、ローカルとグローバルの融合によって進化を続ける、非常に興味深い食文化の一端を担っています。

◇経歴
大学では教育学部英語科を専攻し、3年生の時にアメリカのディズニーでの大学生インターンシップに参加。
コロナの影響で途中帰国となりましたが、その後ホテルのフロントに就職し、サービス業の経験を積みました。
卒業後は、カナダでコープ留学を経て、再度アメリカのディズニーで1年弱勤務。
その後、ディズニー社とフリーランス契約を結び、アジア各国でイベントの仕事を行う一方で、オンライン英語コーチング塾のコーチとしても活動しています。
◇資格
・TOEIC 950点
・英検 準1級
◇留学経験
・Walt Disney World インターナショナルカレッジプログラム
→(アメリカ フロリダ州)コロナにより1ヶ月で帰国
・SELC College 語学学校2ヶ月+コープ留学1年
→(カナダ ブリティッシュコロンビア州)
・米国三越 CRプログラム
→(アメリカ フロリダ州)
◇海外渡航経験
学生時代はバックパッカーに夢中になり、1人旅や友人とともに約20カ国を訪れました。カタール、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどの珍しい国も旅しました。また、イタリアでは1人で自転車を使って縦断旅行をするなど、どれも素晴らしい経験となりました。アメリカでの留学では、ディズニーでエンターテイメント関連の仕事を経験し、2度目の留学ではレストランサーバーとして働きました。カナダのコープ留学時も、現地のステーキハウスでサーバーをしました。
◇自己紹介
中学時代にアメリカの映画に触れたことがきっかけで英語を学びたいと思い、大学では英語系の学科に進学しました。
時間の余裕がある大学生活の中で、何か心が踊る特別な経験をしたいと探し求め、バックパッカーとして野宿をしたり、自転車で旅をしたりするなど、数々の冒険を通して視野を広げました。
その経験から留学を決意し、憧れだったディズニーで働ける大学生インターンプログラムを見つけ、見事合格。夢にまで見たアメリカディズニーで働くことができましたが、コロナの影響で1ヶ月で帰国せざるを得なくなりました。
帰国後はTOEICや英検の資格を取得し、就職後もディズニーで働く夢を諦めきれず、カナダに留学してさらに英語を学びました。その後、形は違えど再びディズニーで働くことができ、現在はディズニー社とフリーランス契約を結び、アジア圏でのイベント業務を行いながら、英語コーチとしても活動しています。
英語を学んできたことで自分の見る世界が広がり、夢を掴むことができました。今後は、自分自身が学び続けるとともに、他の人が英語を通して人生を豊かにするお手伝いをしていきたいと考えています。