韓国語の「話す」と「聞く」を関連付けた効果的な学習法

韓国語、アウトプット、ネイティブキャンプ

韓国語など語学習得では、4つの技能を習得する必要があります。4つの技能とは、「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」です。これらの4つの技能を習得することで、韓国語であれば総合的な韓国語能力がついたということになります。

この4技能ですが、大きく分けるとふたつに分かれます。ひとつがインプットで、もうひとつがアウトプットです。インプットは自分の中に韓国語の知識を取り入れるもので、アウトプットは取り入れた韓国語の知識を外に発するものです。

具体的には、「読む」と「聞く」がインプットで、「書く」と「話す」がアウトプットです。これらの4技能はそれぞれが互いに関連していますが、特に「読む」と「書く」、「聞く」と「話す」が密接に関連しています。

ところで、日本の韓国語学習者は、読解は比較的できる、作文も考えながらであれば、ある程度は書くことができる人が多いです。その一方で、会話がなかなかできるようにならない、聞き取りができないという悩みを持つ人が多いです。

実際、韓国語レッスンを受けたり、独学で韓国語習得を始めて数年経つのに、旅行会話もできない、韓国ドラマもほとんど理解できないという人が少なくありません。日本人が苦手とする「話す」と「聞く」の2つの技能ですが、先に触れた通り相互に密接に関連しています。

そのため、この2つを分けて勉強するのではなく、関連付けて一緒に学ぶことで効率的かつ効果的な勉強ができます。今回の記事では、韓国語の「話す」と「聞く」を関連付けた効果的な学習法について説明します。

アウトプットとは?

まず、今回の記事で大事なキーワードであるアウトプットから説明します。

アウトプットとは、韓国語などの語学習得に限って使われる言葉ではなく、いろいろな所で使われています。意味は「発信する」や「生み出す」で、自分の中から外に向けて何かを出すということです。

語学習得では、既に触れた通り「書く」と「話す」がアウトプットです。「書く」は文字を使って文を書くことで、「話す」は言葉を使うことでアウトプットするということです。

世の中のいろいろなところでインプットだけではなくアウトプットもすることが重要であると言われていますが、これは韓国語習得でも同じです。アウトプット学習をしない限り韓国語を話すことはできるようにはなりません。ですが、日本人はこのアウトプットが苦手な傾向があります。

日本人がアウトプットを苦手な理由

これは留学で外国に住んだりすると分かりますが、日本人は諸外国の人に比べるとアウトプットをしない傾向があります。

その理由として次のことが挙げられます。

自分の考えや意見を話すことに慣れていない

今ではSNSやYouTubeで自分の考えなどをアウトプットする機会があり、それを実践している人も増えています。

ですが、こういったことに対し未だに抵抗感がある人も少なからずいると思います。これは日本の文化的背景や学校教育の影響が大きいです。

私達は学生の頃から、学校の授業で自分の考えや意見を他の人に伝えたりする機会があまりありません。社会人になっても、職場の上下関係などが理由で自分の思っていることを伝えられないといったことが日本ではよくあります。

これが韓国語を話すことと何の関係があるのかと思うかもしれません。ですが、韓国語を話す以前に自分からアウトプットする習慣がなければ、それに慣れていないため韓国語を話すことにも影響するということです。なぜなら、韓国語を話すということは、自分の考えや意見を韓国語で相手に伝えることだからです。

インプットがメインの勉強をしている

日本人は勉強と言うと、その多くが知識を学んだり覚えたりするインプットをイメージすることが多いのではないでしょうか。

また、インプット学習は学校でずっとやってきた勉強方法に慣れているため、やりやすい方法でもあると思います。ところが、言語習得ではインプット学習だけをしていても総合的な韓国語能力の習得はできません。

これは、知識習得をすれば試験に合格はできても、会話ができない学習者が多いことからも分かります。そのため、アウトプット学習をする必要がありますが、インプット学習に多くの時間を取っている学習者が多いはずです。

その結果、アウトプットはほとんどしていないか、インプット学習で余った時間でやる程度しかしていない学習者は少なくないはずです。

アウトプット学習の方法を知らないから実践できない

ここまで触れて来た通り、日本人はアウトプット学習をインプット学習のように時間や労力をかけてしていないことが多いです。

アウトプット学習をしていない理由として、その方法を習うこともなく実践の機会もなかったため分からないことが挙げられます。

方法を知らなければ実践もできないため、アウトプットがどうしても少なくなってしまいます。このようにアウトプットはとても重要です。とは言っても、アウトプットだけやれば良い、アウトプットから始めれば良いわけではありません。

アウトプットの前にまずはインプットから始める

アウトプットは韓国語習得のためには重要です。

ですが、アウトプットをできるようになるためにはまずはインプットからする必要があります。その理由は、インプットでまず自分の中に知識を取り入れなければ、アウトプットで出すものがないからです。

よくある間違った学習方法として、会話ができるようになりたいからといきなり会話レッスンを受けたり、独学でも会話から始めようとすることです。

これは、韓国語初心者でまだ単語や文法知識のインプットが足りない場合、ほとんどできません。また、アウトプットである会話は、インプットより難易度が高いです。会話は、文を考えずに作ることができ、それを口からすぐに出すことができなければならないからです。

以上のことから、会話をするためのアウトプット学習自体は初級からすべきですが、ある程度のインプットができるまではアウトプット学習の割合は少な目でも良いです。

「話す」ためには「聞く」も必要

アウトプットである「話す」ができるようになるには、それだけをすれば良いわけではありません。

会話は、相手の話を聞き取り、それに対し自分が返すことをする必要があります。

このように、「話す」と「聞く」は相互に関連性があるため、別で捉えるのではなく「話す」と「聞く」はセットで学ぶ方が効果的です。

「話す」と「聞く」を関連付けた効果的な学習法

ここからは、「話す」と「聞く」を関連付けた効果的な学習法について説明します。

聞き取る前にまず自分が話せるようになる

韓国ドラマやK-POPなどを字幕なしで理解できるようになりたいという韓国語学習者が多くいると思います。

聞き取りができるようになりたいと、K-POPや韓国ドラマ、YouTubeなどの聞き流し動画を使いひらすら聞き取りをしている人もいるかもしれません。

ですが、聞き取りができるようになるには、まず自分が発音したり話せるようになる必要があります。その理由は、自分が発音したり話せない音は聞いても認識ができないからです。

韓国語の聞き取りの難しいポイントとして連音化や発音変化があります。連音化はパッチムのある語の後ろに母音が来ると音が繋がって発音されるもので、実際の綴りとは発音がズレます。

発音変化は、音と音の繋がりの関係で発音しやすいように音が変化するものです。これらは、発音規則を学んで規則だけ知って聞き取りをしてもなかなか聞き取りができません。

自分で実際にしてみることで、音の変化を実感することが必要です。ちなみに、発音や自分が話す韓国語は韓国人のようにできなくても問題ありません。

大人になってから外国語として韓国語を学び始めた場合、韓国人と同じレベルで発音をできるようになることはそもそも不可能です。

ですが、韓国人の発音とかけ離れた発音の場合は、聞き取る韓国語と自分が認識している韓国語に開きがあるため聞き取りもできません。そのため、一定水準でできるようになる必要があります。

自分が話すことを聞き取れるようにもする

繰り返しになりますが、会話は自分が話せるようになるだけではなく相手の言っていることを聞き取れなければ成立しません。

そのため、聞き取りをできるようになる必要がありますが、まずは自分が話すことを聞き取りでもできるようになればOKです。聞き取りのために別の教材を使ったりする必要はありません。

ある程度聞き取り力がついてきた段階であれば、更に聞き取り力を上げるために特化した教材などを取り入れることも良いです。ですが、初心者や初級の段階では関連付けて一緒に練習する方が余計な手間がかからずやり易いです。

自分に合ったレベルの教材で練習する

先の項目とも関連しますが、聞き取りは自分の今のレベルに合った教材でするようにします。

となると必然的に自分が今使っている教材を使うということになります。

自分のレベルに合わない教材を無理して使ったり、韓国ドラマやK-POPなど好きなものでやることを優先すると聞き取り力がなかなかつきません。

聞き取りは、自分のレベルに合ったものから少しずつ理解できるようになれば、自分が聞き取りたいドラマや音楽なども特別なことをしなくても徐々に聞き取れるようになります。

自分のやりたいことを直ぐにできるようになりたい気持ちは分かりますが、であればそれができるようになるベストな方法で練習をするようにしてください。

まとめ

ここまで「話す」と「聞く」を関連付けた効果的な学習法について説明してきました。

「話す」と「聞く」は相互に密接な関連のある技能です。「話す」ことができないということは「聞く」こともできない原因になります。

逆も同じことが言えます。そのため、この2つの技能は分けて考えて別々に学ぶのではなく、関連付けて効率良く学ぶようにしてください。

nativecamp.net

nativecamp.net