今回は、「穴」を英語でどう表すか解説していきます。「穴」と言えば英語でholeですが、果たしてこの英単語は鼻の穴や針の穴にも使えるのでしょうか。それぞれの単語の表現のニュアンスを理解し、使い分けられるように準備しておきましょう!
穴とは
「穴」を英語で言う時、何の穴なのか、どういう穴なのかによって使うべき単語は異なります。
複数の単語があるので、一般的に使われる使い勝手の良い単語だけでなく、限定された意味で使う単語についても注目していきましょう。
hole
holeは、皆さんご存じ一般的に「穴」を表す英単語です。幅広く使えるため、特に限定したい意味がないならholeを使って問題ありません。
We saw a hole three metres across in the road.
道に直径3メートルの穴があったんだよ
英語で「直径」と言うのは難しそうに感じるかもしれませんが、実は簡単!「数字+across」でOKです。acrossは「~を渡って」という意味合いで、across the road「道を渡って」などと使います。直径は円の端からその反対側までなので、acrossという表現が合います。
ちなみに、metreはイギリス英語です。アメリカ英語の-erのスペルは、イギリスでは-reとなりがちです。centreやtheatreがそうですね。
He punched a hole in these papers.
彼はこれらの紙に穴を開けた
「穴を開ける」のように動詞とセットで使いたいのであれば、この場合は「開ける」相当するのがpunchになります。「パンチ」というと拳を使った攻撃を先に思い出してしまう方も多いと思いますが、ここでは「穴あけパンチ」のことを思い浮かべましょう。そう考えると意外と日本語になっている英語も多いですよね。
My mother drills a hole in a wall.
お母さんが壁にドリルで穴を開けてる
壁などに穴を開ける場合、その時に使う道具をそのまま動詞として使う場合もあります。この例文の場合はdrillですね。
日本語訳をする時には「穴を開ける」と訳してもいいのですが、それでは「ドリルを使って穴を開けた」というニュアンスが伝わりません。文脈やシチュエーションによって和訳を工夫することをおすすめします。名詞と動詞が同じスペル、同じ音の単語も珍しくないので、語順に気を付けて訳してみてください。
My father fills up a hole that my mother drilled.
お父さんが、お母さんがドリルで開けた穴をふさいでいる
「穴をふさぐ」と言いたいのであれば、動詞にはfillを使いましょう。何かを詰める時に使えます。
Moths have eaten a hole in my socks.
虫が靴下に穴を開けた
虫によって衣服に穴が空いた場合、「虫が穴を食べた」という直訳になるのがこちらの例文です。eat a holeで、「虫が穴を開けた」となります。動詞にはeatの代わりにmakeが使え、「穴を作る」と表現しても問題ありません。日本語的には、虫は穴ではなく靴下を食べたので違和感があるかもしれませんが、この例文でも伝わります。
(地面の)pit
地面の穴と限定して言いたいのであれば、pitが使えます。特別に地面に空いた穴であることを強調したいわけではない場合はholeが代用できます。
Many children dig a pit in the ground.
たくさんの子供たちが地面に穴を掘っている
上記の例文のpitもholeで置き換えて構いません。
「穴」が用いられる日本語表現を英語で表現してみよう
「穴」は英語でholeでしたが、ここからは「穴」が使われる日本語表現を英語で表現してみましょう!
また違う単語が使われるので、関連表現、同義語としてセットで覚えてみてくださいね。
落とし穴 trap、pitfall
落とし穴は、英語でtrapやpitfallと言います。日本語でも罠のことを「トラップ」と言いますね。
また、先ほど地面の穴はpitと言うと解説しましたが、それに「落ちる」というニュアンスのfallをくっつければpitfall、つまり「落とし穴」となります。
trapは文脈によって比喩的な表現として使われることもありますが、pitはそのまま「地面の穴」という意味で使われます。比喩的表現とは、例えば「落とし穴のある問題にひっかかる」などです。
ちなみに、野獣を捕まえるための落とし穴はまた違う単語を使い、a game pitやa deadfallと言うので間違えないようにしましょう。
The teacher walked into a pitfall that was made by students.
その先生は、生徒が作った落とし穴に落ちた
「落とし穴に落ちた」と言いたい場合、動詞には例文のようにwalk intoで「落とし穴に歩いて入って行った」と言うこともできますし、fall intoを使って「落とし穴に落ちて行った」と表現することもできます。
また、「落とし穴にかかる」という和訳に近いのはbe caught in a trap/pitfallで、受動態のbe caughtが「捕まった」と表現できます。「落とし穴」に限った意味ではありませんが、「罠」という意味でsnareも使えます。
ただし、文脈がないとどのような罠なのかわからないので注意が必要です。
鼻の穴 nostril
「鼻の穴」は英語でnostrilと言います。nose holeではないので注意しましょう。
日常的に使われる表現で、会話の中でも小説の中でも出会うことが多い英単語です。普通、鼻の穴は2つあるので複数形で使います。
Don’t pinch my nostrils!
鼻つままないで!
日本語では、「鼻をつまむ」とは言っても「鼻の穴をつまむ」という表現はしませんね。例文を直訳すると違和感のある日本語になってしまいます。
ちなみに、もう少し堅い表現では「鼻孔」を表すnarisがあります。ペアで覚えておきましょう。
針の穴 the eye of a needle
「針の穴」は、英語でthe eye of a needleと言います。こちらもholeを使いませんね。needleは「針」という意味です。
特徴的なのは、「穴」に当たる英単語がeyeになっていることです。「目」という意味ですから、「針の目」という表現ですね。普通、人間にも動物にも目は2つあるので複数形で使いますが、針の穴の場合は針1本につき1つしかないので単数形で使います。
Where’s the eye of a needle? My eyes are getting worse these days.
針の穴はどこ?目がどんどん悪くなってきててね
この例文の場合、「針の穴」を指すeyeと、この針の穴を探している人のeyeがかぶっていることがわかりますね。しかし、和訳してしまうとその言葉遊びもなくなってしまいます。
穴があったら入りたい the ground swallows me up
「穴があったら入りたい」という表現は、the ground swallows me upで表します。直訳すると「地面に飲み込まれたい」です。
何か恥ずかしいことが起きて、穴に入って自分自身を隠してしまいたい時に使う表現です。日本語でも英語でも、恥をかいたら地面に入ってしまいたいという同じ表現になるのが面白いところです。
I was so ashamed at the wedding party that the ground swallowed me up.
結婚式パーティーでめちゃくちゃ恥をかいたので、穴があったら入りたかった
墓穴を掘る dig one's own grave、backfire
「墓穴を掘る」は、dig one's own graveやbackfireを使います。digは「穴を掘る」という動詞、graveは「墓」です。
He often backfires, so he’s really funny.
彼はよく墓穴を掘るから面白いんだよね
耳の穴かっぽじって聞け pin your ears back
「耳の穴をかっぽじって聞け」という表現の場合は、pin your ears backを使います。そのままイディオムとして覚えてしまいましょう。
Pin your ears back! I’ll only say it once!
耳の穴をかっぽじって聞け!1回しか言わないよ!
虎穴に入らずんば虎子を得ず Nothing ventured, nothing gained
Nothing ventured, nothing gainedは「冒険をしなければ何も得られない」という意味です。日本語のことわざにすれば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」に相当します。
You know, “Nothing ventured, nothing gained”. Just hang in there.
“虎穴に入らずんば虎子を得ず”って言うじゃん。頑張れよ
同じ穴の狢 birds of a feather、the same kind
birds of a featherもthe same kindも、「同じようなもの」「似たようなもの」を指します。
They are the same kind, I think.
彼らは同じ穴の狢だと思うけどね
まとめ
「穴」は英語でholeですが、穴にまつわる表現もまとめて覚えて語彙力を一気に増やしてみましょう。
ここでご紹介した表現は比較的日常表現で使えるものが多いので、実際に使用できるシーンも多いと思いますよ!
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.