日本は地形的に山地が多いこともあり、森林はたくさんの人にとって身近な存在になっています。
普段は都会や宅地で過ごしている方でも、遠足やハイキングで森林公園に行ったり、栗拾いやキャンプで休日を森の中で過ごしたりと、色々な形で接点を持っているのではないでしょうか。
森林や森を英語で表現する場合、日本人にとって 一番馴染みがあるのは ”forest”(フォレスト)かもしれませんが、実は ”forest” 以外にもいろいろな言い方があります。
今回は、森に関する英単語にはどんな種類があるのか、また色々な英単語をどんな風に使い分けていけばいいのかについて、詳しく解説していきます。
forestとwoodsの違いとは
日本の農林水産省では、自然にできた樹木の密集地を「森」、人工的に作られた樹木の密集地を「林」と定義しています。(参照:違いがわかる事典 https://chigai-allguide.com/cw0234/)
とはいえ、実際の生活では、人工的に作られた公園の木立が「市民の森」と呼ばれていたりもしますし、「森」という言葉が「自然にできた樹木の密集地を森と呼ぶ」という認識とはズレた使われ方をしている場合もよく見られます。
もともと「森」という言葉は「盛り」と同じ語源から発生したと言われており、「木が多く生えていて、こんもりと盛り上がっているところ」という意味があります。
一方、「林」の語源は「生やす」を名詞にした「生やし」だと言われており、「人の手によって木を生やしてあるところ」を意味しています。
「森」と「林」を合わせて「森林」とよぶこともありますが、これは「森」=「自然に作られた木々の密集地」と「林」=「人の手が入った木々の密集地」を足したもの、つまり「木々が密集して生えているところ」という意味になりますね。
そんな「森」や「森林」を意味する英単語としてよく用いられるのが、 ”forest”と ”woods” です。
たとえば次のように和英辞典で「森」を意味する英単語を調べてみると、 ”forest”と ”woods” の両方が記載されています。
森(もり) [名]
‣ forest
• 森の中の散歩 a walk through the forest
‣ wood 英
• 暗い森で道に迷った. We were lost in a dark wood.
(引用元:オンライン版ロングマン現代英英辞典)
”forest”と ”woods” はどちらも「森」という日本語の英訳だということになりますが、逆に ”forest”と ”woods” を英和辞典で確認してみるとどうなるでしょうか。
forest
1 森林, 森, 山林
wood
1 Image of wood《C, U》 材木, 木材, まき, 薪
2 the woods 《常に複数形で》 樹林, 木立
3 《常に単数形で》 英 森, 林
(引用元:オンライン版ロングマン現代英英辞典)
”forest” は英和辞典でも「森/森林」という意味のままですが、”wood(s)” の方にはいくつかの意味が出てきました。
”wood” という英単語には、素材としての「木材」という意味があります。
また、定冠詞+複数形の ”the woods” という形で使うと「樹林」という意味になり、またイギリスにおいては単数形の ”wood” でも「森/林」という意味になります。
このように、”woods” は ”forest” よりも使い方のバリエーションが多くありますね。
”forest”と ”woods” はどちらも「森」という日本語を英訳したものではあるものの、意味としては全く同じものではないし、使うときにも区別が必要になりそうだということがお分かりいただけるかと思います。
また、”forest”と ”woods” の類義語として、”grove” という英単語もあります。こちらは「森」と訳されることは少ないのですが、日本語でいう「木々が密集して生えているところ」という概念にあてはまる言葉で、ネイティブスピーカーの方はよく使います。
ここからは ”forest”と ”woods” の意味や使い方について、また類義語である ”grove” についても、深掘り解説していきたいと思います。
Forestの意味と使い方
”forest” は、前述したとおり「森/森林/山林」といった意味をもつ英単語です。
「森」といっても小さなものから大きなものまでいろいろとありますが、”forest” は大森林や樹海などの、人里から離れたところにある自然のままに広がる大きな森、といったイメージです。
クマやシカなどの野生動物がいたり、本格的なトレッキング装備を用意して向かうような森には ”forest” を使うのがぴったりですね。
<例文>
While walking through the forest, I came across a bear.
森の中を歩いていたら、クマに出くわしました。
The fire destroyed almost all of the forest.
その火事で、森林のほぼ全域が焼失しました。
woodsの意味と使い方
”woods” は「森/森林/林/木立」などを意味する英単語です。
”wood” はもともと「木/木材」を意味する単語で、その ”wood” の複数形である ”woods” は 「”wood” がたくさんある」=「木がたくさんある」=森、というようなイメージになります。
”forest” と違い、”woods” は「人間が快適に立ち入ることのできる、安全な森」といったニュアンスがあります。そういう意味では、日本語での「森」よりは、「林」に近いかもしれません。
散歩できる小道があったり、鳥やリスなどの小動物と触れ合ったりできる、いわゆる里山のような人の手の入った森 = ”woods” だと考えてもよいでしょう。
<例文>
We found a small house with a yellow roof in the middle of the woods.
私たちは、森の真ん中で黄色い屋根の小さな家を見つけた。
My sister and I had lunch in the woods.
妹と私は森の中で昼食をとった。
I always run through a small path in the woods.
私はいつも森の中の小道をランニングしている。
「森」を意味するときには、”the woods” というように、”the” をつけて、複数形の形で使われることが普通です。
ただし、イギリス英語では単数形の ”wood” でも「森」という意味を表すことができます。
<例文>
He was lost in a dark wood.
彼は暗い森で迷子になってしまった。
groveの意味と使い方
“grove”(グローブ)は、 ”forest” や “woods” よりも規模の小さい森を指す英単語です。
小さめの林や木立、また果樹園のことを指すこともあります。天然林よりは、人工的に作られた林を指すことが多いため、都市部の自然公園を指して使われることもあります。
<例文>
The students sat down near the grove and had a rest.
生徒たちは木立の近くに腰を下ろしてひと休みした。
There was a small grove near my grandmother's house.
おばあちゃんの家の近くには、小さな木立があった。
ちなみに、”grove” に綴りが似ている英単語がいくつかあります。綴りは似ていても意味は全く違いますので、間違えないように注意しましょう。
grove 林、木立
glove 手袋、グローブ
globe 地球、球体
そのほかの関連表現
森や林に関連する他の英語表現も確認していきましょう。
竹林
アジア地域を中心に生育する竹は、欧米の方にとってはオリエンタリズムを感じさせる珍しい植物として認知されています。
中でも京都の嵐山で見られるような竹林は、海外からの観光客に大変人気のある観光スポットとなっています。
「竹林」は、英語で ”bamboo grove” や ”bamboo forest”と言います。
<例文>
I highly recommend going to the Arashiyama bamboo grove path.
嵐山の竹林の小径に行くのがすごくおすすめだよ。
In the bamboo grove, bamboo shoots appear in spring.
竹林では、春になるとたけのこが生えてきます。
山火事
森林では時として山火事が起こることがあります。日本ではあまり見られませんが、海外では毎年のように山火事が自然発生したりもします。
山火事は、英語で ”wildfire” と言います。
<例文>
No one thought a wildfire would happen.
山火事が起こるとは誰も思わなかった。
Many ponds have been established in this area to prevent wildfires.
この地域では山火事を防ぐためにたくさんの池が作られた。
あつまれどうぶつの森
「あつまれ どうぶつの森」は、任天堂から2020年3月に発売されたゲームソフトです。
無人島や森を舞台に、どうぶつたちと触れ合ったり、釣りや虫取りを楽しんだり、インテリアやエクステリアをコーディネートしたりと、自宅にいながらにしてスローライフを楽しむことができるゲームとして、発売以来全世界で人気を博しています。
日本語名が「あつまれ どうぶつの森」という名前なので、英語では ”forest” や ”woods” を使った名前がついているのでは?と思われがちですが、実は「あつまれ どうぶつの森」の英題は
Animal Crossing New Horizons
と言います。
”Animal” は「動物」、”Crossing” は自動詞 ”cross” (交差する、交わる)の動名詞で、「交わること」という意味です。後半の ”new horizon” は「新しい視野/新しい地平」という意味で、意訳すると「これまでとは違う、新しい生活」といった意味になります。
まとめ
「森」を表す英語について、意味や使い方の違いを解説してきました。
”forest” 以外にも ”woods” や ”grove” といった表現があり、それぞれにイメージしている森の雰囲気や大きさが異なるということがお分かりいただけたのではないかと思います。
英会話の中で「森」について話すシチュエーションがあったら、ぜひ実際に使ってみてくださいね!

◇経歴(英語を使用した経歴)
高校時代にイギリスへ短期留学。
大学院進学の傍ら、TOEICスコアアップや海外留学、海外旅行を経験。
社会人生活を経て、現在は英語に関するWEBコラム記事を執筆中。
◇資格
TOEIC900
◇留学経験
・ロンドン:2週間 Harrow School
・ハワイ島:2週間 Universal English Academy
・バレンシア:3週間 don Quijote Valencia
◇海外渡航経験
留学:イギリス、ハワイ、スペイン
旅行:イタリア、チェコ、アメリカ、メキシコ、韓国、モロッコ、フランス、デンマーク、フィンランド、スイス、ハンガリー、ベルギー、オーストリア
◇自己紹介
ラジオ基礎英語をきっかけに英語の世界へ。理系専攻ながら英語を磨き、留学や旅行で色々な国を訪れた。結婚を機にWEBライティングを始め、現在は二児と共に英語ライフを楽しんでいる。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.