「一つの日本語を表す英語表現がいろいろあって、一体どれを使ったらいいのかわからない⋯」と悩んだ経験はありませんか?
今回はその中でも「難しい」という意味のdifficultとhardについて解説します。
この記事を読めば以下のことがわかります。
・difficult とhardの使い方の注意点
・「難しい」の英語表現バリエーション
difficultとhardの違い
結論から言うと、difficultとhardはほぼ同じ意味。基本的にどちらを使っても大きな違いはありません。
「もっと細かいニュアンスを知りたい!」「適切な場面で使い分けたい!」という方のために、difficultとhardのニュアンスの違いについて解説します。
・hardは「肉体的」「精神的」努力が必要
・difficultは「深刻な話題」hardは「日常的な話題」で使われる
次の英文で、それぞれのニュアンスの違いを見てみましょう。
今日の宿題は、明日までに終わらせるには難しい:知識や技術の面で困難を伴う
今日の宿題は、明日までに終わらせるには難しい:量や時間など労力の面で困難を伴う
状況に応じてdifficultとhardを使い分けられると、より自然な表現になりますね。それぞれの細かい意味と使い方をみていきます。
人の特徴を表すdifficult/ hard に注意
「難しい」を表すdifficultとhard。
基本的に置き換えても問題はありませんが、「人の特徴を表す」場合はまったく意味が違ってしまうため要注意です。
Oxford Dictionary of English英英辞典では、それぞれの意味の定義を以下のように示しています。
(of a person) not easy to please or satisfy; awkward(喜ばせたり、満足させたりするのが難しい人、扱いづらい人)
(of a person) not showing any signs of weakness; tough(弱さを見せない人、精神的にも肉体的にも強い人)
つまり、difficultは「あつかいの難しい人」というネガティブな印象、hardは「困難に打ち勝つ強い人」というポジティブな印象を与えます。
人の特徴を表したい時には、意味の違いを理解した上で使いましょう。
difficultの意味と使い方
具体的なdifficultの意味と、適切な使い方について解説します。
difficultの意味・イメージ
difficultの意味の定義を「英和辞典」「英英辞典」でみてみましょう。
引用:ウィズダム英和辞典
引用: Oxford Dictionary of English
英和辞典ではほぼhardと同じ意味ですが、英英辞典での説明にdifficultの特徴がありますね。
difficultは「知識」を必要とする頭脳労働のイメージがあります。
difficultの一般的な使い方
difficultは、どんなふうに使われるのが一般的なのでしょうか。
基本的にdifficultはhardと置き換え可能ですが、difficultには以下の2点の特徴があります。
②「深刻な話題」で使う
実際に例文をみていきましょう。
エッセイを書くのに大変苦労しているところだ
トムは、苦しい立場にある
その問題で頭をかかえているところだ
それは私にとって難しい決断だった
それは、答えにくい質問だ
例文を見てわかる通り、diffficultの表す「難しさ」は知識や技術を必要とし、深刻な話題で用いられることが多いですね。
hardの意味と使い方
次に、hardの意味と適切な使い方について解説します。
hardの意味・イメージ
hardの意味の定義を「英和辞典」「英英辞典」でみてみましょう。
引用: ウィズダム英和辞典
引用:Oxford Dictionary of English
difficultが知識や技術レベルでの努力が必要なのに対して、hardには「肉体的」「精神的」な努力が必要であるという点に特徴があります。
hardの一般的な使い方
では、hardはどんな状況で使われるのが一般的なのでしょうか。
hardの特徴は以下の2点です。
②「日常的な話題」で使う
実際に例文をみていきましょう。
B: It’s hard to say [tell].
A: 銀行はお金を貸してくれるの
B: なんとも言えないな
インターネットがない生活なんて想像しがたい
夢というのは努力によって現実となる
大変な1日だった
彼がこの町に住んでいるなんて、考えにくいよ
それは答えにくい質問だ
hardを使った例文は「日常的な話題」のなかで、精神的、肉体的に難しいというニュアンスを表しています。
最後のhardを使った「答えにくい質問」は「プライベートな内容のため、答えにくい」など精神的に「難しい」という状況が想像できますね。
また、hardは口語表現や日常会話で好まれて使われています。difficultは3音節、hardは1音節でできているため、hardのほうが容易に発声できるからです。
その他の似た表現
「難しさ」「困難さ」を表すその他の関連英語表現を紹介していきます。
英語初心者のうちは、つい同じ単語ばかり使ってしまいがち。日本語では似たような意味でも、違う英単語を使ってみることをおすすめします。
場面や状況に応じて英単語を使い分けられると、初心者からの脱却も見えてきますよ!
complex
complexは「複雑な、入り組んだ」という意味。「いろいろな状況がからみ合って難しい」状況で使える表現です。
これは込み入った議題だから、話し合う時間がもう少し必要だ
この機械はあまりに複雑で、使い方を理解するのが難しい
tough
toughには「厳格な(規則など)」「きつい(仕事など)」「厳しい(状況など)」というネガティブな意味と、「(人が)たくましい、辛苦に耐えられる、不屈の」というポジティブな意味があります。
厳しい時代は長くは続かないが、不屈の人は生き残る
レポーターたちは、多くのきつい質問を投げかけていた
tough「きつい、厳しい」はhardと同様、日常的な話題の中で口語表現として使われます。いつもhardを使っていた人は、toughを使って「きつい!」と表現してみましょう。
troublesome
troublesomeは「面倒な」「扱いにくい」「わずらわしい」という意味。
解決までの道のりに時間がかかったり、手間がかかったりする場合に使われます。また「やっかいな、手のかかる(人)」など人の特徴を表すこともできます。
彼は手のかかる子どもだ
我々はこの面倒な状況を乗り越えなければならない
「面倒な」を表すtroublesomeは少しかしこまった表現。日常会話ではあまり使わないので理解しておきましょう。
まとめ
この記事では、「難しい」と言いたい時にdifficultとhardどちらを使えば良いのか?を解説しました。
まとめると以下のようになります。
・difficultは「知識」「技能」を必要とする
・hardは「肉体的・精神的な忍耐」を必要とする
・difficultは「深刻な話題」hardは「日常的な話題」で使われる
・人の特徴を表す場合に要注意
・difficult「気難しい(人)」/ hard「強い(人)」
このような細かいニュアンスを使い分けて英語を話すことで、英語中上級者へレペルアップできますよ。
これからも英語学習の感度を高めて、勉強していきましょう!
◇経歴
・四年制大学の英語専科を卒業
・アメリカ通信高校の卒業を目指す生徒のコーチング1年
・都内進学塾にて英語講師(早慶クラス担当)3年
・東京のインターナショナル幼稚園にてスクールマネージャー3年
・公立中学校英語科教諭4年
・小中学校のALT(外国籍英語指導者)の補助、英語通訳(現在)
◇資格
・TOEIC 880点
・英検準1級
◇海外渡航経験
留学経験はありませんが、インターナショナル幼稚園でのスクールマネージャー時代は、同僚の先生はみんなネイティブ。
日本人スタッフも生徒もオールイングリッシュだったため、海外のような環境で勤務していました。
◇自己紹介
こんにちは!ライターの横石あいです。留学経験はありませんが、日常英会話は問題なし!
今まで英語に関わる仕事にかかわりながら、英語力を磨いてきました。
こちらの記事では、30年以上の英語学習歴を活かして「今日から使える英語フレーズ」をわかりやすく解説しています。
ネイティブキャンプさんのような学習ブログやオンライン英会話を利用すれば、ネイティブと会話できるほどの英語力は身に付きますよ!
一緒に英会話力アップを目指しましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.