海外の方と関わる時って、意外と日本のことについて聞かれる機会が多くありませんか?
英会話レッスンに行ってもテーマが日本についてであったりと、日本人であるからには海外に向けて日本を紹介できるようになっていないといけない風潮があります。
英会話をしているのであれば日本より海外について興味がある人も多いと思いますが、日本にいる外国人のほとんどは日本に興味があります。
彼らと一緒に話をするなら、日本のことも知っておいた方が盛り上がるでしょう。
ということで!今回は日本の伝統芸能について、英語でどう説明すべきかを例文を交えて紹介していきたいと思います。お互いの国の文化について教え合いができたら良いですよね。
伝統芸能は英語で何と言う?
日本人だからと言って歌舞伎や能、文楽、落語って何ですかと聞かれたときにパッと答えられるとは限りませんよね。
ではまずは、それらをひっくるめて言う「伝統芸能」を英語で何と言うか新しく学びましょう。
英語で「traditional arts」と言えば、伝統芸能と伝わります。traditionalは「伝統的な」という意味で、その後に続くartsには「美術」という意味があります。
伝統的なアートである、と言えばこれで正しく伝わります。実はこの単語、中学生の時に習っているかもしれませんよ?
改変があるのでどの世代も学習したとは言い切れませんが、教科書に載っていた世代もあるはずです。
・There are a lot of Japanese traditional arts, and I’m sure you like some of them.
「日本の伝統芸能はたくさんあるし、いくつかは君も絶対気に入ると思うよ。」
例文として簡単な文法を織り交ぜながら使うとしたらこんな感じですね。
伝統芸能は具体的にどこの伝統なのかをJapaneseで示し、接続詞andで続けて文が短く幼稚にならないようにしてあります。
これなら初心者でも使える表現なので単語を入れ替えて使ってみてください。
ちなみに、後半の文で使ったI’m sureは「もちろん~」という意味で、自分が確信していることについて使います。直訳すると「私は確かだ」ですね。
・Generally, Japanese traditional arts are influenced by Chinese culture, and developed in Japan.
「日本の伝統芸能の多くは中国の文化の影響を受けていて、その後日本で発展しました。」
ここは受動態を使ってare influenced「影響を受ける」と表現しています。
接続詞のand以降に使われているdevelopedという過去分詞も受動態になっていますね。主語が日本の伝統芸能になっているので、受け身にしないとおかしいのです。
「影響を受けさせられた」、「発展させられた」というのが正しいのかもしれませんが、日本語訳をすると変になるので能動態のように見えます。
ここで少し余談!
日本の文化の中には、「浮世絵」があります。
そんな浮世絵について紹介してる記事を載せておきますので、気になる方は合わせて読んでみてください。
伝統芸能を英語で説明していこう!
それでは、ここからは日本の伝統芸能を英語で説明するために必要な知識を入れていきましょう!
説明しようとすると意外とスッと言葉が出てこないものなので、ここで日本文化も一緒に学んでしまうのが一石二鳥ですね。
日本の文化的、または歴史的背景がない人にも伝わりやすいよう、できるだけ簡潔に説明できる例文を用いてみました。
・Tea ceremony(茶道)
茶道に関しては、中学校から茶道部があったりもするので英語で何と言うかは知っている人もいるのでは?
中学になって英語がわかるようになったのが嬉しくて、新入部員の勧誘のポスターにわざわざ英語で書いたという人も多いようですね。
Tea ceremonyは直訳すると「お茶の儀式」となりますから、これだけではなかなか伝わりません。少し説明を加えてわかりやすくしてあげましょう。
・Tea ceremony is originally held in a tea room. We eat a piece of Japanese sweet and drink tea there.
「茶道はもともと茶室で執り行われるものです。そこで日本菓子を食べたりお茶を飲んだりします。」
茶室はシンプルに
tea roomで表現してしまいましょう。
ここを細かく伝えるとなるとかなり大変ですし、日本人でも知らない名称の道具だってあります。本当は見てもらうのが一番なので、スマホでどんな部屋かを紹介してみるのも良いでしょう。
この例文ではお菓子のことはa piece ofで一切れと表現してみましたが、お茶はあえてそのままteaにしました。
本来なら、飲み物はコップ一杯で数えるのでa cup/glass ofと表現しても良いところです。これは口語であれば省略しても良いので、親しい友達に茶道を紹介する時にはこのようによりシンプルにしてしまっても良いと思いますよ。
・Dancing(日本舞踊)
日本舞踊も一言で伝えるのは難しいので、単にdancingと言うにとどまってしまいます。
ただ、外国人にも良く知られている芸者と絡めると具体的なイメージを持ってもらいやすいので、例文に入れてみてください。芸者は日本好きな人ならそのままでも伝わるでしょう。
・Nihon-buyou is a traditional Japanese dance, but nowadays only Geisha do it.
「日本舞踊は日本の伝統的な踊りですが、近ごろは芸者しか踊りません。」
ダンスと言えば近代的なものを思い浮かべてしまうかもしれませんが、芸者が入れば彼女たちがそんな派手なダンスを踊るとなると違和感を覚え、イメージの訂正ができるかもしれませんよね。
日本舞踊と堅苦しく言ってしまえば芸者さんのものと紹介してしまうのもアリですが、盆踊りまで含めて一般人も躍るものだと伝えてみても良いかもしれません。
躍るという意味のdanceは名詞にも動詞にもなりますが、後半で使われているdoは動詞のdanceの代わりです。
先の文章でダンスを紹介しているので、同じ単語を省略しています。動詞の省略は英語の文法上できませんが、代わりにdoを使うことで同じことを何度も繰り返さないスマートな文にできます。
・Haiku
さて、今度は俳句を紹介したいのですが、こちらは海外でもHaikuで通るのであえて英語で表現する必要はありません。
しいて言うならpoetryですが、これでは和歌との違いを説明しなければならなくなります。一度Haikuと言って通じればそれで説明してみましょう。
実は、俳句は英語の教科書でも説明されているので、今回はそれを抜粋しようと思います。
・Haikus must have five syllables in the first and third lines, and seven syllables in the middle line. They aim to describe a beautiful or impressive natural moment.
「俳句は1行目と3行目は5音節、二行目は7音節から成っています。自然の美しさや印象的な場面を描写するものです。」
この例文を読んでみてどんな感想を持ちましたか?
私が思ったのは、俳句という日本のものに複数形が使われていることと、意外にも四季の変化を歌うという文言がないことにちょっと驚きました。
私たちはもう既に自然と日本のものは単数形を表す冠詞aも複数形を表す名詞の語尾につけるsも必要ないと知っていますが、俳句は複数形として扱われているところもあるのですね。
一般的にはイタリック(斜めになっているフォント)であれば日本のものとみなされ、ラーメンやおにぎり、お好み焼き、漫画、アニメなど日本独自のものに使われます。
特に習っていないにもかかわらず、自然とこれらには単数形や複数形の概念を用いませんよね。
教科書に載っている表現ということもあってちょっと難しい例文になったかもしれませんが、詩的な表現のsyllables「音節」があるのは特徴的です。
そして、「行」を表すのはlineです。世界で最も短い詩として知られているため、海外の学校によっては自分たちで俳句を作ってみようという授業もあるそうです。
・Flower arrangement(華道)
華道は、英語では既にある表現のFlower arrangementを使った方がわかりやすいでしょう。
海外のものとはちょっと違うのでやはり単語だけで言い表すのは難しいですね。
生け花の意も含むので、華道と生け花、どちらを説明するかで文章が変わってきます。日本らしいFlower arrangementとはどのようなものかに意識を置いて説明してみましょう。
・Japanese flower arrangement is different from western one. It sometimes describes nature.
「日本の華道は西洋のフラワーアレンジメントとは違います。華道は時に自然を表現したりもします。」
始めに、西洋のフラワーアレンジメントと同じではないということをはっきり言ったのが上記の例文です。
この一文目にも省略表現は使われていて、最後のoneはflower arrangementを示しています。このように、名詞が何度か出てくる時にはoneで省略してみるとくどくなくなるでしょう。
名詞であれば省略はitを思い浮かべるかもしれませんが、この流れでoneがある位置にitを置いてくるのは違和感がありませんか?
「western it」というのは変ですよね。そんな時に便利なのがoneです。通常、前に既に出てきた単語を繰り返す時に使います。
また、こちらの例文にはdescribeという単語を使ってみましたが、茶道の時にも出てきたことを覚えていますか?
「説明する」というようなニュアンスですが、こちらの例文では「表現する」と訳した方が自然ですね。
・Shamisen(三味線)
楽器も説明するのは簡単ではありませんよね。例として三味線をピックアップしてみましたが、どう説明したものかと悩むでしょう。
そんな時は、西洋で知られている似ているものに例えるのも一つの手です。例えば、三味線だったらギターのようなものと表現すれば良いのではないでしょうか。
・Shamisen is a traditional musical instrument, and it looks like a guitar.
「三味線は伝統的な楽器で、ギターに似ています。」
三味線と言ってもピンと来ていない外国の方には、せめてギターに似ている楽器と伝えればフルートのように吹くものでもドラムのように叩くものでもないと伝わるでしょう。
「似ている」という表現にはlook likeというフレーズを使いました。翻訳ではよく、「~のように見える」となっています。
三味線に詳しいなら、弦は何本でどれくらいの歴史があって、どんな形をしていて…などより詳しい情報を伝えてあげましょう。情報が多いほど正しいイメージが膨らみますし、興味を持ってもらえます。
またまた少し余談
そして日本芸能の一つ「歌舞伎」についてここではご紹介!
気になる方はぜひ読んでみてくださいね!
まとめ
日本の伝統芸能を英語で何と言うか知れば、日本人らしく日本文化を説明することができます。
海外文化を知る前に自国の文化を知るべきというのは一理ありますからね。
なかなか全てを思い通りに伝えるのは難しいので、今自分が知っている単語とフレーズでできるだけ完結に伝えることを意識してみるのがコツです。
もちろん語彙力は多いほど良いですが、中学英語ができるのであれば新しく学ばなくても伝えることはできますよ。難しく考えずにいきましょう!
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。