【differenceとdifferentの違いを解説】簡単な覚え方や関連表現を紹介

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見た目がほぼ同じで、語尾がちょっとだけ違う単語がよくあります。今回取り上げるのはそのなかでも頻繁に使うことのある「difference」と「different」

辞書を引くと、「difference」「違い」「相違」「different」「違う」「異なる」などと同じような意味が書いてあり、使い分けや覚え方が難しいと思う人も多いのではないでしょうか。

2つの単語の大きな違いは、「difference」は名詞で、「different」は形容詞という点。例外も少なくはないのですが、一般的に、「-ence」で終わる単語は名詞、「-ent」で終わる単語は形容詞です。この点はしっかり覚えておきましょう。

「difference」は名詞なので「主語」「目的語」「補語」「前置詞の目的語」などとして使うことができます。一方、「different」は形容詞なので通常名詞の前に置いて名詞を修飾したり、「補語」になったりします。

こうしたことも含め、今回の記事ではあらためて「difference」と「different」の違いについて、例文とともに分かりやすく説明していきたいと思います。

なお、「difference」には「区別をつける」という動詞としての使い方もありますが、日常的な英会話ではあまり見かけないため、今回は割愛させていただきます。

differenceの意味と使い方

名詞differenceの意味と使い方

ひとつ目の単語はdifferenceです。differenceは名詞だという点をまず押さえていきましょう。品詞が異なる点がdifferenceとdifferentの違いを理解するための第一歩になります。

名詞「difference」には主に以下、3つの意味があります。

①違い、相違、区別、変化
②数や量の差や差異、差額
③意見の不一致、不和、紛争

前述のように、differenceは名詞ですので、文の「主語」「目的語」「補語」、そして「前置詞の目的語」として使うことができます。

また、「difference between 〜」のように、前置詞「between(〜の間の)」と一緒に使われることも多いです。次から、3つそれぞれの意味を例文とともに解説します。

①違い、相違、区別

「difference」の一つ目の意味は、「違い」「相違」「区別」などです。比較的抽象的な意味ですね。特に「違い」はdifferenceがよく使われる意味となります。

この意味の「difference」は基本的には不可算名詞(数えられない名詞)なのですが、以下の例文にもありますように、何か具体的なものを指す場合は可算名詞(数えられる名詞)として使われ、冠詞の「a、an」が付いたり、複数形になることもあります。

There's a big difference between the two.
その2つの間には大きな違いがあります。
I just found a minor difference.
ささいな相違しか見つからなかった
I cannot tell the difference between the twins.
私にはその双子の区別ができません。

ちなみに、There’s no difference between A&B.という英文は、AとBに違いはないことから、AとBは同じだ、という意味で使用されます。

②数や量の差や差異、差額

「difference」の二つ目は、数や数量の「差」「差異」「差額」という意味になります。

この意味の「difference」も、基本的には不可算名詞なのですが、やはり、何か具体的なものを指す場合は可算名詞として扱われます。

Actually, the temperature difference between Tokyo and Okinawa in summer is slight.
実際のところ、夏の東京と沖縄の気温の差は少ない。
What's the time difference from Japan to New York?
日本とニューヨークの時差はどのぐらいですか?
I will pay the difference.
差額を支払います。

③意見の不一致、不和、紛争

「difference」の三つ目の意味は、「意見の不一致」「不和」「紛争」です。この意味での「difference」は、通常、可算名詞として使われます。

We have a difference of opinion with our boss.
我々は上司と意見が異なっています。
There are irreconcilable differences between George and Nancy.
ジョージとナンシーの間には和解しがたい不和があります。
We are talking about how to settle differences among countries.
我々は、諸国間の紛争の解決法について話しています。

もし、不和があっても、We made a differenceにすれば元の状況に影響を与えた、のようにすることができます。

differenceを使った熟語や慣用表現

「difference」を含む熟語や慣用表現もいろいろあります。ここでは使える表現をいくつか紹介しましょう。

make a difference

上でも紹介しましたが「make a difference」「重要である」「影響する」「違いを生じる」といった意味です。海外の広告などでもよく使われるフレーズです。

A good book makes all the difference.
優れた本というものは大変に重要です。
It makes no difference to me who becomes the prime minister.
誰が総理大臣になろうと、私にとっては同じことです。

bury one's differences

「bury one's differences」「意見の相違を乗り越えて協力する」「不和を拭い去る」といった意味です。

イギリス英語では「bury」が「sink」になり、「sink one's dífferences」という言い方をします。

You two should bury your differences, or we cannot proceed anymore.
あなた方2人は意見の違いを乗り越えるべきですよ。そうしないと我々はもう先に進めません。

make up the difference

「make up the difference」は「差額を埋め合わせする」という意味です。

I forgot my wallet and only have five dollars in my pocket. Can you make up the difference in the bill?
財布を忘れちゃったの。ポッケに5ドルしかないわ。勘定の差額分を払ってくれませんか?

What's the difference?

英会話によく登場する「What's the difference?」は「どこが違うの?」という意味です。

また反語的に「大した違いはないんじゃない?」というような使われ方もします。

Same difference.

「Same difference.」「同じ事だ」「同じ物だ」「違いなどない」といった意味です。

differentの意味と使い方

形容詞differentの意味と使い方

次に紹介するのはdifferent、ディファレントとdifferenceの違いをみていきましょう。

「different」は形容詞です。大きく分けて、

① 違う、異なる
②さまざまな、種々の
③珍しい、独特で、風変わりで

という3つの意味があります。

形容詞ですので、名詞を修飾したり、文の中で「補語」として使われたりします。次から、differentそれぞれの意味を例文で紹介します。名詞のdifference、そしてdifferentは形容詞という意味を考えながら読み進めてください。

①違う、異なる

よく使われるのが「違う」「異なる」という意味の「different」です。

また、「be different from A」という形で「Aとは違う」「Aとは異なる」という意味になります。アメリカ英語では「from」の代わりに「than」を使って「be different than A」、イギリス英語では「to」を使って「be different to A」になることもあります。

We are all different in character.
私達は皆、性格が異なります。
My opinion is different from yours.
私の意見はあなたと違っています。

意味としては「異なる」「違う」ということなのですが、日本語に訳す場合は、「different」をわざわざ訳に出さなくてもよい場合もあります。以下がその例です。

My kid came back home with homework for three different classes.
私の子どもは3つの授業の宿題を持って家に帰りました。

②さまざまな、種々の

「different」には「さまざまな」「種々の」という意味もあります。この意味の場合は、通常、名詞の前で使われます。異なる様々なタイプ、様々なやり方など、使い方を覚えると表現するのに便利です。

We have many different kinds and colors of sweaters.
さまざまな種類と色のセーターを用意しています。

differentをこの意味で使用する際に、置き換えられるのはvarious(様々な・いろいろな)という形容詞です。

③珍しい、独特で、風変わりで

「珍しい」「独特で」「風変わりで」という意味もあります。自分の好みではないというニュアンスを暗に含むこともあります。

Your tattoo is a bit different.
あなたのタトゥーはちょっと変わっていますね。

differentを使った慣用表現

次に「different」を使った慣用表現をいくつか紹介しましょう。

That's different.

「それとこれとは別だ」「それはまた別の問題だ」と言いたい時、「That's dífferent.」が使えます。

That's a horse of a different color.

直訳すると「あれは色違いの馬です」という意味の「That's a horse of a different color.」は、「それは別の話です」というように訳されます。

上の「That’s different.」を強調したフレーズです。

Different countries have different foods.

「Different countries have different foods.」は直訳すると「国が違えば食べ物も違う」ですが、日本語の慣用句「所変われば品変わる」と同様の意味です。

土地が違えば風俗や習慣もそれぞれ異なるといったことですね。

その他の表現

ここまで、differentとdifferenceの違いをみてきました。語源が同じで見かけと意味が似ている「difference」と「different」は言ってみれば、英単語の“家族”のようなものです。

そしてこの家族には他にもメンバーがたくさんいます。

例えば、「differently(異なって)」「differ(異なる)」「differentiate(〜を区別する)」「differential(区別の)」「differentially(差別的に)」などなど。

それらの中から、ここでは、比較的よく使われる「differently」と「differ」について、意味と使い方を見ていきましょう。

differently / differ

「differently」「異なって」「違うように」といった意味の副詞です。

I’m concerned about my cat behaving differently from others.
私の猫が他の猫と違うように行動するのが心配なんです。
Please treat him no differently from other students.
彼を他の生徒とまったく同じように扱ってください。

一方、「differ」は動詞です。「異なる」「相違する」「意見が合わない」などの意味になります。

「be different」と「differ」は「異なる」という意味では同じように使えますが、動詞「differ」を使う方が比較的かたい表現です。

Customs differ depending on the country.
習慣は国によって異なります。

「be different from」と同様に「differ from」の形で「〜と異なる」です。

How do Australian oranges differ from American ones?
オーストラリアのオレンジはアメリカのオレンジとどう違いますか。

主に書き言葉で使われますが、「differ with」で「〜と意見が異なる」といった意味です。

Tom differed from his wife on that plan.
トムはその計画に関して彼の妻と意見が違っていました。

その他の語尾が ”-ence” “-ent” で終わる単語

「difference」と「different」の違いでも説明しましたように、基本的に「-ence」で終わる単語は名詞、「-ent」で終わる単語は形容詞の場合が多いです。

「diffrence」と「different」の場合は、元になる動詞「differ(異なる)」があって、

「differ(異なる)」+「-ence」=名詞:difference(違い、差異)
「differ(異なる)」+「-ent」=形容詞:different(異なる、別々の)

という風になったと考えてもいいでしょう。

このような単語の組み合わせはほかにもたくさんあります。一組セットで覚えてしまうと効率がいいと思います。

では最後に、「difference」「different」のように語尾が「-ence(名詞)」「-ent(形容詞)」で終わる単語のペアの中から、比較的よく使われるものを紹介しましょう。

名詞 / 形容詞

absence / absent
いないこと、欠席、不在 / 欠席して、休んで、不在で
affluence / affluent
豊かさ、裕福、富裕 / 豊かな、裕福な、豊富な
ambience / ambient
雰囲気、環境 / 周囲の、環境の
competence / competent
能力、力量、適正 / 有能な、力量のある、適任の
confidence / confident
信用、信頼 / 自信にあふれた、大胆な
convenience / convenient
便利、便利なこと、好都合 / 都合のよい、便利な、使いやすい
dependence / dependent
頼ること、 世話になること、依頼 / 頼っている、依存している
evidence / evident
証拠、根拠 / 明白な、明らかな
excellence / excellent
優秀さ、卓越 / 非常に優れた、優秀な
independence / independent
独立、自立 / 独立した、独立の
innocence / innocent
無罪、潔白 / 無罪の、潔白な
intelligence / intelligent
知能、知性、理解力 / 知能の高い、聡明な、理解力のある
lenience / lenient
寛容、寛大さ / 寛大な、甘い
magnificence / magnificent
豪華、壮麗、壮大 / 壮大な、壮麗な
patience / patient
忍耐力、我慢強さ、冷静さ / 忍耐強い、我慢強い
presence / present
存在、姿を見せること / 存在して、含まれて
silence / silent
無音、静けさ / 沈黙した、無言の
violence / violent
暴力、乱暴、暴行 / 暴力的な、乱暴な、凶暴な

そして、本記事で取り上げているdifference(名詞)とdifferent(形容詞)も、このパターンであることがお分かりですね。

differenceとdifferentの違い まとめ

いかがでしたか?今回の記事では、見た目は似ているけれども品詞が異なり、使い方や意味に注意しなければならない「difference」「different」について解説しました。

また、この2つと同様に、語尾の変化によって品詞が異なる主要な単語についても概観しました。

複数の単語が同じ語源から生まれているケースは大変多いです。単語のファミリーとして、一緒に覚えてしまうと効率的だと思います。

またその際、「-ence」だと名詞、「-ent」だと形容詞のことが多い、といった語尾変化のルールをしっかり押さえておくと意味や使い方を覚えやすくなります。使える語彙を増やしてコミュニケーションの幅を広げていきましょう。

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