似たような表現である”a number of”と”the number of”。
どちらも英語で「の数」を意味します。
ですが、その意味や使い方は大きく異なり、類似点の方が少ないとすら言えるかもしれません。
この記事では、そんな”a number of”と”the number of”の意味や使い方の違いについて解説しています。
- ”the number of”の意味
- ”the number of”の使い方
- ”a number of”の意味
- ”a number of”の使い方
- a number ofとthe number ofの違い まとめ
”the number of”の意味
まずはthe number ofの意味を知ることから始めます。
“a number of”の解説は若干複雑なので、まずは比較的簡単な”the number of”の意味と使い方について見ていきましょう。
“the number of”は、日本語では多くの場合「~の数」と訳すことができます。
- The number of English learners in Japan has increased.
(日本における英語を学ぶ人の数は増えている。)
この例文でいう数とは英語を学ぶ人の数であり、the number of English learnersがそれを表しています。
”the number of”の使い方
次に”the number of”の使い方について、解説していきます。先ほど見たように”the number of”は「~の数」と訳すことができます。
”The number of X is ~.”という構文をとり、「Xの数は~だ。」という意味を表すことが多いです。
- The number of students in the class is 40.
(そのクラスの生徒数は40人です。)
“the number of”の使い方におけるポイントは、動詞が単数形となることです。最初の例では、- The number of English learners in Japan has increased.と、動詞が”have increased”ではなく、単数形の”has increased”となっています。
これは、- The number (of English learners in Japan) has increased.で、つまり、「数は増えている。」という文を「(日本における英語学習者の)」という語句が修飾しているからです。そういった人達を一つのグループ、一つのくくりとして考えると動詞が単数になるイメージができます。
また、次の例では、- The number of students in the class is 40.となっています。
先ほどと同様に、この例文の主な内容は「その数は40です。」ということであり、”The number is 40.”と”the number”が主語であるため、動詞も単数形の形を取ります。
また、このことから”X”の部分の名詞には通常”the”をつけないことにも注意が必要です。
どういうことかというと、- The number of [the] students in the class is 40.の[the]はつけずに、- The number of students in the class is 40.とするということです。
”a number of”の意味
次に、number ofでももう一つのほうの表現、”a number of”の意味を見ていきます。
“a number of”は、特に大学を受験した方は「たくさんの」という意味だと習ったかもしれません。しかし、多くの英英辞書では、·several(=いくつかの、複数の)という説明がされています。
ただし、Clollinsという辞書でa number ofを調べると、various(=様々な)という意味もあるとされています。
これらについて、少し詳しく見ていきましょう。
”a number of”=several
先ほど述べたように、多くの辞書では”a number of”は”several”、つまり「いくつかの、複数の」が主な意味であると説明されています。
- I’ve decided to learn English for a number of reasons.
(いくつかの理由から英語を学ぶことを決めました。)
なぜ、”a number of”が「いくつかの」という意味になるかは”a”と”the”の違いからも分かります。それは”the”が「特定」のものであるのに対し、”a”は「不特定」であることを表すからです。
また、“the”がしばしば「その」と訳される一方で、”a”は「ある」と訳されます。
これを踏まえて、a number ofとthe number ofの違いを確認しましょう。上の例文を見てみると、“a number of reasons”は、「決まった数ではない、2かもしれないし10かもしれないが、とにかく【ある】【複数の】理由」というニュアンスが込められていることが分かります。
”a reason”ではなく、”reasons”であることからも、
·理由が1つではないこと
が含意されています。
したがって、- I’ve decided to learn English for a number of reasons.という文は、「私が英語を勉強している理由は、(いくつあると具体的に言うことはできないけど、とにかく1つだけではなく)いくつかあります。」という意図を表していることが分かります。この意図が理解できるとa number ofの意味がさらに理解できるのではないでしょうか?
”a number of”=various
”a number of”の意味については多くの人が”many”(=たくさんの)と習ったのではないかと思います。事実、筆者も長年そのように思っていました。
これに関して様々な文献をあたった結果、極めて微妙であることが分かりました。
繰り返しになりますが、多くの辞書では”a number of”は”several”(いくつかの)という意味であり、むしろ”many”の意味はないとすら説明するものもありました。
ただし、前述のCollinsでは”in the sense of various”(=様々な)という記述や、”several different”(=複数の異なる)という定義づけもされています。
さらに、その意味では、類義語として”many”が挙げられてもいます。その他の文献や、実際に英会話の講師に聞いてみたところ、
·アメリカでは”a number of”=”many”
·文脈によって、”many”の場合もある
という意見もありました。
したがって、”a number of”=”many”は、必ずしも誤りではないということが言えそうです。あるいは、国や地域、状況や人によって「たくさんの」という意味が適切な場合があるかもしれません。
しかしながら、後ほどご紹介する”a large number of”のような類似表現で「たくさんの」を表すことができるので、自分自身が「たくさんの」を表したい時にはそういった表現を使う方が無難かもしれません。
自分が聞き手·読み手の際は、文脈に注意を払って「いくつかの」なのか「たくさんの」なのか判断する必要があります。
ここで少し余談!
下記記事では、「Concern」と「Problem」の違いについてご紹介しています!ニュアンスが似ていて間違えやすい表現なので、下記記事を読んで正しい使い方を学んでいきましょう♪♪
”a number of”の使い方
“a number of”の使い方で注意が必要なのは、動詞の複数形を伴うことです。
“the number of”が「数」について言及しているため、動詞は単数形になるのに対し、”a number of”はあくまでも”a number of X”の”X”の部分、つまり複数の人やものが主語になるからです。ここがthe number ofとの大きな違いであることをぜひ覚えてください。
例文を見ながら以下で詳しく見ていきましょう。
”a number of”の基本的な使い方
“a number of”の基本的な使い方を見るために、まずは例文を見てみましょう。
- There were a number of causes for the accident.(引用:Cambridge Dictionary)
(その事故の原因はいくつかあった。)
ここでは”a number of”が主語の”causes”(=原因)を修飾しているので、- There were (a number of) causes (for the accident).で、つまり「原因があった」がメインの文となり、”was”ではなく、複数形である”were”が使われています。
これは”a lot of”(たくさんの)と同じと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
- There are a lot of problems / people.
(たくさんの問題がある / 人がいる。)
“a lot of”も「ある、ひとつの」を表す冠詞”a”が使われていますが、動詞は複数形の”are”が使われています。また、”a number of”は通常、疑問文や否定文では使われません。
【応用編】”a large/huge number of”
上の”a number of”の基本的な使い方では、文法的な部分について解説しました。ここでは、”a number of”を応用した表現についていくつかご紹介します。
はじめにご紹介するのは、”a large/huge number of”です。
“large”も”huge”も「大きい」や「巨大な」を表す言葉で、それらをともなって「たくさんの」を意味します。
- A large number of people have applied for the job.
(たくさんの人がその仕事に応募した。)
※apply for:(仕事などに)応募する
例えば上の例で人数が少なかった場合には、”small”が使えます。
- A small number of people have applied for the job.
(その仕事に応募した人は少なかった。)
ただし、”small”の方は日本語の「たった◯人」の「たった」のような感覚で”just”を先につけた方が自然だという人もいます。
- Just a small number of people have applied for the job. 数字が「大きい」「小さい」を表す言葉をともなって、それぞれ「たくさんの」「少ない」を意味しますが、”big”や”little”は使えないので注意しましょう。
【応用編】”numbers of”
“a number of”の代わりに”numbers of”を使うこともできます。ただし、”numbers of”単体で使う用例は、筆者が調べた限りでは確認できませんでした。
どういうことかというと、
·huge numbers of ~
·great numbers of ~
- Great numbers of people gathered at the event.
(そのイベントには大勢の人が集まった。)
【応用編】”quite a number of”
“Quite a number of”も「たくさんの」を意味する表現として使うことができます。
- Quite a number of cases of the flu have been reported already.(引用:Cambridge Dictionary)
(すでにたくさんのインフルエンザの事例が報告されている。)
【応用編】”any number of”
これまでの表現と同様、”any number of”も「たくさんの」を意味します。
- Any number of students come to school by bus.
(多くの生徒はバスで通学しています。)
a number ofとthe number ofの違い まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はnumber ofの ”a number of”と”the number of”の意味と使い方の違いについて解説いたしました。
“the number of”は、主に単数形の動詞をともなって”The number of X is ~.”で「Xの数は~だ。」という構文で用いられます。
“a number of”は複数形の動詞をともない、「いくつかの」という意味を表します。文脈によっては「たくさんの」というニュアンスを含むこともあります。
また、類似表現の
·numbers of
·any number of
“a number of”が「たくさんの」を意味するかは、ネイティブスピーカーによっても見解が分かれるため、ネイティブスピーカーの友人や英会話の講師に直接聞いてみるのもよいかもしれません。

東京出身·在住のSaMと申します!大学では哲学を専攻し、スポーツ関係の職に就くも、アイルランドへの語学留学を決意し退社。帰国後、Cambridge英検 FCE、TOEIC920取得。国際的な英語教師の資格であるCELTA、そしてTOEIC990の取得を目指し、現在もNative Campで英語学習を継続中。英語教師・日本語教師・翻訳家・カレー屋さんのパラレルワークを実現すること、そして小説家になるのが夢です!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.