英語を学習していると、「fill in」と「fill out」は、どちらも「記入する」と習います。
そこで疑問に思うのが、これらの違いは何なのかということ。気にせず暗記すれば良いのかもしれませんが、それでは納得いかないこともありますよね。
学校ではとにかく詰め込めば良かったのですが、それではネイティブスピーカーと同等レベルの英語には到達できません。
今回は、「fill in」と「fill out」の違いについて解説していきます。
- fill in・fill out 違い
- fill inの使い方とニュアンス
- fill outの使い方とニュアンス
- Fill out this form Fill in the blank
- その他の表現
- まとめ
fill in・fill out 違い
「fill in」と「fill out」の違いは、結論から言ってしまえば意味は同じで、そこまで大きな違いはありません。
しかし、フレーズとして使う際には片方しか使わないものもありますし、ちょっとしたニュアンスの違いもあるのでこれらを細かく見ていきます。
「fill in」と「fill out」は、両方「記入する」や「書き込む」と訳します。ただ、用紙に記入する場合、イギリス人は「fill in」を好む傾向にあり、アメリカ人は「fill out」を好む傾向にあります。
しかし、国や地域によって使われることが多いのはあくまで傾向であるため、「自分はその表現を使わないけれど、聞けばどういう意味か問題なくわかる」というレベルです。
どちらも覚えておけば、イギリス人の英語にもアメリカ人の英語にも対応できるので、片方しか覚えないのはちょっとグローバルではないかもしれませんね。
自分が使うのであれば、イギリス英語とアメリカ英語を意識しましょう。また、以下で「fill in」と「fill out」のニュアンスの違いも解説するので、ちょっとした違いにも目を向けられると良いですね。
fill inの使い方とニュアンス
「fill in」の意味は、前述したように「書き込む」や「記入する」です。
使い方はいたってシンプルで、特に変わったルールなどはないため、そのまま動詞として使ってください。
この用紙に記入をお願いします。お名前と、性別、住所です
こんな感じですね。
用紙に記入をする場面では、このように相手に記入をお願いすることが多いでしょう。役所や銀行など、生活のあらゆる場面でありますよね。
最近ではネットでできることも増えているので、パソコンやスマホ画面でこのような例文と似た表現が表示されるかもしれません。
「fill in」のニュアンスは、用紙の一部にのみ書き込むといった感じです。
しかし、ネイティブスピーカーでも地元以外ではまた違ったニュアンスがあるかもしれないと言っているので、英語を学ぶなら、行きたいエリアの英語について、現地の人に聞くのが一番です。
特定の地域によって言葉の使い方やニュアンスが異なることは珍しくありません。
今回は、カナダ人のネイティブスピーカーの方が感じる「fill in」のニュアンスをご紹介します。それほど、「fill in」と「fill out」は似た表現であるということですね。
また、あるフレーズでは「fill in」しか使わないというものもあるのですが、それはあとで解説します。
fill outの使い方とニュアンス
「fill out」の使い方も特に例外的なルールはないため、通常の動詞として使えます。意味も「書き込む」「記入する」でOKです。
そうなると、「fill in」と「fill out」の違いがなさそうですが、唯一意味的な違いがあるとするならば、「fill out」は用紙全体に書き込むというようなイメージがあることです。
しかし、用紙の一部に書き込むニュアンスがまったくないかというとそうでもないため、あくまでイメージの問題ですね。
「fill out」も、特定のフレーズの中ではこれしか使わないというものがあるのですが、それは「fill in」と「fill out」をまとめて解説したいのであとに回します。
応募用紙に記入した?
このように、「fill in」ではなく「fill out」で書かれていた場合、ニュアンスとしては、応募用紙全体に書いたかどうか確かめていると捉えてみてください。
Fill out this form Fill in the blank
それでは、特定のあるフレーズの中には、「fill in」と「fill out」のどちらか一方しか入らないということを解説しましょう。
そのフレーズはこちらです。
Fill in the blank
皆さんは、このどちらのフレーズも聞いたことはありますか?もしあるのなら、fill out the blankというと、多少の違和感を感じるかもしれません。ここまでの感覚があるなら、相当ネイティブスピーカーに近く、英語レベルが高い学習者と言えます。
「Fill out」は、用紙などにすべてを記入するニュアンスを持っているため、そのあとにはthis formなどが続くのが普通です。
例えば、以下のような例文があるとしましょう。
Please fill out this form.
こう言われた場合、用紙の一部を記入するのではなく、用紙の空欄全部に記入しなければならないことを指します。
訳すときには「Fill in」と同じく「この用紙に記入してください」になりますが、よりニュアンスに忠実に訳すのであれば、「この用紙を全部記入してください」となります。
「fill in」は、「the blank」と相性が良いです。逆に、「fill out」は使いません。なぜなら、「fill in」には一部を記入するというイメージがあり、「fill out」には用紙全体に記入するというイメージがあるからです。
「the blank」は、「空欄」という意味であり、用紙の一部を示すため「fill in」を使うわけです。そこでできるフレーズが Fill in the blankなのです。
ネイティブスピーカーにとって、fill out the blankは言わない表現なので、使っている人がいると変な感じになるそうです。このあたりをきちんと理解して使い分けられれば、ワンランク上の英語レベルに到達できますね。
熟語というほどのフレーズではないかもしれませんが、ネイティブスピーカーが使わない表現を間違って使ってしまわないようにするためには、Fill in the blankはセットで暗記した方が良いでしょう。
例文として使うなら、一部を書き込んでほしいときに使うことを意識したいところです。
名前をご記入ください
名前なら、用紙の一部に該当することも多いので、このような例文には違和感が生じません。学生なら、テスト用紙の一部を記入する場合などにも使える表現ですよね。
「Fill out the blank」を使ってはいけないことはありませんが、決まり文句のようなものなのでわざわざ変える必要もないでしょう。
「説明はできないけれど、なんとなくこの言い回しはしない気がする」といった感覚は、とても大事なのでずっと持ち続けてくださいね。
ネイティブスピーカーに英語の解説を頼んでも納得できないことがあるのは、こういった「普段使うか使わないか」でしか判断できないことがあるからです。
私たち日本人でももちろんあることなので、言語を学ぶ外国人がいかに文法に気を付けているかがわかります。
自然に違和感があると思える人は、フレーズをたくさん使ってその言い方に慣れているからです。慣れていないと、違和感にも気付けません。よって、違和感を抱くのは英語をよく使っている、染み込んでいる人のみです。
その他の表現
「Fill in」と「Fill out」を使った表現で、「記入する」という意味にならないものもあります。
同じ単語を使っているので、混同しないようここで覚えておきましょう。
fill in for(人の代わりをする)
fill in for(人の代わりをする)は、熟語としてしっかり暗記しておきましょう。
「代理」という意味があります。「Fill in」の「記入する」という訳を「埋める」という意味に変換すると、「自分が空けた穴を埋める」という意味に納得がしやすいのではないでしょうか。
ほんとごめん。明日私の代理してくれない?
fill out(太る)
fill out(太る)も、使うには気を付けたい表現です。「記入する」とは違う意味になるので、誤解を生みやすいからです。
用紙に使えば「記入する」になりますが、人に使えば「太る」と意味が変わることを覚えておきましょう。人に記入することはできませんから、そこで意味が違うことはすぐにわかります。
しかし、すぐに適切な訳が見つからないと、スムーズな会話ができなくなるので暗記しておくべきです。
今週太っちゃったよ。あまりいっぱいお菓子を食べるのやめるって決めないといけないな
まとめ
日常会話では「Fill in」と「Fill out」はそこまで厳密に区別されるわけではありません。
しかし、決まり文句があるので「Fill out this form」と「Fill in the blank」は暗記しておきましょう。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.