世界情勢を知る上で、報道番組の視聴は欠かせないですよね。そこでおさえておきたいのが、「取材する」ことを指す英語表現です。
「取材する」ことを指す英語表現には、様々なものがあります。中〜上級者の中には、「interview」や「report」を思いつく人もいるかもしれません。
しかし、中級以上の学習者でも、報道番組を見ていると、聞きなれない単語を耳にすることが多いのではないでしょうか。その耳慣れない単語こそ、「取材する」ことを表しているのかもしれません。
この記事では、「取材する」ことを表す様々な英語表現を紹介します。
「取材する」の英語表現
「取材する」ことを意味する英語表現として、最も一般的なのは「interview」です。
日本語でも「インタビュー」といいますよね。また、「レポーター」という日本語から、「report」という単語を思いつく人もいるでしょう。
しかし「取材する」ことを意味する英語表現は、「interview」や「report」の他にもたくさんあります。中には、日本人にとってなじみの薄い表現もあるので、詳しく見ていきましょう。
interview
「interview」は、日本語の「インタビュー」と同じく、一対一で相手に質問をして情報の聞き取りを行う意味での「取材」です。
「interview」は、「取材」という名詞としても、「取材する」という動詞としても使われます。ただ、注意したいのが、「interview」という単語は、就職活動などにおける「面接」というニュアンスの強い言葉だということです。
「I had an interview.」とだけ言うと、「取材を受けた」というより「(就職のための)面接があった」という意味で捉えられることが多いです。
「interview」を使う場合は、「面接」ではなく「取材」であることが分かるような表現を付け加えて使いましょう。
「取材する」という意味で「interview」を使った英語表現には、以下のようなフレーズがあります。
The reporter directly interviewed the celebrity in the middle of the scandal.
その記者は渦中の有名人に直撃取材をした
The student had an interview with the President.
その学生は大統領を取材した
「直撃取材」は英語で ”direct interview" といいますが、例文のように、副詞+動詞を使っても「directly interviewed」と表現することもできます。
また、インタビュー対象は、他動詞の目的語として表す場合と、自動詞と「with」を使って表す場合があります。一方で、「取材を受ける」ことを表すには、受動態「be interviewed」を使います。
I was interviewed for a documentary about the environment last month.
先月環境についてのドキュメンタリーのために取材された
また、「取材協力」の「協力」は、「cooperation」を使って表します。
This article was made possible by his cooperation in the interview.
この記事は彼の取材協力のおかげだ。
このように、「interview」は、人に対して一対一で聞き取り調査を行う「取材」を表す言葉です。
cover
「cover」は「覆う」という意味のイメージが強い単語ですが、ニュースなどを「扱う」という意味でも「cover」が使われます。
そして「ニュースなどのトピックを扱う」ということで、「取材する」ことを意味する単語です。
日本人にはなじみの薄い表現かもしれませんが、英語では非常によく使う表現です。ぜひおさえておきましょう。
「interview」が一対一の聞き取り取材を指すのに対し、「cover」の取材対象は、事件や事故現場などです。「cover」を使った例文は、以下のようなものがあります。
I am covering the elementary school where the accident happened.
私は事故のあった小学校を取材しています
Three years ago, I covered poor children.
3年前、貧しい子どもたちについて取材しました
また、以下のように、「取材する」という意味の「cover」は、「story」と一緒に使われることが多いです。
She is at the scene to cover the story.
彼女はハワイに現地取材に行っている
「現地取材」を表す名詞句はなく、「cover」と「取材をする場所」を併記することが多いようです。
coverage
「coverage」は、「cover」の名詞形で、「カバーしている範囲」を指します。
「報道範囲」や「取材範囲」という意味が転じて、「取材」を表す単語です。「cover」と同じく、「取材」という意味で非常に良く使われる単語なので、ぜひおさえておきましょう。
I’d like to run a very close coverage of his activity.
彼の活動に密着取材をしたい
I had media coverage on the case in question.
例の事件でメディアの取材を受けたよ
The new reporter seemed unfamiliar with shooting coverage.
新米リポーターは撮影取材に不慣れなようだった
「密着取材」は「close coverage」といいます。「密着取材をする」と言う場合は、「cover closely」ということもできます。「メディア取材」も「media coverage」と表現することが多いです。
「撮影取材」は「shooting coverage」という表現がよく使われます。ただ、「shooting(撃ちぬく)」も「coverage」もとっさに出てこない場合は、単に「photo interview」と言うこともできます。
report
報道番組などで「取材」を指す言葉として、最もよく使われる表現が、「report」です。
「report」はビジネスの現場では「報告」という意味でよく使われる単語ですが、新聞やニュースの場面では「報道」を意味します。
そのため、「report」は特に、「事件や事故現場、イベント会場での取材内容を報道すること」を指す単語です。「report」を使った例文としては、次のようなものがあります。
She reported the trial.
彼女はその裁判について取材した
This was Abigail reporting on the traffic accident that happened yesterday.
昨日発生した交通事故について、私アビゲイルが取材しました
「report」の取材内容について言及する時は、名詞や名詞句を目的語に取るか、「on」を使って表します。
news gathering
「gathering」という単語は、「gather(集める)」という動詞の動名詞形です。
「ニュースを集める行為」という意味で、「取材」を指す表現です。「news-gathering」とハイフンを用いて使用したり、「newsgathering」と一つの単語として扱われる場合もあります。
Reporting and news gathering is a matter of course.
報道と取材は、当然、自由なものである
ちなみに、news gatheringというフレーズに関連して、時折見かけるのが、ENGという取材方法です。
フィルムを用いないため、撮影済みフィルムの運搬と現像、そしてフィルムを切り貼りする編集作業が必要なくなり、テレビ番組制作の機動性・速報性が格段に高まりました。
Electronic news gathering system, also called ENG, was introduced to Japan in 1975.
電子的ニュース取材は、ENGとも呼ばれるが、日本では1975年に導入された
news gathering activities
「news gathering」と似たような表現として、「ニュースを集める活動」という意味の「news gathering activities」というフレーズも使われます。
When conducting news-gathering activities, please protect the privacy of those being interviewed.
取材活動を行う際は、プライバシーの保護をお願いします
I do not do news-gathering activities.
私は取材活動をしません
取材活動を「する」ことを表す時は、「conduct」を使ったり、シンプルに「do」を使ったりします。
まとめ
日本語の「取材」の対訳はありません。取材する内容により、「interview」や「report」、「coverage」などを使い分ける必要があります。
「interview」は、一対一の聞き取りで人に対して取材を行うことを表す単語でした。それに対し、「cover」や「coverage」の取材対象は、事故や事故現場です。そして、現場について取材した内容を報道するという意味で「report」が使われます。
単に「取材」を表す場合は、「news gathring」や「news gathering activity」というフレーズが使われます。
これらの表現の中で特に注意したいのが、「cover」と「coverage」です。日本人にはピンときにくい表現ですが、英語では非常によく使います。
報道番組を見る上で必須の知識といえるので、ぜひ覚えておきましょう。ニュースへの理解が一段階深まること間違いなしです。
◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.