動詞「dig」の基本的な意味は「掘る」ですが、その他にもいろいろな意味があり、たくさんの使い方があります。
今回は「掘る」だけではない動詞の「dig」のさまざまな意味と使い方を例文を交えて紹介します。
digの意味とは?
まずは読み方から。「dig」はあえてカタカナで表記するなら、「ディグ」と読みます。発音記号だと /díg/ などと書かれることが多いです。
また「dig」は不規則変化をする動詞です。過去形や過去分詞にしたい時に「-ed」はつけません。「dig」の「現在形 – 過去形 – 過去分詞」は「dig – dug – dug」です。
現在分詞にする時は「digging」となり、「g」が2つ重なりますので注意しましょう。
基本的な意味は「掘る」です。そしてそこから広がって、「探し出す」「調査する」「食べる」「好き」「理解する」「合図をする」など、いろいろな意味で使うことができます。
以下、それぞれ解説していきましょう。
探し出す、掘り起こす
「dig」には、掘って何かを「探し出す」、地面の土を「掘り起こす」などという意味があります。
これらの意味の場合、「dig」が他動詞として使われる時と自動詞として使われる時とでニュアンスが少し異なりますので、以下にそれぞれ説明しましょう。
他動詞として使う場合
①「dig」の最も基本的な意味は、人や動物が、穴、トンネル、井戸など「を掘る」「を掘って作る」、地面や土地など「を掘る」です。
They dug a hole with a shovel to build their house.
彼らは家を建てるためにスコップで穴を掘った。
This grave is newly dug.
この墓は新しく掘られたものです。
Digging a well when the house is on fire.
泥棒を捕らえて縄をなう。
※「Digging a well when the house is on fire.」はことわざです。直訳すると「火事になった時にそれを消す井戸を掘る」ですね。 事態が起こってから慌てて対処する、もう間に合わないタイミングで策を練る、悠長なことをしている、というような意味です。
②土地から何か埋まっている物など「を掘り起こす」「を掘り出す」という意味もあります。畑から野菜などを掘り出す時にも使います。
また、ここから、比喩的に、苦労して物や情報など「を探し出す」「を引っぱり出す」「を発見する」といった場合にも使うことができます。
We will dig sweet potatoes in the garden this afternoon.
私たちは午後、畑でさつまいもを掘ります。
My mom dug her old clothes out of a walk-in closet.
お母さんはウォークイン・クローゼットから古い服を引っぱり出した。
自動詞として使う場合
①自動詞として使う「dig」は、「away」「down」「out」「in」「into」「through」「for」などの副詞や前置詞を伴って、「〜の中を(土地などを)掘る」「〜を求めて(土地などを)掘る」「掘って進む」「(遺跡などの)発掘をする」といった意味になります。
We dug away two hundred meters underground.
地下約200メートルまで掘った。
They dug down too deeply.
その会社は穴を深く掘りすぎた。
We dug deep into the ground.
私たちは地面を深く掘った。
I am digging through the snow.
雪を掘りながら進んでいます。
I dug for gold around the world when I was young.
若い頃は金を探して世界中の土地を掘った。
②「in」「into」「through」「for」などの前置詞と組み合わせて、「〜の中に手を入れる」「〜を求めて手を突っ込んで探す」などの意味にもなります。
He dug into his pocket for some coins.
彼はポケットの中に手を入れて硬貨を探した。
The police officer dug through a garbage bag.
その警官はゴミ袋の中を捜索した。
調査する
「dig into」「dig for」には、「調査する」「調べる」という意味があります。徹底的に掘り下げて調べるというニュアンスがあります。この場合の「dig」は自動詞です。
I dug into his past.
彼の過去を徹底的に調べた。
The journalist is digging into corporate scandals at the moment.
現在、そのジャーナリストは企業の不祥事を徹底的に調査している。
The prosecution is going to dig into this case.
検察はこの事件について調査をする予定だ。
I dig for information in newspapers every day.
私は毎日、新聞から情報を探している。
また、「調査する」という類義語には「investigate」や「research」があります。参考のために以下に例文を挙げましょう。
I investigated what was going on.
私は何が起こっているのかを調べた。
I do some research before buying a house.
家を購入する前に少し調べます。
食べる
海外の映画やテレビドラマを見ていると、何かを掘ったり調べたりしているわけでもないのに、会話の中で「dig in」「dig into」というフレーズが入ったセリフをよく聞きます。これらは「食べる」という意味で使われている場合が多いです。
「食べる」では普通「eat」がよく使われますが、「dig in」または「dig into」は、ガツガツ食べ始めるような、またはかぶりつくようなニュアンスを含んだスラング表現です。
とってもお腹がすいてすぐにでも食べたい!という時などにぜひ使ってみてください。
Let's dig in.
さあ食べよう。
Dig in!
さあ食べなさい。
Dig in before it gets cold.
冷めないうちに召し上がれ。
Time to dig in.
さあ食べよう。
He dug into dinner after working all day.
一日中働いた後、彼は夕食にむさぼりついた。
ちなみに、イギリス英語では「食べる」の「dig in」と同じ意味で、「tuck in」または「tuck into」というフレーズがあります。一緒に覚えておくことをオススメします。
OK! Let’s tuck in!
さあ、食べましょう!
~が好き、理解する
他動詞として使われる「dig」には、「〜が好き」「〜が好みだ」という意味もあります。
基本的には「like」と同じニュアンスです。このため「like」を使った文、例えば「Do you like spicy food?(辛い食べ物は好きですか?)」の「like」を「dig」に変えて、「Do you dig spicy food?」としても同じ意味になります。
この意味での「dig」もくだけた表現です。
I really dig this film.
この映画が本当に好きです。
My dog really digs you.
私のイヌは本当にあなたが好きだ。
She digs English and American literature.
彼女はイギリス文学とアメリカ文学が好みだ。
Ya dig?
気に入った?
※「ya」は「you」のことです。ここでの「dig」は「〜が好き」という意味で、「Ya dig?」で「気に入った?」という意味のスラング表現です。ラッパーがラップの歌詞の中でつなぎ言葉としてよく使っているフレーズでもあります。
さらに「〜を理解する」という意味も「dig」にはあります。
You dig?
理解できた?
Can you dig it?
理解できますか?
He digs modern art.
彼は現代芸術を理解している。
合図をする
他動詞の「dig」には「(人)に合図をする」という意味もあります。
よく使われるのが、「あばら骨」という意味の「rib」を使って、「dig someone in the ribs」という慣用表現です。「わき腹を突っついて(人)に合図する」という意味です。
「in the ribs」が入っていますが、実際にわき腹を突く場合もあれば、実際には突かずに単に「合図をする」という意味で使われる場合もあります。
ちなみに「dig」の部分を「〜を突く」「〜をつつく」という意味の「poke」という単語を使って「poke someone in the ribs」としても「dig someone in the ribs」と同じニュアンスになります。
I dig him in the ribs.
私は彼をつついて合図をした。
I will dig you in the ribs when it's ready. Please wait until then.
準備ができたらあなたに合図します。それまで少しお待ちください。
また「合図する」という英語表現には、他にも「signal」「sign」などがあります。あわせて覚えておくといいでしょう。
She signaled us to start.
彼女は私に始めるよう合図した。
He signed to them that he was ready.
彼は準備ができたと彼らに合図した。
digの意味 まとめ
いかがでしたか?
今回は、「掘る」以外にも本当にたくさんの意味がある「dig」を取り上げました。
いずれも「掘る」という基本イメージから発展させて考えると、なぜそんな意味で使われるのかがだんだんわかってくるのではないかと思います。
また、どんな意味で使われているのかは、文の前後関係、いわゆる文脈や状況から判断することになります。
そういえば日本のDJ用語にも「digる(ディグる)」という言葉がありますね。これは「いい音楽を探す」というような意味です。このように「dig」はいろいろな場面で気軽に使われています。
ぜひ、覚えてアウトプットしてみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.