「無理難題」を英語で言うと?厄介な問題を押し付けられたときに使える表現

上司などに厄介な問題や不可能な問題を押し付けられたとき、「これは無理難題だ」「むちゃぶりされた」なんて感じる場面もあるのではないでしょうか。

では、その「無理難題」や「厄介な問題」というのを、英語ではどう言えば良いかわかりますか?

無理難題を国語辞書で調べてみると、「無理な言いがかり」「非常に困難な要求」「解決不可能なことがわかりきっている問題」などといった言葉が出てきます。

日本語の意味を噛み砕いただけでもさまざまな言い方ができますが、実は「無理難題」にあたる英会話表現もひとつではありません。

ぴったりイコールになる表現はないため、複数の単語を組み合わせることで、「無理難題」を意味する言葉を作ることになるのですが、類似表現が多いのです。

そこでこの記事では「無理難題」にあたる英会話表現を例文とともにご紹介していきます。さまざまな表現がありますが、使いやすそうなもの、覚えやすそうなものから覚えていきましょう。

Demandを使った「無理難題」

「無理難題」を英語で言う場合、1つの単語で表すことは難しく、形容詞+名詞という形で言い表します。その名詞として使える単語のひとつがこの「demand」です。

demandとは要求という意味で、これひとつでは「無理難題」の意味とは全く異なるのですが、この名詞に「不可能な」「道理のとおらない」というような形容詞を付けることで、「無理難題」と同じニュアンスにすることができます。

形容詞がそれっぽければ何でもOKなのですが、ここでは日常英会話の中でよく使われるものに絞って、例文とともに解説します。

Impossible demand

Impossible demandのImpossibleとは「不可能」という意味です。

ですから「impossible demand」は「不可能な要求」ということで、無理難題にあたる表現と言えるでしょう。文章にすると、こんな風に使えます。

My girlfriend likes giving me impossible demands.
僕の彼女は、僕に無理難題をふっかけるのが好きなんだ。

この表現を使う場合は不可能を意味する「impossible」を使っているため、多少困難はあっても「不可能」とまでは言えない場合は、別の表現を使うと良いでしょう。

ただし、わざと誇張して話したいなら、「impossible」を使ってもOKです。

Irrational demand

次にご紹介するirrational demandのirrationalとは、「理不尽」「非理性的」という意味の単語です。

つまり、irrational demandとは「理不尽な要求」ということ。無理難題の中でも、筋が通らないこと、道理にかなっていないことには、こちらの表現を使うと良いでしょう。

My boss always gives me irrational demands. I’m fed up with him forcing extra work on me.
私の上司はいつも理不尽な要求(無理難題)を押しつけてくる。余計な仕事を押し付けてくるので、うんざりしています。
Irrationalは理不尽・筋が通っていないというニュアンスがある言葉ですが、「不可能」というニュアンスはありません。

ですから、不可能っていうわけではないけど「なぜこんなことをしなければ?」なんて気持ちになったときには、この「irrational demand」という表現がぴったりです。

Unreasonable demand

こちらのUnreasonable demandは、irrational demandに非常に良く似た表現です。

Unreasonableというのは「理屈に合わない」「理不尽な」「法外な」というような意味の単語ですが、日本語の意味を見ただけでも、irrationalと似ていることがわかりますね。

しかし、この2つの単語のニュアンスは微妙に異なります。

Irrationalは「非理性的」という意味もあるように、その対象がどこか考えなしに行動しているようなニュアンスがあります。

つまり「irrational demand」と言った場合は、何も考えず理不尽な要求・無理難題を与えられたようなイメージです。

Unreasonableで語られる理不尽さには「考えなし」というニュアンスは含まれていません。考えなしなのかどうかは置いておいて、「理不尽」「理屈に合わない」ということです。

日本語を英訳するときには、このあたりの微妙なニュアンスも判断して使いたいですね。

では、Unreasonable demandの例文も見てみましょう。

A: Our boss tends to give us unreasonable demands.
B: Yeah, but it might be that he believes in us.

A:うちの上司はむちゃぶりしがちだよね。
B:そうだね。でも、僕らを信じてくれているのかもしれないよ。
無理難題を英語訳した場合、さまざまな表現が考えられるように、「unreasonable demand」が入った例文を日本語訳する場合も、訳し方はひととおりではありません。そのことについても一緒に覚えておきましょう。

Orderを使った「無理難題」

無理難題にはdemandを使った表現がぴったりですが、ほかにもorder=注文・命令といった単語を使った表現も、よく使われています。こちらも例文とともにご紹介しましょう。

Tall order

Tall orderは「無理難題」「難しい注文」「手に負えない仕事」などの意味を持つ熟語です。

英日辞典を見ると、「無理難題」という言葉がしっかり入っているため、「無理難題」を言い表したいときには一番しっくりくる表現かもしれません。

ちなみにtall orderのtallは背などが高いという意味ではなく、「大変な」「法外な」という意味です。ですから、orderと組み合わせることで、無理難題という意味が生まれるのですね。

Are you asking me to wake up at 5 am? That’s a tall order!
朝5時に起きろっていうの?それは無理な注文だ!
This is really a tall order but I’ll do my best.
本当に無理難題ですが、やるだけやってみます。

Large order

Tall orderと似た表現ですが、large orderも、「無理難題」「難しい注文」などの意味を持ちます。ただし、日常会話の中では、圧倒的にtall orderの方が耳にする機会が多いです。

ひとつ気をつけたいのは、「large order」には「大量注文」という意味もあることです。Large orderだと、文脈でどちらの意味なのかを判断する必要があるため、tall orderの方がよく使われているのかもしれません。

Tall orderとほぼ同じ意味であり、使い方も一緒ですから例文は割愛します。上記のtall orderでご紹介した例文を、そのままlarge orderに変えても、同じ意味になります。

Hot potato = 無理難題?

最後にご紹介するhot potatoという表現は、聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。こちらは「無理難題」「厄介な問題」「困難な問題」などを意味するスラングです。

スラングなので、カジュアルな場面でしか使わないものかと思いきや、意外とビジネス上での会話の中でも使われていたりするので、覚えておくと会話をスムーズに理解できるかもしれません。

無理難題と言っても、hot potatoの場合は、取り扱いが難しい、取り組みたくないような問題のことを指しています。また、常に「無理難題」という訳が当てはまるわけではないことにも注意しましょう。

We have a hot potato issue here.
私たちは取り扱いが難しい問題(無理難題)を抱えている
I dropped her like a hot potato. She has been irritating me for so long.
彼女のこと厄介払いしたの。ずっとイライラさせられてんだ。
この例文で出てきた「drop+名詞+a hot potato」というのは、厄介払いすることを言います。こうしてみてみると、なぜpot potatoが常に「無理難題」とは訳せないのかが見えてきたのではないでしょうか。

まとめ

無理難題にあたる表現は、まだまだあるかもしれません。しかし今回ご紹介したものだけ覚えておけば、会話がスムーズにできるようになるはず。

「使い方がよくわからない」「これであっているか不安」と感じる人は、ぜひネイティブキャンプの英会話レッスンで練習してみてくださいね。

講師を相手に練習すれば、間違いを正してもらえますし、それだけ記憶も定着しやすくなるはずです。

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