南米の隠れた英語圏:ガイアナ共和国の魅力を知ろう

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「ガイアナ共和国」という名前は聞いたことはあるけど、詳しいことを知っている人は日本には少ないでしょう。

ガイアナ共和国は、南アメリカ大陸の北部に位置する、比較的小さな国です。2015年に油田が発見されてからは、日本でもたびたびニュースになっていますね。

そんなガイアナですが、実は南米で唯一、英語が公用語になっている国ということは意外と知られていません。英語が通じるのなら、観光にも行きやすいですね。

今回の記事では、そんなガイアナ共和国の歴史や魅力、旅行の際のアドバイスなどをまとめていきます。まだ広く知られていないおすすめ観光スポット、ガイアナ共和国について、先取りで知ってしまいましょう。

ガイアナ共和国:南米で英語を話す国

前述したとおり、ガイアナ共和国は南米で唯一英語を公用語にしている国です。

南米で使われている主な言語は、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、フランス語、そしていくつかの先住民族の言語です。

英語が通じる国は南米にいくつかありますが、公用語に設定している国はガイアナ共和国だけなのです。

ガイアナ共和国の基本情報

まずは、ガイアナ共和国の基本的な情報を見ていきましょう。

・位置

ガイアナ共和国は、南アメリカ大陸の北部に位置しています。北は大西洋、東はスリナム、西はベネズエラ、南はブラジルに隣接しています。ほぼ赤道上に位置しており、インドネシアやマレーシアと似た、高温多湿の気候です。

・人口

ガイアナ共和国の人口は79万人で、山梨県の人口と同じくらいですね。

・面積

ガイアナ共和国の面積は、21.5万平方キロメートルで、日本の本州よりやや小さいくらいです。

本州の大きさの土地を、山梨県民と同じ数の人間が使っているので、土地的にはかなりゆとりを持って暮らしているということになりますね。人口密度が少ないので、自然も多いです。

・首都

ガイアナ共和国の首都はジョージタウンです。

あとで詳しく見ていきますが、ジョージタウンは海に面しており、賑やかなマーケットや、植物園や動物園など、家族と週末に出かけるような観光スポットに溢れています。

現地の人も遊びに来る場所ですね。ガイアナ共和国に旅行に行く際は、必ず訪れたい都市です。

・宗教

ガイアナ共和国の国民は信仰心が強く、国民の4.3%のみが無宗教です。もっともポピュラーな宗教はヒンドゥー教、その次がキリスト教、次いでイスラム教です。

・通貨

ガイアナ共和国で使われている通貨は「ガイアナ・ドル(GYD)」です。旅行で訪れる際は、現金を用意しておくのが無難でしょう。ガイアナ・ドルは流通量の少ない通貨なので、現地で両替することになります。

ガイアナ共和国で英語が話される歴史的背景

それにしても、広い南アメリカ大陸で、なぜガイアナ共和国のみが英語圏となっているのでしょうか?

面積も人口も世界トップレベルのブラジルに隣接しているのだから、ブラジルの言語のポルトガル語が主流になっていてもおかしくなさそうですよね。この疑問は、ガイアナ共和国の歴史を学んでいくことで、解消されるでしょう。

イギリス植民地時代の影響

現在ではガイアナ共和国は、独立国家ですが、かつてはおよそ150年もの間イギリスの領土でした。その影響から、今でもイギリスの文化が強く残り、公用語も英語のまま、というわけです。

植民地になった過程や、現在に至るまでの歴史を、少し細かく見ていきましょう。

・ヨーロッパ人が来る前

ガイアナは、西暦1500年頃にイギリス人やオランダ人が来航したことによって、大きく変化しました。しかしその前まではアラワク人、カリブ人、ワラオ人などが狩や漁などをしながら暮らす地域でした。

・コロンブス来航による変化

変化のきっかけとなったのは、1498年のクリストファー・コロンブスの渡来です。最初の来航では、何事もありませんでしたが、コロンブスが場所を突き止めたため、それ以来ヨーロッパの人々が相次いでやって来るようになりました。

その後ガイアナはイギリス人の新たな活動の場となり、入植(開拓地や植民地に移り住み生活すること)が進められたのです。

・オランダとイギリスによる植民地化

しかし、先にガイアナの植民地化に成功したのは、当時ブラジルを支配していたオランダでした。その後イギリスは1814年のナポレオン戦争のごたごたをきっかけに、オランダの領地となっていたガイアナを、自国の植民地とすることに成功します。

そして当時のイギリス王ジョージ3世の名前を取り、ガイアナの首都はジョージタウンと名付けられました。

・独立まで

イギリスが植民地化に成功したあとは、政治システムの整備、労働環境の改善などが進められ、ガイアナは国として良くなっていっている様に見えました。

しかし1953年に行われた初の総選挙で、レーニン主義、スターリン主義をお手本としていたチェディ・ジェーガンが勝利したことで、イギリスは不安を覚えました。

ガイアナが社会主義国家になってしまうのではないかと、心配になってしまったのです。そこでイギリスは、軍事力を駆使して、ガイアナ憲法を停止し、より直接的な支配を始めました。社会主義化は防げたものの、この圧力によりガイアナ国民の独立運動がより盛んになってしまったのです。

その後は、国内での意見の分裂や暴動などを経て、ガイアナはイギリス連邦王国の1つとして独立を果たすのです。これが1966年のこと。最初は社会主義を目指していたガイアナ政府でしたが、結局共和制の国家を作ることになり、今のガイアナ共和国ができあがりました。

・独立後

独立後しばらくは、貧困や人種的な対立のため、政情不安が続いていました。

しかし2019年に油田が採掘されはじめ、経済は安定し、今では南米でもっとも豊かな国になるのではないかと、専門家の間で言われるほどの国になりました。

南米諸国で話されている言語一覧

イギリスに支配されていたことはもちろんですが、イギリスから受けた恩恵も多くあるため、ガイアナ共和国では今でも英語が使われている、ということが分かりましたね。

さて、ここでは、ガイアナ共和国以外で使われている言語に注目してみようと思います。

そもそも南米ではどのような言語が主流なのかを知ることで、ガイアナ共和国がどれほど特殊かを理解していこう、ということです。

また、ガイアナ共和国を旅行するさい、近くのブラジルや、南部のアルゼンチンなども回ってみたいですよね。そこで使われている言語を知っておいても、損は無いでしょう。

以下が、南米の12カ国で使われている言語のまとめです。

アルゼンチン-スペイン語
ウルグアイ-スペイン語
エクアドル-スペイン語
ガイアナ-英語
コロンビア-スペイン語
スリナム-オランダ語
チリ-スペイン語
パラグアイ-スペイン語、グアラニー語
ブラジル-ポルトガル語
フランス領ギアナ-フランス語
ベネズエラ-スペイン語
ペルー-スペイン語、ケチュア語、アイマラ語
ボリビア-スペイン語、他36の先住民言語

やはりスペイン語が多めですね。ポルトガル語もスペイン語と近いところがあるので、基本的な日常会話くらいはスペイン語でもなんとか大丈夫でしょう。また、公用語ではないですが英語が通じる地域もあります。

ガイアナ旅行の魅力

ここまで記事を読んでくれた人は、ガイアナ共和国に少し興味がわいてきたのではないでしょうか?

ガイアナ共和国は、日本人の観光地としてはまだまだマイナーですが、これからどんどんポピュラーになるのでは、と言われています。ガイアナ旅行の魅力を、先取りで知っちゃいましょう。

ガイアナの魅力1:自然が豊か

前述しましたが、ガイアナは日本の本州ほどの大きさがありながら、人口は山梨県民くらいです。そのため、手つかずの自然が多く残っています。

世界トップクラスの長さを誇るカイエチュール滝や、まるでテーマパークのような見た目のオリンデュイック滝、冒険映画に出てくるような雰囲気のデメララ川など、自然を直に感じることができるスポットがいっぱいです。リフレッシュにはもちろん、写真撮影にも持ってこいです。

ガイアナの魅力2:国際色豊かな料理

様々な民族や人種で成り立っているガイアナでは、様々な種類の料理が楽しめます。インド料理が特に人気です。イギリスの植民地時代に、同じくイギリスの領地だったからインドから多くの労働者が派遣されたため、インドの文化が色濃く残っているのです。

他にも、カリブの国々と近いこともあり、カリビアン料理も楽しめます。グルメな方にも、ガイアナはおすすめなのです。

ガイアナの魅力3:意外と多い映えスポット

南米にはブラジルやアルゼンチン、ペルーといった「ザ・観光地」が多くあります。それに比べると、ガイアナは劣ってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、実は多くの「映え」スポットがあるのです。

例えば、首都ジョージタウンで行われるマーケットは、色とりどりの食べ物とたくさんの人で溢れかえり、他の国では見られない風景を写真に収めることができるでしょう。

また、ガイアナは街並みの美しさでも有名です。西洋風の建物が多く建ち並び、中でも聖ジョージ大聖堂はファンタジーアニメに出てくるような美しさです。ガイアナは「映え」の穴場スポットと言えるでしょう。

ガイアナ訪問のためのヒントとアドバイス

ガイアナを訪れるさいに、いくつか注意しておくことがあります。

・治安

ガイアナには陽気でやさしい人が多いですが、治安がいい国とは言えません。スリや窃盗だけでなく、凶器をともなう犯罪率も高いです。ガイドを雇うなどして、身の安全を確保するようにしましょう。

・交通

観光地として注目されてきているとはいえ、まだまだ観光後進国と言わざるを得ません。

観光スポットに行くためにセスナ機で行かなければいけないこともあり、時間通りに移動が出来ないこともしばしばあります。ガイアナを訪れるさいは、スケジュールに余裕を持つようにしましょう。

・海外旅行初心者には向かない

ガイアナは素敵な国ですが、観光客に対する設備がまだ整っていません。ガイアナにたどり着くまでに飛行機を何本も乗り継がなければいけませんし、日本語が通じる人もほとんどいません。

海外旅行の経験が少ない人は、旅行会社のツアーや、ガイドと一緒に訪れるのが良いでしょう。

まとめ

「南米は英語しか話せないとキツイ」という認識の人は多いです。しかしその南米にも、ガイアナ共和国という「英語OK」の国が存在するんですね。ますます英語力の重要性について、認識させられます。

ガイアナ共和国のように、英語さえ喋れればやっていける国は世界中にいくつもあります。様々な国について調べて、英語学習のモチベーションにつなげてみてはいかがでしょうか?また、海外旅行に備えて英会話を学びたいのであれば、ネイティブキャンプがおすすめです。

ネイティブキャンプのレッスンは、従来の一律の教科書に沿ったものではなく、個人に合わせたカスタマイズレッスンです。「海外旅行に行きたいから英語を学びたい」ということを伝えれば、それに合わせたレッスンを行い、最短距離で希望の英会話力を身に付けることができます。無料体験レッスンも行っているので、ぜひチェックしてみてください。

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